あるじは秀吉(岩井三四二 PHP文芸文庫)
秀吉の縁者や部下の視点から、秀吉が権力を握っていく過程で、人格や態度が変わっていく様を描いた連作集。
「堀尾茂助は秀吉に鬼とよばれた」がよかった。
中国攻めの途中、秀吉軍は別所氏の寝返りにあって苦戦を強いられる。別所氏の支城をせめるが、小規模なのに池や沼に囲まれた城に手こずる。何度も撃退されて味方についていた地元の土豪たちの士気は落ちる。弱気が充満した軍議の中で、部下からは「仏の茂助」とよばれていた堀尾茂助は、秀吉の腹を読んであくまで力攻めの続行を主張する・・・という話。
秀吉の土壇場でのリーダーシップが、「きっとこうだったんじゃないか」と思わせるようにうまく描かれていた。
他の6編は、いずれも中盤までのストーリー展開はとても面白いのだけど、どういうオチになるのかな・・・と楽しみにしていると、ラストはあっけないというか、あまりヒネリが効いているとは言いがたいような終わり方のものが多かった。
秀吉の縁者や部下の視点から、秀吉が権力を握っていく過程で、人格や態度が変わっていく様を描いた連作集。
「堀尾茂助は秀吉に鬼とよばれた」がよかった。
中国攻めの途中、秀吉軍は別所氏の寝返りにあって苦戦を強いられる。別所氏の支城をせめるが、小規模なのに池や沼に囲まれた城に手こずる。何度も撃退されて味方についていた地元の土豪たちの士気は落ちる。弱気が充満した軍議の中で、部下からは「仏の茂助」とよばれていた堀尾茂助は、秀吉の腹を読んであくまで力攻めの続行を主張する・・・という話。
秀吉の土壇場でのリーダーシップが、「きっとこうだったんじゃないか」と思わせるようにうまく描かれていた。
他の6編は、いずれも中盤までのストーリー展開はとても面白いのだけど、どういうオチになるのかな・・・と楽しみにしていると、ラストはあっけないというか、あまりヒネリが効いているとは言いがたいような終わり方のものが多かった。