ザ・万字固め(万城目 学 文春文庫)
著者の小説は一つも読んだことがないのだが、朝日新聞の土曜版に連載されていた食に関するエッセイ連載(本書に収録)がとても面白かったので、本書の前作「ザ・万歩計」を読んでみたところ、これまた良かった(特にモンゴルの旅行記がよかった)ので、本書を購入した。
冒頭の「ナチュラル・ボーン」がいきなり良い。人間の骨に興味を持つ受験生が日本で唯一骨の研究をしている東大に8浪して入学する話。どうも作り話っぽいが、それでも面白かった。
冒頭で述べた新聞連載の中では、特に浜松?での鰻の話とモンゴルでのミルクティーの話がいい。
ギリシャの島々への旅行記(島をカブで走り回る話)は、景色の描写が素晴らしい。
そして、極め付きは「やけどのあと」。著者は配当目当てに東電株を1000万円分くらい買うが、その直後に東日本震災が発生して、東電株は大幅な値下がりを見せる。納得できない著者は株主総会に出席するが、かえって不条理感を強めるだけに終わる・・・という話。うーん、普通の人なら絶対表沙汰にしたくなさそうなこんなプライベートな話までネタにしてしまうなんて・・・作家の業というものでしょうか。
著者の小説は一つも読んだことがないのだが、朝日新聞の土曜版に連載されていた食に関するエッセイ連載(本書に収録)がとても面白かったので、本書の前作「ザ・万歩計」を読んでみたところ、これまた良かった(特にモンゴルの旅行記がよかった)ので、本書を購入した。
冒頭の「ナチュラル・ボーン」がいきなり良い。人間の骨に興味を持つ受験生が日本で唯一骨の研究をしている東大に8浪して入学する話。どうも作り話っぽいが、それでも面白かった。
冒頭で述べた新聞連載の中では、特に浜松?での鰻の話とモンゴルでのミルクティーの話がいい。
ギリシャの島々への旅行記(島をカブで走り回る話)は、景色の描写が素晴らしい。
そして、極め付きは「やけどのあと」。著者は配当目当てに東電株を1000万円分くらい買うが、その直後に東日本震災が発生して、東電株は大幅な値下がりを見せる。納得できない著者は株主総会に出席するが、かえって不条理感を強めるだけに終わる・・・という話。うーん、普通の人なら絶対表沙汰にしたくなさそうなこんなプライベートな話までネタにしてしまうなんて・・・作家の業というものでしょうか。