今日の朝日新聞社説は、安倍自民党が狙う「改憲」の問題点に正面から切り込んでいます。
選挙時の判断基準として、経済も勿論重要ですが、日本がどこに向かおうとしているのかも、(ただちに影響はないかもしれませんが、)遠くない将来に私たちの暮らしに重大な影響を及ぼすこととして、忘れるわけにはいきません。自民党の憲法草案の危うさについて、私たちもこの際再度確認しておきたいと思います。
「(衆院選)憲法と首相―立憲主義には逆らえない」(11/30朝日・社説)
http://www.asahi.com/paper/editorial.html
==抜粋==
『12月2日に公示される衆院選には、いままでの選挙とは違った重みが加わっている。
改憲のための法的手続きが整ってから、初めての国政選になるということだ。
首相は改正国民投票法が成立した直後、集団的自衛権の行使を認める9条の解釈変更に踏み切った。歴代内閣が「行使できない」としてきた憲法解釈の大転換である。
憲法についてのこんな線引きを、いつから首相ができるようになったのだろう。
集団的自衛権の行使を認めるならば、この改正案を国会に示し、3分の2の賛成を得て国民投票に問う。これが憲法に定められた手続きのはずだ。
野党も交えた議論や国民投票をへなければできないことを、閣議決定ですませてしまう。憲法の私物化であり、立憲主義への反逆にほかならない。
首相は憲法改正は遠い先の課題のようにいうが、実は準備は着々と進めているのだ。
自民党草案は問題だらけだ。端的なのが、個人の尊重を定めた13条の扱いだ。
一人ひとりが国家からの介入なしに自由に生きる。この近代の人権保障の核心を、13条は「すべて国民は、個人として尊重される」と規定する。
だが、自民党草案は13条から「個」を奪い、「人として尊重される」と改めた。
さらに、「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利」の尊重には、「公共の福祉」に代え、「公益及び公の秩序」に反しない限りとの縛りをかけている。
わずかな文言の違いではあるが、個人よりも国家に重きを置く思想が色濃い。これは、立憲主義の精神とは正反対だ。
安倍首相の今回の衆院解散劇を見ると、新たな民意を得ることで憲法改正を含めた政策実現への推進力を得たいという狙いは明らかだ。
だが、たとえ選挙で多数を得た者であったとしても、憲法を恣意(しい)的に操ることが許されるわけではない。』
「護憲+BBS」「新聞記事などの紹介」より
笹井明子
選挙時の判断基準として、経済も勿論重要ですが、日本がどこに向かおうとしているのかも、(ただちに影響はないかもしれませんが、)遠くない将来に私たちの暮らしに重大な影響を及ぼすこととして、忘れるわけにはいきません。自民党の憲法草案の危うさについて、私たちもこの際再度確認しておきたいと思います。
「(衆院選)憲法と首相―立憲主義には逆らえない」(11/30朝日・社説)
http://www.asahi.com/paper/editorial.html
==抜粋==
『12月2日に公示される衆院選には、いままでの選挙とは違った重みが加わっている。
改憲のための法的手続きが整ってから、初めての国政選になるということだ。
首相は改正国民投票法が成立した直後、集団的自衛権の行使を認める9条の解釈変更に踏み切った。歴代内閣が「行使できない」としてきた憲法解釈の大転換である。
憲法についてのこんな線引きを、いつから首相ができるようになったのだろう。
集団的自衛権の行使を認めるならば、この改正案を国会に示し、3分の2の賛成を得て国民投票に問う。これが憲法に定められた手続きのはずだ。
野党も交えた議論や国民投票をへなければできないことを、閣議決定ですませてしまう。憲法の私物化であり、立憲主義への反逆にほかならない。
首相は憲法改正は遠い先の課題のようにいうが、実は準備は着々と進めているのだ。
自民党草案は問題だらけだ。端的なのが、個人の尊重を定めた13条の扱いだ。
一人ひとりが国家からの介入なしに自由に生きる。この近代の人権保障の核心を、13条は「すべて国民は、個人として尊重される」と規定する。
だが、自民党草案は13条から「個」を奪い、「人として尊重される」と改めた。
さらに、「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利」の尊重には、「公共の福祉」に代え、「公益及び公の秩序」に反しない限りとの縛りをかけている。
わずかな文言の違いではあるが、個人よりも国家に重きを置く思想が色濃い。これは、立憲主義の精神とは正反対だ。
安倍首相の今回の衆院解散劇を見ると、新たな民意を得ることで憲法改正を含めた政策実現への推進力を得たいという狙いは明らかだ。
だが、たとえ選挙で多数を得た者であったとしても、憲法を恣意(しい)的に操ることが許されるわけではない。』
「護憲+BBS」「新聞記事などの紹介」より
笹井明子