老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

安倍元総理の国葬について

2022-08-29 20:13:42 | 自民党政治
安倍元総理の国葬が閣議決定された。予算は2億5000万とか。

たかが2億5000万と言うなかれ。たかが、というのもおこがましいけれど、それだけの予算があったらコロナで亡くなった人の命がどれだけ救えただろう。

オリンピックの時もそうだったが、最初は7000億円の予算が、蓋を開けてみれば1兆6000億に膨れあがってしまった。(一説に寄ると2兆円は超えているとも云われているが。)オリンピックは無観客で実施したからチケットのキャンセル料も含まれているという意見もあるが。

国葬(と呼びたくもないが)の予算2億5千万は、会場費、花代、諸々の諸経費等だそうで、世界の要人が来日するための警備等の予算は含まれていない。 

大事な事を国会も開かずに閣議決定だけで決めて良いものだろうか。そもそも何故国葬にする必要があるのか?その根拠が曖昧である。

オリンピックもそうだった。国民の反対の声が8割近くあったなかで強行されてしまった。レガシーとして残ったのは不祥事と醜聞。亜熱帯の様な真夏の猛暑の中倒れる外国人選手もいて、あの蒸し暑い東京でオリンピックを開催する意味があるのだろうかと疑問視していたら、オリンピック実行委員会とAOKIホールディングスの贈収賄事件。呪われたオリンピックであった。

日本の国家財政は逼迫していて国民1人当たり借金何百万と騒いでいる者達が、今回は沈黙しているのも不思議だ。国葬についてマスコミもただ国民の何%が反対と報道するだけで、深く掘り下げるメディアは少ない。

「今のうちにやりたい事をやっても3年も経てば国民は忘れる。オリンピックの成功体験や情報の改竄や隠蔽で、どうにでも国民の眼は誤魔化せる」という欺瞞に満ちた考えが税金を食い散らかし、利権に満ちた歪んだイベントを強行させる。どうやら岸田総理は国民の声を聞き流す力には長けているらしい。

日本の社会は、これから、追い詰められた国民の不満や怒り、不安が、自分より弱い立場にいる人達に向かっ行くような気がする。他者の苦しみに共感し心を痛めるのではなく、「死ぬなら1人で死んでくれ、他人を巻き込むな」と、事件が起きる度にネットを中心に言われ続けた呪いの言葉。

でも、私達は嘆いてばかりもいられない、忘れたくない事はしっかり忘れずに心の片隅にメモしておこう。時々取り出して見つめてみよう。忘れてはいけない事が色褪せないように。いつか私達の怒りが大きなうねりとなるように。小さな一歩もバカには出来ないのだから。

「護憲+コラム」より
パンドラ
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「人類学」との出会い(その2)

2022-08-26 10:16:43 | 社会問題
1, はじめに
前回投稿に引き続き、尾本恵市東大名誉教授の著書「ヒトと文明」を参考にコラムを書くことにしたが、私の現在の立ち位置では「コラム」という前提での投稿は難しいと思っている。なぜなら、時事問題に関して、直接の論稿はあまり得意分野ではないからである。

前回の投稿で、言及できていないことがあり、そのことから述べる。

人類学に興味を持ったのは、かなり前からであるが大きなきっかけになったのは、むのたけじ氏の著書を読んでいた時に、むのたけじ氏が『戦争に関しての重要な視点として、もう一度「人類史」に立ち返ってみる必要があるのではないか』と言われ、本を終えたことで、私は大きな課題をもらったと思って、人類学を最初から学ぶ必要性に目覚めたのである。

2,今回の投稿は、個人的な病気があり、一月本が読めず、きちんとした論稿は困難であると思う。それで、いきなり尾本氏の著書のおおまかな見通しと私の「人類学」から受けた感想しか、書くことができないことを最初に断っておく。

むのたけじ氏が人類史に立ち返って、現在の歴史的な到達点を観るべきと「遺言」として言われているのは、実に的確だと思う。

第二次世界大戦から77年の現在、ロシアがウクライナに侵攻して、戦闘が続くが停戦の見通しもないし、国連の仲裁もない状況であり、プーチン氏は、この戦闘では「核兵器の使用もありうる」という脅しから戦争を始めたこともあり、現在の「人類」の愚行である戦争は全くなくなるような気配は微塵もないからである。

3,このような世界情勢の中で、「人類学」は一体何を現代人に問いを投げかけているのだろうか。

尾本氏の本では、それは「戦争の起源」であり、戦争は「いつから始まったのか」という問いとその解答である。そこでは、農耕文明が開始されてから戦争が始まったと明快に答えている。

他の人類学の見解ではそれ以前からだったという説もあるが、それは間違いである。(日本の大学人は尾本氏のような断定は出来ていないのが残念である。そのレベルが日本の大学なのだ。)

なぜか。農耕文明の開始以後に戦争が始まったのは、身分制度と階級社会が形成されて、「国家」と呼べるような歴史段階に到達したからである。ただ、国家の成立以前にも戦争は始まっていたのであるが。

農耕が始まると、穀物などの貯蓄が可能となり、それらの「分配」を巡って、身分や階級ができあがり、支配者と被支配者に分かれる社会が登場したのである。そして、その地域と隣接する地域で、やはり、豊かな資源や食物を巡る「闘い」が生じてきたのである。

歴史学の「通説」の勘違いは、ここにある。古代から現代において、農耕社会から工業社会へ、という発展段階というのは、(農耕が終わって、工業になったということならば)ありえないのだ。農耕社会がなくなることはありえないのである。(考えれば分かるはずだ)

4,それでは、現在の歴史的な段階において、人類学は、何を問題にしているのか。尾本氏は、概ね、次のように述べる。

農耕社会の前の段階である、「狩猟採集」の時代では(日本ならば縄文時代)個人的な闘争などはあったかもしれないが、集団同士の戦いはなく、戦争はなかったと言う。そして、重要なのは、現在でも狩猟採集民はかなり多く生活していて、かれらの間に戦闘はないと言う。(尾本氏は狩猟採取民との生活を共にしてきて、取材させてもらい、彼らと友人でもある。)

だが、「資源の呪い」という社会的な問題があって、狩猟採集民は「絶滅危惧種」と言ってもいいだろう、と言う。この問題に国連もあまり関心があるとは言えず、「先住民族」としての人権問題として、重要視していかないと本当に絶滅してしまうかもしれないと警告しているのである。

5, 結語
尾本先生によれば、現在の地球の大きな問題(核戦争の勃発の危険性や原発事故など)の解決のヒントとしては、彼ら、「狩猟採集民」に学ぶことが大きいのではないかと言う。

なぜなら、農耕文明では戦争は止むことがなく現在も続いているが、約1万年前に狩猟採集民しかいない時代には戦争はなかった。そして、それは、農耕文明の発展以前まで続いたのである。狩猟採集民から学ぶことがあるとすれば、それは「自己規制する発展」は可能なのではないか、という問いかけであると思う。

「護憲+コラム」より
名無しの探偵
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「Blue Island 憂鬱之島」香港の民主主義の危機を知る映画

2022-08-24 20:42:33 | 民主主義・人権
香港と日本の共同制作。私も少額でしたがクラウドファンディングに参加しました。東京などの上映は終わりましたが、地方ではまだまだ上映されます。
そして、撮影地の香港では上映禁止だそうです。

英国から1997年7月に中国に返還され、一国二制度は香港基本法で50年と決められ、中国本土の政府とは違った人権・自由を尊重する民主主義の政治が施行されていますが、今年はちょうどその半分の年月が過ぎました。

映画は3人の過去を描くドラマと今のインタビューを組み合わせて、香港の民主化運動を描いていますが、まさに一国二制度の危機だと分かります。

「Blue Island 憂鬱之島」
https://blueisland-movie.com/

天安門事件時代の中国から香港に、海を泳いで逃れた男女チャン・ハックジーと妻(若い頃をアンソン・シェム/ティン・シウイェンが演じる)のドラマで始まります。

こうした危険を冒してまで、中国本土から香港に渡った人の数は10万人を超える一方、中国返還の1997年以前の10年には50万人が、天安門事件後にも、大量の香港市民が海外に移住しているそうです。

2020年6月末、中国政府は「香港国家安全維持法」を施行し、香港の民主化運動の迫害や言論弾圧をますます強めています。英国政府が海外市民受付を開始した20~21年で12万人以上が申請しており、未だ増え続けているとか。

天安門事件に北京学生支援にいったケネス・ラム(若い頃はキース・フォン)、投獄された過去を持ち、今は成功し引退したビジネスマンのレイモンド・タン(若い頃ケルヴァン・タム)とチャン・ハックジーの3人のインタビューと過去のドラマ。

過去のドラマ以外の映像は、デモへの発砲、血を流し引きずられる学生達、結束バンドで後ろに縛られた手、手…。人権を尊重しない政府、警察、軍隊のやることは、どの国でも同じようです。

彼らは、民主化と自由を求めて香港を愛し、しかし変わっていく香港に居続けて命懸けの抵抗をするか、海外に出ていくか、迷いつつ脅えつつも今なお香港にいます。でも何時まで居続けられることか。

日本では、香港というと気軽に行ける買い物旅行や観光旅行、投資話などを聞きますが、それだけではない香港の姿、香港人の苦悩。人権や自由の大切さを突き付けられます。

最後のシーンは香港の人々のプロフィル映像。
この映画のチャン・ジーウン監督も、出演者も、「どうぞ無事に生き延びて」と祈らずにはおれません。

「護憲+BBS」「明日へのビタミン!ちょっといい映画・本・音楽・美術」より
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手塚治虫さんの「マンガの描き方」のふろく

2022-08-23 16:12:32 | 民主主義・人権
20日の毎日新聞の「今週の本棚」欄より。
漫画家でお笑い芸人の矢部太郎さんが「マンガの描き方」という手塚治虫さんが書かれた本を紹介しています。
矢部太郎さんは確か「大家さんと僕」という漫画を描いていたと思います。

以前、アフリカの村に住み込み、言語を学習してその地の人を笑わせる、というテレビ番組に出演、全くことばがわからず困り果てたときにこの「漫画の描き方」の中にあった似顔絵の書き方を思い出し、落ちていた棒きれで似顔絵を描き、一気に距離が縮まったとのエピソードがつづられていました。
【漫画的表現が言語の壁を超えるということを強く感じた体験だった】

そして、矢部さんにとって、さらに
【この本が自分にとって決定的なのは、後半の『ふろく』という箇所のためです】
【「どんなものをどんなふうに描いてもいいのだ」としながらも「漫画を描くうえでこれだけは絶対に守らねばならぬことがある。それは基本的人権だ」と書かれています。
<基本的人権だけは、だんじて茶化してはならない。それは
一、 戦争や災害の犠牲者をからかうようなこと。
一、 特定の職業を見下すようなこと。
一、 民族や、国民、そして大衆をばかにするようなこと。>
この三つだけはプロもアマも必ず守ってもらいたい・・・】
【漫画だけでなく何かを表現しようとする人間全てが忘れてはいけないことばだと思います】
と綴られていました。

今の憲法の最高法規の章に書かれた97条の基本的人権をそっくり削除しようとしている自民党の改憲草案。
差別発言を何度も行ってきた人物を重要ポストに据える岸田政権。

自民党に根をはったカルトの闇は恐ろしく深いと思わされる日々ですが、こんなときだからこそ、何度もこの基本的人権の原点に立ち返り、手塚治虫さんが訴え、矢部太郎さんが紹介している、このことばをかみしめたいと思います。

「護憲+BBS」「新聞記事などの紹介」より
コナシ&コブシ
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小さな「戦犯」東京新聞

2022-08-19 16:33:37 | 戦争・平和
護憲+のオフ会に、しばしばご参加くださった俳優で劇作家の矢田稔さんが、今日8月19日の東京新聞に大きく出ています。

4日にわたり、幼くして戦争に巻き込まれて行ったご自身の体験のインタビュー記事が出るようです。

1回目は、たまたま歌った「皇太子さまお生まれになった」の歌声を、学校教師に認められ、作曲家佐々木すぐる氏に紹介されて、「兵隊さんご苦労さん」を歌うに至るまで。

「私も戦争協力者として、一種の「戦犯」だった」と語られています。
あの慈愛に満ちた矢田さんが、こんな思いをなさったとは。

ウクライナのニュースを観ていても、戦争は純真な子供も、容赦なく巻き込んでいくものですね。

「護憲+BBS」「新聞記事などの紹介」より
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自民党「新憲法草案」に見る旧統一教会(勝共連合)との関係

2022-08-16 00:14:42 | 自民党政治
通算8年超の長きにわたって続いた自民党・安倍政治を、私たち「護憲+」がずっと否定的に捉えてきたのは、「護憲+第二十期・趣旨」に書いたとおりだが、中でも私が大きな危惧を抱いてきたのは、77年前の今日(8月15日)敗戦で終わった戦争を経て生まれ、私たちグループの先輩たちを含む多くの国民が心から歓迎した「現行憲法」を、安倍氏が「みっともない憲法」と公言して、「空洞化」を諮り、自らのイデオロギーに添った「新憲法」制定に向けた歩みを強引に進めていたことである。

7月8日に安倍氏が銃撃され死去したのを切っ掛けに、自民党と旧統一教会との緊密な関係が浮き彫りにされ、8月10日の内閣改造にあたっては、自民党議員たちから「そういう団体とは知らなかった」「今後は関係を見直す」という定型の発言が相次いだ。

そうした経緯の中で、私が注目したことのひとつに、自民党の新憲法草案と統一教会系団体・国際勝共連合が用意してきた改憲案が酷似していると、いくつかのメディアが指摘していることがある。

☆国際勝共連合改憲案のポイント:
・緊急事態条項の設定による法秩序の一時停止、国会の権限を内閣が独占
・家族条項を設定し、家族は社会の自然かつ基礎的単位として、個人よりも公益・国家主義を重視
・「自衛軍」「国防軍」と言った具体的名称を明記する
(MONEY VOICE 2022年8月9日)
https://www.mag2.com/p/money/1218998/2

※自民党憲法草案は以下自民党サイトを参照ください。
https://constitution.jimin.jp/document/draft/
https://www.jimin.jp/policy/policy_topics/recapture/pdf/063.pdf

これは、自民党と旧統一教会(勝共連合)のイデオロギーが類似していると見ることもできるし、何が何でも政権の座に居座り続けたい自民党と、自民党を宣伝材料に、信者を拡大し、巨大な利益の獲得と世界統合の野望を実現したい教団が、相互利益の誘惑で接近していると見ることもできるが、いずれにしても、国の「最高法規」=「憲法」が、カルト集団の影響下にあるように見えるというのは、正常な事態ではない。

憲法改正は安倍自民党の悲願とも言われ、岸田総理もその実現を目指すとしているが、幸い憲法の改正には国民投票による過半数の賛成が求められている。

今の状況での憲法改正は難しい(絶望的)と自民党内でも言われ始めているようだが、万一、憲法改正の発議が行われるような流れになった場合に備え、この際、皆さんにも、判断基準のひとつとして、自民党改憲案と旧統一教会(勝共連合)の改憲案を見比べ、その類似性を記憶にとどめておくようお願いする次第である。

「護憲+コラム」より
笹井明子
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敗戦後77年 インフラ、ライフラインの更新は急務!

2022-08-09 16:22:51 | 自民党政治
☆全国の公立学校 老朽化深刻 軒裏落下など不具合 1年で1200件超
(NHK NEWS WEB 8月8日 18時12分)
 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220808/k10013760011000.html

文部科学省によりますと、校舎などの学校施設のうち、老朽化対策が必要となってくる築25年以上の施設が、面積ベースで全体のおよそ8割を占めていて、老朽化が深刻さを増しています。

その他、こんな指摘も。
☆老朽化する日本のライフラインが抱える問題とは 海外の事例 ... 
https://shizen-hatch.net/2022/03/08/lifeline-deterioration/
☆社会資本の老朽化の現状と将来 - インフラメンテナンス情報 https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/maintenance/02research/02_01.html
☆国土交通省 インフラ長寿命化計画(行動計画) https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001409546.pdf

などなどして、現状があるのでしょう。しかし、間に合いますかね。市民、生活の安全確保、円滑な社会生活継続する為に。残念ながらという他はありません。
 
では、誰が、インフラ、ライフラインの更新を強力に進めるのか?

例えば、各党の支持率は NHK世論調査 8月8日 19時09分 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220808/k10013760121000.html 

御覧ください。従来どおり、自民党や与党が担当してできることですか?
 
また、☆新築住宅の太陽光発電設備 ”義務化へ条例改正を”都の審議会 
(NHK NEWS WEB 2022年8月8日 18時23分)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220808/k10013760021000.html
 
新築ばかりに目が行く議員や議会に、インフラ、ライフラインの更新ができますか、期待できますか。従来どおりが繰り返されることになるのでしょう。況して、岸田政権が、目新しい巨大事業をするとなれば、猶更、等閑視される。
 
日米同盟、軍拡と突き進めば、民生は勿論、本件も、軽視、無視されることになるであろう。極めて、危険な状態です。

3年間、総選挙がないなんて、許すことはできません。内閣支持率を危険水域に、国の為、国民の為、導き、主権者が決めようではありませんか。そう、タダの政権交代では駄目!自民党が下野するほどでなければ。 

ただ、もう一点、今の選挙制度、反省する必要がある。適任者、能力、意欲ある者を択べているか、甚だ疑問。何も言えない、票だけ見込める候補者、そんな制度で、良いのか。各党に問いたい。改めないのか、と。

「護憲+コラム」より
蔵龍隠士
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「護憲+」は第二十期に入りました

2022-08-01 09:32:33 | お知らせ
2003年6月に、「政治に責任を持ち、これからはだまされないぞ、と自覚をもって集まろう」という、なだいなださんの呼びかけで誕生した「バーチャル政党・老人党」の中で、当時の自民党政権が打ち出した、平和主義の否定、国家主義的色彩の濃い「自民党改憲草案」に危機感を抱いたメンバーが集って、2004年1月に「老人党リアルグループ・護憲+」は発足。2022年8月1日より第二十期(*)に入りました。

この間私たちは、憲法の根本原理「立憲主義」と基本理念「国民主権・人権・平和」の視点に立って考え、判断し、行動することの大切さを広く伝え、憲法に則った政治・社会を実現したいと願って、ホームページやブログによる情報・メッセージ発信、学習会・意見交換会の開催・参加など、多岐に亘る活動を展開してきました。

この間の国内政治を振り返ると、2009年9月に民主党が政権交代を果たしたものの、政権運営の未熟さや旧来型政治への傾斜によって国民の支持を失い、2012年の衆院選、2013年の参院選で大敗。自民・公明が、圧倒的多数を占める政権与党として返り咲きました。

こうして誕生した安倍自民党政権は、「アベノミクス」と称する経済浮揚政策を打ち出しましたが、実態は「社会福祉費の削減」「防衛費の拡大」「働き方改革」「消費税10%増税」と、国民生活軽視の政策で、経済は悪化。物価高騰と低賃金、年金等の削減によって、貧困は拡大し、国民の暮らしは苦しくなるばかり、という現状を招いてきました。

また、安倍政権は、安倍氏の「改憲志向」を支える固定支持層の意向を後ろ盾に、多くの国民の反対を押し切って、「秘密保護法」、「安保関連法」、「共謀罪」など、現憲法の基本理念を空洞化させる法案を次々に成立させ、「改憲」への歩みを続けてきました。

さらに、2017年以降は、森友学園・加計学園への不当な利益供与、「桜を見る会」の饗応問題など、安倍氏に纏わるスキャンダルが次々に明るみに出て、こうした問題に対する閣僚や官僚の隠蔽、虚偽発言、公文書改ざんが繰り返され、国民の間に深刻な政治不信を生む事態となっています。

安倍氏はその後、日本を含む世界に広がったコロナ禍に対し、アベノマスクに象徴される支離滅裂な政策を繰り返した挙句、“体調不良”を理由に、2020年9月に首相の座を退きました。

安倍政治を引き継いだ菅義偉前首相は、コロナ・パンデミックさ中の2021年7月に、「2020東京五輪」を、国民の反対を押し切って決行した以外には、特段の成果も残さぬまま、2021年11月に退任。

次に誕生した岸田自民党政権の最初の審判の場である2022年7月の参議院議員選挙の只中に、安倍元首相が銃撃され死亡するという事件が発生。事件の衝撃性と共に、旧統一教会というカルト組織と自民党との深い関わりが浮き彫りになり、政治の歪みの一端が明らかにされました。

しかし岸田首相は今、安倍氏を含む自民党議員らと旧統一教会の関係に一切触れることなく、安倍元首相を「国葬」で祭り上げることで、この問題に蓋をする構えです。

長きにわたり続いた、国民生活の軽視、憲法の空洞化、嘘・隠蔽・改ざんの常態化に加え、党利党略のためにはカルト集団と手を組むことさえ厭わぬ自民党政治を、私たちはこれ以上続けさせるわけにはいきません。この国に暮らす全ての世代の人々の今と未来のために、国の在り方を根本から問い直し、政治を正すことが必要です。

一方、国内政治の問題と共に、世界に目を向けてみれば、日本を含む世界の人々は今、新型コロナウイルスの蔓延、大規模自然災害、ロシアによるウクライナ侵攻など、命と暮らしの安全に関わる、重要な共通課題に直面しています。

このような環境下の今こそ、私たちは70数年前の大戦の反省に立って生まれた日本国憲法の精神に立ち返り、憲法の理念を遵守し、立憲主義に則った政治・社会を再構築すると共に、「平和を愛する諸国民」と手を携えて、積極的に行動し、「主権者としての責任」を果たしていきたいと思います。

以上の認識のもと「護憲+」は、第二十期も以下の活動を行っていきます。

1.憲法誕生の歴史的背景と、「一人ひとりの暮らし・命を大切にする」という日常的視点に立って、憲法の根本原理「立憲主義」と、基本理念「国民主権・人権・平和」の意義を伝え、政治への関心を広く喚起する。

2.現在の自民党政治に代わる、立憲主義に則り、憲法秩序を守り、国民の暮らしや命を大切にする政党や政治家を応援、支援し、政権交代が早期に実現するよう、後押しをする。

3.コロナ感染、貧困、環境、安全保障など、世界共通の問題に目を向け、こうした問題に取り組む国内外の人々との情報交換や交流を深め、広い視野に立った問題解決に努める。

4.翼賛体制を支えるメディアや、権力による言論規制の動きを指摘・批評し、改善を促す。国民に必要な情報や客観的視点に基づく情報を収集・分析・伝達する。

5.上記のために、掲示板・ブログでの発信を行う。また、コロナ禍の環境下で取り得る最善の方法で主体的・積極的に行動し、意思表示を行う。

〔*第二十期:2022年8月1日から2023年7月31日まで。当グループは、運営全般に関して一年ごとの見直しを行っています。詳しくは「運営」をご覧下さい。〕

趣旨に賛同された皆様のご参加を心から歓迎します。

「護憲+」HP:【趣旨】より
笹井明子
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