老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

「知らない誰かの痛み」への対照的な反応

2009-10-27 21:10:57 | 暮らし
鳩山総理が所信表明演説中に、どんなに努力しても職に就けなくて自殺してしまった息子さんをもつおばあさんの話に触れたとき、自民党の議員席から「そんなもの、どこにでもいるいるよ!」というヤジが飛んだという。

私は、のりピー事件に埋もれて端折った所信表明演説しか聞けなかったので事実を確かめようもないが、それが事実だとしたら、私達国民は「そんなもの」でありその息子さんも、ご家族も自己責任の名の下に「そんなもの」としてあしらわれていたのだろう。

先日駅の近くを歩いていたら「何かあの子キャバ嬢みたいじゃない」という会話が耳に入った。女子大生が殺害され、放火された事件の事を言っているのだと、すぐ分かった。21歳というこれから様々な可能性を秘めた年齢で、命を絶たれるというのは如何ほど無念であっただろう。ご本人にとってもご家族にとっても。

日本人て、「知らない誰かの痛み」に対しては鈍い国民なのだろうか。あの「そんなもの」という言葉でヤジを飛ばした国会議員もまた「知らない誰かの痛み」に対して鈍いから、「母子家庭加算」を平気で廃止したり「後期高齢者医療制度」や「障害者自立支援法」を平気で通したり出来たのだろうか。

法律は一度出来てしまえば、それがどんなに時代に合わない悪法であったとしても、法律が出来る前の状態に戻すのには時間もかかるしお金もエネルギーも必要である。

一方、今年日比谷の年越し派遣村に集まった人の数と寄付されたお金の金額を、私はまだ覚えている。あの災害の被災地のような状況の中で「私は医療関係者です、必要な人はいませんか」と本部に聞いて回っていた女性。「ボランティアどころか、こんな場所に来たのも初めてよ」と言っていた家族連れの方々。時間も、お金も、エネルギーも「見知らぬ誰かの為に」役に立てたいと手を挙げた人達。

年越し派遣村を始め今全国に広がりつつある活動は、関心を持つこと、行動する事の大切さと、迷惑をかけながらでも生き抜いていくこと、その時、必ず手を差し伸べる誰かがいるということを、教えてくれたような気がする。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
パンドラ
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戦争の証言「間違いなくあったこと」

2009-10-27 06:57:43 | 戦争・平和
南京事件から70年余が過ぎ、その場にいた日本人兵士は、もう80歳、90歳を越える。重い口を開いて語る6人の元日本兵と、7人の中国人被害者も加え、13人の話をまとめたドキュメンタリー映画が『南京・引き裂かれた記憶』だ。

http://www.uplink.co.jp/x/log/003199.php

この13人の陰には、南京にいた250人の元兵士、約300人の中国人被害者からの、10年をかけた聞き取りがあり、それらの証言は驚くほど一致していたという。 

1937年12月9日、日本軍は南京を包囲し、翌日から攻撃、13日に陥落させる。軍は進撃中から残虐行為を行い、陥落後の約6週間に女子どもを含む虐殺を行ったといわれる。長い間日本では、「南京大虐殺」はあったかなかったかという論争が続いている。

しかし元日本兵は「南京大虐殺はあったんじゃ」「まったくこれはあったんです。間違いなくあったことなんです」と語る。高齢だが、記憶はハッキリしている。忘れられないのだろう、自分がしたこと、自分の見たことを語る。映画の完成までに、亡くなられた方もいらして、生前によくぞ語ってくださったと思う。

数珠繋ぎにした捕虜を何列も何千人も並ばせ、揚子江のほとりで撃ち殺していったこと、すごい数の死体がぎっしりと揚子江に浮かんでいたこと、川岸の死体を銃剣で突き刺して確認したこと、男女を問わず倉庫に放り込んで蒸し焼きにしたこと…。

そして女を捜しにいった話。「若者は、明日は死ぬという気持ちがあるから」「引っ張ってきて5、6人で押さえ込んでやるんですわ」「妻帯して女の味を知っとるから、寝たいんや」「どの部隊でも同じ」。中国人老女が何人もの兵隊に犯されたことを語り、「7歳で未熟でしたから痛くて」という言葉に愕然とする。

とつとつと語る元兵士たちは、戦後は妻子を大事に地道に働いてきたような、ごく普通の善良そうな老人たちだ。平時なら決してしないであろう殺人や婦女暴行を、当然あるいは致し方ないこととして戦時下に行なった。「1日、1日、人を殺すことに慣れて」「今思えば、人間のすることと違うねんなぁ」と。

11月14日(土)から上映されるので、ぜひご覧になってください。

「護憲+コラム」より


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