蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

フローズンリバー

2010年12月31日 | 映画の感想
フローズンリバー

主人公は中年の女性で15歳と5歳の子供がいるが、夫は家を買うための貯金を持ち逃げして蒸発中。
手付けを払ってしまっている住宅の買付資金に困って、ふとしたきっかけで知り合ったネイティブアメリカンの女性と、国境の凍結した川を渡りネイティブアメリカンの居留地を経由して不法移民を運ぶという、違法なバイトに手を染める。
何度か成功するが、ついに警察に見つかって・・・という話。

約1.5時間というほどよい長さの中で、貧困問題、原住民の問題(今でも居留地って部族による自治が行われていて、原則として州の警察権力も及ばないという事実は初めて知った)、移民問題という社会的テーマを取り上げながら、奇妙な友情と親子の愛情を描いて、エンタテイメントとしても「アート系映画」としても十分成立しているすぐれた作品。

こういう映画をいつも見ていたいよな、と思えるレベルで、私が今年見た映画ではナンバーワン。
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