多くの学校に蔓延する、イジメ。大人の会社で、社会で隠蔽されるイジメ。イジメ問題で「被害者にも原因が・・・」と言い訳するのは、加害者の保身かつ身勝手な論理である。
イジメは加害者が一番悪い。そして、イジメをはやし立て加担する同調者も悪い。しかし、イジメる行為を「よくあること」「ボク(ワタシ)には関係ない」と見て見ぬふりをする、無視する傍観者も加害者を増長させてイジメを助長する「悪」ではないのか。
・・・と前置きしたうえで、タイトルを訂正したい。本稿は、
「『本土の』無関心で『沖縄を』透明にしないで」
が正しいタイトルで、東京新聞1月19日付の1面記事の大見出しを引用した。
◆「米兵の性暴力なかったことにしないで」沖縄・北谷生まれの慶大生は街頭に立つ
日米地位協定に抗議(東京新聞2025.1.19付記事、【有料】)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/380132
◆【解説】日本政府の弱腰を支える本土の無関心 沖縄に米軍基地が集中する不条理を招く(沖縄タイムス2022.5.11付記事)
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/956146
「米兵による性暴力を、なかったことにしないで」
1月17日に新宿駅前で、沖縄県北谷町出身の大学生・崎浜空音さん(22歳)がサイレントスタンディング(沈黙しつつ街頭に立つ行為)を行い、日米地位協定の理不尽さを訴えた。米軍基地の面積が50%を占める北谷町で小中高校時代を過ごした彼女は、
・米軍ヘリの爆音で何度も授業が中断した
・親から「夜、米軍がいる繁華街には行くな」と言い聞かされた
・2016年に発生した米軍属による女性暴行・殺害事件の集会に家族と参加した
と語っている。
崎浜さんの主張・行動は東京新聞によって顕在化したが、彼女の実体験はどれほど「本土」の人々に伝わっているだろうか。沖縄では日常茶飯事の在日米軍による事件・事故の情報を「本土」はどれほど共有しているだろうか・・・いや、共有しているはずなのに政府は「安全保障」という大義名分の下で「沖縄」国民の苦境を無視し、「本土」国民は見て見ぬふりや無関心を決め込んでいる。私はそう感じ、「本土」の一員として彼女に申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
一方で「本土」東京都民も日米地位協定に縛られていることに無知・無頓着なのでは、と思う。私が住む街は在日米軍横田基地に近く、頭上をひんぱんに“問題児”オスプレイや編隊飛行の大型輸送機が飛び回っている。日航123便墜落事故の際も問題になったが、東京都を中心とした使いやすい空域が「横田空域」として米軍機が航空管制を行い、日本は許可がないと飛行できない。その範囲は広大で南北約300km、東西約130km、高度の上限約7,000m。東京、埼玉、群馬、栃木、神奈川、福島、新潟、長野、山梨、静岡の1都9県にまたがる、在日米軍(米国政府)が特権を有する空域なのだ。
また、東北エリアや中国・四国エリアの山間部でも米軍機が日本の航空法を無視した超低空飛行を繰り返し行っている。住民の苦情を受け、当該自治体が政府に訴えても「確認できない(する気がない)」「米軍の訓練飛行は軍事機密であり、干渉できない」とお茶を濁している。
1945年の終戦後にマッカーサーと進駐軍(連合国の占領軍、GHQ)が去った後から、在日米軍は日本に存在し続けて外交官特権以上の「日米安保条約」「日米地位協定」という特権を得て、犯罪を犯した米軍軍人・軍属までもが守られている。特に沖縄は在日米軍基地・施設が国内でも集中しており、騒音・事故・事件などの被害を受けつつも米軍や日本政府から不当な扱いを受け続けているのは周知の事実である。
冒頭で書いたが、これは明らかに「国家が沖縄をイジメる」犯罪である。学校でイジメの被害者に加害者が言い訳する、加害者の親が開き直る、教師・学校が傍観し責任逃れをする。その犯罪行為を強大な権力・カネ・専門知識を持ち、司法を手なづけ法律を都合よく解釈運用する国家が行っているのだから始末が悪い。辺野古基地問題など、政府自らが被害者ヅラをして米軍(米国)の「カモネギ」になり、実現不可能な建設計画に無尽蔵な建設費用を投じ、長期にわたり莫大な利権を「オトモダチ(癒着した者)」に垂れ流している。もちろん、沖縄県民の総意など黙殺し続けて。
国会で自公連立政権が過半数に満たず、政府が安倍政権のようなデタラメ政治ができない今がチャンスである。野党は結束して「傍観者」をやめ、「加害者」政府の沖縄イジメをやめさせなければならない。そして、マスメディアは大々的に
「『本土』が無関心で、『政府』が『沖縄』をイジメ続けている。やめさせよう!」
とアピールし、将来ある子供達に「イジメは、ダメ!」と示してほしい。
「護憲+コラム」より
猫家五六助
イジメは加害者が一番悪い。そして、イジメをはやし立て加担する同調者も悪い。しかし、イジメる行為を「よくあること」「ボク(ワタシ)には関係ない」と見て見ぬふりをする、無視する傍観者も加害者を増長させてイジメを助長する「悪」ではないのか。
・・・と前置きしたうえで、タイトルを訂正したい。本稿は、
「『本土の』無関心で『沖縄を』透明にしないで」
が正しいタイトルで、東京新聞1月19日付の1面記事の大見出しを引用した。
◆「米兵の性暴力なかったことにしないで」沖縄・北谷生まれの慶大生は街頭に立つ
日米地位協定に抗議(東京新聞2025.1.19付記事、【有料】)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/380132
◆【解説】日本政府の弱腰を支える本土の無関心 沖縄に米軍基地が集中する不条理を招く(沖縄タイムス2022.5.11付記事)
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/956146
「米兵による性暴力を、なかったことにしないで」
1月17日に新宿駅前で、沖縄県北谷町出身の大学生・崎浜空音さん(22歳)がサイレントスタンディング(沈黙しつつ街頭に立つ行為)を行い、日米地位協定の理不尽さを訴えた。米軍基地の面積が50%を占める北谷町で小中高校時代を過ごした彼女は、
・米軍ヘリの爆音で何度も授業が中断した
・親から「夜、米軍がいる繁華街には行くな」と言い聞かされた
・2016年に発生した米軍属による女性暴行・殺害事件の集会に家族と参加した
と語っている。
崎浜さんの主張・行動は東京新聞によって顕在化したが、彼女の実体験はどれほど「本土」の人々に伝わっているだろうか。沖縄では日常茶飯事の在日米軍による事件・事故の情報を「本土」はどれほど共有しているだろうか・・・いや、共有しているはずなのに政府は「安全保障」という大義名分の下で「沖縄」国民の苦境を無視し、「本土」国民は見て見ぬふりや無関心を決め込んでいる。私はそう感じ、「本土」の一員として彼女に申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
一方で「本土」東京都民も日米地位協定に縛られていることに無知・無頓着なのでは、と思う。私が住む街は在日米軍横田基地に近く、頭上をひんぱんに“問題児”オスプレイや編隊飛行の大型輸送機が飛び回っている。日航123便墜落事故の際も問題になったが、東京都を中心とした使いやすい空域が「横田空域」として米軍機が航空管制を行い、日本は許可がないと飛行できない。その範囲は広大で南北約300km、東西約130km、高度の上限約7,000m。東京、埼玉、群馬、栃木、神奈川、福島、新潟、長野、山梨、静岡の1都9県にまたがる、在日米軍(米国政府)が特権を有する空域なのだ。
また、東北エリアや中国・四国エリアの山間部でも米軍機が日本の航空法を無視した超低空飛行を繰り返し行っている。住民の苦情を受け、当該自治体が政府に訴えても「確認できない(する気がない)」「米軍の訓練飛行は軍事機密であり、干渉できない」とお茶を濁している。
1945年の終戦後にマッカーサーと進駐軍(連合国の占領軍、GHQ)が去った後から、在日米軍は日本に存在し続けて外交官特権以上の「日米安保条約」「日米地位協定」という特権を得て、犯罪を犯した米軍軍人・軍属までもが守られている。特に沖縄は在日米軍基地・施設が国内でも集中しており、騒音・事故・事件などの被害を受けつつも米軍や日本政府から不当な扱いを受け続けているのは周知の事実である。
冒頭で書いたが、これは明らかに「国家が沖縄をイジメる」犯罪である。学校でイジメの被害者に加害者が言い訳する、加害者の親が開き直る、教師・学校が傍観し責任逃れをする。その犯罪行為を強大な権力・カネ・専門知識を持ち、司法を手なづけ法律を都合よく解釈運用する国家が行っているのだから始末が悪い。辺野古基地問題など、政府自らが被害者ヅラをして米軍(米国)の「カモネギ」になり、実現不可能な建設計画に無尽蔵な建設費用を投じ、長期にわたり莫大な利権を「オトモダチ(癒着した者)」に垂れ流している。もちろん、沖縄県民の総意など黙殺し続けて。
国会で自公連立政権が過半数に満たず、政府が安倍政権のようなデタラメ政治ができない今がチャンスである。野党は結束して「傍観者」をやめ、「加害者」政府の沖縄イジメをやめさせなければならない。そして、マスメディアは大々的に
「『本土』が無関心で、『政府』が『沖縄』をイジメ続けている。やめさせよう!」
とアピールし、将来ある子供達に「イジメは、ダメ!」と示してほしい。
「護憲+コラム」より
猫家五六助
