老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

憲法改正の本質と政治権力

2013-07-31 06:58:47 | 憲法
安倍首相という憲法尊重義務を全く意に介さない不当極まりない総理大臣が憲法改正にいやに熱意をもやしているが、彼の憲法改正案自体には何の正当性もない。

憲法改正という手続きでは、以前から指摘しているように憲法の根本規範である国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の三大原理を改変することは絶対にできない。この三大原理を改変することは「憲法改正」ではなく憲法の破壊であり革命かクーデタになるからである。

以上の憲法ルールを順を追って説明しよう。

憲法改正の手続きは憲法典によって定められているが、近代憲法の原則(硬性憲法)上、憲法の改正は通常の法律の議決と異なり、国会議員の3分の2以上の賛成等を要求しており、簡単に改正できないことにしている。

こうした憲法改正手続きであるが、憲法をどういう風に改変するかは自由にできないことは上記で述べた。その最大の理由は、憲法を制定した議会(憲法制定権力と呼ぶ)が定めた憲法典を根本的に改変することは、憲法改正議会(憲法改正権力と呼ぶ)には許容されていないからである。つまり憲法改正権力の上位に憲法制定権力が存在しているからであると言われている。

以上のような論理は、政治権力者の恣意的な議決権行使の前では観念的であり、違憲審査権を持つ司法権力が他の権力に支配されている日本では無力である。そこから立憲主義を擁護する護憲運動勢力が重要な役割を担うことになるであろう。

とりわけ憲法第9条を巡って護憲勢力は果敢に政治権力と対峙してきたし、その戦後史上での闘いは目を見張るものがあった。(近代裁判の歴史で「権利のための闘い」は必要不可欠であった。)その「権利のための闘い」を今取り下げる必要はない。

安倍ファシズム内閣に果敢に対峙することが今最も重要なのである。

(次回に続く。)

「護憲+コラム」より
名無しの探偵
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真の国民主権、基本的人権、平和主義を護るには

2013-07-29 09:43:12 | 憲法
日本国憲法は国民主権、基本的人権、平和主義が規定されていることに特徴があると言われ、この三つの基本原則を損ねる様な憲法改正は改悪であり、自民党の憲法改正案はまさに改悪であろう。

一方現行憲法で国民主権、基本的人権、平和主義が完全に保証されているかと言えば必ずしもそうとはとは言えない。それを確たるものにするには現憲法では不十分であり改善が必要である。

例えば安倍政権は8月から生活保護費を減額するらしいが、これに対して都知事選に立候補した宇都宮弁護士や「全国生活と健康を守る会連合会」は、全国の生活保護受給者に行政への不服申し立てを促し、棄却された場合は集団訴訟を起こす方針と報じられている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130727-00000007-asahi-soci
生活保護減額、一斉に不服申立てへ 集団提訴も視野、朝日新聞デジタル 7月27日

そこでこの問題について最終的に行政訴訟が起こされた場合に現行憲法で十分と言えるか検証して見ようと思う。そうすれば憲法改善の必要性が見えて来るはずである。

提訴する側は生活保護費の減額は憲法25条に抵触し、基本的人権の侵害という趣旨の訴状を提出するであろう。

第二十五条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

一方生活保護費の削減は先の衆参両議院選挙に勝利した安倍政権の方針でもあり、地方自治体も受給者の不服申し立てを認めれば総務省(安倍政権)の地方特例交付金減額のしっぺ返しの恐れがあり、安倍政権の生活保護費減額方針に従わざるを得ないであろう。よって訴訟は遅かれ早かれ時間の問題といえる。

そうなれば安倍政権と生活保護者の基本的人権(憲法25条)を巡っての裁判争いとなり、安倍政権としても絶対敗訴するわけにはいかない。しかし憲法は次の三つの条文で裁判官の人事権を行政府(内閣)に与えているから、内閣はやろうと思えば次期最高裁長官に内閣の政治信条に叶った人物を指名し、順次その他の最高裁判事も下級裁判所の裁判官も同じような任命ができるのである。

憲法第五条二項 天皇は、内閣の指名に基いて、最高裁判所の長たる裁判官を任命する。

憲法第七十九条 最高裁判所は、その長たる裁判官及び法律の定める員数のその他の裁判官でこれを構成し、その長たる裁判官以外の裁判官は、内閣でこれを任命する。

憲法第八十条 下級裁判所の裁判官は、最高裁判所の指名した者の名簿によつて、内閣でこれを任命する。

現在の竹崎最高裁長官の任期は2014年7月7日(70才)(ウイッキペディア)までで、次期最高裁長官は現長官の推薦を得て内閣が指名するのが慣習らしいが、安倍首相のことだから自ら人選するであろう。今後どうなるか最大の関心事である。


因みに以前紹介したことのある日本会議の現会長は元最高裁判所長官であった三好氏と紹介されている。その司法界への人脈を利用すれば安倍首相の意図する最高裁の裁判官の人選は容易であろう。

これでは憲法第七十六条三項に、「すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。」と唱われていても、このとおり実行できる裁判官は限定されるであろう。なぜなら過去に時の政府に不利な判決を下した裁判官は一生地方裁判所暮らしであることを見せつけられているからである。行政訴訟の判決にはこのような内閣の無言の圧力が司法にかけられているといっても過言ではない。民主党政権下では比較的原告(住民側)勝訴の判決が多くなったと感じていたが、自民党政権になりまた元に戻るのではあるまいか。

このように憲法上で司法と行政との関係を見ると司法は行政から完全に独立しているとはいえず、基本的人権が護られるているのは裁量権の広い憲法の条文上のことであり、今回の生活保護費の削減もいざ憲法25条の基本的人権を行政側と裁判で争うことになれば、上記のように裁判官の人事権が行政側にある以上、公正な裁判が保障されているとは言えない。国民主権もまた然りである。そうなると、「生活保護費が削減されたとしても、非正規社員の年収より多く、憲法25条に抵触するとは言えない」との判決を書く裁判官が出てくる可能性もあろう。

よって護憲と言うことは現状維持と言うことであり、行政訴訟で公正な裁判はいつまでも期待できないうことである。三権分立とは教科書上の教えで、日本国憲法では名ばかりであると言えよう。平和主義もまた然りである。それには日米安保条約を破棄して中立外交が現状よりベターと言えよう。よって護憲ではなく改善の為の先進的憲法改正が必要と思うところである。

余談であるが、日本国憲法で上記のように内閣が裁判官人事を握る規定がどうしてできたか想像するに、GHQが日本占領下で施政する過程で、日本を独立させた時に、左右どちらかの政治勢力に与するような裁判判決が下された場合を想定して、それを是正できるように内閣に裁判官の人事権を握らせておいたのではないか。それが自民党政権下では公害訴訟や薬害訴訟やハンセン病患者の隔離政策などで基本的人権が無視される判決が続けられる原因に繋がって行ったのではないかと思う。

最後に日本会議国会議員懇談会のメンバーをみると麻生財務大臣、下村文科大臣、岸田外務大臣、稲田朋美特命大臣、高市早苗自民党政調会長なども所属し、安倍首相の憲法改正への並々ならぬ執念が推し図れる。安倍首相はかつて懇意であった富士フィルム会長の古森氏をNHK経営委員長に抜擢した経緯もあり、裁判官人事へ影響を及ぼすのも時間の問題ではないかと思う次第である。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
厚顔の美少年
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労組出身議員の良し悪し(民主党幹事長に大畠章宏氏)

2013-07-27 09:53:10 | 民主党
労組出身の議員は労働者の権利擁護、労働条件の改善、そのための法制化などに尽力してくれているとの見方が一般的でり、民主党の大畠新幹事長もこれまではそうであったであろう。ところが幹事長になったタイミングが悪い。大畠氏は元日立製作所の社員で原子力開発の部署に所属し、それから日立労組の組合専従員となり、そこから社会党の茨城県会議員を経て国会議員になったという経歴である。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E7%95%A0%E7%AB%A0%E5%AE%8F

東京電力の福島原発の事故がなければ、このような心配をする必要も無かったが、事故以来原発反対は国民の大勢に成りつつある中で、原発メーカーの出身議員が、出身会社や支持してくれている従業員を前にして原発反対を訴え、また原発を推進しようとする自民党に対して原発反対で対峙して行けるものであろうか。

仮にそれができなければ、原発反対の民主党支持者は更に失望し離反していくであろう。民主党海江田代表の幹事長人選は拙速だったのではあるまいか。海江田新体制は早くも波乱含みで、失速の懸念ありである。

「護憲+BBS」「政党ウォッチング」より
厚顔の美少年
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「立憲主義」擁護と「民主主義」の実現

2013-07-26 09:51:29 | 憲法
間もなく第11期に入る「護憲+」ですが、護憲運動の意味を誤読されている方もおられるようなので、来週のコラムの先取りもかねて、もう一度立憲主義を擁護することと民主主義を実現することとの違いを確認しておきます。

今回の参議院選挙の結果を受けて護憲運動は岐路に立たされているという意見もだされています。確かに、運動論レベルではそう言えるかもしれません。

しかしながら、護憲という立憲主義を擁護することは、今回のような選挙の結果に左右される問題とは一応区別されねばならないと思います。憲法改正問題が選挙結果からより鮮明になったとは言えるかもしれませんが、それは別次元のこととして選挙結果から護憲運動の方法が間違っていたという結論には直ちにならないと思います。

民主主義という問題ならば運動のやり方が間違っていたということは言えるかもしれませんが、立憲主義の擁護の問題はその時々の政治・社会情勢に左右されるべき事柄ではありえません。

憲法改正という手続きによって現行憲法の改正という改革が行われることになりますが、以前から指摘しているように改正には限界があります(無制限だという困った学説も存在しますが)。

憲法の根本規範(つまり、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の三本柱)を改変するような憲法改正は禁止です。また、安倍こべ内閣が言うような憲法改正手続きの改正(96条)はできないと解されます。憲法が硬性憲法であるという原則からです。

そうすると、現在の安倍首相が目論んでいるような「憲法改正案」(自民党案)は違憲です。民主主義という次元ならばある程度は強行できるかもしれませんが、立憲主義を根こそぎ奪うような憲法改正は違憲無効です。

こうして、護憲運動自体に間違っているという判断は、通常選挙の運動論と異なり別の視点が重要であると思います。

以上の論理は次週のコラムで具体的に詰めていきたいと思います。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
名無しの探偵
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もろ手を挙げて賛成(コラム「もうすこし賢くなろう」について)

2013-07-25 15:56:12 | 憲法
もう少し賢くなろう」で鈴木建三さんが言っているように安倍氏を有頂天にさせた責任の一端は、民主党政権とくに菅内閣に対するリベラル派の言動にあるといってよいと思います。しかし「おごる平家は久しからず」、早晩馬脚を現すことでしょう。

私は過去のコラムに数回にわたって9条のすばらしさを書いてきましたが、息子の世代に当たる映画監督森達也さんは、今日(25日)の朝日新聞にいみじくも「怖いけれどもやせ我慢してこの国は9条を維持してきた」と書いています。

「武士はくわねど高楊枝」落語に時代劇に連綿として続くやせ我慢の系譜、誇りを持ってこれを守りたいものです。

「護憲+BBS」「コラムの感想」より
成木清麿
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もうすこし賢くなろう

2013-07-24 11:01:01 | 選挙
今度の選挙の結果の自民の大勝を嘆く声が、我々の側からは大きいようである。

しかしこれは、この結果が選挙の結果で明らかになる前に我々はみんな予想していたことではないか。我々の、わが女房も含めて多くの連中が東北大震災の後、その後にどんな人間が次に政権をとる可能性が大きいかも考えずに菅下ろしに同調した結果、当然予測されたことではないか。

だからといって、この選挙結果に得意満面の安倍が得意のままでいられるかの本番は、これからである。

日本人がもう少し聡明な事を願っていたなだいなださんは亡くなってしまったが、それと同じ年齢の小生はまだ生きていて、これから憲法問題が表面化するだろうと考えて、之には全力を尽くして、之を戦争の出来るものに換える事に反対するつもりだし、今度の選挙の結果を見た国民も、なださんの遺志を生かしてもう少し賢くなって、不戦の憲法を守ってくれる事を信じている。

安倍のその他のばかげたスローガンについて言いたいことは沢山あるが、今は不戦の憲法を守り、その価値を再確認する絶好の機会であることを強調するだけにする。

「護憲+コラム」より
鈴木建三
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参院選の絶望と希望

2013-07-24 10:12:29 | 選挙
参院選の翌朝は68年前の8/6広島、「これから頭上に原爆が落ちると予知した朝」のような気分でした。朝刊を手に取れば「自民党圧勝」のタイトルに追い打ちをかけられる始末。太平洋戦争には、こうやって突き進んでいったのかも・・・と。

国旗・国歌制定の法案が決定される際、当時の故小渕総理は「国旗、国歌は強制しません」と明言しました。しかし、その後の石原都政をバックにした東京都教育委員会の横暴は「強制ではない」と詭弁の傍らで「職務違反」として教職員を処分しています。「処分が重すぎる」と裁判所が裁定したのに、方針を変えない厚顔無恥ぶり。

つまり、口約束で変えられたが最後、法制化されたものを政府に振りかざされます。私は「占領軍が決めた内容だ」「現状と矛盾している」「表現があいまい」だから改憲、などという論者・政治家に説教したいです。現行の憲法精神を尊重し、きちんと遵守してから言いなさい!憲法違反と肝に銘じつつ自衛隊を運用しなさい!イラク特措法で逃げるな、ごまかすな!と。

日本の自衛隊は「正当防衛」の手段だと思います。しかし、3/11災害救助や原発事故時に命をかけて活躍した自衛隊員が、海外派兵で「敵とみなされた」勢力と対峙し、武力行使・先制攻撃をしたら「過当防衛」、殺人者になります。戦場では、相手を殺さなければ自分が殺されます。相手もそう思っています。それが戦争です、チキンレースなんです。「国防軍にする」という政治家は国民に対し、その本質や覚悟を明言・公言しなければなりません。

政治家の3M(無恥、無謀、無神経)と海外進出企業、軍需産業の画策で憲法改正され、堂々と海外派兵できるようにしたら、64年前の開戦前夜と同じになります。私は息子・娘を戦争犯罪人にしたくありません。

それでも、参院選で山本太郎さん&吉良さんが当選できたことに希望を感じます。それは、御用新聞やテレビメディアが脱原発を封殺しても、ネットメディアや勝手連運動のネットワークが期待できるからです。山本さんの「もう、一人じゃない」というコメントが印象的でした。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
猫家五六助
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「日本国憲法」に恥じない国作りへの鍵

2013-07-23 21:47:44 | 憲法
万世一系などという ちょっと考えれば眉唾ものは見え見えの虚言で権威付けし、統治という 人を人とも思わぬ上から目線で構成した不磨の大典(大日本帝国憲法・明治23年11月施行)なるものを奉って爾来、富国強兵の道を辿ること55年余、神風への加護祈念もあえなく戦に敗北した。だが、災いは転じて福をもたらし、人が人として尊重されるのが当然とされる、今の世を迎えた。

だが、筆舌に尽くし難い多大な犠牲・苦難を乗り越えて手にした、最高法規・日本国憲法のもと、人々はその理念を日常のものと為し得ただろうか。戦後66年になんなんとする今、その姿はあまりにもみすぼらしい。

時と共に人は代わり、人が代われば、そこで演じられるものもまた様変わりする。それは理の当然として受け入れざるを得ない。しかしである。いかに様変わりをしようとも、踏み外してはならない限度というものがあるとしたものであろう。

国民主権である。しかし、それの行使・表出のほとんどは、代議によって為され、よって、総体としての意思表示は、「投票」により他者に託して行うことになる。だがその行使状況はどうであろう。終ったばかりの参議院議員選挙を見ても、それは、半数を僅かに超えただけだ。
 
早速提起された「憲法違反・一票の格差」。この投票率を見て何とするのだろう。代議の受任者として名乗り出た人・党そのものに対する不信が横たわっているとしても、である。

基本的人権の享受・尊重を言う。だが、枚挙の暇もないような人権の軽視・無視の例数多。共助・共生など、どこのことかと思う。地域間、社会内の格差の拡大に対してどのような手を打ってきているというのでしょう。お題目を唱えるだけの日々が、延々と続いている。その間にも<人生を終える人限りなし>でしょう。

異を唱える人皆無であろう恒久平和。だが、言うに事欠いて「隊員が銃火を交えて落命した事例なし」とか、「自衛の備えあるからこそ攻撃されずに今日まで来た」とまで言う。「勇ましいもの」は、みんな好きらしい。だから、年に一度の大棚卸し宜しき「実弾訓練」には、何万人かが見物に出掛ける。それに気を良くしたかどうかは知らないが、潜水艦やらイージス艦まで増艦し、めでたく「軍」と呼ばれる日も近いとか。

全て「人」である。様々な方向に舵を切らせるのも「一人前」として世に出た「人」の為すことである。鋳型に入れるなどはもってのほかは言うまでもないことながら、自得も含めての「教育」に全てはかかっているのではないだろうか。
 
「自由闊達な教育の場」を、いかに広く効果的なものとして次代を担う人たちに提供するか。この辺りに「日本国憲法」に恥じない国づくりへの鍵が隠されているように思えるのだが、どうでしょう。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
百山  
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日ロ北方四島返還交渉対策について

2013-07-22 21:57:18 | 安全・外交
20日の朝日新聞朝刊(13面)に、かつて北方領土交渉に携わった日ロの元外交官、東郷和彦氏とアレクサンドル・パノフ氏が今後の北方四島問題解決に向けた提言を共同で発表したと報じられていた。その全文は新聞には掲載されていないが、新聞での要約は概略次の通りである。

先ず4月の日露首脳会談で平和交渉再開の機運が生まれたことを前提にして
・今後の交渉で早急な成果はもとめないこと。
・両首脳を結ぶ非公式の交渉チャンネルを設け率直な意見交換をすること。
を提言。

二島返還のロシアと四島返還を求める日本の立場が乖離しているため一挙解決は困難との見方に立って、具体的には
1.歯舞・色丹二島を日本に引き渡す時期と条件について交渉する。
2.それと平行して、国後・択捉に特別な法的地位を与え、両国が経済活動をすることができる特別地域とすることを目指し、日露どちらのものにするかは将来の交渉に委ねる。
という内容で、98年の小渕・エリツィン会談内容を前提にしていると解説している。

上記の要旨を観る限り、既に言い古された内容で、新味もなく、これまで解決のチャンス(ソビエト崩壊時)があったのに、それを生かせなかった反省はなく、しかもロシアペースの提言にみえる。

私があえてこの問題に言及するのは、2011年(菅内閣時代)に、メドベージェフ大統領が国後島を訪問した際に、「メドベージェフ大統領が続く限り、北方4島は直ぐには返還されないことが明らかになった。よって次期大統領選ではメドベージェフ現大統領が再選されないことを願うしかない。一方でプーチン首相も再度大統領への復帰を望んでいるとも言われている、プーチン氏は柔道の愛好家であり、現大統領よりは知日家ではないかと思われる。今後はメドベージェフ現大統領には距離を置き、プーチン首相に積極的にアプローチし、日本はプーチン大統領再選を望んでいる姿勢を鮮明にして行くべきである」との主旨を述べ、事実プーチン氏が大統領に復帰したからである。

そして今年安倍首相訪ロに先立ち森元首相との個別会談で、大統領に復帰したプーチン氏は柔道用語の「始め」という日本語を使って、北方四島問題交渉を再開する意思を示したことは記憶に新しい。このことからもメドベージェフ元大統領との違いは明らかである。

ところで元外務官僚の提言について二点指摘しておきたい。一つは、「早急な成果を求めない」とのことであるが、いつを目処にするのか不明確すぎる。これではプーチン大統領の後にかつて国後島を訪問したメドベージェフ首相が再度大統領に選出されたら元の木阿弥に成りかねない。せめてプーチン大統領の在任期間中を期限とすべきである。

二つ目は国後・択捉に特別な法的地位を与え、両国が経済活動をすることができる特別地域とするとの提言であるが、両島の経済基盤が安定すれば、島民の二島返還反対はますます強くなり、ロシア政府も住民の意見を今以上に無視できなくなるはずで、結果、四島返還はますます遠のく可能性がある。特にメドベージェフ大統領が再選されればその可能性は大であろう。

それでは日本として北方四島返還交渉をプーチン政権とどのように進めるかである。それには先ず、巷間言われているとおり、米国でシェールガス革命が起こり、回りまわってロシアの天然ガスや石油がEU諸国に売れなくなり、その結果ロシアは外貨が不足し国内開発が滞り、日本への天然ガスや石油の輸出と日本企業のロシアへの進出を期待せざる得なくなっている時代背景を、日本の政官業がしっかり認識し、その上に立って三者ががっちりスクラムを組んで、「北方四島返還交渉(国益交渉)」に臨むことである。まさにソビエト崩壊以来のチャンス到来である。

政とは安倍内閣であり、官とは外務省と通産省、業とは経済界のことである。特に通産省の役割は重要で、経済界が抜け駆けをして独自にロシア政府と経済協力交渉をしないようにすることが肝要である。いわゆる企業利益より北方四島返還の国益優先の徹底である。

そして四島返還の条件としては期を決めて二島ずつの返還でもよい。また四島の200海里内での漁業権は向こう50年間はロシアと共有もよし。その上でロシアの天然ガスと石油の輸入に応じ、民間企業の極東ロシアへの進出を促進し、その進出条件としては国後・択捉島のロシア人を優先的に採用し、その住居は日本政府がマンションを建設して無償提供をしてはどうか。そうなれば、その準備と国後・択捉の返還時期を同期させることも可能であろう。それでも国後・択捉に残りたい既存のロシア人には永住権を与えることも考慮すべきであろう。これ等をプーチン政権に提示して交渉してはどうであろうか。

当案は現在のロシア経済のアキレス腱解決のため、天然ガスや石油を輸入し、極東ロシア経済の活性化にも協力し、国後択捉のロシア住民にはそこに住み続けるより極東ロシアに移住した方が雇用と住宅が提供されより裕福に暮らせることを提示し、結果離島を促し、四島を返還しやすいように提示することでもある。これが私の素人提言であるが、上記元外交官の提言とどちらが具体的か比較してもらいたいものである。

因みに元外交官の天木直人氏は、同じく元外交官の東郷氏の提言について自身のブログで「ロシア紙に北方領土問題の解決案を提言した東郷氏を排す」というタイトルで東郷氏の行動を批判している。
http://www.amakiblog.com/archives/2013/07/19/#002650

「護憲+BBS」「新聞記事などの紹介」より
厚顔の美少年

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今日は投票日

2013-07-21 10:03:42 | 選挙
7月21日。参議院選挙投票日当日になってしまった。この日の出来事を、2012年12月16日の衆議院選挙投票日と合わせて、私は生涯忘れる事はないだろう。

今日は、後の世の人々に「ああ、あの日が日本が変わる第一歩だったのね」と言われないように投票所に足を運ぼう。

選挙が終わってもまだ日本の民主主義、主権在民の精神が終わったわけではない。これから憲法改定に向けて、96条の改悪がなされるか?、国民投票の結果は?と様々な手続きがある。

でも、選挙が終わったらお台場ににあるあのテレビ局をはじめマスコミは、こぞって「夏だ!夏休みだ!バケーションだ!」と政治も原発も憲法改定も国民の脳裏から忘れさせようとするだろう。

困ったことに国民の中にも福島第一原発の事故を無かったことにしたいという気持ちの人達がいる。あの事故は一部の地域の運が悪かった人達の頭上に降りかかった事と思い込みたい人達がいる。そんなことはない。地震国日本に原発がある限り何時どこで起きてもおかしくないし、今だって放射能に汚染された地域に私達は住んでいるのかも知れないのに。

投票所は閑古鳥が鳴いているのか?昨年の衆議院選挙の時はあれだけ低い投票率、と言われながら結構な人が列を成していたけれど。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
パンドラ
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