蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

罠釣師

2006年09月30日 | 本の感想
罠釣師 (三浦明博 文藝春秋)

居酒屋を経営し、フライフィッシングが趣味の主人公は、ある釣場でおかしな雰囲気の老人とその孫娘と知り合う。やがて主人公はこの二人の怪しげなコンゲームにまきまれていく、という話。

釣りに関してほとんど知識がないので、かえってフライフィッシングに関する薀蓄が面白かったが、中盤以降コンゲームの話が中心になり釣りの話はほとんど出てこなくなってしまった。コンゲームの内容はスタンダード(悪くいえばありきたり)で、驚くようなオチはなかった。

太古の昔から、趣味としての釣りは全世界で継続的に多くの人を魅了してきた。しかし、釣をしたことのない私にはその魅力がわからない。竿を握って何時間もじっとしているのがどうしてそんなに面白いのか、と。この本では、釣りの魅力は、釣り場にくる度に釣れるか釣れないかやってみなければわからないギャンブル性にある、という主旨が何度かくりかえされているが、それなりに説得力があった。
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