老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

21世紀を読む;米覇権の後退と多極化世界へ (2)

2018-08-03 16:40:40 | アメリカ
★トランプの戦略

こういう巨大な力と戦っているトランプ大統領の戦略は、基本的には(2)の戦略を踏襲している。北朝鮮との交渉に持ち込んだ手法は、今にも戦争を起こさんばかりに危機を煽りまくり、軍産がそれはやりすぎと沈静化に勤め始めた時を狙って交渉に持ち込んだ。

この手法は、シリア空爆やイランとの合意の破棄、エルサレムに米大使館移転などの手法に共通している。トランプの言うディール(交渉術)だろう。現在、行われているのは、イランとの戦争を起こさんばかりのやり取り。イランが本気でホルムズ海峡封鎖を強行したら、戦争は必至だろう。ただ、マティス国防長官が、話し合いの可能性を示唆しているところを見ると、おそらく落としどころを探る動きが出ていると思われる。

これらの政策を冷静によく見れば、米国は中東での仲介者の役割を降りた。仲介者を務めると言う事は、対立する二者の利害から離れて中立の立場を取る事を意味している。

これまで、米国は曲がりなりにも中立性を保ってきた。だから、覇権国家として行動できた。その中立性を捨て去るというのである。これでは仲介者の役割は果たせない。俺たちはイスラエルと同じだと言う事を宣言したと同じである。と言う事は、中東での覇権を手放したと言う事と同義である。

中東の覇権はロシアに任せたのである。(ヘルシンキでのプーチン大統領との会談の主要目的)

★覇権のコスト

さて、冷静に考えてみて、世界で唯一の覇権国家という立場は、アメリカやアメリカ国民にとって幸福なものなのだろうか。

この問いは、アメリカという国の将来を真剣に考えている大統領・政治家・学者・評論家・国民にとって重い問いである。覇権を維持するためには、膨大なコスト(資金的にも社会的にも、兵力維持のための兵員確保をどうするかなど)がかかる。こういうコストを支払ってまで覇権を維持するのが正しいのか。簡単に答えの出る問題ではない。

(1) 覇権を維持するための軍事的コスト⇒> 軍事費:6,110億ドル(約73兆円)
2007〜2016年、軍事費の変化:4.8%減 (オバマ政権下)
軍事費、GDP比:3.3%
1人当たり軍事支出:1,886ドル(約20万円強)  世界の軍事費の35%

(2) 兵士をどのように確保するか⇒現役兵士の数⇒約140万人 世界各地にある米軍基地の数⇒約800。(内訳;ドイツ=172。日本=113。韓国=83、など世界80ケ国に存在。) 
文化人類学者ヴァイン教授の試算⇒アメリカの納税者たちは1年に平均して1万ドルから4万ドルを、海外で働く一人の軍人を養うために支払っている。しかしながら納税者たちはまず、その事実に気づくことはない。

専門家は、アメリカ駐留軍は11の航空母艦とそれらの海軍基地を含め、様々な形をとって160の国と領土に存在していると指摘している。また、宇宙空間でもその存在が増している。公正を期すために指摘しておくと、国外における基地というのは他国も有しているが、そのような基地の数は全部で30といったところだ。とするとアメリカの有する国外に配置している駐留軍は、全世界の在外駐留軍のうち95パーセントにあたる。(スプートニック;
https://jp.sputniknews.com/us/20150918913887/

この膨大な費用と人員(兵士)を確保しなければならない。これが「覇権」を維持するためのコストというわけである。

(3) 帰還兵のPTSDなどが示す社会へのコスト⇒イラク戦争が始まった時、声高に語れたのが「戦争の民営化」という言葉。特にラムズフェルド国務長官がよく使った。

⇒文字通り、戦争を金儲けのタネにする発想⇒ハリーバートンなどの企業の名前が挙がっていた。・・・・・⇒このように、一部の企業経営者にとって戦争は文字通りビジネスだった。
           ↓
イラク戦争での米軍死者⇒約4500人
http://web.econ.keio.ac.jp/staff/nobu/iraq/casualty.htm
イラク戦争でのイラク人死者⇒約50万人
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/8459/

一部の企業の儲けのために、これだけの人命が失われた。よく考えれば、すぐ理解できるが、米軍戦死者の保証は国が行う。しかも、米軍兵士の給料は国が払う。戦争をする主体の費用は、全て国が負担。企業が負担する必要経費ではない。こんなうまい儲け話はない。文字通り、坊主丸儲けの世界である。「戦争の民営化」とは、人の生命を金儲けのタネにする、「ハイエナ資本主義」の極致である。

問題はそれだけで終わらない。米軍帰還兵の精神的疾患(いわゆるPTSD)の発症率はきわめて高く、しかも事態は非常に深刻。

ランド研究所(米軍にきわめて近いシンクタンク)が出した数字。
https://www.rand.org/pubs/monographs/MG720.html

・・・「戦争による目に見えない傷」(Invisible Wounds of War)として、帰還兵の3割がPTSD(心的外傷後ストレス傷害)やTBI(脳損傷)に侵されているという報告書を出した。また、同研究所は5月には、【帰還兵の自殺者】が、イラクアフガンでの戦死者数を上回ったことをレポートしている。

それによれば、「およそ300,000人がPTSDまたは大うつ病に現在も苦しんでいると見積もり、320,000人の退役軍人が配備中にほぼTBIである病を経験し、」「過去に配備された人々のうちの三分の一(31パーセント)が、これらの3種類の体の異常の内の少なくとも1つを持っている」。つまり、派兵された兵士の3分の1、およそ50~60万人近くが何らかの形で精神疾患・脳障害を負っているのだ。そこで明かされるコストも膨大である。重度精神疾患者一人に4000万円近いコストがかかる。治療費にとどまらない「社会的負担」が覆い被さるのである。9月にはこの報告書に基づいて、TBI患者への補償の増額が決定されている。・・・

日本でもNHKスペシヤルでこの問題が報告されている。
戦場 心の傷(1)兵士はどう戦わされてきたか  2008年9月14日(日) 放映
戦場 心の傷(2)ママはイラクへ行った  2008年9月15日(月) 放映

そして、この問題がアメリカ社会の格差拡大につながり、社会の大きな不安要因になっている。自殺だけにとどまらず、凶悪犯罪に手を染める帰還兵も多く出ている。

映画ランボウの苦悩はベトナム戦争が舞台だったが、イラク戦争やアフガン戦争帰還兵も同じ悩みに苦しんでいる。時の流れは残酷でそのような悩みを抱えた帰還兵たちも容赦なく年をとる。ますます、彼らの社会復帰が難しくなり、問題の深刻さは増すばかりである。

上記のような問題を深刻に受け止め、真摯に問題に向き合うなら、【世界唯一の覇権国家】であり続ける正当な理由を見つけ出すことは難しい。

歴代の米大統領は、軍産の力を削ぐために、覇権の一部を中ロなどに譲り渡したいが、軍産の代弁者たちの「敵に覇権を渡すなどとんでもない」という主張に阻まれてきた。それでも強行しようとするとケネディ家のような悲劇に見舞われる可能性が高い。

アメリカが覇権国家になった初期の理想(世界平和の構築)などどこかに飛んで行き、軍産複合体の利益確保のための【覇権国家】という現状になっている。

現在、トランプ大統領は、ロシアのプーチン大統領との会談で譲歩しすぎたという批判にさらされている。わたしたちは、メディアから、トランプ大統領がロシアの代理人だという主張をずっと聞かされ続けている。彼がロシアの代理人だという証拠は何もないのに関わらず、である。

Paul Craig Robertsは、【アメリカ大統領を打倒するCIA/FBI/DOJの策謀】という文章でその事を告発している。
(マスコミに載らない海外記事 http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2018/07/ciafbidoj-e76f.html

如何にトランプ大統領が軍産複合体から危険視されているかがうかがえる。軍産にとってトランプを潰さなければ、自らの基盤が失われるという危機感が伝わってくる。

・・・トランプ大統領はその事をよく知っており、軍産の主張に同調したように見せかけながら、過剰な敵視政策をとることにより、反米国家や非米国家を団結させ、米国の覇権外に新たな国際秩序を構築するように仕向けている。(上海機構や今回の北朝鮮が良い例)イランとの確執もその戦略の一環ではないかという疑いがある。

さらに米国が起こし、無残な失敗をした中東などの馬鹿な戦争の後始末をロシアやイランなどの非米国家に任せ、その地域を非米国家の覇権下に押しやる方法である。イラク、シリア、北朝鮮、エジプトやイスラエルもロシアに任せている。つまり、中東の覇権はロシアに譲っている。・・・(田中宇説)

さらにG7やNATOでのトランプの言動。トルコに対する言動。アメリカの同盟国に対するこれらの言動は、当然同盟国の首脳を怒らせる。そうなれば、同盟各国はアメリカに過剰に依存する事を止めようと考え始める。良い例がドイツのメルケル首相で、彼女ははっきりと「アメリカにはもう頼れない」と言い始めている。

特に、貿易問題などで欧州産品の関税を上げようというトランプの主張を受け、EU各国も報復関税をかけようとしている。こうなると、経済でもEU各国は自立する以外ない。TPP離脱やNAFTA再交渉もこの文脈で見なければならない。

さらに、注目しなければならないのは、NY連銀に対するトランプの要求である。アメリカでは、伝統的にNY連銀の独立性が重視されてきたが、ここにきてトランプ大統領は、利上げしないでドル安・低金利を維持しろと圧力をかけている。さらに、日本やEUに対し、ドル高・円安ユーロ安を維持するQEなど緩和策をやめろと言い出している。これが利いたかどうか定かではないが、8/1に行われたNY連銀の金利は現状維持だった。

トランプのこの政策は、短期的には米国貿易の縮小。長期的には、アメリカ国債の利上げ、を齎す。

つまり、米国覇権にぶら下がりたいEUや日銀にとって、米国貿易を拡大し、アメリカ国債の利下げが利益。トランプの政策は、この狙いを壊すもの。日本もよくよく考えなければ、トランプの経済政策で経済がボロボロにされる可能性がある。

アメリカ覇権に永久にぶら下がりたい同盟諸国は、これからはトランプ大統領の政策に安保・経済両面で追い立てられると覚悟しなければならない。

★トランプ大統領の政策目標

◎安全保障と経済(金融)⇒対米自立・非米化の強制

日本の官僚機構⇒対米従属(隷属と言ってもよい)が自らの官僚独裁を守る要諦と信じている。(※鳩山由紀夫が知らなかったと証言した日米会議で様々な方向性が決定している)

例えば、・・・7月31日、黒田日銀が政策決定会合で、QEを今後も長期にわたって続けることを決めた。今回の政策決定は「次回大統領選挙でトランプが再選を果たす2020年まではQEを続ける。QEの資金によって、日本だけでなく米国の金利安(債券高)や株高を維持し、米国中心の債券金融システムの破綻を先送りすることで、トランプ再選に貢献する」という意味だ。・・・田中宇(田中宇の国際ニュース)

つまり、国家の方向性を決定するようなQE(その弊害はもはや看過できないところに来ている)を日銀が決定してしまう。下手をすると、日本経済がクラッシュする可能性が囁かれているような政策をこのまま続けるというのである。

欧州の中央銀行(ECB)は今年末でQE(金融緩和)を止める。彼らは、対米自立を加速させようとしている。

トランプ大統領が続く限り、欧州の動きが世界の主流になる。日本政府が購入を決めたイージス・アショアの馬鹿高さ一つとっても、対米従属のコストが看過できない規模にまで達している。日銀の異次元とうそぶいた金融政策も、そもそもは、米金融当局を助けるため、行われた政策。

トランプアメリカが、対米従属を止め、対米自立をしろ、と言っているのに、「どこまでも付いて行きます 下駄の雪」という対米従属政策以外にひねり出せない安倍政権と日本官僚機構の能無しぶり、へたれぶりにはあきれ返る。

現状維持思考だけで、こんな「無能政権」を支持していると、日本沈没が目の前にくる。

「護憲+BBS」「安全・外交政策を考える」より
流水
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America First ⇒America Only⇒America Aloneへ

2018-06-18 16:56:15 | アメリカ
トランプ大統領が、中国に対する500億ドル相当の経済制裁を発動した。主たる狙いは、IT産業(AIやロボット産業)である。

それに対して中国も即座に自動車・農産品を中心に、500億ドル相当の報復関税措置を発表。米中両国が貿易戦争に突入する可能性が高くなった。

トランプ大統領は、シンガポール会談の前、カナダでG7会合に出席した。America First を標榜し、保護主義貿易と多国間協議を否定し、二国間協議を主張するトランプ大統領に対し、G7各国は、首脳宣言では焦点の貿易問題について「保護主義と引き続き戦う」とした上で、「自由で公平で互恵的な貿易が成長の鍵」などと自由貿易の重要性を訴えている。

ところが、トランプ大統領は、ツイッターで、首脳宣言を認めない、と書き、あからさまなチャブ台返しを行った。

G7では、米国以外の国々と米国の対立は明らかで、G7の結束が疑われている。米国の孤立を象徴している写真が出ている。ドイツのメルケル首相がトランプに詰め寄っている写真である。
http://www.asyura2.com/18/senkyo246/msg/136.html

同時期に行われた上海機構の会議では、参加各国が和気あいあいの雰囲気で議論していたと報道されているのと好対照。

・・「習近平主席が、ロシア大統領のウラジーミル・プーチンやインドやパキスタンやカザフスタンやキルギスタンやタジキスタンやウズベキスタンやイランの指導者を温かく歓迎した。これら指導者の陽気なまとまりは、G7での不和と激論とは実に対照的だ。
 何十年もの戦争や紛争の後、インドとパキスタンがSCOの新たな二国として参加、同席したのは、新たな地政学的パラダイムが、東で立ち上がりつつあることを証明する強力な証拠だ。
 
SCO加盟諸国は、経済発展と相互安全保障での提携の取り組みを倍加すると誓った。新世界秩序は、アメリカ率いる秩序の場合のように、一つの大国が、他の国々に対し、覇権を行使するのではなく、協力に基づくものを手招きしていると習主席は述べた。」・・
二サミット物語 Finian Cunningham (マスコミに載らない海外記事)

わたしたちが目の前にしているのは、世界史的な「パラダイム・チェンジ」の光景である。

トランプ大統領が意図的に行っているのは、これまでの世界秩序(米国一国覇権主義)の破壊であろう。

米朝会談は、その象徴。米国覇権主義の象徴であり、米国軍事力の誇示であった「米韓軍事演習」の中止は、米国が「世界覇権」から降りるという明確なメッセージである。

しかし、G7や中国製品に対する「関税強化」は、戦後世界を形作っていた「世界貿易秩序」に対するあからさま挑戦である。

【貿易の自由化】は、米国覇権の重要な要素だった。戦後、米国にとって、【貿易の自由化】は各国に対する【錦の御旗】だった。日本との貿易戦争が象徴するように、各国との貿易摩擦の主要議題は常に【貿易の自由化】だった。

この【貿易の自由化】理念は、後進国にとって大きな政治的リスクを伴う主張だった。その産業以外主だった産業がない国に【貿易の自由化】を押し付けると、安い外国製品が流入し、その国にとって死活的な産業が壊滅状態に陥る。例えば、TPPのような完全自由化を目標にすると、それこそ窮地に陥る産業が多数存在する。このため、政治力が弱く、米国のいいなりの国では、国内産業が衰退し、近代化が遅れたところは多数存在する。

ところが、その反対に、日本のように安い労働力と能力が高く勤勉な労働者を持った国が、優れた製品を作り、それを米国に輸出するという構図もできる。

その結果、その製品が米国市場を席巻し、いまや米国の製造業は壊滅状況に陥った。トランプの主要な支持層のラストベルトがそうである。

トランプの今回の措置は、崩壊しつつある米国国内産業(製造業)への救済を意味する。もしこれが後進国の主張なら、多くの国が、一国の指導者として当然だろうと思ったはず。

ところが、米国というのは、「自由貿易」を旗印に、世界各国に関税を下げろと迫ってきた張本人。それが自国に都合が悪くなると、「関税」を吊り上げ、自由貿易の旗印を下ろす主張するのだから、他国が怒るのは当然。G7で、ドイツのメルケルはじめ各国首脳から詰め寄られるのも無理はない。トランプの主張は、America Firstではなく、America Onlyと受け取られている。

実は、歴代米大統領もトランプ大統領とさほど違ってはいない。かれらの政策決定は、常にAmerica Firstであり、ブッシュ政権のようにほとんどAmerica Only(英国はブレア政権だけが支持)でイラク戦争を戦った政権もある。

しかし、彼らは建前であっても、America Firstとは決して口にしなかった。ましてや、America Onlyなどとは口が裂けても言わなかった。「自由主義世界のため」か「民主主義という価値観を同じくする国家」のためとか、必ず、建前を口にした。それだけ、世界のリーダーとしての米国という意識が強かったのである。

ところがトランプ大統領は全く違う。そんな建前を気にしていたら、米国は衰退する、と本気で信じている。米国を立て直すためには、お上品な建前など、「百害あって一利なし」と考えている。

このトランプ大統領の信念は、米朝会談のようなドラスティックな変化をもたらすが、G7のような無用な混乱も引き起こす。

さらに厄介なのは、「覇権の多様化」が進む中で、【覇権国家】のありように慣れた国内の勢力(軍産複合体など)との軋轢が増加する事である。米国が覇権を放棄する過程で、次の覇権国中国などとの軋轢は避けられない。(そうしないと国内勢力を抑えられない。)さらに、国内勢力(永遠に米国が覇権国家である事が飯のタネ)との軋轢が激しさを増すであろう。ケネディのような暗殺の危険性もはらんでいる。

その為、事は、トランプの思い描いているようには、一直線には進まない。わたしの予想では、米国の「孤立化」が進行する。「America Alone」の進行である。

これが、【転形期の混乱】である。

日本人は、世界が東西冷戦終結以来の【パラダイム・チェンジ】の時代に入っていることを認識しなければならない。

これから当分の間は、世界中で子供が玩具をひっくり返したような、取っ散らかった光景が現出するに違いない。その後、新たな世界秩序が創出される。この秩序の創出に参加できない国は、21世紀を生き抜けないと覚悟しておいた方が良い。

※安倍政権にその能力があるのか。

日本や日本人が21世紀を生き抜くためには、腹の底から上記の問いを考え抜かなければならない。(あまり、時間はない。)

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
流水
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「アメリカの歴史」再考

2018-03-01 17:42:10 | アメリカ
アメリカの大統領に共和党のトランプ氏が選ばれて、最近では核態勢の見直しまで表明しています。将来の戦争に小型の核兵器を使用するという内容でした。

その後にまたしても高校で銃の乱射事件です。マスコミは大分前に起きた「コロンバイン高校での銃の乱射事件にも触れていません。マイケル・ムーア監督はこの事件をドキュメンタリーとして映画化しました。

ムーア監督はアメリカとカナダを比較して、同じように銃の保有が許されているのに(市民の武装の権利として)カナダでは大量殺人は起きていないし、殺人事件も少ないとして、なぜアメリカではこうも銃の乱射による大量殺人が多いのか、その原因をアメリカの建国の歴史から解明した興味深い映画でした。

今回の投稿では銃の乱射事件の問題に直接触れることはしません。そうした危険な社会である(白昼に高校などで銃の乱射があるのですから「危険」です)背景をアメリカの近現代から探ることが目的です。

最近、二つの映画を観ました。一つは原題「セルマ」日本では「グローリー・明日への行進」で、キング牧師の「公民権運動」の過程を映画化したものです。もう一つの映画は50年代前後の赤狩り旋風に巻き込まれた脚本家のトロンボ氏を描いた作品です。

まず、キング牧師の指導した公民権運動の映画「セルマ」から、アメリカ近現代の歴史を垣間見ることにします。

この映画でキング牧師の実像と、暗殺事件とその根元にある「黒人差別」と、それを跳ね除ける運動に映像で触れて、私自身の無知とアメリカの真実の歴史に触れて戦慄したことを告白します。

この映画は黒人の方たちが投票権を行使したいと思い、投票行動に出るのですが、白人に妨害されます。そして、キング牧師たち差別撤回運動の指導者は、最終的にセルマを目指して大行進を始めます。黒人や差別に反対する白人などが行進しますが、南部の州知事は州兵などを使って妨害(実際には銃で威嚇)します。途中のエピソードとして「血の日曜日事件」を実際に映像化したシーンもありました。黒人がデモをしただけで多数が殺害されました。

この映像を観て最初に思ったのは、南北戦争の後に黒人は奴隷でなくなり自由を獲得したのではないのかと。これは誤解でした。(日本の、アメリカの歴史の説明が間違っていると思う。)単に奴隷でなくなっただけで、酷い差別からはなんら解放されていないのが実態であり、特に南部諸州では差別は酷かったのです。投票権もない国民がどんな人間なのでしょうか。公民権運動は奴隷身分から解放された黒人が行った当然の権利行使です。

その運動の過程でキング牧師が暗殺されたという事実を重くみないことが、アメリカの真の歴史を歪めることになるのです。アメリカに民主主義が根付かず、大量殺人が頻発するのは、こうした歴史的背景が原因なのかもしれません。

キング牧師の暗殺事件のときにアメリカはベトナム戦争の泥沼の中にいました。そして、現在も大統領は核兵器の態勢見直をし発表しています。この国は根本のところで変っていないし、変ろうという運動も十分に育っていません。

最近の高校での銃の乱射事件の後も大統領は「銃の規制」に触れようともしていません。これが民主主義の国なのでしょうか。

もう一つの映画「トランボ」もアメリカ社会の非民主的な一面を鋭く描いていました。赤狩りの対象にされた脚本家のトランボは家族を守るために偽名で(刑務所から出所する場面から映画は始まる)脚本を多数世に出します。映画の題名を記しましょう。「ローマの休日」、「スパルタカス」です。この二つの映画で、偽名のトランボはアカデミー賞を受賞しています。(スパルタカス」の方は主演のカーク・ダグラスさんがトランボさんをクレジットに名前を出しています。)

この40年代から60年代にかけてのアメリカの歴史こそが真実であり、表面的にはともかく、「非国民」や黒人には民主主義の恩恵は全くありません。

こうした歴史的な風土から、学校などでの大量殺人が引き起こされる背景が産まれるのではないでしょうか。いまだに、この国ではキュー・クラックス・クランという白人至上主義団体が盛んです。

「護憲+コラム」より
名無しの探偵
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フロリダ州バークランドの学校内で銃乱射事件

2018-02-15 14:48:07 | アメリカ
度々起きている事件なので、あまり関心も向かなくなっている。「少なくとも17人が犠牲になっている」という報道内容であるが、アメリカの政府も議会も「銃の規制」を憲法上の権利;市民の武装の権利に反するとしているので、今後も銃乱射事件は後を絶たないはずである。

アメリカは対外的にも内国的にも、最終的な方法として銃による紛争解決を是とするのであり、このことは以前に指摘した。

そして、大統領自ら仮想敵国に対しての「核の使用」は有り得るという立場を鮮明にして、戦争という政治的解決を選択し、しかも核兵器まで使用するというのだ。

この国に普通の意味での「平和」と「平和的解決」(日本国憲法全文の言う「平和的生存権」が代表的な原理である)を望むと言う選択肢はあまり期待できない。「戦争を違法とする近代国家」という表向きの顔は仮面にすぎないのではないかという疑念もわいてくる。

そうした精神のありようが「銃の乱射事件」として市民生活の場においても表面化しているのではないだろうか。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
名無しの探偵
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アメリカ大統領:トランプのもう一つの正体

2018-02-04 11:08:50 | アメリカ
ついに来ましたね。(評論家A)

そうですね。とうとう本音があらわになりました。(政治学者B)

トランプさんは「核兵器禁止条約」が多数の国の賛同で締結されている時期を狙っていたのでしょう。(A)

「核態勢見直し」(ニュークリア・ポスチュー・レヴュー)とかなんとか言って、核兵器を所有しない国に対しても「核攻撃」はありうる、とまで言っている。(B)

1945年のヒロシマ・ナガサキへの原爆投下後に書かれた(1948年)小説「1984」は、こういう事態を予測しているSFではなく、予言の小説だったのではないですか。(A)

そうです。トランプさんはこの小説の主人公の一人である「ビッグブラザー」の兄であるという予言なんですね。(B)

では弟は誰ですか。役不足ですが、ビッグブラザー弟は安倍さんでしょうか。(A)

そうですね。アメリカと日本は一体化を深めています。弟は役不足ですが、安倍さんに間違いないでしょう。(B)

それにしてもとんでもない時代になりました。予言が的中しないようにお願いするほかないですね。
神頼みではなくて、抵抗勢力を結集して「核兵器禁止条約」を実のあるものにしないといけません。
このままだとビッグブラザーの台頭によって「地球」が持ちませんから。

皆さん、お願いしますよ。

「護憲+BBS」「どんぺりを飲みながら」より
名無しの探偵
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日本にまでフェイクコメントを持ち込むな

2018-01-20 16:41:30 | アメリカ
19日のNHKウエブニュースによれば、アメリカのハガティ駐日大使は、アメリカ軍のヘリコプターが、沖縄県宜野湾市の小学校の上空を飛行したことについて、『「この情報は誤りだ。調査チームがレーダ-の分析なども行って何が起きたか調べたが、ヘリコプターは小学校の上空は飛行していない」と述べ、日本側の指摘はあたらないと主張しました』と報じている。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180119/k10011294311000.html?utm_int=news_co
ntents_news-genre-politics_002
>「米大使「小学校の上空は飛行していない」
>アメリカのハガティ駐日大使は、先月、アメリカ軍のヘリコプターからグラウンドに窓が落下した沖縄県宜野湾市の小学校の上空を、18日、アメリカ軍のヘリコプターが飛行していることが沖縄防衛局などによって確認されたことについて、「この情報は誤りだ。調査チームがレーダ-の分析なども行って何が起きたか調べたが、ヘリコプターは小学校の上空は飛行していない」と述べ、日本側の指摘はあたらないと主張しました。(以上記事)

小学校の上空を飛んでいるヘリの姿は日本の沖縄防衛局も小学校も映像に撮り確認しているにもかかわらず、このような事実を公然と否定する米国大使の姿勢は一体何なのか。トランプ大統領の、自分に都合の悪い事実は全て否定する手口が、沖縄米軍、日本の米国大使館内にも蔓延しつつある証ではあるまいか。

外務省はハガティ駐日大使に、『嘘は泥棒のはじまり』という日本の子供向けの教訓(諺)を教えてやれ。

「護憲+BBS」「新聞記事などの紹介」より
厚顔



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トランプ大統領の失言は度を超えている

2018-01-13 17:29:35 | アメリカ
「何故アメリカは『シット・ホール』(「肥溜め」)のような国々から来た移民を受け入れねばならないのか。(ハイチとかの国など)」

こういう人種差別発言を公式の場で述べる人間が大統領を続ける資格があるのか、大いに疑問である。

安倍首相が盲目的に追従するアメリカの大統領が「大統領の資質」に問題があることははっきりした事件である。

国連参加のアフリカの加盟国だけでなく、アメリカ国内でも「辞職」するべきだという世論が出てくる必要性は限りなく高まった。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より

名無しの探偵

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トランプの正体

2017-11-12 10:17:30 | アメリカ
ドナルド・トランプが日本に来た一番の理由は日本というカモに高額な武器を売りつけることだった。

彼こそは、大統領という顔と武器商人という顔を併せ持つ「七つの顔の男だぜ」風の人だったのである。

ある時は、不動産王、また、ある時は米国の大統領、しかしてその実体は、正気と凶器(狂気)を併せ持つ軍産複合体のエイジェントなのだ。(この芝居がかった科白を知っている人は明らかに65歳以上である。)

いや、そればかりか、今度も「北」を刺激して「ドンパチ」やろうと目論んでいるのが危ないじゃないか。

これにて、映画「一巻の終わり」なのである。

「護憲+BBS」「どんぺりを飲みながら」より
名無しの探偵
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横田基地に降り立ったトランプ大統領

2017-11-10 15:50:59 | アメリカ
流水さんの記事「トランプ訪日狂騒曲異聞
>米国大統領の公式訪問に「横田基地」を使用する、というのは、歴代大統領が慎重に避けてきた。理由は明快。このようなやり口は、日本の属国化、植民地化を印象付け、反米感情を増幅させるだけで、百害あって一利なしと認識していたからである。・・・
>わたしたちは、自問自答しなければならない。自国の首都のすぐ近くに、他国の軍隊を常駐させる基地を提供している独立国家があるのか。しかも、首都圏の空の管制圏も米軍優先。こんな独立国家があるのか。完全な植民地国家ではないのか。・・・

について、まったく、おっしゃる通りです。私はセキュリティ上の問題で横田基地に着陸したと思っていたのですが、メディア報道を含めて外交上“国家の玄関口から(首都空港から)”入国しないのは異例との事。

おそらく、トランプさんは外交ではなくトモダチ安倍晋三と“商談”するつもりで来日したのでしょう。マッカーサー時代と変わらず、日本国土の1%にも満たない在日米軍基地がいまだに日本を支配している植民地感覚。

元々暮らしていた土地を地上げ屋に奪われ、建設された大規模分譲マンションを購入して入居したら、マンションのオーナーも2部屋所有していた。そのオーナーが建物の共有スペースを好き勝手に使ったり、購入者のベランダにゴミを投げ落としたら、怒りますよね?

流水さんのご指摘通り、関東上空には米軍のコントロール(管制空域)があります。私が思い浮かぶのは、横田~座間(キャンプ)・厚木~横須賀(海軍)、そして赤坂プレスセンター(港区六本木の米軍基地)。この間を米国人は優先的に自由に飛び回れるわけです。

現在も羽田空港の飛行ルートは制限され、米軍の管制空域を避けながら離着陸しています。あの悲惨なジャンボ機123便が墜落した際も日本の航空管制と米軍管制で情報が錯綜したそうです。

主権国家の矜持は?沖縄はいまだに日本ではない?この状況で、あのトランプ大統領をニコニコ厚遇する安倍首相は、単なるお人よしのアホに見えます。下心を含めて岸信介さんの遺伝かな・・・。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
猫家五六助
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ラスベガス銃乱射事件から見えてくるアメリカの本質

2017-10-05 17:24:33 | アメリカ
今回ラスベガスで起きた事件は、死者59人(犯人を含むようだ)、負傷者200名以上という、アメリカ銃乱射事件で過去最大の規模となったとニュースは言うが、度々起きている事件なので「馬鹿らしい数値の情報」であるとあえて言いたい。

そして、いつもこの種の事件があると必ず法律による銃規制の問題が課題となるが、結果としてアメリカ政府は「銃規制」に踏み出したことはない。

今日はこの銃乱射事件の多発(過去において非常に多い頻度で発生している)と「銃規制」の間にあるギャップ(悲惨な事件が起きても政府や議会はいつも見送ってきたことを指す)を問題にしたい。

結論めいたことを言うと、アメリカの「伝統」的な考え方に行き着くであろう。

マスコミ(特に日本のバイアスのかかった報道)は、銃を持って「独立戦争」を勝ち取ったとか、狩猟の伝統があり銃は欠かせない、などと分かったような報道をするが、問題はそうした表面的な「伝統」という理由(大義名分)は本質的なことになんら触れていない、ということなのである。

上記に私が言うところのアメリカの伝統的な考え方(思考傾向)というのは、そんな表面的な「伝統」文化のことではない。もっと、一般化できる考え方の論理のことである。

端的に言うと、紛争の解決(トラブルの処理)に話し合いで解決するのか、それとも話し合いで埒が開かないならば「銃」に依存するのか、という紛争解決の道筋あるいは仕方を指すのである。

そしてアメリカは、この問題においては多くの場合に「銃」に拠って紛争を解決してきた、という伝統があり、それが文化にもなっているということなのである。

太平洋戦争の終盤における原爆の使用から最近の戦争(ベトナム戦争、イラク戦争など枚挙に暇がない)に至るまで、この伝統的な考え方の論理が貫かれてきた。

アメリカはその意味でなんの反省もしてこなかった驚くべき大国なのである。銃の乱射事件で市民に多くの被害が出たところでこの「考え方」の論理に変更は今後もないであろう。

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名無しの探偵
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