老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

どんぺりを飲みながら1曲お聴きください

2020-04-11 22:36:51 | 暮らし
皆様にお願い。聴いて拡散してください。

イタリアのコロナは1万8000人の犠牲者を出しています。

北部のベルガモが酷いのですが、この YouTubeを聴く事で、ベルガモ市立病院への寄付になるそうです。

(詐欺では拡散できないと確認してみましたが、大丈夫そうです)

Rinascero(リナチェロ)「生まれ変わる、蘇る」
https://m.youtube.com/watch?v=D5DhJS5hGWc

飲み物を片手に5分4秒を楽しんでくださいませ。

「護憲+BBS」「どんぺりを飲みながら」より
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コロナウイルス騒ぎの中に暮らして

2020-03-07 21:47:34 | 暮らし
コロナウイルス騒ぎで大揺れの今、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。

私の場合、参加しているいくつかの趣味の場が軒並み休止になり、好きな美術館や展示館も休館が相次いで、行き場を失った感があります。

今は夫々に「とりあえず休みは3月いっぱい」と言っていて、これは2月24日に安倍首相が専門家会議で言った「ここ1、2週間が極めて重要」の言葉が、目安となっているようです。

つまり、2月24日で起算すれば、そろそろ収束の目途が見えてくるころで、大事をとっても3月いっぱいには正常な日常が戻るはずという見立てに依っているようですが、実際には、その後今に至るまで安倍首相の口からは折に触れ「ここ1、2週間が・・・」という同じ言葉が語られ、「山」がずるずると先延ばしされていて、全く見通しが立っていないと思わざるを得ません。

仕方なく私は、今のところ、積んであった本を読んだり、Amazonのプライムビデオを見たり、近所を散歩したり、散歩ついでにドラッグストアやスーパーのトイレットペーパーの在庫状況をチェックして回ったりして日々を過ごしています。

ちなみに、トイレットペーパーはず~っと在庫切れが続いていて少々焦りましたが、ようやく昨日あたりから夕方まで在庫が残る状態になってきて、皆の極度の不安、パニック状態も少し落ち着いてきたのかな、とその点ではほっとしています。

それにしても、この間の政府の右往左往、いきあたりばったりの対応には唖然とさせられます。しかも科学的根拠を重視した国民の安全確保の施策ではなく、自己の権力保持、更には災難に乗じて国民の自由を権力下に置こうとする露骨な方策ばかりが目につきます。

私たちも、外から帰ったら手洗いやうがいをする、バランスの良い食事(とお酒)を美味しく味わう、面白い本、良い音楽や映画(ビデオ)を楽しむ等、日々の暮らしの中で、必要な用心をし、心身の免疫力を培い、不安に付け込んで「自由」や「人権」を制限しようとする政治的意図に乗せられることのないよう、冷静な判断力を維持していきたいと思います。

今が踏ん張りどころ。皆さん、頑張りましょう!

「護憲+BBS」「どんぺりを飲みながら」より
笹井明子
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「エースのジョー暁に死す」

2020-01-22 09:39:19 | 暮らし
宍戸錠さんが亡くなった。享年86歳。悪役などアクションスターになるために、頬にシリコンを入れて容姿を変えて、日活のアクションスター、宍戸錠の登場である。

この役者はそれまで学生や青年の役が多かった。主役の木村功と友人役の学生で出ていた宍戸さんの演技を、若いころにテレビの映画で観たことがあった。確かに、大学出であるので学生風の容貌に見えた。

宍戸さんは敵役や脇役が多かったというが、探偵物では主役を張っていた。それは韓国の現在の映画などに影響が強いと、四方田犬彦の本に書いてあった。

宍戸錠は日活アクション映画では欠かせない俳優であったと思う。小林旭と互角に渡り合うスターだったと言える。四方田さんが言う「無国籍」の日本映画である二人の「渡り鳥シリーズ」は、一番映画館で観た映画である。東映の菅原文太さんも出ていたことを思い出す。

日活アクション映画は、その後、現在の韓国の映画に影響を与えていたし、宍戸さんはその筆頭でもあったと思う。

「護憲+BBS」「どんぺりを飲みながら」より
名無しの探偵
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心に「軽さ」を取り戻す

2019-11-04 21:01:44 | 暮らし
『わたしが「軽さ」を取り戻すまで』・・・これは、2015年にパリで起きた「シャルリ・エブド襲撃事件」で、当時シャルリで働いていた風刺画家カトリーヌ・ムリスが、たまたま当日遅刻したため殺害を免れたものの、ショックと恐怖、多くの仲間を失った深い喪失感を抱え、やがてそこから回復し「軽やかさ」を取り戻すまでの道のりを、風刺画家としての技術を使って描いたドキュメンタリー漫画(原作2016年・翻訳版2019年発行)のタイトルです。

事件の後、カトリーヌは事件のショックと、24時間警護の息苦しさや、国中に溢れる「私はシャルリ」運動への違和感など、大きな苦悩から来る「内面の失神状態」の救済を求めて、美と芸術に触れる旅にでます。

イタリアのヴィラ・メディチの庭園では彫像に古代の人々の苦しみを感知し、ルーヴル美術館では「メデュース号の筏」の絵に、パリで襲撃にあった自分たちの姿を重ね、イタリア画家で殺人者になったカラヴァッジョの闇を孕む絵に光を見出して、カトリーヌは、絵画・芸術の美によって、心に「軽さ」を取り戻します。

この本のことを今回想起したのは、日本に暮らす私たちが、今年9月から10月の1か月の間に、2度にわたり大きな台風に見舞われ、大災害の苦しみに遭遇したからです。

本の序文でカトリーヌの元同僚フィリップ・ランソンは、この事件のことを「自分たちではどうにも太刀打ちできない嵐に巻き込まれたみたい※」と表現していますが、今回日本では多くの人たちが文字通り「太刀打ちできない嵐」に2度も巻き込まれ、家や田畑を失い、いまだに立ち直れない状態が続いています。そして、10月の消費税アップが彼らや私たちの苦しみに追い打ちを掛けています。

こうした状況下、安倍首相は、国民が直面している厳しい現実には目に見えた反応を示さず、その一方で、天皇即位祝賀行事やラグビーワールドカップなど、華やかな場面には必ず顔を出して、はしゃぎ気味な姿を公けにしています。

それに加えて、大型台風上陸の警報が出ているさ中の組閣で誕生した新閣僚たちは、次々に失言や不祥事でひんしゅくを買い、国民の命と暮らしを守るべき政権のちぐはぐさ、空疎さが際立って、私たちの不安を増幅させています。

このところテレビやツイッターなどのSNSでは、あえて他者を貶め傷つけるような言論が跋扈する一方、日ごろ人権や公正を求める人たちの間にも、ちょっとした齟齬や誤解に過度に反応し非難する風潮が広がって、出口のない重苦しさが蔓延しています。

パンドラさんが「政策的に作られた貧困問題」の中で指摘しているように、『見えない貧しさの中で人々はいろんな事を諦め、我慢しながら生きている。諦めと我慢は無気力を生み、特に若い人達の中に拡がっている』、更に、それが人々の間にネガティヴな感情を生み、時に弱い立場にいるもの同士の攻撃を生んでいる、というのが、日本の現状のような気がします。

こうした現状下、私たちは主権者として、政治家に対し、今一度社会の安心、安全のために働くことを厳しく求めるのは勿論ですが、それと同時に、個々に生きる人としての私たちは、この嵐の時代を「生き延びる戦略※」として、自分自身の中に「軽さ」を維持する努力をする必要があるのではないでしょうか。

折しも文化・芸術の秋。せっかくのこの時期に、時に心を静め深呼吸をして、良質な絵画や音楽、あるいは映画や書物に触れる時間を持つ工夫をしたいと思います。自分自身の中に「軽さという重み※」を育むために。嵐の中にあっても、希望ある未来に向かって、力強い一歩を踏み出すエネルギーを蓄えるために。

(※)『私が「軽さ」を取り戻すために』序文(フィリップ・ランソン(ジャーナリスト・作家))より

「護憲+コラム」より
笹井明子
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政策的に作られた「貧困問題」

2019-11-02 09:20:30 | 暮らし
珠さんのコラム「拡大する日本の貧困問題」、具体的数字をあげてのコラムに深く賛同します。

コラムに書かれていたように、小泉政権の時から派遣での働き方が増え、あれからすっかり定着してしまいました。

特に私が感じているのは、ここ20年の間に中間層だった高齢者の生活が苦しくなって来た事です。厚生年金+国民年金の人達でも、退職金を取り崩さなければ生活が成り立たない人達が多いようです。

唯一の資産は家やマンションですが、それすらも都心に近い郊外でも空き家が目立ち、マンションは修繕費も積み立てが底をついて、やらなければならない修繕も儘ならないマンションも多いと聞いています。

生涯をかけて家や土地を取得し、子どもの教育費に莫大なお金をかけても、その子が新卒一括採用で入社した企業を辞めて転職したら派遣か契約社員。人手不足とは言っても安く使える人が不足しているのです。

既に銀行等は大規模リストラを企てているという話も聞こえてきます。更に自動車には走行税をかけるとか、銀行も口座維持手数料を取るとか。

医療分野では、厚生労働省は市町村等が運営する公立病院と日本赤十字社が運営する公的病院の内、不採算な25%超にあたる全国424の病院のベッド数を減らし、再編統合する検討に入ったと新聞が報じていました。

地域で人の命を守り地域医療を担っている公立病院を、稼働率が低いからと安易に統廃合やベッド数を減らして良いものでしょうか。消費税は何のために増税したのでしょう。

私達の生活が少しづつ、少しづつ蝕まれて行く。その最初の始まりがあの圧倒的支持率を誇った「小泉政権」だったような気がしてならないのです。

既に安倍政権は消費税を上げても支持率がたいして下がらなかったから、何をしても国民の支持率は下がらないと奢り、国民を舐めています。

正にこれは珠さんが書かれたように、政策的に作られた貧困問題です。見えない貧しさの中で人々はいろんな事を諦め、我慢しながら生きているのです。諦めと我慢は無気力を生み、特に若い人達の中に拡がっているような気がして心配です。

それでも私はできる事を諦めずに続けようと思っています。ネットに書き込む事、ツイッターで呟き、時には同じ意思を持つ人達とデモや集会に参加して、来年も元気に生きて行こうと思ってます。

「護憲+BBS」「コラムの感想」より
パンドラ
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【怨歌】の歌姫 藤圭子

2019-10-23 17:08:56 | 暮らし
藤圭子という歌手がいた。今では宇多田ヒカルの母親として有名だが、歌手としての彼女はそれは凄かった。

東大全共闘が安田講堂で絶望的な籠城戦を戦った昭和44年(1970年)、彼女は【新宿の女】でデビューした。
※新宿の女 https://www.youtube.com/watch?v=5FeiTGOrEvM

藤圭子 本名安倍純子 岩手県一関生まれ 生まれてすぐ両親の仕事の都合で北海道旭川で育つ。両親は旅回りの浪曲師。圭子は幼い時から両親とともに舞台に立っていた。
才能を見込まれ、15歳で上京。作詞家 石坂まさおに師事。その後、RCAディレクター榎本に見いだされ、レコード・デヴュー。

榎本に言わせると、当時の彼女は40kgあるかなしかの小さな少女だった。その容姿は、可憐の一言。華奢で可憐で吹けば飛びそうな少女が、ひとたびマイクを持つと、そのドスの利いた歌声で周りを圧倒した。彼女の容姿と歌声のギャップの大きさが、彼女の人気を後押しした。

しかし、彼女の歌声をよく聞くと、高音も良く伸び、ロックで言うシャウトができた。中低音も独特の響きを持っており、魅力的なハスキーボイスの持ち主だった。

藤圭子は第2作の「女のブルース」で110万枚を売り上げ、押しも押されもしないスターにのし上がった。
※女のブルース https://www.youtube.com/watch?v=MvgokXTXVTI

そして次の第3作が藤圭子の不朽の歌手にした。【圭子の夢は夜ひらく】である。
https://www.youtube.com/watch?v=bynoUmokWaI

この歌は石坂まさをが大好きだった曲で、園まりや緑川アコも歌っていた。
※夢は夜ひらく
緑川アコ https://www.youtube.com/watch?v=62IAZXMoXLg
園 まり https://www.youtube.com/watch?v=z478Skh93Vw

藤圭子の歌った「夢は夜ひらく」は、典型的な【履歴書ソング】。自分の人生の経過を歌にしている。そこが実にいい。

特に二番の歌詞。***昨日マー坊 /今日トミー /明日はジョージか /ケン坊か /恋ははかなく/過ぎて行き /夢は夜ひらく***

私はこの歌を最初に聞いた時、実にモダンな感じを受けた。名前の呼び方が見事にアメリカナイズされていた。ロックかジャズを演歌にしたような新しさがあった。藤圭子が時代の寵児になった所以だろう。

当時、まだ若かった田原総一朗がTVドキュメンタリーで藤圭子を取り上げた番組で、デモに参加している若者の多くが、藤圭子が大好きと答えていた。彼女の歌声と歌詞に、従来の演歌と違う何かを感じ取っていたに違いない。

五木寛之は、そんな藤圭子の歌を、「演歌でもなく、艶歌でもない。正真正銘の怨歌だ」と評していた。

70年当時の全共闘運動、新宿西口のフォークゲリラなど、燃え盛った【政治の季節】の挽歌として、藤圭子の歌が若者たちの心をつかんだのかもしれない。

藤圭子が伝説になったのは、ここまで紹介した歌による。しかし、本当の藤圭子の凄さは、虚実合いまった藤圭子の伝説ではなく、彼女がカバーした多くの歌にある。

今回、彼女のカバー曲を丹念に追ってみたが、ほとんどの歌が本家をはるかに超えるうまさと凄さに満ちていた。

特に、「男歌」を歌わせたら、彼女の右に出るものはないだろう。彼女に匹敵する「男歌」の名手は、美空ひばりだけだと思う。それぐらい、女性が男性の歌う「男歌」を歌うのは難しい。ところが、藤圭子は難なくそれをやってのけている。天才というしかない。

例えば、矢吹健という歌手がいた。「あなたのブルース」や「後ろ姿」は大変ヒットしたが、藤圭子のカバー曲はそれに勝るとも劣らない。

※あなたのブルース https://www.youtube.com/watch?v=LL5vhiI_AAs
※うしろ姿  https://www.youtube.com/watch?v=k3z6m3NMcSQ
矢吹健 あなたのブルース https://www.youtube.com/watch?v=mZ72F_9HwSw
    うしろ姿  https://www.youtube.com/watch?v=2R0oGJoAFic

春日八郎の「別れの一本杉」。春日に勝るものはない、と思っていたが、藤圭子の「別れの一本杉」は絶品。
※別れの一本杉 https://www.youtube.com/watch?v=hKF2JUkDNjs
春日八郎 別れの一本杉 https://www.youtube.com/watch?v=7satCJvhT54

もう少し、見てみよう。村田英雄の「無法松の一生」。彼の代表作。これは多くの歌手がカバーしているが、藤圭子のカバーは絶妙。本家よりはるかに良いと思う。

※無法松の一生 https://www.youtube.com/watch?v=wJYMxGKU-e8&list=RDEK4Q6VwPVuQ&index=10
村田英雄  無法松の一生 https://www.youtube.com/watch?v=a3K32Tk8fYo

村田英雄の作品は、「人生劇場」もカバーしている。
※人生劇場 https://www.youtube.com/watch?v=vSn30-rBmYs
村田英雄  人生劇場 https://www.youtube.com/watch?v=t-VGghg9fTQ

「東京流れ者」もカバーしている。渡哲也は本職の歌手ではないので比較にならない。
※東京流れ者 https://www.youtube.com/watch?v=e_gqDblMUig
渡哲也  東京流れ者  https://www.youtube.com/watch?v=fkQCEXFaldY

実は今回藤圭子のカバー曲を調べていて、一番驚きだったのは、次の曲である。

「ネリカンブルース」 この曲は、東京都練馬区にあった少年鑑別所に入った不良少年の心情を歌った歌で、誰の曲とも知らずわたしたちの間で歌われていた。わたしたちの青春時代、道を踏み間違えた少年たちのディスペレートな心情を歌ったこの歌は、多くの人々の心を捉えた。

彼女の歌声は、当時を思い起こさせる絶品の作品に仕上がっている。

※ネリカンブルース https://www.youtube.com/watch?v=DScdzHz6tRA
※練馬区東京少年鑑別所の正門です。
https://www.youtube.com/watch?v=e8IOSbOINFM

高倉健もカバーしている。やくざ映画全盛時代、高倉健の「唐獅子牡丹」は、ファン絶対の愛唱歌だった。藤圭子の歌は、当時の高倉健の持つ雰囲気まで再現しているように思える。

※唐獅子牡丹 https://www.youtube.com/watch?v=0XE3YmgKTp4
高倉健 唐獅子牡丹 https://www.youtube.com/watch?v=LmzVr4W_p1s

鶴田浩二の歌もカバーしている。
※赤と黒とのブルース https://www.youtube.com/watch?v=vKb4MZbQo9Q
鶴田浩二 赤と黒のブルース https://www.uta-net.com/movie/13849/

水原弘もカバーしている。わたしの中では、水原弘の歌のうまさは出色。まさに天才。彼がヒロポンなどに迷わなかったら、どれだけヒット曲を出したか、と残念でならない。藤圭子の歌声はその彼に引けを取らない。二人の天才の歌声を、ぜひ、聞き比べてほしい。
※君こそわが命 https://www.youtube.com/watch?v=CdEZZsIuj6w
水原弘 君こそわが命 https://www.youtube.com/watch?v=abmW7xIlzgM

ここまでの曲を丁寧に聞いてもらえば一発で分かるが、事程左様に、藤圭子の「男歌」は素晴らしい。

地べたを這いずり回りながら生きている民衆たちの情念をうたい上げたのが演歌・艶歌・怨歌だとするならば、藤圭子の歌声はまさに「怨歌」にふさわしい。

まさにそのものずばりの怨み歌を一つ紹介する。梶芽衣子の【怨み節】である。映画「さそり」の主題曲。
※恨み節 https://www.youtube.com/watch?v=1nT_J6tXHSE
梶芽衣子 怨み節 https://www.youtube.com/watch?v=PqJhcDIqaDU

さらに藤圭子は、三波春夫や真山仁などが切り開いた「歌謡浪曲」の分野でも素晴らしい才能を発揮している。特に、「歌謡浪曲」で難しいのは、「語り」の部分だが、藤圭子はいとも簡単に難しい「語り」をやってのけている。

おそらく幼い時から旅の浪曲師だった両親に連れられて舞台に立っていたため、浪曲の語りが肌に沁みついていたのであろう。見事な「語り」を披露している。

※番場の忠太郎 https://www.youtube.com/watch?v=z9pGZ1xmgY8
真山一郎 番場の忠太郎 https://www.youtube.com/watch?v=5z6PD2IHUbw

その他多くの「歌謡浪曲」をカバーしている。
※涙の荒神山 https://www.youtube.com/watch?v=VuthhqoBOjI
※石松三十石舟 https://www.youtube.com/watch?v=Ybwp1J0UvGA
※刃傷松の廊下 https://www.youtube.com/watch?v=u398NwAEDng

この分野で、彼女の凄さがもつとも分かるのは、二葉百合子の「岸壁の母」のカバーだと思う。二葉百合子の高音部分は、いかにも浪曲で鍛えられた声だと思わせるが、藤圭子の高音部分はそれを上回るような伸びがある。彼女を育てた榎本がいう高音がシャウトしている。彼女がもう少し長生きしていたら、この分野でも文句なしの第一人者になれたと思う。
※岸壁の母 https://www.youtube.com/watch?v=657IcSn4oCo
二葉百合子 岸壁の母 https://www.youtube.com/watch?v=nAnv6K8SE1c

このように本当の意味での歌の才能に恵まれた藤圭子だったが、私生活では順風満帆というわけにはいかなかった。

五木寛之が書いた「艶歌の竜」という小説がある。その中で艶歌歌手は、「不幸の匂い」がしなければならないと言う意味の事を書いていた。ファンは彼や彼女の歌を聞きながら、大スターでありながら、彼や彼女の私生活の不幸の味を敏感にかぎ取る。そして、大衆は、さらに彼や彼女の歌に魅かれていく、という微妙な心理の襞が、艶歌歌手の宿命だという意味の事を書いていた。

そう言えば、美空ひばりをはじめとして、艶歌歌手の「不幸の味」が彼や彼女たちの艶歌の「つや」として滲み出ているような気がする。

御多聞に漏れず、藤圭子も波乱万丈の私生活を送り、最後は自ら命を絶った。五木寛之流の見方からすれば、藤圭子は、見事に「艶歌歌手」否【怨歌歌手】としての自らの運命(宿命と言っても良いかもしれない)を生き切ったと思う。

日本の戦後の転換点で、エリート支配(東大支配)を根底から問い直した東大全共闘の象徴的闘いの終焉(安田講堂の闘い)の年にデヴューした藤圭子は、それだけで時代の象徴的存在だった。

学生運動とはまるで無縁の存在だったにもかかわらず、当時の反体制気分の象徴的存在として、社会の下層で流されながら懸命に這いずり回って生きている庶民の口に出せない内心の怨みを見事に表現した。

わたしは、彼女の代表曲もさることながら、彼女がカバーした【はやり歌】としての戦後の歌謡曲を聞いていると、戦後70年を過ぎたのに、過ぎ去ったと思われた戦後の艶歌・怨歌の世界が、もう一度新しい装いで蘇っているように感じる。

山本太郎が口癖のように語る【生きづらい、地獄のような日々】が、蘇ってきているのを感じる。

藤圭子のカバー曲を詳細に論じたのは、彼女の「怨歌」を掘り下げていくと、結局日本的演歌・艶歌や浪曲的感性に行きついてしまう、という歴史の皮肉である。

先の五木寛之の「艶歌の竜」の言葉で言えば、西欧流の音楽感性から言えば、「乞食歌」に過ぎない艶歌の世界が、もう一度蘇る時代的背景が整いつつある。

マルクス流にいうならば、時代は繰り返す。一度目は悲劇として、二度目は喜劇として。

さて、藤圭子流艶歌・怨歌の世界の蘇りは、「悲劇」だろうか、それとも「喜劇」だろうか。

「護憲+BBS」「明日へのビタミン!ちょっといい映画・本・音楽・美術」より
流水
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「風をつかまえた少年」と「ガーンジー島の読書会の秘密」

2019-09-08 09:48:31 | 暮らし
今、上映中の映画2本、どちらもとってもお奨めです。

「風をつかまえた少年」 https://longride.jp/kaze

アフリカのマラウィのウィリアム少年が、中学校の学費が足りなくて退学になりながら、図書室に通うことだけを頼み込んで、物理やエネルギーの本を読みます。

そして干ばつに苦しむ村で、彼はゴミ捨て場から使えるものを拾って、風力発電で、井戸から水をくみ上げる動力を作り上げるのです。

干ばつや、アフリカの政治的な問題なども描かれますが、何よりこんな過酷な環境の中で、暮らしを良くするために自分のできることを探し、研究し、周りの仲間や大人を説得し、作り上げていくその課程が素晴らしいのです。

貧しい父親が「失敗ばかりの人生だった」と嘆くと、ウィリアムは「違う、僕を学校に行かせてくれた」と答える場面は、胸に迫りました。

これは実話を元にしていて、そのウイリアム・カムクワンバさんは「将来色々なことができるようになる選択肢を与えてくれるのが教育です。様々な問題を解決していける人間になるには、学ぶことが必要だと思います」と話しているそうです。

「ガーンジー島の読書会の秘密」 http://dokushokai-movie.com/

こちらはフィクションですが、第二次大戦中、チャネル諸島のガーンジー島は英国で唯一ドイツ軍に占領された地域だそうです。地図を見れば、英国よりもフランスのノルマンディ―地方のコタンタン半島に近い。

物語は、占領下に読書会が開かれていたという話を知って、新人作家の女性ジュリエットがタイムズの記事にしようと、島に取材に行きます。

しかし、読書会に参加は出来たものの、それを始めるきっかけを作ったエリザベスのことを問うと、誰も答えようとしない。そればかりか、読書会の事を記事にする承諾も得られないのです。

読書なんてまるでしていなかった人たちが、本を読んで語り合い、考えを深めていくところも素敵です。

ジュリエットが話を聞いていくうちに、占領下の厳しい状況が明らかになって来ます。戦争がもたらした痛み、裏切り…。行方不明のエリザベスはどうなったのか。

スリリングでもあり、ユーモアもあり、本への愛も溢れ、ジュリエットの恋も絡んで面白い映画でした。本(上下)も出ていて、お勧めだとか。

直情的で行動せずにいられないエリザベスの姿に、戦時下という状況では、オッチョコチョイは生き残るのも難しいな、モノが言えるうちに、戦争方向に行かないように発言を続けなくては…と思わされました。

「護憲+BBS」「明日へのビタミン!ちょっといい映画・本・音楽・美術」より
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新宿飲み歩きの思い出

2019-08-04 20:14:47 | 暮らし
流水さんのコラムを読んでいて、体験的な新宿飲み歩きについて言及したくなった。

30年以上の前の出来事から。当時、歌舞伎町の一角に大きな音楽喫茶があった。私は大層気に入って週に一度はこの喫茶店に通っていた。銀座などという通り一遍の洒落た街にはこの音楽喫茶はない。(銀座を褒めていない。嫌いなスノッブじみた場所なので。)

ある日の昼時、この喫茶店に入ろうとすると、若い女性と私と同世代らしき男性が私に何か言いたげに近寄ってきた。(それくらい、地下の店に行くまでに広い階段がある。)

彼は明らかに「ちぇー」と指を鳴らした。よく観ると俳優の田村亮だった。(上背は同じくらい、174センチ。)サスペンスドラマのロケ場所だったのである。(京都なら助監督が来て、私を止めていたはずだ。)

それから2、3年後に、今度は歌舞伎町近くのゴールデン街の店に飲みに行くようになった。この店は詩人が経営している酒場だった。そのころは学習塾の教師だったころであり、さるカルチャーセンターで現代詩の講座に出ていてマスターと知り合った。

カウンター席に座った私の側のテーブル席に、出版社の人たちが語らっていた。詩人のマスターはこの人たちを私に紹介してくれた。「こちら、岩波書店の編集部の方たちだよ」と。編集長らしき人が「よろしく」とあいさつを返してきた。

そのころにはあの音楽喫茶は閉店になっていた。地下にあるが、ただただ広いだけの喫茶店では経営はできなかったのだろう。

流水さんも書いているように新宿という街には奇妙な魅力がある。戦前の新宿は「放浪記」を書いた林芙美子が最初に住んでいたところである。その昭和前期からあまり変わり映えしない「新宿」は、毒のある?夜光虫が集まってくるような不思議な街だったのではないだろうか。

そこをまた再開発(実は都庁の移転でもう変貌著しいが)しようというのである。新宿もただのスノッブが集まる何の変哲もない場所になってしまうだろう。

「護憲+BBS」「コラムの感想」より
名無しの探偵
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明治維新=国民が路頭に迷う時代の幕開け

2019-04-23 17:30:34 | 暮らし
「明治以降の貧困へのアプローチ」に関連して。

6年前に取り組んだ「秩父事件」の研究によると、明治維新後、民法の改正(こういう名称ではないが)で江戸時代の法慣習(実は慣習というのは現在も重要だと民法に規定されている)が変わり、土地(農地が多かった)を担保にして借金をした場合、すべて期限までに返却しないと土地を競売処分にされることになった。

「近代的所有権」などと進歩的な名称で官僚や学者は絶賛するが、江戸時代には期限を限らず、いくらでも待ってくれたというのが「慣習法」だったのである。
 
おそらく、このエポック(明治17年の裁判以後)がなければ秩父事件はなかったはずで、明治時代は国民が路頭に迷う時代の幕開けだったのである(明治中期)。

石井寛二先生の「日本経済史」はこの事情を詳細に分析されている。そのとき、「寄生地主」制度が成立。また天皇制も絶対主義に傾いた。

現在の法律問題もこうした法制史を照射することは、重要な視点であろう。

「護憲+BBS」「コラムの感想」より
名無しの探偵
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桜考

2019-03-30 14:06:40 | 暮らし
各地から開花のニュースが届いている。わたしの住んでいる団地の公園の桜(ソメイヨシノ)も咲き始めた。一年で一番心躍る季節の到来である。

日本人が桜を愛で始めたのはいつごろからであろうか。ものの本によれば、花見の起源は、奈良時代にさかのぼるらしい。ただ、奈良時代には、桜とともに梅も対象だった。

わたしの県で有名な後楽園(日本三名園の一つ)では、梅の花見が終わると桜の花見になるように梅も桜も植えてある。また、わたしの県は桃の産地。だから、桃の花も花見の対象になっている場所がある。わたしも赴任した学校(桃の産地)で桃の花見をした経験がある。ただ桃の花は背が低く作られているので、多少窮屈。しかし、匂いはかぐわしかった。

いわゆる花見の起源は、嵯峨天皇が812年3月28日(弘仁3年2月12日)に神泉苑で「花見の節」をしたという記録がある。(日本後記)これが記録に残る花見の始まり、と言われている。
神泉苑 ;二条城のすぐ近くにあり、現在でも京都の桜の名所の一つ
https://kyototravelnoosusume.hatenablog.com/entry/shinsenensakura

今では広く知られているが、染井吉野(ソメイヨシノ)は、江戸時代に染井村(東京都)で作られた品種。戦後、全国各地で盛んに植林された。だから、桜前線というほど全国ほぼ一斉に咲き始める。戦後、70年あまり。そろそろソメイヨシノの寿命がきつつある。

TVによれば、東京の国立でも、植え替えの議論が行われているそうだが、同じことが全国各地で出ている。わたしの県の桜の名所の一つ、後楽園周辺の桜もソメイヨシノ。もう何年も前から、寿命の尽きたソメイヨシノの植え替えが行われている。

植え替えが必要なのは、ソメイヨシノだけではない。戦後のシステム全てが植え替えが必要な時期に来ている。そのためには、国立市ではないが、植え替えのための慎重な議論が必要。新自由主義のような拙速でのやり方では、悔いを千載に残すことになる。

桜の品種は原種は9。変種を合わせると100種程度。人の手で交配した「園芸品種」と「野生種」(山桜ともいう)合計は、約600種ほどあるそうだ。興味のある方は、こちらをどうぞ。
http://flower-trivia.com/sakura-syurui/

わたしが見た桜の名所で、もつとも桜の品種が多く、素晴らしい花を咲かせているのは、京都の平野神社。「魁」とか「平野寝覚め」とか「胡蝶」とか「嵐山」とか「虎の尾」などという風雅な名前の付いた様々な桜が楽しめる。さらに平野神社では、桜の季節には、境内のお茶屋で花見が楽しめるようになっている。お酒も楽しめる。わたしが訪れた時はあいにくの雨模様だったが、境内のお茶屋は満員だった。聖俗併せのむ日本の神様の面目躍如たるものがある。
平野神社;http://www.hiranojinja.com/home/cherry

“願わくば 花の下にて 春死なん その如月の 望月のころ”

新古今和歌集に載っている西行法師の句である。望月のころとは、旧暦の2月15日。できうれば、満開の桜の下で死にたい、という西行法師の願いをうたっている。齢を重ねるほど、西行の願いが身に染みてくる。

もう一句。西行の歌を紹介しよう。

“身を捨つる 人はまことに 捨つるかは 捨てぬ人こそ 捨つるなりけれ”

西行法師の俗名は、佐藤義清。武士である。この歌意は、仏門に帰依し、坊主になる事をあたかも世捨て人のように人はいうけれど、世捨て人にもなれないで、様々の人生上のしがらみに縛られて生きている人こそ、本当はわが身をすてているのではないか、というほどの意味であろう。

平安時代も忖度に苦しめられて生きていた人も多かったのであろう。一つ忖度の方向を誤ると、失脚だけではなく、命の危険すらあるのだから、大変である。西行は、そんな生き方を【身をすてている】と断じている。

お前さんたちは、たしかに生きてはいるけれど、自分を殺し、自分らしさを失っている。そんなお前さんたちこそ、真の意味での「世捨て人」ではないのか?と問いかけている。

千年以上たった今でもこの西行の問いは、色あせない。わたしも官僚やメディア従事者、御用評論家、御用学者、自民党の代議士、公明党の代議士たち、そして、何より日本国民に問いかけたい。【あなたたちは、本当の世捨て人なのですか】と。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
流水
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