蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

砂漠で溺れるわけにはいかない

2006年09月09日 | 本の感想
砂漠で溺れるわけにはいかない(ドン・ウインズロウ 東京創元文庫)

ニールケアリーシリーズ第5作にして最終話。自宅を離れてラズヴェガスへ行ってしまった元有名コメディアンの老人を連れ戻す指令を受けて、ニールが例によって悪戦苦闘する話。

第4作の「ウォータースライドをのぼれ」もそうだったが、シリーズ前3作とは違って軽いムードの中篇といった感じで、私がこのシリーズに求めていたものとはかなり離れてしまってとても残念。

「ストリートキッズ」とまではいかなくても、厭世感をただよわせて、世間とのかかわりを断った世捨て人のニールが、クールに事件に立ち向かう話を、もう一度書いてくれないものだろうか。

それにしても、本文250ページで720円は高いなあ。シリーズファンの足元をみてるって感じ。
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