先日私の住む神奈川で、参院の補選が行われた。そこで幸福実現党という妙な政党のスローガンの最初が、「国防を強化して国民の命を守る」とあったのに呆れ、かつ世の中が怖くなった。
国防を強化して戦争をすると、国民の命がものすごく沢山失われる。(どこの国のどんな戦争も、自称自衛戦争なのである。)前の戦争を少し知る人間として、こういうスローガンが戦争を知らない人たちにはもっともらしく聞こえるのかと、とても怖い。
国防力を自国の経済の限界まで高めた結果、私の知る日本は、戦争をして、国民の三百何十万の人間を遺棄死体にして、その何万人かを小さな島々にごろごろ転がし、戦災死者も何十万と作って、隅田川には死体が川いっぱいに浮かんでいた。
この国防力を作るときも、国防力が強ければ戦争しないですむと軍は強弁していた。それでも、日本がアメリカに降参した後では、ほとんど一人も戦死者はいない。
今世の中が閉塞状況にあって、こんどの民主党政権もうまくいかないと(自民党がここまでひどくした世の中を、若者たちの気に入るような世界にするのは容易なことではない)こういうせりふを吐く変な政党が意外に人気を博すようになるのが一番怖い。公明党だって、はじめはとても小さかったのである。
「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
鈴木建三
国防を強化して戦争をすると、国民の命がものすごく沢山失われる。(どこの国のどんな戦争も、自称自衛戦争なのである。)前の戦争を少し知る人間として、こういうスローガンが戦争を知らない人たちにはもっともらしく聞こえるのかと、とても怖い。
国防力を自国の経済の限界まで高めた結果、私の知る日本は、戦争をして、国民の三百何十万の人間を遺棄死体にして、その何万人かを小さな島々にごろごろ転がし、戦災死者も何十万と作って、隅田川には死体が川いっぱいに浮かんでいた。
この国防力を作るときも、国防力が強ければ戦争しないですむと軍は強弁していた。それでも、日本がアメリカに降参した後では、ほとんど一人も戦死者はいない。
今世の中が閉塞状況にあって、こんどの民主党政権もうまくいかないと(自民党がここまでひどくした世の中を、若者たちの気に入るような世界にするのは容易なことではない)こういうせりふを吐く変な政党が意外に人気を博すようになるのが一番怖い。公明党だって、はじめはとても小さかったのである。
「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
鈴木建三