蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

クラッシュ

2007年02月10日 | 映画の感想
アメリカ西海岸(ロス)を舞台にした人種間対立をテーマにした映画。

主に自動車に関するいくつかの事件が発生し、登場人物が対立し、いがみあい、時には和解し、極悪人かと思われた人にもいくばくかの良心が発見され、善人と見えた人が思いがけず悪事をはたらいてしまう。

短いエピソードがいくつも絡み合わせて順不同に描かれるし、登場人物も多い。しかし、監督の編集力が卓越しているためであろう、中盤以降、各エピソードの関連性が明らかになるにつれ、全体像が浮かび上がってくるように出来ている。

特に西海岸においては、人種対立なんて過去の話なのかなーと思っていたけれど、この映画を見る限り、解消どころか、最近むしろ先鋭化しているようにも見える。特にアファーマティブアクションの矛盾が強調されていた。

しかし、そうはいってもエンタテイメント映画ではあるので、あまり生々しいトピックは避けているような気もした。最近の人種間問題というとまずはヒスパニック系の話かな、とも思うが(ヒスパニック系の人も登場するが)あまり深刻な描写にはなっていなかった。
アファーマティブアクションって少々古めかしい話題のような気もするし、ある程度社会で消化済みのトピックを選んでいるのかもしれない。
コメント
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