蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

GOTH(僕の章)

2006年02月11日 | 本の感想
「GOTH(僕の章)」(乙一 角川文庫)

著者があとがきで述べている通り、ホラーの味付けがしてあるものの、叙述トリックもののミステリ。3つの短編が収録されてるが、狂言回し役は共通。「リストカット事件」のトリックが一番鮮やかだけれども、ホラーとしての出来は「土」の方が良くて、けっこう怖がらせてもらえる。「声」はこの作者としては珍しくちょっともたつき気味。

しかし、本編に負けず劣らずおもしろいのが(文庫版)あとがき。編集者が見たらのけぞりそうなことが書いてある。
乙一さんは、その作品もさることながら、あとがきやインタビューでの発言もとても楽しいものが多い。既存の作家に対するイメージを破壊するような発想や発言が目立つ。
コメント (1)
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