老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

現代のドン・キホーテか!それとも、現代の田中正造か!(山本太郎論)

2019-06-22 14:42:56 | 政治
山本太郎が面白い。単身、権力に挑む姿勢が多くの人の共感を呼んでいる。彼が全国で展開している街頭演説に多くの聴衆が集まり、わずかの期間で2億円近い寄付金を集めている。

山本太郎という人物。毀誉褒貶の激しい男。政界一と言って良いかもしれない。彼を支持するにしろ、敵対視するにしろ、みな熱くなる。こういう男は珍しい。カリスマ性があると言わざるを得ない。

とりあえず、今回の参議院選挙での彼の公約を見てみよう。

「れいわ新選組」の選挙公約
① 消費税は廃止
② 最低賃金1500円、政府が補償
③ 奨学金徳政令
④ 公務員を増やす
⑤ 一次産業戸別所得補償
⑥ 「トンデモ法」一括見直し・廃止
⑦ 辺野古基地建設中止
⑧ 原発即時廃止・被爆させない

山本太郎の特色は、経済政策に重点を置いている点にある。特に、消費税廃止の政策は出色。

例えば、消費税10%の実施を求めた連合に対して、「国民生活を苦しめる法案の完全実施を求める労働組合など、どこが国民の味方なのか」と一蹴。消費税10%実施をいまだに頑なに主張する野田元首相を【財務省の代弁者】と切って捨てる。

この発言を聞くと、彼は野党なのか、と訝る人もいるかもしれない。ひょっとしたら、左派やリベラルが嫌いなのか、と考える人も出るだろう。

そういう憶測を呼びかねないのが、アエラで書かれた「安倍内閣に財務大臣を要請されたら受けるかもしれない」という発言である。

実は、山本太郎の真骨頂は、誤解を受けかねないこの発言にある。彼は、リアリストで、政治は、権力を握らなければ何もできないと考えている。だから、財務大臣という日本の権力の中枢に就任できるのなら、安倍政権に入っても良い、と考える。

ただし、財務大臣として自分の考える財政政策を徹底的に実現するために就任するというエクスキューズがつく。彼に言わせれば、即座に解任されるだろう、と言う事になる。

一つは彼の時代認識と思想にある。彼は現代と言う時代の問題点は、右とか左と言う横の問題にはない、と考えている。彼は現代は、上下の関係にあると考えている。富裕層と貧困層、支配層と被支配層の上下の関係で現代を切り取っている。

以前から、わたしは現代資本主義は、資本主義の当初の時代に先祖返りしていると主張してきた。つまり、資本家と労働者、搾取階級と搾取される階級、支配階級と被支配階級という縦(上下)の関係が鮮明になってきていると主張してきた。

ケインズ以来の修正資本主義は、社会の縦関係を薄め、横関係にシフトするための資本の側の知恵だった。新自由主義経済論は、この横関係重視の修正資本主義理論を縦(上下)関係重視の当初の資本主義に先祖返りさせているのである。

山本太郎の認識は、この認識に近い。だから、右派だろうが左派だろうが、上下関係で認識し、上から目線の発想には噛みついている。

彼の描いている政治家像はきわめてシンプル。自らの考える政策を実現するために存在するのが政治家。そのために、全身全霊を傾けなければならない。自らの生き残りだけを考えるような政治家は必要ないと考えている。

山本太郎は、1%の側でなく、99%の側に身を置くことを政治信条にしている。彼流の時代認識で言えば、【下】の側に身を置くことを決意している。その為になる事なら、どんな事でもやると決めている。一言で言えば、【本気】だと言う事。この本気さが人を集める。

日本の大人の知恵(世間知)から言えば、それこそ【青臭い】。そんな風に世の中は出来ていない、と一蹴されるのがおち。

しかし、そういう世故長けた政治家だけが生き延びている政治に夢が持てるだろうか。国民の政治的無関心(アパシー)の最大の要因は、世故長けた政治家どもの言説を信じられないという想いを拭いきれないからである。

山本太郎は違う。格差が開く一方の日本の現状。政治の私物化に狂奔する安倍政権の政治家・官僚どもの腐敗ぶり。その一方で明日の飯にも困る多くの国民の存在。多くの若者たちが結婚もできず、将来の夢すら奪われている。

山本太郎は、この現状をもう我慢できない、と叫ぶ。もう待てないと叫ぶ。俺たちが立ち上がらなければ誰が立ち上がるのだと叫ぶ。彼は、自らの思いのたけを吐き出し、若者たちに語り掛けている。“これで良いのか”と。

「わが胸の 燃ゆる思いに くらぶれば 煙はうすし 桜島山」 

幕末の勤皇の志士、平野國臣が詠んだ句。
※平野國臣
福岡藩出身。幕末の尊王攘夷運動の理論的指導者の1人。薩摩藩での説得に失敗。薩摩藩を退去せざるを得なかった時に読んだ句。36歳で刑死。
https://bakumatsu.org/men/view/214

平野國臣の思想云々はさておき、彼は自らの信念に殉じ、36歳の短い人生を駆け抜けている。

山本太郎という人間を見ていると、はち切れんばかりに膨れ上がった「わが胸の もゆる想い」を実現するために、たった一人で孤独の戦いを挑んでいるように見える。

全共闘運動が華やかだった時代、東大キャンパスに秀逸な立て看板が立った。【連帯を求めて孤立を恐れず!】というキャッチコピーは、当時の学生たちの合言葉だった。

さらに、東大安田講堂に警官隊が突入する前、当時人気があった高倉健のやくざ映画をもじって、「とめてくれるな/ おっかさん/背中の銀杏が /泣いている」という立て看板が立った。
https://dawase86.exblog.jp/10611485/

山本太郎の戦いは、【連帯を求めて 孤立を恐れず】という東大全共闘の戦いを彷彿とさせる。

さらに言えば、田中正造という人物も思い出させる。田中正造は足尾鉱毒事件で孤独の戦いを展開し、天皇に直訴した人物として知られている。山本も園遊会で天皇に手紙を渡し、物議をかもしている。

※田中正造
ウィキペディア
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%B0%E4%B8%AD%E6%AD%A3%E9%80%A0
※足尾鉱毒事件
ウィキペディア
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B6%B3%E5%B0%BE%E9%89%B1%E6%AF%92%E4%BA%8B%E4%BB%B6

田中正造と足尾鉱毒事件
http://www8.plala.or.jp/kawakiyo/kiyo40_39.html

田中正造は、切腹を覚悟して、天皇に直訴した。彼は中流の地主の子供として生を受けたが、彼が死去した時には、一銭の財産も残っていなかった。文字通り、足尾鉱毒事件の解決のため、全財産も自らの生命すら失っても悔いなしの想いで戦い続けた。

山本太郎が、これらの歴史上の人物や事件に匹敵する何かを成し遂げるかどうかは分からないが、彼の行為はこれらの系譜に準ずるものである事は確かだろう。

だから、彼の街頭演説には、人が集まる。「なんで、山本太郎の演説は人を引き付けるのか」と久米宏が語っていたが、その秘密は彼の【本気さ】だろう。

前の選挙の時、立憲民主党の枝野幸男の孤独な戦いに多くの国民が共感し、立憲民主党は勝利した。あの時の枝野幸男には、人生を賭けた迫力があった。今の枝野にはそれがない。立憲民主党の問題はその一点にかかっている。

それに比べ、山本太郎には、【本気さ】も人生を賭ける【迫力】もある。同時に、「政治は権力」というリアリズムも持ち合わせている。

もう一つ重要な点がある。「れいわ新選組」というネーミングに象徴されるような【だささ】がある。東大闘争の洗練さと比較すれば、「れいわ新選組」はいかにもださい。【だささ】というのは、もろ刃の剣だが、山本太郎の場合、「だささ」が人々を引き付ける要件かもしれない。ひょっとしたら大化けするかも知れない、という期待感を抱かせる。

同時に政治という世界は、欲望に取り付かれた権力亡者どもの集合体である。むき出しの欲望と私益のためには、裏切りなど日常茶飯事。権力を握ると言う事は、そんな彼らをうまく御する事と同義。一人で突っ走って成功する見込みはない。山本太郎の危惧される点は、これに尽きる。平野流の溢れる思いだけで成功する保証は皆無だろう。

政治力とは、こういう連中の人心掌握をする生臭さが重要。汚れる事を恐れては何もできない。

わたしは山本太郎にステンレスになれと勧めたい。どんな汚れの中にいても、水で洗えば、前と同じピカピカ。権力を握るとはそういう事である。汚れを拒否すれば、ただのドン・キホーテである。

小沢一郎の凄さはそこにあると認識しなくてはならない。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
流水
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老後2千万円不足問題、野党の統一ビジョンも聞きたい

2019-06-15 09:09:03 | 政治
政府金融庁が老後資金2千万円不足について国民の自助努力を提言したことについて、野党は政府の年金政策の批判のみに終始しているが、野党の統一ビジョンを国民に提示できていない。参議院選挙前の絶好の機会なのに、政府案批判と1人区一本化だけでは過半数はは獲れない。

端的に言えば、政府与党は国民に年金不足の自助努力を求めているが、自分たち野党が政権を担えば、政府が毎月5万5千円づつ年金不足を補い、生涯2千万円不足を解決するという政策を提示して、参議院選で国民に問えば良い。

財源は辺野古基地建設中止、F35戦闘機購入中止、イージスアショア導入中止等、探せば自民党利権がらみの予算がいくらでもあるはずである。

また「れいわ新選組」の山本太郎議員が言うように、財源は法人税の累進課税導入、個人所得税の累進課税の強化、赤字国債の発行等も検討すればよい。旧民主党が政権を獲れたのもマニフェストというビジョンがあり、国民から期待されたからであろう。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
厚顔
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国民の眼をはぐらかすためのサーカスについて

2019-06-03 21:40:05 | 政治
私は面白おかしく生きたいと思っている。

小学生の頃、テレビで時代劇を見ていたら、眉毛の無いお歯黒をしたおばさんが「ねぇ、あんた、これからは二人で面白おかしく生きようじゃないかぇ~」と気の弱そうな男にしなだれかかっていた。

次の場面では、そのおばさんが宴席に若い男を侍らせ「ほーっほほほほ」などと狂声をあげながらお酒を飲んでいた。あの気弱男は何処へ行ったのか。あの女に利用されて、もっと悪い奴にバッサリ殺られたのだろう。子ども心に、お酒を飲んだり若い男を侍らせることのどこが面白おかしいのだろう、と思ったものである。

さて、現代の面白おかしい事ってなんだろう。トランプを接待して相撲の土俵に上げて、やんやの拍手で迎える事か。元号が変わったとテレビで騒ぎたてる事か。天皇を利用して話題作りに血道を上げる事か。イラン訪問で外交成果を上げるだろうとの期待をマスコミは報道し、安倍内閣の思惑通りに支持率は59%まで上がったとJNNは伝えている。これはサーカスではないか。

兵器を大量に買わされ、日本に不利な農産物についての約束事は8月の選挙後に発表ずるとトランプはツイッターで呟いた。サーカスを面白がって観ていたら全財産失う程の高い観覧料を請求されたり、あの気弱男のように命さえも差し出せと迫って来るかもしれない。

59%の支持率と聞いた時はガックリきたけれど、安倍内閣は解散権を使うかも知れないが、これを逆手に取って選挙戦をサーカスみたいに面白おかしくしたらどうだろう。政治なんて面白くない、という人達の興味を引く方法を考えたら。

山本太郎がクラウンドファンディングで1億5千万円を4月10日過ぎから今日までの間に集めたという。短期間でそんなに集まるはずがない、バックに何かがついているのだ、と言う人もいるけれど話題を集める事は悪くない。

この流れを一時の興味本意で終わらせてはならない。選挙という面白いサーカスが始まる。特に今回の選挙は安倍政権が垂れ流すサーカスをボーッと観ていたら、あの気弱男のようにバッサリ殺られてしまうかもしれない。そんな正念場選挙ではあるけれど、投票日まで出来る事を少しでもやっていこう。

護憲派の人達はツイッターで色々な情報を拡散するのも1つの方法ではある。私が知っている地域では、護憲派のためのツイッター教室を始めたようだ。

ツイッターは世界中の不特定多数の人達に向けて発信されるのだから、個人情報に気を付けて使ってみるには面白いツールだと思っている。折角皆スマホやパソコンを持っているのだから試してみてはどうだろう。

「護憲+コラム」より
パンドラ
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米中貿易摩擦と世界の多極化

2019-05-25 15:56:25 | 政治
世界を巻き込む中国と米国の貿易戦争の真の狙い!」でも指摘したが、米中の貿易摩擦(もはや貿易戦争)の本質は、米中間の覇権争いである。特に、ハイテク分野における覇権争いが中核にある。

何度も指摘して恐縮だが、世界が一番危険になるのは、覇権国家の力が衰え、次の覇権国家が台頭し始めた時。両者の力は拮抗しているが、勢いは次の覇権国家候補に分がある。となると、現在の覇権国家は自らの地位を守るためにあらゆる手段を講じる。手段の当否を問う余裕がない。

今、世界の状況は、新旧二大勢力の覇権争いのただ中にある。これが現在の世界のカオスの根源にある。「世界の未来は?」でも指摘したが、米国主導の「新自由主義的経済体制」は終焉を迎え、中国主導の一路一帯経済(一種の国家資本主義的形態を持つ)へと世界経済は移行しつつある。

ただ、新しい経済体制がどのようなものになるかは、即断できない。欧州を中心に徐々に存在感を持ち始めている展相(Potenz)経済学がどのように展開するか、予断を許さない。

ただ、明確に言えることは、グローバル企業が各国の地場産業を潰し、富を独占する体制は、変化せざるを得ない。極端な【富の分配】の不公平は許されない時代に入る事は、間違いない。

さらに、金融制度も大幅な変更を余儀なくされるだろう。「複雑怪奇な世界情勢と右顧左眄する日本!」で指摘した米国の世界支配の根底的システムである【ペトロ・ダラー体制】は早晩崩壊せざるを得ないだろう。

元世界銀行で働いていたスイス人のエコノミスト、ピーター・ケーニッヒは以下のように主張する。

・・国際金融と貿易の主要三悪党、IMF(世界通貨基金)、WB(世界銀行)とWTO(世界貿易機構)が、インドネシアのバリ島の豪華なリゾートで会合し、トランプ政権によって始められ、扇動された拡大しつつある貿易戦争の結果、国際投資の減少や世界経済成長の下落という怖しい結果を警告した。彼らは、各国の繁栄を凋落させるかも知れない保護貿易主義を批判した。IMFは今年と2019年の世界経済成長予測を引き下げた。

これは何の根拠もないただの人騒がせだ。実際、彼らが主張する貿易と投資の増加から生じた過去の経済成長もごく僅かな少数にしか役立たず、開発途上国、先進国双方の金持ちと貧しい人の格差を拡大した。GDP成長の内部分配について、今まで誰も話をしないのは興味深い。・・・(中略)・・・・経済的低迷から回復する必要があり、そう望んでいる国が、外部からの干渉を最小にとどめ、自身内部の社会経済的能力に集中し、促進する事で、大変うまくいくことは何度となく証明されている。

最も顕著な例は中国だ。何世紀もの欧米の植民地化と圧迫から、1949年10月1日に中華人民共和国として毛主席が作り出した中国が出現した後、毛主席と中国共産党は、まず病気や、教育の欠如によって破壊された国、欧米植民者による恥知らずの搾取の結果、絶望的な飢饉で苦しむ国を整えねばならなかった。

その為、中国は1980年代半ばまでほとんど国を閉ざしたままだった。蔓延する飢饉と病気に打ち勝ち、全国的教育制度を整え、穀物や農産品の純輸出国になって初めて国際投資や貿易のために国を開いたのだった。

そして今中国はどうなっているか、ご覧願いたい。わずか、30年後、世界第二位の経済大国で、欧米帝国主義によって侵略される事のない世界の超大国だ」・・・・

カナダの雑誌Global Research 「IMF-世界銀行―WTO-脱グローバリゼーションと関税の脅威で人騒がせー主権国家への回帰」
https://www.globalresearch.ca/imf-wb-wto-scaremongering-threats-on-de-globalization-and-tariffs-the-return-to-sovereign-nations/5656922

欧米のエコノミストでさえも、IMF、WB、WTOを国際金融における三悪党と呼んでいる。これら国際機関は、すべて米国の影響下にあり、米国流新自由主義(グローバリズム)の宣伝・広報・推進機関と考えて間違いない。

世界銀行などから借金をし、彼らの指導の下、新自由主義的経済政策を押し付けられ、経済変調をきたした国の代表が韓国。その他、中南米諸国、マレーシア、ギリシャなど枚挙に暇がない。

さらにこの論文で重要な事は、「外部からの干渉を最小にとどめ、自身内部の社会経済的能力に集中し、促進する事で、大変うまくいくことは何度となく証明されている。」点を明確に指摘している点にある。

まず、独立した経済、自立した経済を目指すことが重要であり、グローバル・スタンダードだといって、発達段階の違う国々に一律のやり方を強制する事は間違いだと言っている。

グローバル・スタンダードと言うのは、比喩的に言うならば、欧米、特に米国など先進国は、100M競走をする時、80Mから出発し、他国(経済後進国)は、100Mのはるか後方からスタートさせ、これが自由でフェアーな競争だと主張しているようなものだ。

この理不尽な競争の審判役が、WTO・IMF・WBと言う事になる。欧米諸国(特に米国)の自由でフェアーな競争と言う主張は、経済後進国にとって、いかに理不尽な主張かが分かる。

さて、米中の貿易戦争の結末はどうなるのか。世界中が固唾をのんで見守っている。少し詳細に検討してみよう。

(1)金融面での影響
   
これまで、中国は世界の製造業の下請けの役割を果たしてきた。米国も日本も欧州も安い労働力を求めて中国に工場を建設してきた。

中国は、米国などに輸出したドル建ての代金で米国債などの金融商品を買って保有してきた。(米国債の保有率は世界第一)

ここが重要だが、米国が中国に対して持つ貿易の赤字分の多くが、米国債購入を通して、米国に還流していた。(この構図は日本や他の国も同じ。)その為、米国の政府や金融界がどんどん借金を増やしても、金利が低く維持されて破綻しない構図が維持されてきた。(※米国は、印刷機でドルを刷れば儲かる、という構図)

合わせて考えておかねばならないのは、米国の世界支配のためのもう一つの金融政策であるペトロダラー・システム。つまり、エネルギーの中心である石油取引をドル決済で行うというルール。これがドルを世界の「基軸通貨」にした最大の理由。

しかし、現在、中国・ロシア・イラン・ベネズエラなどドル決済に従わない国々が多く出始めている。つまり、ドル支配体制に対する挑戦が拡大しているのである。ベネズエラ問題は、米国のペトロダラー・システムに挑戦している国に対する米国の報復・懲罰の意味合いが大きい。

※参照 「複雑怪奇な世界情勢と右顧左眄する日本!

ところが、トランプは、この構図を無視して貿易戦争を仕掛けている。と言う事は、中国から米国への輸出が減少する。そうなると、中国の米国債の保有率が減少する。当然、日本もそうなる。 ※ここが重要だが、米国債の半分は、外国が買っている。

米国債を外国(中国・日本など)が買わなくなると、米国の長期金利が上昇する。膨大な額の米国債だから、長期金利が1%上がるだけで、米国の財政に与える影響は甚大。財政破綻や金融危機を引き起こす可能性が高い。

これまでの米中関係は、中国は製造業、米国は金融業で儲けてきた。この棲み分けがうまく機能していたが、おそらくこれからはそうはいかない。
中国は棲み分けを止めて、「自立」する道を選択した。「世界を巻き込む中国と米国の貿易戦争の真の狙い」で指摘した【製造2025】は、中国の自立宣言と読まなければならない。

現在、米国債の10年物の金利が3%を超え始めている。米中貿易戦争が長期化すると、中国はおそらく保有する多額の米国債(世界一)を売り出すに違いない。この時、米国債の長期金利の上昇がどれほどになるか。その結果いかんでは、米政府の財政破綻、米国発の金融危機が勃発する可能性が高い。

(2)貿易面での影響

米国が中国製品の関税引き上げを表明しているのは、対米輸出総額(2017年=5056億ドル)の枠内。第一弾⇒340億ドル 第二弾⇒160億ドル 第三弾⇒2000億ドル まで発動済み。第四弾⇒3000億ドル を発動すると、対米輸出の全てに関税引き上げを発動する事になる。

〇一言で言うと、世界最大の貿易赤字国(米国)が、世界最大の貿易黒字国(中国)に俺の国の商品をもっと買え。買わないのなら、関税を上げるぞ、と脅している構図。それに対して中国側がそんな事をするのなら、米国商品の関税も上げてやると言っている。まるで、子供の喧嘩だが、世界第一位、第二位の経済大国の喧嘩だから、その他の国々にかかる迷惑は半端でない。

しかし、上記の関税引き上げをよく見てほしい。米国は、中国が言いなりにならない場合、次の打つ手にはたと困る。つまり、これ以上、関税引き上げという手(脅し)が打てなくなっている。

ところが、中国には、米国債売却という奥の手がある。もし、中国が米国債売却に踏み切った場合、米国債が暴落する可能性が高い。そうなると、米国債の長期金利が一気に上昇する可能性が高い。長期金利の上昇は、米財政の破綻と金融政策の破綻につながる。世界第一位の経済大国の財政破綻、金融破綻は、即、世界的な経済恐慌につながる可能性が高い。

中国もその事をよく知っているので、どこまで踏み切るかは疑問だが、世界各国は薄氷を踏む思いで見つめている。

トランプ大統領が13日ツイッターで「中国は報復すべきではない--(報復すれば)もっと悪い状況になる!」と書いたのは、中国に対する脅しというより、上記の事を心配しているからだろう。

そんなに心配なら、外交交渉で決着を付ければ良いのだが、対中国問題では、国内にタカ派が多数存在し、超党派の様相を呈しているので、そう簡単に妥協できない。

(3)対中貿易戦争の最大の被害者は誰か(被害が国内へ回帰するブーメラン現象)

中国がアメリカに輸出する製品⇒スマートフォン、パソコン、家具、衣料品など多岐にわたる。⇒これらの製品が25%も値上がりすると、それは即米国民の生活を直撃する。

ある評論家は以下のように書いている。

・・・中国商品輸入5000億ドルに対して25%の関税というトランプの案が丸ごと実行されれば、3人家族のアメリカ人の負担は約2,200ドルになる。

「5月末までに発効する、2000億ドルに対する、最近の10%から25%への15%追加関税に関しては、直接経費は300億ドルで、より高いアメリカ生産者価格からくる、ありそうな間接経費で、更に300億ドルある。合計で600億ドル、一家族当たり550ドルだ。」 中国は関税の「5%以上」を吸収しないだろう・・・・中国との貿易戦争のプロパガンダ激化
Moon of Alabama  マスコミに載らない海外記事
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2019/05/post-8eb9bf.html

大豆など米国から中国への農産品の輸出⇒25%の関税をかけられると、売れなくなる。⇒米国農家を直撃する。現在、日本のスーパーで、米国産牛肉を買えば良く分かるが、米国産牛肉の値下がりは半端でない。すでに、米国農産品が中国で売れなくなっている現状があるため、価格を安くして日本で売らざるを得ないのである。当然だが、中国の人口は日本の10倍以上。市場規模は比較にならない。

さらに中国へ進出している米企業は多い。ここで作られた製品が米国へ輸出されているのだが、これらの商品にも関税引き上げが重くのしかかる。そのため、リストラや給与カット、生産拠点の変更などの対応が迫られる。これも米国民の生活を直撃する。
 
このように関税引き上げ25%の影響は、ブーメランのように、米国民や米企業などに返ってくる。これにいつまで耐えられるか。米中双方の我慢比べの様相を呈している。

(4)習近平政権の核心的利益

習近平政権の推進するいわゆる【国家資本主義】的政策の根幹に位置しているのが、【補助金政策】である。IT産業に補助金を投入して景気にてこ入れし、国内不満を抑える事は、習近平政権の核心的利益である。この政策を止めろ、という米国の要求には、決して応じないだろう。

米国の要求にも無理がある。そもそも、重要産業育成のために補助金を投入するのは、各国政府の内政問題。それを止めろ、などと言う要求は、【内政干渉】と言われても仕方がない。米国も、農業にかなりの額の補助金を投入している。自国の投入は良くて、他国の投入は駄目だというのは、完全なダブルスタンダート。論理的に破綻している。

(5)世界貿易の現状 (米国凋落の現状)

世界の貿易額 2000年当時 約13兆ドル(1430兆円)規模
       2017年   約35兆ドル(3850兆円)規模⇒約2.5倍に拡大
貿易額における国別構成比
          2000年当時  米国15%以上 中国4% 米国独り勝ち
          2017年     中国・米国とも12%前後

※貿易額=輸入額+輸出額  貿易収支=輸出額-輸入額
問題なのは、貿易収支。
 米国 =2000年以降、毎年大赤字。
      2000年⇒5000億ドル(約55兆円)
      2015年⇒7619億ドル(約83・8兆円)
      2017年⇒8075億ドル(約88・8兆円) 
中国⇒ 徐々に貿易黒字を拡大
   2016年 ⇒5107億㌦(56・2兆円)⇒世界最大の黒字国

トランプ大統領にはこの現状が我慢ならない。米中の貿易戦争の直接的要因である。

冷静に考えるなら、この現状を招いた最大の原因は、米国にある。自国産業の競争力が衰退した結果、製造業などが衰退し、輸入が拡大したのである。
もう一つは、金融産業での独り勝ちが、楽して金儲け精神を植え付け、健全な資本主義の発達を阻害している。

トランプ大統領がやらなければならないのは、こういう米国内部の矛盾の解決のはずだが、そうはならないところが、「覇権国家」の「覇権国家」たる所以なのだろう。

Paul Craig Robertsは以下のように語る。

・・・アメリカ人は、常にそうなのだが、「グローバリズム」と呼ばれるいんちきにだまされているのだ。グローバリズムは、労働組合を破壊し、アメリカ労働者から中産階級の仕事を奪い、彼らから交渉力を剥奪するために使われるペテンなのだ。それは同様に、自給自足の第三世界の人々を土地から追い立て、国の農業を単一作物輸出商品生産に変換するため、多国籍農業関連企業に利用されるペテンなのだ。

 グローバリズムによる悪事は、先進国と第三世界の双方に犠牲を強いた。それは全く先進国の資本主義者連中による利益最大化の結果だ。それは中国とは無関係だ。

 中国産業がアメリカ産業より安く生産するからではなく、アメリカ・グローバル企業こそ、アメリカ雇用喪失の原因である事実を見えぬよう隠すため、身代わりに中国が非難されているのだ。・・・「関税問題」-マスコミに載らない海外記事 
http://www.asyura2.com/19/kokusai26/msg/461.html

トランプ大統領は、中国に対して、何が何でも米国製品を買え、と言っている。「買いたくなるような製品を作れ」というのが、他国の本音だが、寅さんではないが、覇権国家米国に対して「それを言っちゃ、終しめーよ」というのが、現状だろう。

(6)米国の通商政策
※基本方針⇒トランプ大統領の就任演説での【アメリカ・ファースト】⇒米商品を買い、米国人を雇う。
  ↓
米通商代表部の方針(2016年)

A.アメリカの国家主権を優先(通商政策)
B.アメリカの通商法の厳格適用
C.海外市場開放のため、あらゆるレバレッジ(梃子)を活用(簡単に言うと手段を問わない)
D.主権国家と新たな通商関係を設立
           ↓
●多国間交渉から、二国間交渉へ
TPP離脱。NAFTAの再交渉。米中包括経済会話。米韓FTA再交渉。
⇒他国の事情を考慮しない強引な交渉

◎トランプ流交渉の負の側面
★米国の要求を一方的に押し付ける。合意を拒めば、経済制裁をかける。⇒この方法では、二国間交渉もまとまらない。
特に、同盟国以外の国々との確執は酷くなる一方である。
・17年6月 ⇒2国間取引でキューバへの制裁強化
・17年8月 ⇒ロシアへの制裁強化
・18年4月 ⇒シリアへの空爆
・19年1月 ⇒ベネズエラへの制裁強化

しかし、制裁強化と恫喝を武器にした外交に簡単に屈服する国は、そんなにはない。かえって、態度を硬化させ、徹底抗戦の態度を醸成するだけである。米国の経済交渉は、常に制裁と軍事力による脅しの二本立て。これは、どう見ても、正常な交渉とは言えない。悪く言えば、まるで、やくざか暴力団の手口。これでは、決して尊敬を勝ち取れない。

その為、現在のベネズエラ・イランとの一触即発の関係、中東の危機、ロシアとの関係、中国との貿易戦争と南シナ海問題と台湾問題を梃子にした緊張関係、中南米諸国の移民問題、EUやNATOとの関係など、米国発の世界を揺るがす問題が目白押しである。

このように現在の世界の諸問題の大半は、米国が意図的に作り出しているといって過言ではない。かってのような世界の警察官としての存在感などどこにもない。あるのは、世界の鼻つまみ者としての米国である。

以前から何度も指摘してきた【覇権国家】が「覇権」を降りなければならなくなる過程が一番危険。現在の世界情勢はまさにこの状況であるといって過言ではない。

さらに危険なのは、米国は1992年以降、ウォルフォウィッツ・ドクトリン(世界覇権の確立)にこだわっている。(特にネオコンなど)覇権を手放さなければならないかも知れないという焦りと自分たちの最終目標を実現しようという戦争勢力内の二つの心理的要因が、現在世界の緊張の背景にある。

この状況を冷静に眺めると、米国はもはや強硬手段に訴えるしか方法がなくなっていると思える。
例えば、カナダ政府に頼んで、ファーウェイの副会長を逮捕させる。
19年8月から米政府はファーウェイなど特定5社の機器やサービスの利用を禁止。
20年8月から、5社の機器やサービスを利用している企業との取引を禁止する。
背景には、5Gの技術開発で中国に後れを取り、5Gの基地局市場をファーウェイに奪われるのを恐れている。

どう考えても米国のやり口はフェアーではない。あれだけ企業活動の自由を叫び、他国市場の閉鎖性や関税を非難しておきながら、自国の企業が負けそうになると、相手国の企業活動を国家の力で制限したり、その活動を受け入れた企業も処罰する。どこが「自由」なのか、と言われても仕方がない。

これが意味するところは、実体経済の中では、もはや米国企業は国際競争力を失っているという事実である。

何度も言うようだが、貿易収支を黒字に転換させるためには、顧客がどうしても買いたくなる商品や製品を市場に送り出すことが大前提。その為には、低コストで質の高い製品だとか、誰もが驚く最先端の技術を用いた商品を作るとか、企業努力が重要。

ところが、米国製品のお粗末な事。農産品で言えば、農薬まみれの農産物。成長ホルモン剤を多用した牛肉。遺伝子組み換え商品。健康に留意した欧州では、輸入禁止にしている国もある。

現在日本でも問題になっているグリホサート殺虫剤(モンサント社)(発がん性が疑われている)などきわめて危険な製品が多い。

※反証にもかかわらずグリホサートはOKと言うアメリカ環境保護庁
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2019/05/post-5920f8.html
 マスコミに載らない海外記事

その他、家電製品や自動車などの技術力の低下が顕著。先日、F35が墜落したが、世界最高水準を誇った飛行機、戦闘機でも事故が続発している。余談だが、米国製航空機のエンジンの多くは日本製。航空機エンジンといえば、航空機の心臓。それを他国に依存しているようでは、米国の技術力もたいしたことはない。

こう見てくると、まともな商取引では、米製品はあまり相手にされていなくなっている。では、どうやって商売敵に勝つのか。

編み出した戦術が、相手の商品を売れにくくする。その為の妨害行為を編み出す、という方法。これが、関税引き上げ。ファーウェイのように米国との取引停止。米国の同盟国や他国にもそれを強制するという方法。

これはどう見ても、正当な商取引ではない。こういうやり口しかできないとなると、どう見ても、これが米国の強みだとは言えない。むしろ、逆に米国の弱みを示していると考えるのが至当。

中国と習近平政権は、この争いが長く続くと予想しており、一時的な経済の低迷は覚悟しているようだ。しばらく我慢をすれば、必ず勝利できると考えている。何故なら、トランプ政権の狙いは、来年の大統領選挙に勝利するための材料づくりと言う事がはっきりしている。かりにトランプ大統領が再選されても、2年たてば、レームダックになる可能性が高い。この2~3年を我慢すれば、何とかなる、と考えているに違いない。

こうなると中国と米国の政治制度の違いが大きな要素になる。習近平政権は、長期政権なので、この程度の我慢はすることができるが、トランプ大統領はそうはいかない。どうしても、成果を急がざるを得ない。

この彼我の違いが、今回の米中貿易戦争の帰趨を分けるような気がする。長期になればなるほど中国が有利、米国が不利になるだろう。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
流水
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「維新の会」の本音

2019-05-14 20:09:24 | 政治
維新の会の議員が「北方領土を戦争で取り返す」などと、その「北方領土」で騒いだようです。さすがに戦時中に首都の国家統制のためにできた「都」という戦争遂行のための制度にこだわっている政党の議員だけあります。

わたしは「東京都」を「東京府」に戻し、「特別区」をなくすのがよいと思っています。「特別区」をなくしてもまたそれらをまとめて「東京市」にするのではなく、それぞれ単独の自治体(市)にするのです。そうすれば、「特別区」という半端な「自治体」のようなものがきちんとした「自治体」になります。

「府」は、「特別区」のことはそれぞれ独立した「市」に任せ、「府」全体の事務をすればよいので、業務量、予算ともに大幅に減らすことができます。
なによりも、役人たちはさせたがるけれど、そこに住んでいる住民にとってどんなメリットがあるのかさっぱりわからない「政令指定都市」などというおかしなものがない「府」になれます。

「大嫌いな『大阪市職労』をなくすために『大阪市』そのものをなくしてしまえ」というのが本音ではないかと思いますが、「都」という戦時体制は「維新の会」に任せてしまえというのが私の本音です。

「護憲+BBS」「どんぺりを飲みながら」より
千葉の菊
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ベネズエラでクーデター失敗

2019-05-08 21:58:49 | 政治
わたしは、“ベネズエラで進行している米国によるあからさまな政府転覆計画”で南米における米国主導で行われてきた「新自由主義的経済政策」と各国の自立した経済の戦いの歴史(特にチリ、ベネズエラなど)をかなり詳しく紹介した。

さらに、世界唯一の覇権国家としての米国の地盤沈下現象が、米国国内はもとより、世界に与える影響について何度も書いてきた。

その中で、繰り返し指摘したのが、「覇権国家」が「覇権国家」でなくなる(弱体化する)過程が最も危険であると言う点である。

サル山のサルの群れでも同じ事が起きるが、人間世界でも、圧倒的勢力(力)を持った勢力が弱体化すると必ずその権力に挑む次の勢力が現れる。「覇権」の交替期や「覇権」の多極化の前は、一触即発のせめぎあいが繰り返される。

今、世界で起きている事態は、「覇権」後退期の危険なせめぎあいの顕在化であり、米国国内の軍産複合体とネオコン流の世界を力で支配しようとする勢力と、もう世界から手を引いて国内に集中しようとする勢力とのせめぎあいである。

4月終わりに仕掛けられたベネズエラのクーデター未遂事件は、トランプ政権の国際的立場や信用を著しく傷つけた。

誰が見ても米国の傀儡であるフアン・グアイドとレオポルド・ロペス元防衛大臣が仕掛けたクーデターは見事に失敗した。

以前にも書いたが、過去の米国は、影響力を行使できる人材を使って国内クーデターを起こさせ、傀儡政権を樹立し、その政権を通して米国の利権を獲得していく手法をとっていたが、もっと上手く、もっと上品に、世界の人々が米国が背後にいることを感じさせないように緻密な策を講じていた。特にメディア工作は精緻を極めていた。

今回のように、外から丸見え、正体がバレバレの策を講じるなど、あまりにもお粗末。稚拙と言わざるを得ない。米国も「腕が落ちたな」と言わざるを得ない。

しかも、今回のクーデター。ベネズエラ政府にはめられた形跡すらある。天下のCIAも嘗められたものだと言わざるを得ない。

少し詳細に見てみよう。

①今回のクーデターの主役フアン・グアイドは、前の投稿“ベネズエラで進行している米国によるあからさまな政府転覆計画”で書いたように、東欧流カラー革命のノウハウを学び、いわゆる民主化運動を通じて、政権交代(革命ないしクーデター)を主導するように米国に育てられた米国子飼いの人物。その意味では、母国ベネズエラより米国で有名な人物。だから、彼が3ケ月前、自分が大統領だと宣言すると、ただちに米国が承認した。典型的な米国傀儡。もし、彼が権力を握れば、米国資本にベネズエラの石油権益を譲り渡すのは確実だろう。その為に送り込まれた人物。

②もう一人の主役、レオポルド・ロペスは元防衛大臣。2014年、死傷者を出した暴動を指揮したかどで、自宅軟禁されていた。この監視が緩んだすきに娘と妻とともに逃げた。現在はスペイン大使館に避難している。グアイドを支持した兵士の一部もブラジル大使館に避難した。この二つの結果を見ただけでも、クーデターの失敗は明白。

③では何故失敗したか。こういう計画をする場合、仕掛ける側は、必ず体制側の有力者の協力を取り付けていなければならない。敵の内通者と裏切りが、クーデターのような体制転覆計画の成否を握る。特に軍関係が重要である。今回の場合も、それは、当然あった。ボルトンは、マドゥロ政権を内部分裂させるため、ウラディミール・パドリノ・ロペス防衛大臣を含めた政府幹部とグアイドとの極秘交渉を示唆していた。

ボルトンは具体的に、ベネズエラ幹部三人、国防大臣と、最高裁判所裁判長と、大統領警備隊指揮官に、グアイドの権力奪取を支援するよう要請したと述べた。

⇒当然だが、マドウロ政権側もこの試みをよく理解しており、普通なら政権幹部への働きかけを座視するはずがない。⇒ところが、働きかけができている⇒と言う事は、働きかけを受けた政権幹部は、マドウロ大統領に報告しており、大統領承認の上で話を受けていた、と推察できる。⇒しかし、彼らが裏切ると信じたグアイドや米国側は、クーデターを計画し、失敗した。⇒つまり、誰も裏切らなかったと言う事を意味している。

④マドウロ大統領側は、クーデターを起こさせ、失敗させれば、グアイドやレオポルド・ロペスの信用は地に落ちる、と考えていたに相違ない。それはそうだろう。クーデターを起こし失敗すれば、それは、即、死を意味する。自らの人生をかけるのである。そんないい加減な人物に付いて行く馬鹿はいない。さらに言えば、グアイドの信用が失墜すれば、傀儡政権ができない。と言う事は、米国が直接介入する以外なくなる。

ところが直接介入できる「大義名分」がない。大義名分なしの介入は、さすがに国際的批判を招くことは必至。その上、ベネズエラは、国土はイラクやベトナムよりはるかに広大な上に、ゲリラ戦に持って来いの熱帯特有のジャングルが広がっている。

その上、強固な陸軍を持っており、ロシア提供のかなり強固な防空システムも持っている。もし、本格介入したら、20年単位の泥沼の戦争になるだろうと言われている。現在の米国にそれに耐えうる国力が残っているのかは、かなり疑問。

⑤上記のような事情も全て考慮に入れたうえで、マドウロ大統領側は、今回のクーデター劇を仕掛けたのではないか、と推察できる。わたしは、おそらくこれは、ベネズエラ政府を支えているロシアの軍事顧問団のアドバイスがあったのではないかと考えている。

失笑を買ったのは米国側である。マドウロ大統領が亡命寸前だったのをロシアが止めた、などという話など、事情を知ったものからすれば、噴飯ものだろう。

日本の政治家どもの劣化も酷いが、米国のCIAや軍産複合体連中の劣化も酷い。何でもかんでも脅せばどうにかなる、と考えて交渉をすれば、それは多くの人の信頼を得る事はできない。

まして、クーデターのような自らの人生をかける行為をするのである。どんなに虚構でも「俺は正しいことをしている」という大義名分が欲しい。クーデターで本当に得をする人間以外、それに参加する人間の多くはそう考えるはずである。
 
今回のように、選挙も何もしていないグアイドを大統領として認知するなどという行為は、誰がどう言い訳しても大義名分にはならない。たとえ、怪しげな選挙であっても、マドウロは選挙で大統領にえらばれているのである。

しかも、その選挙の時、マドウロ大統領側は国際的選挙監視員を受け入れると声明を出していたにも関わらず、それをしないで不正選挙と断ずるのは理不尽だろう。そんな事は承知の上で、グアイドを大統領にとごり押しでベネズエラ国民に押し付ける。誰がどう考えても、暴君以外の何物でもない。

ただ、ロシアのラブロフ外相が、ポンペオ国務大臣との会談で、かなり厳しく釘をさしていたのを見ると、巷間囁かれている噂がかなり信憑性があるのかもしれない。

それは、CIAがクーデターに失敗したグアイド国会議長を暗殺するのではないかという噂である。理由は単純明快。グアイド暗殺を政権側の仕業と決めつけて、武力侵攻をするのである。

こういう噂が立つのも無理はない。現在、ベネズエラに対する工作の中心人物は悪名高いエリオット・エイブラムス。彼は、2002年にベネズエラでクーデターを仕掛けた時の黒幕だった。彼は1980年代から南米の多くの秘密工作に加わっている。イラン・コントラ事件にも関わっている。暗殺などお手のものである。

彼については、櫻井ジャーナルの次の記事が詳しい。
 ・・・ベネズエラでクーデターに失敗した米政府の好戦派が自らの手先を暗殺する可能性・・・
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201905080000/

ただ、21世紀、世界は、過去のように米国のダブルスタンダードをそのまま受け入れるほど理不尽ではなくなるはずである。ベネズエラの民主主義を憂うなら、イスラエルのパレスチナに対する蛮行をなぜ非難しない。サウジアラビアの王政は、反民主主義的ではないのか。トルコでのジャーナリスト暗殺は、民主主義に対する敵対行為ではないのか。少なくとも、そんなサウジアラビアより、ベネズエラの方がはるかに民主主義的だろう。
 
だが、サウジやイスラエルに対しては、経済制裁はしないが、ベネズエラには極端な経済制裁を課している。

結局、米国の傘の下にある国は、どんな反民主主義的国家でも許され、反米国家はどんなに民主主義的であっても、許さない。これが米国のいう正義なのか。こういう米国のダブルスタンダードが、米国の国力が衰えるにつれてますます顕在化してくるはずである。

そして、この現実が顕在化するたびに、米国は苛立つ。何故なら、第二次大戦後、米国はそんな現実を顕在化させないだけの力があり、他国はそれが【覇権国家】の振る舞いだと諦めていたし、米国はそんな他国の思いなど歯牙にもかけていなかった。世界で最も嫌われている国家と言われても、「憎まれ子 世にはばかる」現実があった。

何度も言うようだが、覇権を失いかけている国家は、覇権を失わないためには、何でもする。常軌を逸した行為でもやりかねない。そんな米国にポチのごとく寄り添い、国益を提供する事によって政権を維持している安倍政権が延命する事は、日本の国益がしゃぶり尽くされる自殺行為に他ならない。

「護憲+BBS」「安全・外交政策を考える」より
流水
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新党「れいわ新選組」への提言

2019-04-21 21:32:58 | 政治
4月10日、小沢一郎議員と自由党の共同代表を務める山本太郎参議院議員が、「れいわ新選組」という政治組織を一人で立ち上げた。

昨年10月23日の投稿「日米安保条約に代わる日本の平和と安全保障への道(永世中立国)(2)」の下から2段目の文節の終行で、これから期待したい三人の政治家の一人に山本太郎議員を挙げていたので、「れいわ新選組」についてネットで検索したところ、ユーチューブ https://www.youtube.com/watch?v=XzDpAnbmuG0での記者会見ビデオと、「れいわ新選組」のホームページ https://www.reiwa-shinsengumi.com/ がみつかった。

記者会見では質問形式で記者の質問に政治信条や「新選組」立ち上げの理由や政策を真摯に語っている。また「れいわ新選組」という党名の由来と意味も詳しく述べられ、昨今○○民主党という政党が多いなか、党名はユニークで埋没することはないであろう。

問題は内政と外交と安全保障政策の中身である。ホームページで主な八政策を見ると、内政主導で他党よりユニークな内容ではあるが、今や内政はどの政党も予算バラマキのオンパレードで、自民党と野党間でも政策の違いの差は狭まっており、選挙になれば、他の政党に真似されたり、直ぐ対案を出されて、有権者には違いが分からなくなり埋没するであろう。

そこで提言したいのは、将来政党として確立して行くには日本の安全保障と外交政策は欠かせない、という点である。

現段階では、「れいわ新選組」はそれが不明確で、遅かれ早かれこの問題は有権者より他の政党やマスコミから厳しく問われるであろう。その場合、他党には簡単に真似のできない、現在の日米安保条約より優れた安全保障と外交政策の旗を提示して、論戦できることが必要である。また山本議員の弁舌であればそれは十分可能であろう。

特に安倍内閣で集団的自衛権が閣議決定され、米国の戦闘や戦争に巻きこまれる可能性が否定できなくなった今、これまで日米安保条約で戦後の日本の安全が保障されて来たという論理は通用しない。さらに集団的自衛権の閣議決定で実質的に憲法9条の戦争放棄すら反故にされたと言えよう。よってこれまでとこれからの、日米安保条約下での日本の安全保障の比較が重要である。

なぜなら冷戦後も米国が敵視しているのは、日本と地勢的に最寄りの中国・ロシア・北朝鮮であることは、トランプ政権でも明白である。いざ米国と中・露・北朝鮮間で戦争が勃発すれば、在日米軍がある以上、日本政府は集団的自衛権を行使せざるを得なくなり、日米安保条約は日本の安全保障に本当に役立つのか疑問であり、むしろ危険になったと言えよう。

中・露・北朝鮮は日本とは距離も近く、同時に何十発ものミサイル攻撃を受ければ、在日米軍やイージス艦や陸上用イージスアショアをもってしても、原発や大都市の被害を完全に抑止することはできないであろう。

かつて米国と近距離にある共産国キューバを武力で打倒したかった米国も、キューバのミサイル反撃を完全に抑止できないと見立てて、結局国交回復に至った経緯を見れば一目瞭然である。これからの日米安保条約は米国本土の安全には役だっても、中・露・北朝鮮から距離の近い日本の安全保障に果たしてなり得るのか、まして北朝鮮より優秀で強力な核ミサイルを持っている中・露を相手に在日米軍が日本の安全保障に役立つのか、中学生でも想像できるはずである。

また昨日(20日)夜9時のNHKスペシャル「自衛隊30年の変貌」を見たが、政府はPKOの名の下、自衛隊を危険と隣り合わせの地域に積極的に派遣し、また公海の航行自由の名の下、米国艦船と自衛隊艦船の海上共同訓練をしている。いつか来る集団的自衛権の行使を想定したものと疑われてもやむを得まい。

しからば日本の安全保障はどうするか、絶対に戦争をしないと言う誓いを、「第二の永世中立国」になって具体的に内外に示し、平和外交に徹することであろう。スイスは永世中立以来、国境は陸続きであるにも拘わらず他国から侵略されていない。これが中立国の安全保障の歴史的な証明である。専守防衛の軍隊をもちながらも、一方では多くの国連機関も誘致し、平和外交に徹しているからであろう。

なお、スイスには国民皆兵義務が在るらしいが、島国である日本は真似する必要は無い。中立国として日本なりの自衛隊で専守防衛への質的転換をはかれば大幅に防衛予算を削減でき、それを福祉政策に充当できるはずである。

日米安保条約を容認して他党に埋没するより、「れいわ新選組」にはこのことを提言して、日本の国土と国民の安全を護る旗を立てて貰いたい。

余談ながら、20日(土)夜9時のゴールデンタイムのNHKスペシャル「自衛隊30年の変貌」は、日米安保条約下での自衛隊の変貌について、国民に一つの警鐘を鳴らしてくれたと思う。このような放送時間でのドキュメンタリー番組こそ、最高裁が言う、「権力から報道の自由を護る為の視聴料の支払い義務」に値する内容であろう。今後も期待したい。

「護憲+BBS」「安全・外交政策を考える」より
厚顔
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安倍首相に舐められている野党

2019-04-06 16:33:12 | 政治
自民党麻生派の塚田国交副大臣が福岡県の知事選応援演説(北九州市)で、安倍総理と麻生副総理の両氏を忖度して両氏の出身地間の関門海峡道路建設の調査費を予算化した、と発言したとのニュースが伝わり、4月4日の参議院決算委員会で野党から追及され、本人は「嘘を言ってしまった」と謝罪した。

一方、安倍総理と麻生副総理は、全く関与していないとの余裕の答弁で、さらに安倍総理は野党の更迭要求に対して、職責を全うして欲しいと、続投の答弁であった。野党は安倍首相に完全に舐められていると感じた。

それもそのはずで、福岡県知事選は自民党、公明党が支持する現職知事対麻生副総理が推す自民党新人候補と、共産党候補3人の争いである。どう転んでもどちらかの自民党支持の候補が当選する可能性が高い。

かつて福岡県知事選は永らく全国有数の与野党激戦の選挙が続いて来た選挙区である。それが今は野党が分裂して統一候補すら立てられていないのである。これでは野党が国会で更迭をいくら迫っても政権側は痛くも痒くもなく、馬耳東風となるのは当然である。仮に野党統一候補が立てられていれば、安倍首相も麻生副総理も即刻塚田国交副大臣を更迭せざるをえなかったであろう。

しかし今日(4月5日)になって塚田副大臣は辞任せざるを得なくなった。与党内からも更迭論が出たらしいが、安倍総理が辞任を迫らなくとも、麻生派内の知事候補の応援演説が同派の塚田副大臣の一人相撲で逆に立候補者の足を引っ張る形になった以上、麻生派としてもこの矛盾を無視できなくなったのが真相であろう。

野党は国会での政権追及の力は何かを反省して欲しい。それは選挙に際して、自民党を脅かす状態と候補者をいつでも立てられる野党連携である。

一方北海道知事選は一見与野党対決の状況となっているが、これはかつて民主党議員であった石川知裕氏が独自に立候補したことに野党が相乗りした形であり、野党共闘から生まれた候補ではない。石川氏は知事選落選覚悟で6月の参議院選挙立候補準備の狙いもあろう。

今の野党を見ていると、6月の参議院選に向かっての共闘に対して全く能天気で、統一候補作りが遅遅として進んでいない。特に小沢氏の仕掛けに対して国民民主党は割れており、立憲民主党も無関心である。

民進党が小池希望の党と合併する時も、前原民進党代表は自由党小沢氏を外して、小池ゆり子氏の言いなりになり、民進党がばらばらになったことは記憶に新しい。また枝野立憲民主党代表も当時希望の党との合併推進者であったにも拘わらず外され、それが幸いして旧民主党支持層の支持を得て今の立憲民主党があると思われる。

枝野代表が小池希望の党との合併に反対して立ち上げた訳ではなく、あてが外されやむなく立ち上げた党であり、それなりの立党の精神と理念のある党とは思われない。敢えて理念を探せば旧民主党の流れを汲んだ延長線上の政党と言えよう。それなのに旧民主党のメンバーとの連携を頑なに拒んで居るのは滑稽に見える。

かつて安倍首相が第一次安倍内閣で政権を投げ出したのは、当時の民主党の小沢幹事長の参議院選挙戦術に過半数を握られ、国会運営に行き詰まった結果だったことを思い起こすべきであろう。安倍首相もその時の苦渋は忘れていないはずである。逆に小沢なくして今の野党が連携して纏まっても怖くはないと思われているとすれば、それはその通りではなかろうか。

このような思いが、今回の塚田国交副大臣の忖度発言に対する野党の追及に対しても、自ら国交副大臣を更迭せずに、麻生派に任せた由縁であろう。6月の参議院選でも野党が今の状況であれば、数は減らしても与野党逆転は防げるとタカをくくっているとしか思えないのである。

一方朝日新聞のニュースに依れば、自由党小沢代表も玉木国民民主党代表に両党の協議の進展がないので、4月末でに回答期限を切ったらしいが、6月の参議院選挙迄に残り時間がないとの見立てであろう。

仮に国民民主党や立憲民主党から無視された場合、次の小沢戦略は何か分からないが、日米安保条約の下では北方四島交渉も困難とロシアから突きつけられ、野党の沖縄辺野古基地建設反対も限界があり、また集団的自衛権行使が閣議決定された以上、日本の安全保障は保証されなくなった事実を踏まえて、これからの日本の新しい進路、日米地位交渉のような小さな問題ではなく、例えば永世中立国への道を考えて欲しいものである。

そうすれば上記のような難問の解決も道が見えると思う次第である。

「護憲+BBS」「政権ウォッチング」より
厚顔
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権力奪取こそ野党の最大の課題

2019-01-31 16:16:32 | 政治
今年は亥年。12年に一度。選挙で大波乱の起きる確率が高い。

現在野党再編の第一弾が進行中。ただ立憲民主党の枝野代表は、民主党時代の右派との確執、小池都知事と組んだ希望の党の排除の論理に対する怨念が拭いきれていない。その為、乾坤一擲の大勝負に打って出る迫力に欠ける。

元大阪府知事橋下徹は嫌味な男だが、彼が「政治は権力。権力奪取しなければ、どんな良いことを言っても絵に描いた餅。権力を握ってこそ、政策が実現できる。その為には、ポピュリズムは必要。多数派を握るためには、ある程度のポピュリズムを許容する必要がある」と語っていたが、この認識は、傾聴する必要がある。

日本の野党は、政策的相違や理論的違いに拘泥しすぎ、些細な差異に、厳格すぎるきらいがある。野党の過去の離合集散は、その大半が些細な違いをことさらに煽りたてて分裂を繰り返してきたことにある。立憲民主党の現在の姿勢にも多少その匂いが感じられ、危惧している。

少しの違いを針小棒大に騒ぎ立て、自らの正当性をことさら強調する姿勢は、少なくとも選挙で権力を奪取する姿勢ではない。否、現実には、その逆の効果をもたらす。

万年野党で良いなら、その姿勢もありだが、国民からすれば、権力を奪取する気概の無い政治家や政党など何の役にも立たない。

当然である。何故なら、彼らに投票しても世の中は変わらない事が明らか。そんな政治家や政党に期待しても仕方がない。小沢一郎に言わせれば、そんな政治家や政党は、政界から去るべきだと言う事になる。

わたしは民主党が政権を握る以前から、「小沢一郎は革命家だ!」と主張してきた。この掲示板でもそう主張してきた。

その理由は明白。現在の日本の政治体制を変えるためには、選挙で勝利し、権力を奪取する以外にない。その為には、自分や自分の政党が消滅しても構わない、という明確な【自己否定】の論理が貫かれている。

小沢一郎には、【壊し屋】という異名がついているが、権力を奪取し、既存の体制をひっくり返そうとする人間や政党が、自らを否定できる勇気がなくて何の説得力があるか、という姿勢である。

彼がビスコンティの映画【山猫】の滅び行く体制側の侯爵の台詞を引用して、「生き残るためには、自らが変わらなければならない」と語っているのも、自民党田中派と言う旧体制のエリートである自らの立場を否定する事により、政界で生き残ってきた自らの半生を重なり合わせているのである。

※まず、「権力奪取」。安倍政権打倒。野党の使命はこれしかない。

目標が明確になると、次にやる事ははっきりしてくる。
(1)大きな政策の共有。
現在でいうと、①富の分配の公平⇒反新自由主義的経済②憲法改悪に反対③反消費税④反原発 程度は共有できる。その他の違いは、派閥の違い程度のおさめる。

(2)選挙区の調整
参議院 ①一人(32選挙区)区は野党の候補者は一人に絞る ②多数区は、各党が主体性を発揮すればよい。
(原則)⇒統一名簿方式で有権者に反自民政党一本化を印象づける必要性⇒政権奪取に本気であるという印象ができる⇒そのためには、候補者の事前選挙が必要 ・・・現実には、枝野幸男がかたくなに統一名簿方式を拒否しているので実現は難しい。 
③比例区
野党は統一名簿方式をつくり、野党票の分散を防ぐ (小選挙区の最大のデメリットである死票を防ぐには、統一名簿方式は必要条件。

統一名簿方式は、野党それぞれの「自己否定」を必要とする。一人一人の政治家や政党の覚悟が問われる。自党が有利かどうかという次元で論議をすれば、必ず壊れる。今一番野党に求められているのは、この覚悟以外にない。

(3)現実の動き
・・・・★28日に開かれた立憲民主、国民民主、共産、自由、社民、衆院会派「社会保障を立て直す国民会議」の5党1会派が結集した党首会談では、夏の参院選に向け、全国32ある「1人区」で候補者を一本化する方針を確認した。また共闘のベースとなる政策合意、それに伴う1人区以外の選挙区での候補者調整にも議論は進むだろう。
・・・政界地獄耳
・・・★各党党首は合意文書に「本通常国会において野党5党1会派は協力連携を強め、立憲主義の回復や、また国会の国権の最高機関としての機能を取り戻し、国民の生活を豊かにし権利を守るため、安倍政権打倒をめざし厳しく対峙(たいじ)していく」「今夏の参院選挙に際し、安倍政権打倒をめざし、32の1人区全ての選挙区において与党を利することのないよう、速やかに候補者一本化のための調整を図る」。・・政界地獄耳
https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201901310000137.html

ここで合意した内容は、理想にはまだまだ遠いが、かなり画期的である。

細川政権樹立の時は、選挙は各政党の独自性で戦い、選挙戦後の連立で権力を奪取した。民主党政権の時は、単独の政党で戦い、選挙に勝利して権力を奪取した。

今回は、過去二回とは違い、多数の政党が選挙前から調整協力して候補者を一本に絞り、選挙を戦う体制を整えている。前2回とは格段に難しい調整が必要になる。さらに前2回には蚊帳の外だった共産党が参加している。これもかっては考えられなかったファクターである。

そういう意味で、一歩ずつではあるが、野党協力が進みつつあるという認識で国民も選挙に臨むべきであろう。

安倍ファッショ政権を終わらせなければ、日本に未来はない、という認識で協力しなければならない。

※安倍政権打倒 野党の権力奪取以外に、日本復興の道はない。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
流水
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小沢自由党の国民民主党への合流(2)

2019-01-29 09:42:08 | 政治
いよいよ今日(1/28)から通常国会がスタートした。それに先立ち国民民主党と小沢自由党の合流ニュースがあったが、国民民主党の党内事情で当面統一会派からスタートしたようだ。しかし今日の両党議員の統一会派総会のVTRでは、参議院選までには合流も織り込み済みの雰囲気が感じられた。また早速今晩から玉木、小沢両党首が都内で街頭演説しているVTRを見たが、聴衆も結構集まっている様子で良いスタートである。

国民民主党と自由党の街頭演説
https://www.youtube.com/watch?v=KynzdkVUgu0

一方昨日山梨県知事選の結果がでたが、旧民主党が推した現職が自民・公明が推した新人候補に敗れた。

経過は現職知事は立憲民主党と国民民主党の推薦は受けたが、両党幹部の応援演説は、両党は仲が悪く票が逃げるとの判断で拒否したらしい。その判断で負けたのか、その判断で惜敗まで持ち込めたのか分からないが、旧民主党系現職知事はよほど両党幹部に魅力を感じなかったのであろう。山梨県は参議院の一人区であり、立憲の枝野代表も国民民主の玉木代表も猛省すべきであろう。

小沢氏は最初野党第一党の立憲に統一会派を呼びかけたが拒否されたと言われている。そうであれば枝野氏の頑な態度は統一候補造りには戴けない。立憲民主党は、野党も乱立して、自民・公明に参議院一人区で勝てると思っているのであろうか。

「護憲+BBS」「新聞記事などの紹介」より
厚顔

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