今や、メディアでは、アベノミクスについて語ったり、批評する事がタブーになりつつある。アベノミクスがメディアで華々しく喧伝されていた時、同志社大学の浜矩子教授は、【ドアホミクス】と一刀両断にした。当時、御用評論家どもや経済評論家と称する連中は、浜教授をくそみそに批判していたが、今やそういう連中はどこに隠れたのか、逃げたのか分からない。
唯一、例外の学者がいる。アベノミクスの理論的支柱であるエール大学の浜田宏一名誉教授が、金融緩和政策の限界を認めた。(11月15日 日経新聞)http://shukan.bunshun.jp/articles/-/6818
・・・私がかつて『デフレは(通貨供給量の少なさに起因する)マネタリーな現象だ』と主張していたのは事実で、学者として以前言っていたことと考えが変わったことは認めなければならない・・・・
「アベノミクスは、第一の矢である金融緩和が肝。第二の矢である財政出動はこれまでもやってきたし、第三の矢である成長戦略は成果が出ていない。その第一の矢が折れつつあることを提唱者が認めたのです」(経済部記者)
要するに、三本の矢全てが駄目だったという結論である。浜教授たちアベノミクス絶対反対の立場の人たちは、当初からこの点を指摘していて、これまでの経済学の常識に反すると主張していた。これまでの経済学の常識に反して、日銀を中心とした猛烈な金融緩和政策を行ってきたのがアベノミクスである。
それが間違っていた、と認めるのは、学者としては良心的かもしれないが、その実験場とされた日本や日本国民は一体どうなるのか。
アベノミクスの最も強硬な反対論者の一人である慶応大学教授金子勝教授の予想をみると背筋が凍る思いがする。
・・・・・・・・・・
①まず、現在のアベノミクスの情況を量的緩和による金のばら撒きが止まらず「パンとサーカス」の経済状況と断定する。日銀は異端審問所と化し、手術しなければならないのに、モルヒネを打ちまくっている状態。家での安楽死を選ぶ情況だ。⇒日銀の黒田総裁の責任を誰も追及しない。
※パンとサーカス⇒(羅: panem et circenses)は、詩人ユウェナリス(西暦60年 - 130年)が古代ローマ社会の世相を揶揄して詩篇中で使用した表現。
権力者から無償で与えられる「パン(=食糧)」と「サーカス(=娯楽)」によって、ローマ市民が政治的盲目に置かれていることを指摘した。パンと見世物ともいう。愚民政策の例えとしてしばしば用いられる名言であり警句である。
(ウィキペディア )https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%B3%E3%81%A8%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%82%B9
②マイナス金利の弊害⇒日銀が債務超過に陥る可能性が出る⇒マイナス金利=満期時より高い価格で国債を引き受けると言う事を意味する⇒売る政府には都合がよく、買う日本銀行は、償却のたびに損失が出る ※その損失⇒10兆円弱 =日本銀行の自己資本(7.2兆円)と引当金(2.7兆円)
●日本銀行が債務超過状態に陥る可能性大⇒日本銀行が発行する日銀券の信用性の疑いが出る。
【お金とは】⇒単なる交換手段だけではない。債務証書の役割がある。それを裏書きするのが、政府と日銀への信用⇒これが崩れるとルーブル危機のような情況になり通貨が紙くずになる⇒日本は、潜在的にそのような情況になっている。
③不動産バブルの崩壊⇒アベノミクスにより放出された過剰なお金が、不動産融資に異常に傾いている⇒2016年→10兆6000億円(25年前のバブル期と同じ水準)⇒ピークオウト情況※オリンピックまで持たない。⇒特に地方経済が持たない。地方銀行を中心に深刻な状況に陥る。
④オリンピック前に世界経済危機発生のシナリオ(※最悪の場合)⇒EU離脱ドミノが生じた場合⇒ドイツ銀行が史上最大の赤字(約65億ユーロ)と巨額なデリバティブ残高を抱えている。英国は住宅バブルが再燃する危険性。イタリアでは銀行融資の17%が不良債権化。・・・・⇒EUの危機は深刻であると認識しておかねばならない。
⑤日本国債の信認はいつまで持つのか。⇒大変厳しい。⇒日本銀行保有(403兆円)ETF(上場投資信託)の保有額 10兆円を超えている。⇒株式市場も国債市場もマヒ情況。ところが、生保や銀行などの金融機関がトランプが大統領に当選して金利が上昇。⇒マイナス金利の日本国債を買わずに外国債を買い始めた⇒だから、日本銀行が債務超過になっても日本国債を買い続ける事ができるかどうかにかかっている。
※完全な異常事態⇒日銀が国債を買わなくなると、国債は暴落。金利が急騰。⇒日本経済は事実上メルトダウン。⇒予算も組めなくなる。●その為、日銀は国債を買い続けねばならなくなる。これにいつまで耐えられるか、という所まで来ている。
⑥上記の情況を踏まえると、日銀はヘリコプターマネー(市場を通さず、直接国債を買う⇒財政法5条で禁じている)以外に方法がなくなる。※財政法5条⇒戦前際限のない戦費調達にこの手法を使い、無謀な戦争を継続した反省に基づく。⇒つまり、一種の『戦時経済』に突入する以外、方法がなくなりつつある。
・・・・・・・・・・・・・・(サンデー毎日 サンデー時評 「悪夢の予言」・・・
金子教授は、日本の破綻を予測している。
安倍ファッショ政治は、
(A)経済ではアベノミクス大失敗、TPPは梯子を外され、大失敗。
(B)外交でもロシア外交もプーチンにしてやられ、米国の尻馬に乗って反中国包囲網形成(世界を俯瞰する外交といっている)のため、世界中に金をばら撒いたが、トランプの当選によりこれも失敗。いずれ、米国がAIIBに加入し、梯子を外される可能性が高い。これまた大失敗。
(C)内政では、貧富の差は拡大する一方。今回の国会で強行採決した【年金カット法案】や高齢者医療費負担の大幅増加、要介護1、2、の介護費用の大減額などなど、福祉分野の大減額。高齢者は「死ね」といわんばかりの政策が目白押し。
このような日本の情況に加えて、EU加盟各国の離脱の動き、トランプ勝利が意味するグローバリゼーション(アメリカ化)の変質、フランスやオーストリアなどに代表されるナショナリズム化。ロシア、中国、米国の新たな動き(新ヤルタ体制)など、世界の動きはそれこそ【一寸先は闇】である。
金子教授ではないが、日本に残された時間はあまりない。もし、世界経済がクラッシュしたら、日本の残された手段はほとんどない。これだけの今そこにある危機を前にした日本の情況は、絶望的。テレビは、ASKAの話題か、色あせた小池劇場を追いかけるだけ。日本が直面している危機を覗き込もうともしていない。金子教授の言う「パンとサーカス」の国民情況に唖然とするばかりである。
「護憲+BBS」「政権ウォッチング」より
流水
唯一、例外の学者がいる。アベノミクスの理論的支柱であるエール大学の浜田宏一名誉教授が、金融緩和政策の限界を認めた。(11月15日 日経新聞)http://shukan.bunshun.jp/articles/-/6818
・・・私がかつて『デフレは(通貨供給量の少なさに起因する)マネタリーな現象だ』と主張していたのは事実で、学者として以前言っていたことと考えが変わったことは認めなければならない・・・・
「アベノミクスは、第一の矢である金融緩和が肝。第二の矢である財政出動はこれまでもやってきたし、第三の矢である成長戦略は成果が出ていない。その第一の矢が折れつつあることを提唱者が認めたのです」(経済部記者)
要するに、三本の矢全てが駄目だったという結論である。浜教授たちアベノミクス絶対反対の立場の人たちは、当初からこの点を指摘していて、これまでの経済学の常識に反すると主張していた。これまでの経済学の常識に反して、日銀を中心とした猛烈な金融緩和政策を行ってきたのがアベノミクスである。
それが間違っていた、と認めるのは、学者としては良心的かもしれないが、その実験場とされた日本や日本国民は一体どうなるのか。
アベノミクスの最も強硬な反対論者の一人である慶応大学教授金子勝教授の予想をみると背筋が凍る思いがする。
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①まず、現在のアベノミクスの情況を量的緩和による金のばら撒きが止まらず「パンとサーカス」の経済状況と断定する。日銀は異端審問所と化し、手術しなければならないのに、モルヒネを打ちまくっている状態。家での安楽死を選ぶ情況だ。⇒日銀の黒田総裁の責任を誰も追及しない。
※パンとサーカス⇒(羅: panem et circenses)は、詩人ユウェナリス(西暦60年 - 130年)が古代ローマ社会の世相を揶揄して詩篇中で使用した表現。
権力者から無償で与えられる「パン(=食糧)」と「サーカス(=娯楽)」によって、ローマ市民が政治的盲目に置かれていることを指摘した。パンと見世物ともいう。愚民政策の例えとしてしばしば用いられる名言であり警句である。
(ウィキペディア )https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%B3%E3%81%A8%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%82%B9
②マイナス金利の弊害⇒日銀が債務超過に陥る可能性が出る⇒マイナス金利=満期時より高い価格で国債を引き受けると言う事を意味する⇒売る政府には都合がよく、買う日本銀行は、償却のたびに損失が出る ※その損失⇒10兆円弱 =日本銀行の自己資本(7.2兆円)と引当金(2.7兆円)
●日本銀行が債務超過状態に陥る可能性大⇒日本銀行が発行する日銀券の信用性の疑いが出る。
【お金とは】⇒単なる交換手段だけではない。債務証書の役割がある。それを裏書きするのが、政府と日銀への信用⇒これが崩れるとルーブル危機のような情況になり通貨が紙くずになる⇒日本は、潜在的にそのような情況になっている。
③不動産バブルの崩壊⇒アベノミクスにより放出された過剰なお金が、不動産融資に異常に傾いている⇒2016年→10兆6000億円(25年前のバブル期と同じ水準)⇒ピークオウト情況※オリンピックまで持たない。⇒特に地方経済が持たない。地方銀行を中心に深刻な状況に陥る。
④オリンピック前に世界経済危機発生のシナリオ(※最悪の場合)⇒EU離脱ドミノが生じた場合⇒ドイツ銀行が史上最大の赤字(約65億ユーロ)と巨額なデリバティブ残高を抱えている。英国は住宅バブルが再燃する危険性。イタリアでは銀行融資の17%が不良債権化。・・・・⇒EUの危機は深刻であると認識しておかねばならない。
⑤日本国債の信認はいつまで持つのか。⇒大変厳しい。⇒日本銀行保有(403兆円)ETF(上場投資信託)の保有額 10兆円を超えている。⇒株式市場も国債市場もマヒ情況。ところが、生保や銀行などの金融機関がトランプが大統領に当選して金利が上昇。⇒マイナス金利の日本国債を買わずに外国債を買い始めた⇒だから、日本銀行が債務超過になっても日本国債を買い続ける事ができるかどうかにかかっている。
※完全な異常事態⇒日銀が国債を買わなくなると、国債は暴落。金利が急騰。⇒日本経済は事実上メルトダウン。⇒予算も組めなくなる。●その為、日銀は国債を買い続けねばならなくなる。これにいつまで耐えられるか、という所まで来ている。
⑥上記の情況を踏まえると、日銀はヘリコプターマネー(市場を通さず、直接国債を買う⇒財政法5条で禁じている)以外に方法がなくなる。※財政法5条⇒戦前際限のない戦費調達にこの手法を使い、無謀な戦争を継続した反省に基づく。⇒つまり、一種の『戦時経済』に突入する以外、方法がなくなりつつある。
・・・・・・・・・・・・・・(サンデー毎日 サンデー時評 「悪夢の予言」・・・
金子教授は、日本の破綻を予測している。
安倍ファッショ政治は、
(A)経済ではアベノミクス大失敗、TPPは梯子を外され、大失敗。
(B)外交でもロシア外交もプーチンにしてやられ、米国の尻馬に乗って反中国包囲網形成(世界を俯瞰する外交といっている)のため、世界中に金をばら撒いたが、トランプの当選によりこれも失敗。いずれ、米国がAIIBに加入し、梯子を外される可能性が高い。これまた大失敗。
(C)内政では、貧富の差は拡大する一方。今回の国会で強行採決した【年金カット法案】や高齢者医療費負担の大幅増加、要介護1、2、の介護費用の大減額などなど、福祉分野の大減額。高齢者は「死ね」といわんばかりの政策が目白押し。
このような日本の情況に加えて、EU加盟各国の離脱の動き、トランプ勝利が意味するグローバリゼーション(アメリカ化)の変質、フランスやオーストリアなどに代表されるナショナリズム化。ロシア、中国、米国の新たな動き(新ヤルタ体制)など、世界の動きはそれこそ【一寸先は闇】である。
金子教授ではないが、日本に残された時間はあまりない。もし、世界経済がクラッシュしたら、日本の残された手段はほとんどない。これだけの今そこにある危機を前にした日本の情況は、絶望的。テレビは、ASKAの話題か、色あせた小池劇場を追いかけるだけ。日本が直面している危機を覗き込もうともしていない。金子教授の言う「パンとサーカス」の国民情況に唖然とするばかりである。
「護憲+BBS」「政権ウォッチング」より
流水