老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

歴史の中の嘘

2009-10-15 22:10:19 | 政治
最近になって知りえたことだが、江戸時代の終りを告げる「薩長連合」という倒幕のきっかけとなった政治的な出来事がある。そしてこの薩長連合を仲介したのが土佐藩脱藩者の坂本竜馬であるというのが歴史的な定説となっている。

しかし、最近岩波から「坂本竜馬」(新書版)を上梓された松浦玲氏が、以前に書かれた本の中で、「坂本竜馬が脱藩者であり、倒幕の運動のために薩摩と長州の間を仲介する役目を担っていたという事実は疑わしい」という記述をしていたことで、竜馬の歴史的な立場は微妙であり、まして薩長連合の仲介者であるという事実は疑わしいと考えだしていた。

ところが、長年にわたって愛読してきた吉村昭氏(2006年逝去)のエッセーで真相が明らかになった。吉村先生(尊敬の念から「先生」と呼ぶ)は、「ひとり旅」(文芸春秋)という本の175ページ「武器で結びついた薩長」の最後で次のように述べる。

「薩長連合というと、坂本竜馬が斡旋したことになっているが、坂本竜馬は藩士ではなく郷士である。坂本竜馬が両方を仲介して薩長同盟を結ばせたといわれているが、そのようなことは史実にはない。」(ですます調をである体にして表記した)

このようなことを書くと、吉村氏は小説家であり、歴史家ではないと信憑性に疑いを待たれる人もあろう。しかしながら吉村氏は文献史料に当たるとともに現地にも出かけて関係者の子孫などや地域の歴史家にも取材しており、歴史家のように現地に出向かない専門家とは異なる。吉村氏こそ本当の歴史家というべきである。

「護憲+BBS」「明日へのビタミン!ちょっといい映画・本・音楽」より
名無しの探偵
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首長さん、自民党幕藩体制は終わったのだ

2009-10-15 13:32:03 | 民主党政権
今更でもないが、先の衆議員選挙で民主党に一票を投じた者として、民主党の公共工事見直しに大賛成である。その一つにマニフェストに掲げてある八ッ場ダム建設中止があるが、これに対して建設促進派の町長・知事を先頭に促進派の町議員も前原大臣に抗議を繰り返している。

ダム建設には広く国民が納めた血税が使われるのであり、とっくの昔に治水も利水も計画通りの効果はないと判明しながら、どうしてダム建設反対派を切り崩しながら、一地方のダム建設に50年間も税金がつぎ込まれてきたのか、そこに素朴な疑問を抱いている国民も多いと思う。

ダムは直ぐには完成せずとも、そこに計画がある限り、毎年何らかの土木工事予算がつき、その恩恵を受け続ける政官業が存在する。政は業から政治献金と票を受け、官は定年後、業への天下りの見返りを受け、業は天下った役人に翌年の土木工事予算を獲ってきて貰う、いわゆる政官業の持ちつ持たれつの癒着関係だ。ダム建設の永い期間中には一時的に政官業の利権維持が目的となり、ダム建設はその手段と化すのである。

今回民主党が政権を獲り、このような自民党政権の利権構造と癒着が広く国民の前に明らかにされた。そして一方では福祉予算が削られ、社会の陰では母子家庭は泣き、生活保護もまともに受けられずに自殺する人が発生している。例えば東京都は八ッ場ダム建設に累計約600億円の負担をしていると報じられいるが、その一方で老人ホームが不足して、近県の老人ホームにお年寄りが送り込まれていると報じられている。

これ等の悲惨な状況に比べれば、八ッ場ダム周辺の立ち退き住民はまだ何んらかの保障と補助が今後も得られ、遙かに恵まれている方である。むしろ悲惨なのは全国の無駄なダム建設のために福祉予算を削られてきた数多くの社会的弱者の方であろう。

このような現実を目の当たりにして、まだダム建設のために国民の税金をよこせと叫ぶ首長や町議員の常識と感覚を疑わずにはおられない。長野原町役場には八ッ場ダム建設推進に対する抗議のファックスや電話が絶えず、インターネットは閉鎖されたと報じられている。

政官業には予算を厚く、弱者国民へは予算を薄く配分することを永年掲げ、自民党政権を幕府とし、各地方自治体を諸藩とした自民党幕藩体制は終わったことを、首長たちは自覚し、政官業から人への予算配分を重視する民主政治の新時代になったことを察すべきである。そしてその恩恵は等しく長野原町民にも及ぶのである。

「護憲+BBS」「各種団体・自治体・企業等ウォチング」より
厚顔の美少年
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