老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

憲法の解釈と立憲主義という方法

2014-02-26 09:45:21 | 集団的自衛権
安倍首相という反憲法的政治家の出現によって、現行憲法危うしの程度は高まった。過去にも安倍氏は「日本が核武装することも憲法解釈上でも可能である」としていたし、今回は集団的自衛権の行使容認も解釈上可能であるとし、今度の閣議決定で行うと言っている。マスメディアでも賛同するコメントが出されている。

こうした政府解釈による「憲法解釈の変更」は許されのだろうか。

結論から先に言うと政府の(安倍氏の)憲法解釈にも自ずと限界があり、集団的自衛権の行使容認はできないことになっている。

その理由を述べる。

「憲法の解釈」という問題は、一部の学説のように「一般の法令解釈」と同じレベルで考えてはならないと思われる。なぜなら、憲法の解釈には法律とは異なり、政府の行為に対して制限をかける(ダグラス・ラミスは「政府に対する命令である」という)意味があり、勝手に安倍氏が首相という立場で恣意的に解釈できないことになっているからである。これが立憲主義のルールということである。

安倍氏は立憲主義を低いレベルで理解し、「それは王に絶対権力があったときの考え方だ」と言っているが、彼は絶対権力を倒した市民たちが革命によって立憲主義を勝ち取った「歴史」(中学のテキストにも明記されている)も理解していないのだろうか。

次に、立憲主義という政府に対する歯止め(基本的人権の尊重は国家権力に向けられた言葉だ)だけではなく、主権者である国民を無視して勝手に憲法条文(憲法第9条と前文)を書き換えるような解釈は、憲法が定める「国民主権」の政府による侵害行為であると言うべきである。主権者の意思も問わずに憲法解釈の変更を断行することなど、できるはずもない。憲法の改正手続きを省く行為は絶対に許されない。

以上の理由から、安倍氏の今回の解釈改憲は、議会による不信任の対象となる問題である。

以上を整理すると、「憲法の解釈」は法令解釈と異なり立憲主義という関門手続きと国民主権の侵害にならないのかというテストが待ち構えているのであり、恣意的に閣議決定と決められる問題ではない。そういう軽薄な安倍判断は憲法を軽んじる無礼な行為であり、憲法99条(憲法尊重擁護義務)に違反することになるのである。

さらには、もし閣議決定で集団的自衛権の行使容認を行うならば、違憲審査の関門が待っている。そして、違憲審査によって「解釈改憲の閣議決定」は憲法違反であるという判断になるのである。

補足すると、「憲法解釈」と一般の「法令解釈」は別だという学説は見当たらない。立憲主義的解釈として、私見を初めて打ち出した。

「護憲+コラム」より
名無しの探偵
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NHK会長の職権乱用

2014-02-26 05:47:57 | マスコミ報道
NHK籾井会長が全理事に対して日付空欄の辞表を提出させていたことが国会で追求され、全理事もそれを認めた答弁をした事が報じられ、一瞬耳を疑ったが事実でした。NHK会長として前代未聞の職権(人事権)の乱用と言えるでしょう。

一方で籾井会長は過日国会で記者会見の内容を追求された際、放送法に従い不偏不党、公正中立を守り、私見を番組編成に反映させることはしないと明言しています。その陰で理事の辞表を預かる行為をしていたということは、会長と意見が対立する理事はいつでも罷免でき、国会での約束を反故にしたも同然と言えます。

さてこの問題を公共放送のNHKは今後どうするつもりでしょうか、今日の民放のテレビニュースはどこもこの問題を取り上げていましたが、NHKは夜7時と9時のテレビニュースでもノーコメントだったように思います。

民放であれば社内のトップの不祥事を取り上げないのも分かりますが、公共放送のNHKが国会で追求された事実すら報じないとは、自ら公共放送の立ち位置を見失っている証ではないでしょうか。7時のNHKニュースでは職員が出入りの音響業者と癒着して予算を流用していた事件を報じていましたが、どちらが重要な問題かNHKは分かっていないようです。

しかし、理事達が辞表を提出させられた事実を国会で正直に認める証言をした勇気は、高く評価したいと思います。それだけに今後の問題(会長の進退)は、全職員が理事側に立って自浄能力を発揮できるかどうかに懸かっていると言えます。また料金を払っている視聴者は、外部圧力による解決ではなく、NHKの自浄能力に期待していると思います。

「護憲+BBS」「マスコミ報道を批評する」より
厚顔
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「サロン・ド・朔」2月27日例会のお知らせ

2014-02-24 10:24:29 | イベント情報
2月27日(木)18:30から「サロン・ド・朔」2月例会を開催します。

今回は講師に「市民応援メディア・私達の街頭活動」メンバーのHN:Jackさんをお招きし、新しい形の市民活動についてお話ししていただきます。

興味のある方、参加ご希望の方は、「護憲+HP」記載のメールにてご連絡ください。折り返し会場、プログラム等の詳細をご連絡します。

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■日時:2月27日(木)18:30~21:30
■場所:「フリースペース 朔」(JR水道橋駅近く)
■テーマ:「市民応援メディア・私達の街頭活動」
■会費: 500円

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☆「サロン・ド・朔」とは、「護憲+」メンバーを主軸に「SNSリアル版」のような形で運営するフリーな集まり(@東京)で、毎月テーマを決めてそれに相応しい講師をお招きし、勉強会・親睦会を行っています。皆さんの参加を歓迎します。

昨年以降取り上げたテーマは以下のとおりです。

(2013年)
1月: 「2012衆院選の分析と2013参院選に向けての課題(小選挙区制の弊害をどう克服するか)」
2月: 「海外で活動することの意味・意義と安全対策」
3月: 「2012年総選挙に現れた選挙制度の問題点」
4月: 「経産省前テントひろばの現状」
6月: 「自民党政治と参議院選挙」
7月: 「STOP 戦争への道」(DVD)+「参院選の結果と今後」(自由討論)
8月: 「ホームレス支援の現場からの報告と、そこからアベノミクスを考える」
9月: 「元昭和軍国童謡歌手、今老俳優が、平成の恐怖を案ずる」
10月: 「秘密保護法(案)が目的とするもの」
11月: 「海外で戦争ができる国へ。秘密保護法、集団的自衛権…」
12月: 「フリースペースでフリートークを」

(2014年)
 1月: 「新年対策会議(明けまして あべだとう」
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「護憲+BBS」「イベントの紹介」より
笹井明子
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武器輸出三原則(三木内閣案)を堅持すべし

2014-02-24 09:35:55 | 集団的自衛権
安倍内閣は、武器輸出三原則に代わって武器輸出管理原則の素案(武器輸出拡大案)を与党に提示したと、メディアは報じています。

ところが憲法前文には、「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」と書かれ、

また憲法第九条には、「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」と唱われ、これらの理念に照らせば、明らかに矛盾したことに着手しようとしています。

これら憲法の文言こそ武器輸出三原則が依って立つところであり、他国に真似のできない日本のアイデンティティのはずです。しかし憲法改正して軍拡路線に前のめりの安倍内閣には、世界に冠たる唯一無二のアイデンティティは見えていないようです。一方で自民党の歴代政権は国連での常任理事国入りを希望して、いろいろ工作しているようですが、仮に武器輸出を生業とし、軍拡路線を進む俗国になれば、中国、ロシアは日本の常任理事国入りに反対し希望は遠のくばかりで、矛盾だらけです。

一方視点を変えて軍需企業を見た場合、企業の損益分岐点(利益=0)売上額=固定費÷{1-変動費÷売上額}という式で表されますが、仮に某企業が全売上げ額の20%を武器の販売で占めるようになれば、その企業の経営者と従業員は現状維持(赤字とリストラ防止)のために、政府に軍事費の増額や更なる武器輸出を求めるようになり、また世界のどこかで戦争の勃発を希求し、或いは集団的自衛権を行使しての戦争特需に期待し、最終の姿は何かにこじつけ、自国民と他国民を犠牲にして、自ら戦争に乗り出す某国の軍産共同体への道へとつながる危険があるのではないでしょうか。

そうならないためにも、武器輸出三原則(三木内閣案)を堅持した方が、究極の日本の国益と世界平和に資するものと思います。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
厚顔
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自衛隊の闇~不正を暴いた現役自衛官

2014-02-22 21:30:46 | 社会問題
表記タイトルのドキュメンタリー番組が明日2/23(日)、深夜0時50分から日本テレビ系列で放送されます。テレビ欄の紹介文を転記します。

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 いじめられて自殺した海上自衛隊の護衛艦「たちかぜ」乗組員の遺族が国などを訴えた損害賠償訴訟で、国側の代理人だった現役海自中堅幹部が、破棄したとされた文書の存在を明らかにしてゆく姿を追った番組だ。

 2004年に遺書を残して自殺した一等海士の男性=当時(21)=は、先輩隊員にエアガンで撃たれたり、アダルトビデオを買い取るよう強要されたりの暴行、恐喝を受けていた。一審の横浜地裁は2011年、いじめと自殺の因果関係を認めたが、死亡への賠償は認めず、遺族側が控訴している。

 番組では、海自中堅幹部が「平気でうそをつく組織を、どうにかしなければ」との思いで上官に掛け合う様子を、録音されていた音声で紹介するほか、遺族や元自衛官のインタビュー、海自への取材も交えて多角的に描いている。

 一般公務員の2倍の自殺者が出ている自衛隊。組織のとどまりながら組織を告発できるかという重いテーマに取り組んだドキュメンタリー。

 内部告発がしにくくなる恐れが指摘される特定秘密保護法の問題を考える上でも注目される。
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自殺した男性は休暇を取り、「こんなクズどもを絶対に許さない」という趣旨の遺書を書いて山手線に飛び込んだ、と記憶しています。加害者たる上官がやったことは職務でも任務でもなく、単なるウサ晴らしで悪質なイジメでした。閉鎖的な艦内では規律が保たれなければ容易に起こりうる事件でもあります。

この加害者は学校でイジメをする悪ガキとなんら変わりません。上司に媚びて取り入るのが上手で、部下はアメとムチで「統率」して君臨する。体育会系の悪い先輩や暴走族の悪いアニキと同じです。

また、軍隊という組織上、(イジメられる)=(精神力の弱いヤツ)とみなされ、護衛艦の幹部は見て見ぬふりをするのでしょう。そして、事件発覚後は管理責任を問われないように被害者を攻撃し、証拠隠滅に走る。海上自衛隊の体質は、ゲンコツとけつバットで精魂注入する昔の日本海軍と全く変わっていません。

以前、陸上自衛隊の特殊部隊を退役希望の男性が「退職祝い」と称して格闘技の100人組手を強要され、殺されたことがあります。空自のイラク派兵中に業務上のけがをした隊員は隠ぺいされ、「問題を起こした」と満足な治療を受けさせてもらえず後遺症が残りました。

国を守る前にイジメで殺されるのは、戦えずに餓死した南方の日本兵と通じるものがあります。腐った組織の帝国海軍と海上自衛隊。石破幹事長は軍法会議だと騒ぐ前に、この問題をスッキリ解決しなければ、臭いものにはフタをする「腐った政治家」と言うことです。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
猫家五六助
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続・がんばれ!NHK

2014-02-22 21:03:02 | マスコミ報道
これは2月19日東京新聞のコラム「私説~論説室から」のタイトルです。執筆者は豊田洋一さん。

+++++++ ここから +++++++++
 ひと月ほど前、本欄で「がんばれ!NHK」と激励したこともあり、やはり、この問題には触れざるを得ない。米国のキャロライン・ケネディ駐日大使が、NHKのインタビュー取材の申し込みを断った、という話である。

 籾井勝人会長の従軍慰安婦をめぐる発言や経営委員の作家、百田尚樹氏による東京裁判や南京大虐殺に関する発言が理由のようだ。「人権派」としては許せないのだろう。

 発言の是非は本紙社説でも指摘している通りなので繰り返さないが、記者個人としては大使はNHKの取材を受けるべきだと思う。

 その理由の一つは、大使ら公人はメディアの好嫌にかかわらず、取材には誠実に答える責任があるという建前論。もう一つは、大使発言をどう報じるかで、NHKと安倍政権の距離が可視化される、ということである。

 大使はNHKの取材に対し、問題とする発言への見解、思いを存分に話せばよい。同時に、米国務省が日常的に行っているように、大使のトランスクリプト(発言録)全文を速やかに公表してほしいのだ。

 そうすればNHKが大使発言のどの部分を報じ、どの部分を報じなかったかがわかる。編集の仕方に、明らかに安倍政権への配慮が感じられたら、もはや公共放送ではなく、どこかの独裁国家の国営放送と同じだ。

 そうならないことを祈るばかりだが、再び言おう。がんばれ!NHK。
+++++++ ここまで ++++++

この「公共放送ではなく~国営放送と同じ」という部分には賛同します。籾井会長以下、経営委員が不適当発言を続けている以上、国民は放送受信料の支払いをやめ、税金で・・・いや、自民党が支払うべきです。

しかし・・・がんばれるのでしょうか?NHKの自浄作用は期待できるのでしょうか。安倍総理が幹事長時代に介入した番組改変問題では、告発したプロデューサーが不利益をこうむって消えました。籾井会長の問題発言すら報じないNHKですから・・・AHK(安倍放送協会)に改名してはいかがか、と。もちろん、私は受信料など払いませんが。

「護憲+BBS」「新聞記事などの紹介」より
猫家五六助
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「戦後教育はマインドコントロール(首相発言)」(2/21東京新聞)

2014-02-21 11:53:59 | 安倍内閣
今朝の東京新聞に以下の記事が載っています。

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《戦後教育はマインドコントロール
 首相、衆院委で発言》

安倍晋三首相は20日の衆議員予算委員会で、教育改革に関し「教育基本法は(第二次対戦後の)占領時代につくられたが、衆参両院で自民党単独で過半数をとっていた時代も手を触れなかった。そうしたマインドコントロールから抜け出す必要がある」と意欲を示した。(一面)

・・・首相は第一次安倍内閣で掲げていた「戦後レジームからの脱却」とのうたい文句について「あえて使っていないが、捨てたわけではなく、変わらない」と強調。「憲法や教育制度を私たちの手で変えていくことこそが、戦後体制からの脱却になる」と力説した。・・・(六面)
====

戦後60年以上に亘り先達が営々と築いてきた平和や民主主義の維持の努力を「マインドコントロール」と言ってしまう安倍晋三という人物は、自らを超越的な能力を持った教祖様か何かと勘違いしているのでしょうか。何ともはや、不気味さ、エキセントリックさに磨きがかかって来ました。一刻も早く退陣してもらわないと、日本が取り返しがつかない地点にまで行ってしまいそうで恐ろしい限りです。

自民党議員の皆さ~ん、皆さんの先輩達もマインドコントロールされていたと言われているんですよ~。本当にそれで良いんですか~?

「護憲+BBS」「新聞記事などの紹介」より
笹井明子
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安倍内閣の実態

2014-02-21 09:30:59 | 安倍内閣
平成18年9月に第一次安倍内閣が成立してから、某掲示板に安倍首相夫妻の想定会話を投稿しました。内容は昭恵夫人が首相官邸の庭で鳥の羽を拾い、安倍首相に「何の鳥の羽かしら」と尋ねたところ、安倍首相がすかさず「タカの羽だよ」と答え、さらに夫人が「どこの羽かしら」と問うたら、「右翼」だよ、と答えるコントです。

そのとおり第一次安倍内閣では戦後レジームからの脱却を唱え、憲法改正のための国民投票法と新教育基本法を制定しました。第二次内閣では解釈改憲による集団的自衛権の確立を目指し、そのために意に添う内閣法制局長官を抜擢し、さらに第一次では参拝しなかった靖国神社へも参拝して、「タカの右翼」どうりの本性を露わにしています。

しかし幸か不幸か昨今の海外メデイアや政界は、「安倍首相は国粋主義者ではないか」と疑問視し始め、パールハーバー攻撃を実行した日本の戦前レジームを何やら想起しつつあるのではないでしょうか。それが今の日米関係にも表れているような気がします。

今の野党には安倍内閣の右傾化路線にストップをかける力がないだけに、国内には海外勢力の安倍批判を頼みとする感情が生まれつつあるように思う次第です。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
厚顔
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『日中関係「理解者」を追い込むな』(2/19朝日)

2014-02-20 17:28:52 | 安全・外交
2月19日朝日新聞朝刊の「記者有論」というトピック欄に、中国総局の林望記者が示唆に富んだ記事を書いています。

http://www.asahi.com/articles/DA3S10986393.html

『・・・底なしのように悪化していく日中関係を見ながら、強く感じることがある。
 対立は、日本対中国という単純な構図ではない。実は双方がその内部に、対日・対中の強硬派と穏健派がせめぎ合う状況を抱えている。
 相手の脅威を強調する双方の強硬派は、反目しながらも、「強い国家」の実現に向けて、実は互いを利用し合っているという関係だ。欧米諸国が歴史問題を巡る安倍政権の動きに懸念といらだちをあらわにする一因は、それが中国にある偏狭な民族主義を勢いづかせるからだ。
 対照的に、日中がなんとか折り合える場所を見いだし、穏当な解決を図るべきだと考える人々の立場は次第に悪くなっている。
・・・中国政府は国内世論をかなり意識しており、指導者や官僚は「日本寄り」と受け止められることを恐れる。・・・
 「理解者」を追い込めば、そのツケはいずれ日本に跳ね返ってくることだろう。』

非常に真っ当な状況認識で、特にアメリカ等が昨今明確に表明している苛立ちについての分析は、的を射ていると思います。安全・外交に関しては、常にこのように複眼的な視点が必須というのは素人の私でも理解できるのに、一国の総理やその取り巻きにそれを伝授する人は居ないのでしょうか。

それにしても、「安倍政権打倒は朝日の社是と聞いている」と2月5日の参議院予算委員会で発言した安倍総理には、林記者のせっかくの冷静な忠告も、真っ直ぐに理解されることはないでしょう。なんともはや悲劇的!

「護憲+BBS」「新聞記事などの紹介」より
笹井明子
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「日本人は民主主義を捨てたがっているのか?」(想田和弘著)を読んで

2014-02-17 16:11:10 | 民主主義・人権
選挙に於ける低投票率、安倍自民党政権の個別政策に対する評価と政権支持率の乖離。私には理解し難い、不可思議な民意の現れ方が続いています。そしてそれは、「国民一人ひとりが主人公」から「国家の下に国民がある」という、安倍政権の描く全体主義的な国家造りへの追い風となっています。あたかも、それを私たち自身が望んでいるかのように。

こうした現象をどう理解し、どう克服したら良いのか。この深刻な問題を、真っ直ぐ冷静にみつめ、考察し、民主主義を捨てたくない人たちへの提案を導きだしているのが、想田和弘氏著の「日本人は民主主義を捨てたがっているのか?」(岩波ブックレット)です。

想田氏は同ブックレットの中で、今私たちの中に見られる「民主主義を捨てたがっている」かのような現象の原因を、(1)言葉による感情統治 (2)愚衆政治 (3)消費者民主主義 という三つのキーワードで説明しています。

「言葉による感情統治」とは、橋下大阪市長が「民主主義は感情統治」と自ら語り、有権者の「感情をコントロール」するために言葉を発している事実に依拠します。現実として、一時期人々は橋下市長の目まぐるしい発言の数々に幻惑され、熱狂的な支持を与えてきました。

「愚衆政治」・・・例えば安倍総理が見せる小児的とも言える見識の欠如や、知識レベルの低さへの批判に対する、総理擁護論の基底にあるのは、「首相は私たちと同じ凡人で良い」というもので、そこには「みんなで無知でいようぜ、楽だから」というメッセージがある。そして、擁護論者の蔓延の中に、「‘自由’な存在でいることの圧力に耐えかね、そこから逃走しようとしている」人々の姿が見えると想田氏は言います。

「消費者民主主義」とは、近年ますます悪化する投票率の低さについてです。想田氏は、この現象を、「政治家は政治サービスの提供者で、主権者は投票と税金を対価にしたその消費者であると、政治家も主権者もイメージしている。」「主権者が、政治の主体であることをやめ、受け身になり、‘不完全なものは買わぬ’という態度になる」と言い、「受け身の主権者が、誰にも騒がれずにファシズムを進めようとしている為政者の狡猾な行動を食い止められる道理はない」と指摘しています。

こうした認識の下、想田氏は、この民主主義の危機的状況にどう抗い、抵抗するためにどうしたらよいかについて、自身の体験を例に挙げつつ、以下のような提案をしています。

「言葉による感情統治」に対しては、それを批判する私たちの側が使う言葉自体が「賞味期限切れ」なのではないか。「まず手始めに、紋切り型でない、豊かでみずみずしい、新たな言葉を紡いでいく」こと、「‘人権’や‘民主主義’といった、この国ではしばらく当然視されてきた価値そのものを問い直し、再定義していく作業」が必要と説きます。

「愚衆政治」に関しても、再度「水か空気のごとく私たちが享受している‘人権’や‘言論の自由’がそもそも何のためにあり、‘国’や‘憲法’とは何なのか、改めて問い直す作業が必要なのかもしれません」と言います。

そして、「消費者民主主義」に対しては、「直接的な対処法として、麻生氏が嫌うことを精一杯行うこと。つまり、黙っていないで『わーわー騒ぐ』」こと。「私たちが消費者的病理に陥っていることを認識し、一人ひとりが民主主義を作り上げていく、あるいは守っていく主体となる覚悟を決めること」「日常生活の中で、自主規制しないこと」を提案しています。

最後に、想田氏は、憲法十二条の「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」を引いて、「日々の小さい闘いの一つひとつを放棄せずに、いかに粘り強く闘っていくことができるか。結局頼れるのは、私たち一人ひとりによる‘不断の努力’以外にないのではないでしょうか。」と結んでいます。

仕組まれたファシズムへの道にみすみす進んでいく様を目撃させられて、強い焦燥感、絶望感に苛まれがちな日々の中、「焦るな」「怯むな」「怠るな」と教えられ、励まされることの多い、「民主主義崩壊の危機」を感じてる人には是非読んでいただきたい、必読の書だと思いました。

「護憲+コラム」より
笹井明子
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