老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

オリンピック聖火リレーの照らし出したもの

2008-04-30 15:58:50 | 社会問題
世界を巡ったオリンピック聖火リレーはいよいよ中国入りである。今回北京オリンピック聖火リレーに世界の民衆が期待し託したものは何であったのだろうか。

先ずチベットと中国の関係、特に中国政府によるチベットの漢民族同化政策・人権蹂躙を世界が知ったことは、周知のとうりである。そしてこのチベットの民族問題を平和的に解決することを世界が期待していることは、聖火リレーの沿道の民衆から明らかである。現状のままの抑圧が今後も続けば、中国政府が世界から批判され続けることも明らかである。

次に、今回世界各地で起きた聖火リレーに対する中国留学生の一糸乱れぬ熱狂的な支援行動を観ると、従来の共産主義イデオロギーに代わって、愛国ナショナリズムが学生に浸透し台頭していることである。この変化は天安門事件以後の学生の思想の変化ではなかろうか。その背後には、天安門事件以後急進的改革派教授を大学から追放するような政府の強力な指導があったものと考えられる。しかも、オリンピック聖火を今回世界最高峰のエベレスト山頂にもかざそうという行為は、明らかに国家戦略であり、ナショナリズムによる国威発揚であろう。

しかし、このようなナショナリズムの台頭は、1965年以降の中国政府の大きな動きと切り離すことはできない。当時毛沢東は造反有理のスローガンを掲げ、文化大革命の名の下に紅衛兵を組織し、それまで実権を握っていた改革派を排除した。その後毛沢東の威を借りた極左共産主義の4人組が実権を握り、改革派を徹底的に粛正し、中国の政治経済に不毛の10年を生じた。毛沢東の死後、今度は改革派が巻き返し、極左の4人組を追放し、再び改革に着手中に急進的改革に火がつき、天安門広場での暴動が発生した。そして当時の改革派はこれを弾圧して世界の批判を浴びるのである。

その後暴動に寛大な改革派は政府中枢から追放され、世代交代を経て現体制になり、改革派は政経を分離して自由主義経済を取り入れ、政治は旧態依然の共産党一党独裁のままで最大の矛盾を抱え込んでいる。

この矛盾は、中国にとっては世界の政治経済史上初めての大々的な政経分離の実験であり、今後どのようにこの矛盾を解消していくのか世界の注目の的である。旧ソビエト同様、中国も多民族国家ゆえ中国政府が一気に崩壊すれば内乱の発生は必至であろう。おそらくソビエト連邦の崩壊の二の舞はしたくないと思っているはずである。世界もまたソビエトの轍は踏んで欲しくないとの思いが本音ではなかろうか。

しかしこの最大の矛盾を抱える中国政府にとって今後一番やっかいな問題は、共産主義イデオロギーの台頭と、急進的な政治的自由と民主主義を求めての一党独裁の排除のはずである。即ち現在の中国は共産党主義の矛盾(経済は自由主義経済)と自由主義経済の矛盾(政治は共産党一党独裁)を抱えており、この最大の矛盾に目を向けさせないように、或いはこの最大の矛盾を纏めるために、新たなイデオロギーを必要としており、これは今や共産主義思想でもなく、急進的な自由民主主義でもなく共産党による愛国ナショナリズムしかないのである。

よって学生や民衆が上記の相反する思想のどちらに走っても困るのであり、ナショナリズムで党への求心力を維持し、維持できているのが現在の中国の状態と見れば分かりやすい。その結果吹き出たのが先般の排日運動であり今回のフランス・カルフール商品の不買運動であり、各国の中国留学生による異様な聖火リレーの応援に他ならず、これらは起こるべくして起きているのである。

しかし今回のようにチベットの人権問題を批判されたからと言って、その都度ナショナリズムにより他国に仕返しされたのではたまらない。むしろ誤解を生み他国のナショナリズムに油を注ぎかねない危険もあることを、中国政府は理解すべきである。そしてナショナリズムを沈静化させながら、ソビエトの二の舞にならないように、政の経への一致体制へのソフトランデングを見せて欲しいものである。

そのような意味では、中国政府自らナショナリズムを否定する姿勢を見せて欲しい。それには今回の日中首脳会談は絶好の機会のはずである。両国に横たわる懸案事項、とりわけ東シナ海のガス田の共同開発で合意することが論より証拠となるはずである。それに加えて食の安全対策、チベットの人権問題に一定の進展が観られないようでは、日中首脳会談の意義は半減である。

「護憲+BBS」「新聞記事などの紹介」より
厚顔の美少年
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日本、相対的貧困率世界2位

2008-04-30 15:45:13 | 暮らし
今朝の朝日新聞によると、日本はOECD諸国の相対的貧困率世界2位!言うまでもなく1位はアメリカです。巷にはパートや派遣労働など年収200万円以下のワーキングプアがあふれ、「一億総中流」などと騒がれたのがはるか昔となりました。

共産党嫌いであるにもかかわらず、日本では所得税の最高税率を75%にするなどマルクス的手法を巧みに取り入れ、ミハイル・ゴルバチョフ氏をして「世界で最も成功した社会主義国」といわしめました。間違えたのはバブルに浮かれ、ソビエトの崩壊をもってマルクスが誤っていたと考え、アメリカへの追従を深めたことだと思います。

民度が高く洗練された固有の文化を持つこの国には、昔から「過ちを改めるに 憚ることなかれ」「乏しきを憂えず 等しからざるを憂う」という格言があります。品川正治さんもおっしゃるように、アメリカに向かって一言「あなたとは違います」といえばよいのです。

「護憲+BBS」「新聞記事などの紹介」より
宮天狗
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「岡山駅突き落とし事件」に思う

2008-04-28 20:48:01 | 社会問題
犠牲となられた假谷(かりや)国明さん(38)のご無念やその長女(小学1年)の「父さんがいなくても学校がんばります」の健気さ・振舞いを思う時、その理不尽に、居た堪れなくなります。また、今後への心配も消えません。
 
がしかし、この事件、そもそも起こさないでも良かったのではないか、私にはそういう思いが、ずっと離れません。加害者・少年の人殺しも避け得たのではないか、否、容易に避け得たのではないか、周囲の者がもっと親身にフォローすればとの(1人合点な)思いです。
 
その少年の事情・情報も断片的に伝えられるだけですので、不確かな前提での物言いにはなるのですが、一応ここでは、新聞記事の見出しにもあるように「(経済的事情で)進学断念し家出」し、凶行に及んだとしましょう。
 
伝えられるところでは、その少年、東大進学が可能かどうかは兎も角国立大には進学可能な学力とその進学意欲があれば、実家の支援なしでも進学は可能だったのではないか、衝動的に「殺し」に走らせないで済んだのではないか、重大な被害もなくて済んだのではないか、残念でなりません。
 
更に、その父子、どうしてそこまで孤立してしまったのでしょう?派遣社員である父は、しばし、置いておきましょう(罪があるとは思いませんから)。その加害少年のことなのですが、高校卒業後ということなので、事件に高校側がコメントしないこと、成る程とは思われるのですが、卒業前に、孤立しがちであったこと、進学問題で悩んでいた(したいけど、いけないとの思い)とは受け留められなかったのでしょうか?

http://shingakunet.com/rnet/column/syougaku_column/backup_grant.html
自分にあった進学費用バックアップ制度
http://www.jasso.go.jp/shougakukin/index.html
日本学生支援機構 >奨学金情報 >奨学金の種類と貸与の対象

その他、民間でもいろいろ奨学金はあるはず、です。

孤立しがちである少年(高校生)、経済的事情で隘路に陥るかもしれないままに、捨て置いてはならないものと思います。国であれ地方自治体であれ、また、教育現場の高校であれ。本当に、残念。親身になる者が1人でもいれば、この加害者(とその家族)も被害者(とその家族)も生まないで済んだのではないか、と思います。また、そういう社会でなければならない筈だ。孤立・放置からとんでもない事件を生んでしまったことが返す返すも悔やまれます。

(後日、少年には「発達障害」或いは「アスペルガー症候群」が認められるとのことである。或いは、これが周辺とのコミュニケーションを阻んだのかもしれない…のだが。或いは又、これも少年の今後を慮っての計らいなのかとも想像できもする…。)
 +  +  +
そして、最後に序ながら、派遣社員等の不安定雇用或いはワーキングプア(年収200万円以下)をつくり・追い詰め、固定(身分)化した政府らにものを言わなければならない。どうするんだ、と。
 
後期高齢者医療制度(年金天引き)或いは、生活保護者には、後発医薬品を「強制せよ」との行政指導も、社会保障を闇雲にカットしようとする為政者の姿を映す鏡であろうか。
 
少子化対策などと一方で吹聴しているが、これら(政策)とはどのように辻褄を合わせようというのだろう?矛盾はないのか。彼ら(全労働者の1/3を占めるとされる)からは「結婚もできない」「子作りは更に困難」「生活ができない」との訴えのあることは、累々承知の筈なのに。国民の1/3相当など、どうでも良いというのか。「75歳以上姥捨て」「身障者切捨て」は、当然、当たり前だというのか。年金に国家が(貪り)集ることが当たり前のことだと言うのか。介護保険料の天引きに飽き足らず、まだまだ天引きを進めようというのか。国家の務めは、どこにあるというのか。

日本国憲法前文第1項:…そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法はかかる原理に基くものである。
 
正に、政府や公務員の存在理由は、ここにあるのではないのかと思う。

「護憲+コラム」より
蔵龍隠士
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山口3区補選結果についての読売新聞社説

2008-04-28 17:08:23 | マスコミ報道
今日の読売の特集記事は、昨日の山口2区補選の結果を冷静に分析している。それも独自に選挙の出口調査をして、その結果を認めざるを得なかったせいであろう。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20080427-OYT1T00719.htm?from=main1

一方、社説では、後半部分で、補選での敗北に懲りずに政府自民党を擁護し「ガソリン価格が下がった後で行われた今回の選挙結果は、国会攻防に影響するという見方もある。だが、与党は、動揺せず、暫定税率を復活させるため、税制関連法案を粛々と衆院で再可決しなければならない。」と、暫定税率の復活を促している。

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20080427-OYT1T00700.htm

そして、政府与党は上記の読売の主張に呼応するかのように、今日の協議会で暫定税率の復活の意思決定したようであり、どうも政府は読売の論評等を世論と錯覚し、読売は政府与党を動かしているのはこの読売だと自己満足しているように読者には見えるのである。

更に、「社説」の最後の論評「民主党も、一般財源化の実現に向け、与党と協議を続けるべきではないか。審議拒否をしても政権担当能力を疑われるだけだ」も、与野党の協議の実態を無視したものであり、読売の渡辺恒雄氏主導と言われる先の福田・小沢大連立会談の残照を引きずり、全く世論無視の感覚と言わざるを得ない。

今や国民は読売の見解とは異なり、杜撰な年金行政や道路特定財源の無駄使いや流用、後期高齢者医療制度等々諸悪の根元は自民党の長期政権による政官業の利権政治と癒着にあると見ている。

新聞が世論を無視した主張に気づかず、それでも政府与党を動かしていると満足し、悦に入っているようでは国民のひんしゅくを買い、読者を失うだけである。

「護憲+BBS」「マスコミ報道を批評する」より
厚顔の美少年
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4/24学習会「憲法を巡る情勢と今後の政治日程」報告

2008-04-27 07:51:53 | 憲法
政治情勢が目まぐるしく動く(あるいは、停滞している)中、「護憲+」(+有志)は、去る4月24日、東京新聞論説委員の菅沼堅吾氏をお招きし、表記の学習会をしました。その内容を以下にご紹介・ご報告します。

☆★学習会「憲法を巡る情勢と今後の政治日程」★☆

日時:4月24日(木)18:00~21:30
場所:「フリースペース 朔」(東京・水道橋)
講師:東京新聞論説委員 菅沼堅吾氏

〔論旨〕

政治というのは、将来の目的を見据えて、逆算して政治日程を決めている。自民党は結党以来憲法改正を党是にしてきた。改憲という目的実現をゴールとしたとき、現在の日程をどのように捉え、何をどのように判断しているかを読み解く。

1.衆議院解散総選挙の可能性
衆議院山口二区補選、暫定税率復活再可決、道路特定財源維持再可決、民主党による問責決議案、これらの結果と世論を睨みながら、政府は解散総選挙のタイミングを計っているが、今解散総選挙をすれば、民主が勝つ公算が強い。従って、解散総選挙をしないまま、6月15日の国会閉会まで、国会は何も審議しない状況がつづくだろう。

その後、洞爺湖サミット、北京五輪などの気分転換で、政権浮揚を期待しているが、それに失敗した場合、政府は勝ち目の無い解散総選挙ではなく、内閣改造、あるいは総理交代を考えて秋の臨時国会に臨むだろう。その際、例えば、麻生太郎を総理に据えて、麻生人気で支持率がアップすれば、解散総選挙に踏み切る可能性もある。

2009年に入ると、6月の東京都議選があり、公明党が都議選を重視しているので、その前の衆院選には同意しないだろう。従って、2008年までに解散総選挙が無かった場合は、早くても同年7月のサミット以降、おそらくは、9月の衆院任期満了後の衆院選となる公算が高い。

2.民主党の動き
2008年9月に民主党代表選がある。この時小沢一郎が再選されるか、岡田克也あるいは前原誠司が選ばれるかで、「政権交代」で突っ走るか、「与野党協議」に移行するか、民主党の方針は大きく変わるだろう。

また、衆議院選の結果、衆議院でも民主が勝てば今の「ねじれ」は解消するが、自民が勝った場合、「ねじれ」解消のために、民主党内の新自由主義路線と社会民主主義路線の議員を分け、「憲法」を争点とした政界再編・大連立構想が出てくる可能性もある。

3.「改憲」への道筋=参院選
今後最初の参院選がある2010年に国民投票法の凍結が解除される。その年の参議院選は否応無く、改憲の是非が争点となる。

また衆参両議院で2/3の賛成がなければ「改憲」はできないが、2007年参院選での民主党圧勝により、自民は2010、2013年に連勝しなければ過半数を回復することはできない。従って、自民党が「改憲」実現の具体化に踏み切るかどうかは、この2回の参院選の結果によって決まる。

従って、護憲派にとっては、この二回の参院選で確実に議席をとっていくことが重要。また、選挙ではその時々で様々なことが争点とされるが、この結果によって自民党に改憲カードを渡すかどうかが確実に決まるという現実を念頭に、(マスメディアは)個々の立候補者に憲法に対する意識を聞くべきである。

===
「護憲+」(+有志)は、今後も月に一度を目処に、主として政治の現状について知り、考える学習会を継続していく予定です。参加ご希望の方は、「護憲+」HP上の、メールでご連絡ください。

「護憲+BBS」「イベントの紹介」より
笹井明子
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タンカー被弾についての読売新聞社説

2008-04-26 11:02:25 | マスコミ報道
25日の読売の社説は、先日イエーメン沖で日本郵船所属のタンカーが不審船に襲撃されたことについて、その対応策を述べている。
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20080424-OYT1T00642.htm?from=any

社説では「輸入原油の9割を中東に依存する日本にとって、現場はホルムズ海峡とともに、重要な海上交通路(シーレーン)だ。エネルギー安全保障の観点からも、海賊対策を考える必要がある」と述べ、先の臨時国会で新テロ特措法案審議の際、政府自民党がしきりに唱えていた「シーレンの安全確保」を主張している。

ここまでは結構である。しかし、政府自民党は国会審議中に、「給油のもう一つの目的」として、「給油の見返りに外国艦船に日本のタンカーの安全航行とシーレンの安全確保をして貰っている」と答弁していたはずであるが、今回の不審船の襲撃で、政府与党の答弁は完全に裏切られた。にも拘わらず読売の社説は、政府自民党の国会答弁の言質は棚に上げ、自衛隊の海外派遣恒久法を早く制定してシーレンの安全を計れと次のように述べている。

「政府の検討課題である自衛隊の海外派遣に関する恒久法には、当然、船舶検査の任務も盛り込むべきだ。現在の船舶検査法では、周辺事態の認定時しか活動できず、警告射撃さえできない。実効性ある海自の部隊運用ができる法律を整備することが、海上交通路の安全確保につながる。」

全く読売新聞の購読者を愚弄する主張である。それとも購読者には見抜かれないと思っているのであろうか。

「護憲+BBS」「マスコミ報道を批評する」より
厚顔の美少年
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NHK番組改変損害賠償裁判の行方

2008-04-25 10:27:56 | マスコミ報道
以前、NHKが番組を改編したのは自民党有力議員の介入があったからではないかと、朝日新聞がNHK・自民党議員を相手に紙上で激しく対決していたように記憶している。結局当初朝日新聞の取材に応じたNHK幹部もその取材内容を真っ向否定し、自民党議員からは何も圧力を受けていない、自民党議員もNHKへは圧力をかけていないと口裏を合わせる形で、朝日の主張を退け、紙上でのバトルは収束したようである。

しかし、関与の疑惑のあった安倍前首相は、首相になってから自身の意中の古森氏をNHK経営委員長に抜擢しており、NHKへ関与し続けていることは紛もない事実である。またその古森経営委員長の言動も、放送法に規定する不偏不党を逸脱していることは明らかである。

一方、当裁判では当事者が入れ替わり、NHKから番組の取材を受けた市民団体「『戦争と女性への暴力』日本ネットワーク」(バウネットジャパン)が、実際に番組をカットしたNHKに対して損害賠償を請求する形で訴訟に立ち上がり、東京高裁では市民団体の要求が認められ、NHKへ慰謝料200万円の支払いが命じられている。それに対してNHKが上告して来る6月12日に最高裁で判決が言い渡されるようである。
http://www.asahi.com/national/update/0424/TKY200804240096.html

上記で朝日新聞は「最高裁が結論の見直しに必要な弁論を開いたことで、NHK側に有利な方向で二審判決が見直される可能性がある」と最高裁の判決を予想している。 かって朝日は紙上でNHKと自民党有力議員を向こうに回して「番組改変関与の有無」を争った事件だけに、どのような判決になるか気になるところであろう。しかしこの裁判は、番組への政治の関与の有無が争点ではなさそうなので、残念である。

何れにしろ、政治家が絡んで番組カットがなされた疑惑は闇に葬られ払拭されておらず、最高裁もプレッシャーを感じる嫌な裁判の一つであろう。しかし最高裁の裁判官は内閣に指名・任命されている以上、朝日新聞の予想どおりの判決の可能性が強いと見るのが順当ではなかろうか。

先般の立川の自衛隊官舎へのビラ配布事件同様、最高裁はまたもや行政よりとなり、憲法76条3項「すべての裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律のみに拘束される」の規定を有名無実化するのであろうか。この予想が外れることを望む。

「護憲+BBS」「裁判・司法行政ウォッチング」より
厚顔の美少年
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異端を排除する社会

2008-04-24 09:38:55 | 社会問題
「異を唱える」拝見いたしました。本当におっしゃる通りです。テレビの報道の仕方も大変問題だと思います。大人がそのような空気をつくっているから、子ども達の間にも「空気が読めない」などという言葉が流行るのです。

子どもの世界での「苛め」は決して親や教師、大人が見ている前では行われません。誰かが、そのグループのリーダーの意図を汲んで、ヒソヒソ、コソコソ行われるのです。彼らに「苛めている」などという意識は希薄だと思います。「空気が読めない邪魔な奴は排除する」その位の意識しかないのです。

学校は子ども達に「同じようなことを一斉にさせる場」です。そこから排除されている子ども達が、不登校、何とか症候群とかいうレッテルを貼られていくのです。大人の側にも、社会性を身につけるために学校での訓練は必要だ、という人もいます。窮屈な社会に生きている大人達が、窮屈な社会に子ども達を送りだすために、学校というシステムは存在しているのかなーと思ってしまうことがあります。

昨年秋田で我が子と豪憲君を殺害した畠山鈴香容疑者の高校の卒業式の時の文集は、それは酷いものでした。他のクラスメート達が、まるで2チャンネルの書き込みのように汚い言葉で罵っているのです。それを卒業文集として載せる学校も学校ですが、載せなければよいのか、他のものと差し代えればよいのか、というとそう言う問題ではないのです。そして、マスコミのこの事件に関する報道も、寄ってたかっての「苛め」と同じです。

異端のものを排除する、それは、ホームレスなら殺されても仕方がないと言わんばかりに、現在も日本各地で起きているホームレス襲撃事件を、殆ど無視して報道しないマスコミの姿と重なるものを感じます。

「護憲+BBS」「コラムの感想」より
パンドラ
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名古屋高裁違憲判決の歴史的意義

2008-04-23 06:03:04 | 憲法
自衛隊のイラク派遣の違憲性について、名古屋高裁において「画期的な判決」が出た。

判決要旨を読む限りでは「現在の自衛隊のイラク派兵」が憲法9条一項(「武力の行使は国際紛争を解決する手段として永久にこれを放棄する」の部分であろう。)に違反するというものである。

その理由として判決は、アメリカ軍を中心とする多国籍軍によるイラク武装勢力との抗争は泥沼の戦争の状態となっており、「国際的な戦闘」であるとし、この戦闘行為に後方支援という形で武装した多国籍軍の兵員を輸送している航空自衛隊の行為は「イラク特措法上の安全確保支援活動の名目で行われ」たとしても「現代戦においては輸送等の補給活動もまた戦闘行為の重要な要素である」ことを考慮すれば、「多国籍軍の戦闘行為にとって軍事上の後方支援を行っている」といえる。したがって、こうした空輸は「他国による武力行使と一体化した行動であって、自らも武力行使を行ったとの評価を受けざるをえない」という。

次に、同判決は平和的生存権の基本的な人権としての意義に触れて、憲法の保障する基本的人権が平和の基盤なしには存立しえないことからして、それは「すべての基本的人権の基礎にあってその享有を可能ならしめる基底的な権利」であるとして、平和的生存権の法規範性を認め「憲法上の法的な権利である」ことを確認する。

そこから平和的生存権に「具体的権利性」を導いている。すなわち、「憲法9条に違反する国の行為、・・・によって個人の生命、自由が侵害され又は侵害の危機にさらされるような場合、また、憲法9条に違反する戦争の遂行等への加担・協力を強制されるような場合には」「裁判所に対し当該違憲行為の差止め請求や損害賠償請求等の方法により救済を求めることができる場合があると解する」と判決した。

しかし、では当該事件で控訴人らの請求が上記の違憲行為による平和的生存権の法的な利益を侵害されたといえるのか、という判断においては、控訴人らの主張を斥けている。

大体このような判決であったと解される。

もしこの判決が国の上訴が断念され(その可能性もある、判決は控訴人の請求を棄却しているからである)確定した場合には、既判力を持ち、以後の裁判にも影響を与えることになる。

なお、この判決の重要なポイントとして、判決が「これまでの政府解釈によっても、イラク特措法に従っても現在の自衛隊の派遣による航空自衛隊の活動は違憲であり特措法にも違反する」とした点がある。

この二つのポイント、つまり控訴人の請求は認められないという点と、前段の総論部分で、政府解釈によっても特措法によっても違憲であり違法であるという(「控えめな」違憲判決と評価されるにしても)イラクでの自衛隊の行動を憲法に違反する「戦闘」行動の一環であると判断した点が、極めて重要であろう。

また、憲法の解釈で見解が対立していた「平和的生存権」の具体的権利性を肯定した点もまた、非常に重要であると評価できる。

いずれにせよ、この高裁判決以後は国の憲法違反の活動や法律に対して、市民がどんどん違憲訴訟を提起する意義が高まったことは、重要なことであると解される。

「護憲+コラム」より
名無しの探偵
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「ふたつのブレーキの話」(「東京新聞・筆洗より)

2008-04-22 09:28:24 | 憲法
2~3日前の東京新聞・朝刊「筆洗」欄が、とてもココロに響きましたので、転載します。

+++++++ ここから ++++++++++++++++
クルマで一番大事な部品は、きっと、ブレーキだろう。アクセルを踏めば走るが、しっかり止まることのできる機能がないでは、乗るものはいない。

先日、静岡県の東名高速道路で起きた観光バス事故。対向車線の大型トラックから脱落したタイヤに直撃され、バスの運転手・関谷定男さん(57)が亡くなった。乗客7人も負傷したが、バスの暴走と言う事態も起こり得たケースだ。

それを防いだのは、関谷さんがドライバー人生の最後にかけた渾身の制動。ガイドによれば、運転席を直撃されたのにハンドルを放さず、ブレーキを踏み込み続けていたという。こう言った乗客の気持ちがわかる。
「運転手さんに生かしてもらった」

そして、これもまたブレーキの話であろう。自衛隊のイラク派遣差し止め訴訟の控訴審判決で、名古屋高裁が示した歴史的な違憲判断。多国籍軍の兵士を運ぶ空自のイラクでの活動は、武力行使に当たるとして「憲法九条一項違反」と認定した。

日本国憲法、ことに九条は、この国が二度と戦争へと暴走しないよう設けられたブレーキだ。それがあるから、国民も安んじて「乗客」になっていられる。だが、段々に、なし崩し的な骨抜きの速度が増していたのも確か。

そこに、今回の判断だ。裁判長は判決直前に退官している。このブレーキも、裁判官人生の最後に踏み込まれたのである。
+++++++++ ここまで ++++++++++++++

前半のバス運転手・関谷さんは、社内で安全運転の指導者的立場で、この日が57歳の誕生日だったそうです。勢いのついたタイヤに直撃されたにもかかわらず、失われる意識の中でハンドルを中立に保ちブレーキを踏み抜く技は、まさしくプロ中のプロ。「今、誰のために、自分が何をすべきか」を実践できる、その責任感の強さ!亡くなられた事は悲劇ですが、こういう方に国民栄誉賞を授けるべきではないか、と。

同様な立場が、この判決を下した裁判官であるとの意。全く「筆洗」が表現する通りですが、こんな当たり前の判断を退官するタイミングでしか実践できない日本の裁判所・司法制度(?)には呆れる・・・よりも、背筋が寒くなります。

「非戦闘地域と思う場所が『非戦闘地域』だ」と言い放つ首相を誰も問責できない(する気がない)国会。今回の判決を「そんなの、関係ねえ」と言い放つ空自幹部。民主主義とは?三権分立とは?こんな事さえ棚上げする輩達、ソイツを容認する国会・政府に憲法改正など任せられるわけがありません。

「護憲+BBS」「新聞記事などの紹介」より
猫家五六助
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