蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

ディアドクター

2010年12月07日 | 映画の感想
ディアドクター

瑛太演じる研修医は、山奥の村の唯一の診療所へ派遣される。
その診療所の医師(鶴瓶)は、医師免許を持たないニセ医者だった。しかし、医学書を読み込んだりして体裁を繕ううち、村人から信頼を獲得することに成功する。
ニセ医者がほのかに好意を寄せる未亡人(八千草薫)は、末期ガンに冒されていたが、告知することができない。未亡人の娘(本物の医者)は、帰省時に母親の様子がおかしいことに気づくが、ニセものの検査結果を見せられてだまされてしまう。
ニセ医者であることがバレると、彼にあこがれていたはずの研修医、感謝していた村人ともに、みずからの不明をあばかれたことが悔しかったのか、彼を口々に非難する。


私は、子供のころ、すでにその頃にして中年の域に達していた八千草さんのファンだった。「岸辺のアルバム」は欠かさず見ていた。
でも当時(小学生)、学校で「好きな女優・歌手」として彼女の名をあげると、うろんな目でみられて「しまった」と感じた記憶がある。
歳を重ねても八千草さんはきれいだったけど、この映画でみるとさすがに老いが隠せないものになっているなあ、と思われた。

同じ監督の作品「ゆれる」に比べてサスペンス色をはらんだ緊迫感には欠けるけれど、負けず劣らず優れた作品だったと思う。ただ、ラストシーンには違和感があった。突然ホラー映画っぽいノリに変わってしまったように思えたのは、私の見方が悪いのだろうか。

他に印象に残るシーンは、ニセ医者であることがばれて逃げ出した鶴瓶が、実家の父親(認知症で彼を息子を識別できなくなっている)に電話する場面。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする