老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

F-35で軍需産業は高笑い

2013-02-28 09:37:22 | 安全・外交
日本の航空自衛隊は不可解な選定過程の末、次期主力戦闘機(FX)を「めちゃめちゃ高価な」「先物買い」のロッキード・マーティン社F-35に決定しました。その機体価格は一機約150億円。導入検討時には約100億円と見込んでいたのに、メーカーの設計変更やら何やらで正式契約時には一機当たり50億円もボッタクられる機体に!4機の購入契約だから、約200億円も言い値で払うわけです。もちろん、この費用には機体の維持費(整備機材、保守部品等)は含まれていません。

そして、「先物買い」と前述したのはF-35が未だ試験飛行中で、いつ日本に引き渡せるか未定の機体だからです。従来、FX選定は空自実務者が実機を飛行テストしていましたが、今回は飛行・運用実績のある競合他機を差し置き、「他機よりも優秀な性能がある」というスペック(性能仕様)書類だけを信じてF-35に決定しました。豪華なスポーツカーのカタログに魅せられて購入したら、故障ばかりで走れなかった・・・そんな危険をはらんだ買い物をプロである航空幕僚監部がしたわけです。

案の定、それは的中しました。米国防総省は「機体にムリがかかるので、計画通りの武器が積めない」と議会報告しました。それは、空自がFX選定で要求した戦闘性能が出せないことを意味します。それでも、防衛省は「問題ない」と。そして、ついに「米(国)、F-35飛行全面停止。エンジンの羽根に亀裂」(東京新聞2/22付記事)となりました。日本の購入契約条件は「言い値」ですから、一機いくらになるか、いつ届くかわからないF-35を「今の主力戦闘機(F-15)では日本を防衛できない」と煽った人たちは待ち続けるのです。

それほどまでして、とにかく、何としてもF-35が欲しい。私は、そこが何とも理解できなかったのですが、「F-35『例外』容認へ」(東京新聞2/5付記事)これを読んで、日本政府の腹が読めました。

この記事を要約すると、
・FX導入時にはなかったF-35の共同開発について防衛産業を育成する観点から行い、部品輸出を協議中。
・しかし、これは国際紛争の助長回避を目的とした武器輸出3原則に抵触する。
・それは、(軍事紛争中の国を除くなど)部品輸出の厳格な管理を行えば問題ない。
・したがって、日本企業がその部品製造に参加した場合、武器輸出3原則の例外として認める。
というのが政府方針とのこと。ふふん、だからFX選定は「はじめにF-35ありき」なのね。

F-35は米国・日本以外にイギリス、イスラエル、イタリア、オーストラリア、オランダ、トルコ、ノルウェーが導入を予定しています。また、デンマークと韓国も導入検討中です。日本の防衛(軍需)産業が加われるなら、こんなにオイシイ話はありません。それゆえの憲法改正、平和憲法の九条見直しだとしたら・・・バカにするにゃ!外交努力をしない、外交能力のない国が最強の戦闘機や核兵器を語るなど、言語道断。

蛇足ですが、F-35のコードネームは「ライトニングⅡ」。太平洋戦争で山本五十六氏の搭乗機を撃墜したのがP-38ライトニングというのは、偶然でしょうか。

「護憲+コラム」より
猫家五六助


コメント   トラックバック (2)

大阪高裁の「減刑」判決を支持する

2013-02-27 09:51:34 | 民主主義・人権
アスペルガー症候群の特徴は教育や躾が悪いのではなく、先天的な脳障害が原因であることは今や社会の常識になりつつあり、昔に比べれば社会の対応も改善されつつあるように思う。

それなのに再犯の危険と社会の受け皿がないとの理由で求刑より重い(長期)懲役刑の判決をくだした一審の大阪地裁の裁判官と裁判員は、本末転倒な審理をしていたと思われてならない。社会の受け皿が無いと判断するのであれば「無罪」にして発達障害(アスペルガー症候群)の特長への理解とその受け皿対策を「社会」に促すべきではなかろうか。

(朝日新聞の記事)
http://www.asahi.com/national/update/0226/OSK201302260041.html

(アスペルガー症候群の特徴ブログより)
http://asplgaer.cosmeticer.com/

「護憲+BBS」「裁判、司法行政ウォッチング」より
厚顔の美少年
コメント (1)   トラックバック (1)

鮮烈な人生

2013-02-26 17:05:28 | 民主主義・人権
瀬戸内寂聴「烈しい生と美しい死と」は、2011年11月から翌12年4月まで東京新聞に「この道」と題して連載したものを加筆修正したもので、ひたむきに生き燃え尽き最後を迎えた平塚らいてう、大杉栄、伊藤野枝、辻潤らの姿をいきいきと描いています。
 
とりわけ大杉栄との愛を貫き、かねて「私のようなものは畳の上では死ねない」と公言していた通り、甘粕大尉らによって無残に殺された伊藤野枝の生涯は、卒寿の寂聴さんをして「書きながら自作を思い出し、私は次第に興奮し若返ってきた」と言わしめた原動力といえるかもしれません。

6歳の幼児をも容赦なく殺害した甘粕らの行為は、ユダヤ人撲滅を図ったナチス、坂本弁護士一家を惨殺したオウムや大義を振りかざして無差別殺人を繰り返すテロリストと明かに軌を一にするものであり、スポーツ界に蔓延する暴力肯定の風潮も一脈通じるのではないか。もう眠ってしまったとばかり思っていた血がかすかにざわめくのを感じます。

「護憲+BBS」「明日へのビタミン!ちょっといい映画・本・音楽・美術」より
成木清麿
コメント (1)   トラックバック (1)

民主党は反省不足

2013-02-25 10:42:44 | 民主党政権
24日に民主党は党大会を開いて、海江田代表から衆議院選の敗北原因の報告があり、その内容がNHKニュースで次のように報じられていた。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130224/k10015744041000.html

『この中で海江田代表は、3年3か月に及んだ政権運営について、「民主党の問題は、単に執行部やリーダーの力量の問題ではなく、リーダーを支え、執行部の下に一致結束するはずの議員全員の心構えと信頼関係の問題だ。閣内にあるものと与党にあるもの、執行部とそれ以外の者の認識がかい離し、国民の信頼、党の団結、同志の絆を喪失した」と述べました。』

以上は全くの反省不足、敗因が直視されていないように思われる。このような能天気な党内向けのみの反省で、国民不在の総括では、「国民への約束不履行の反省はないのか」と言いたくなる。これでは次の参議院選でも国民の信頼回復は無理であろう。ズバリ次のような問題が衆議院選惨敗の原因ではなかろうか。

1,普天間基地の県外移転公約の撤回
2,高速道路通行料の無料化公約反故
3,ヤンバダム工事中止の公約から再開決定
4,事業仕分けで財務省のシナリオに乗せられ予算組み替え不発、財源捻出失敗
5,マニフェストにない消費税10%への値上げと自民党への迎合
6,検察不起訴、検察審査会で強制起訴された小沢氏を、最終判決が確定していないのに党員資格停止した、菅執行部発の内部抗争
7,シロアリ退治の有言不実行

「護憲BBS」「政党ウォッチング」より
厚顔の美少年
コメント (1)

「TPP交渉参加論の5つのまやかし」(醍醐聰のブログ)

2013-02-25 10:38:03 | TPP
東京大学名誉教授で「NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ」共同代表の醍醐聰さんから、以下の要請がありましたのでご紹介します。

テレビでは「ジャパン・イズ・バック」とか言って得々としている安倍総理と満足気に笑顔を見せるオバマ大統領の姿が好意的に報道されていますが、国民の暮らしをアメリカの巨大資本の餌食にすることでしか、日米の友好関係は保たれないのでしょうか。

TPPの何が問題なのか、安倍政権は日本をどこに向かわせようとしているのか、その現実を正しく理解するためにも、まずは醍醐さんのブログをご覧ください。

==以下醍醐さんのメールより(転載)==

今日(2/23)未明の日米首脳会談を通じて日本政府はTPPには関税撤廃を求めない「聖域」があることを確認できたとして、安倍首相の帰国後早期にTPP交渉に参加する決定を政府の専権事項として進めることになったと伝えられています。

しかし、こうした政府の喧伝、そして、それを論評抜きで伝えるメディアの報道には重大な5つのまやかしがあると私は考えます。

  第1 「聖域あり」が確認できたという喧伝のまやかし
  第2 究極の「例外」はないという原則を伏せるまやかし
  第3  TPP参加が自給率向上目標と矛盾する事実を直視しないまやかし
  第4 非関税分野の協定の危険性を周知しないまやかし
  第5 交渉参加は政府の専権事項とみなすまやかし
 
そこで、状況が切迫していることから、まず、1つ目のまやかしを検討した小論を私設のブログに載せました。順次、2つ目以下についてまとめた記事を載せる予定です。

(第1回)「『聖域あり』が確認できたという喧伝のまやかし」
http://sdaigo.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/tpp51-ad7a.html

目次は次のとおりです。

 ・筋書きどおりの展開だが
 ・共同声明はむしろ「聖域」が存在しないことの証左
 ・「聖域」の範囲も定めず、確認を云々するまやかし
 ・国会審議でも明確化が求められた「重要品目」の範囲
 ・政治家としての信義が問われている

5回に分けたにしては長い記事になりました。
厚かましいお願いですが、TPPの中身を少しでも多くの方に知ってもらえるよう、この記事(このメールのままでも結構です)を皆様のお知り合いに拡散していただけましたら、幸いです。

なお、最終回(5回目)の末尾に書くつもりですが、

JA全中(全国農業協同組合中央会)、日本医師会、日弁連は大同団結して、全国会議員に参加を呼び掛ける緊急集会を持つよう、訴えます。

日弁連を挙げたのは、いわゆるISD条項の意味、それと国内法との関係について、分かりやすく国民に広報してもらうためです。これにご賛同の皆様もぜひ、呼びかけをお願いします。

 JA全中(広報課) 
   03-6665-6010
 日本医師会(意見送付先)
   wwwinfo@po.med.or.jp
 日弁連
   TEL 03-3580-9841(代表)
   FAX 03-3580-2866
e・メール goiken@nichibenren.or.jp
==転載終わり==

「護憲+BBS」「新聞記事などの紹介」より
笹井明子
コメント (2)   トラックバック (1)

「尊厳死法制化の動き」について

2013-02-23 17:28:39 | 社会問題
雨宮処凛さんの「尊厳死法制化の動きと、その裏にあるもの」についてのコラム、・・・3回シリーズですが、唸りました。

つい2、3日前に70歳位の方お2人と、ここに書かれているような会話をしたばかりだったのです。

「管につながれた状態で生きていたくない」。
健康な時はついついそう思いがち。
でも弱い立場の人に「迷惑をかけてまで、生きていてはいけないのではないか」というプレッシャーをきっと与えてしまうと思う。
そしてそれは自分が弱い立場になったときにはねかえってくる。

個人の意思を尊重するのと、それを法制化するということは違うのに巧妙に溝を埋められていくようで怖くなりました。

(その1)http://www.magazine9.jp/karin/130206/
(その2)http://www.magazine9.jp/karin/130213/
(その3)http://www.magazine9.jp/karin/130220/

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
コナシ
コメント

反りが合いそうもない日米首脳

2013-02-23 10:54:20 | 安倍内閣
いよいよ日本時間の23日未明に安倍首相とオバマ大統領の初会談が行われる。夫々の2期目の就任・所信表明演説から観ると、2人の政治理念や信条は合わないような感じがする。

オバマ大統領の就任演説はリベラルな立場から、主に国民の自由と平等及び人権に関する普遍的な理念を国民に再認識させようとする内容であったのに対し、安倍首相の所信表明演説はデフレ脱却(アベノミクス)がメインで、対中外交(尖閣問題)、対韓外交(竹島、慰安婦問題)、防衛(憲法改正、集団的自衛権)、特に人権(従軍慰安婦問題)問題についての持論は一切封印した内容であった。

その後安倍首相はそれらは本予算の施政方針演説で述べると言っているが、どうも政治理念と信条が違うオバマ大統領との日米首脳会談前には封印しておきたいというのが真意ではないかと思われて成らない。

安倍首相の従軍慰安婦に関する持論は以前にアメリカのメディアから非難されているとおりであり、オバマ大統領の人権に対する理念とは全く相容れないことは明らかである。またGHQが起草したと言われる日本国憲法を踏襲して、戦前の教育勅語を廃して造られた旧教育基本法を改正した安倍前首相を、弁護士出身で米国憲法を熟知しているオバマ大統領はどのように観ているのであろうか。

TPP問題や日米協調の問題は両国政府を代表して大人の議論が成されたとしても、リベラル対非リベラルという個人的な政治理念や政治信条では反りが合わず、それが今後の対中(尖閣)、対韓(竹島)、対北朝鮮(拉致被害者)問題でぎくしゃくを招き、安倍首相が望む二人三脚とは行かないのではあるまいか。

もし安倍首相が対米外交、北東アジア外交でリーダシップを取りたいのであれば、オバマ大統領が国内の軍産共同体に遠慮して言い出せない米朝平和条約交渉を朝鮮戦争当事国で進めるべきことを進言して、背中を押してあげることである。そうすれば対中(尖閣)、対韓(竹島)、北朝鮮(拉致被害者)問題も6者協議の中で平和的に話し合われ、その経過と結論は米国とロシアが担保してくれるはずである。

今やロシアとの北方領土問題を除いて上記の問題は1対1での話し合いで解決するのは難しい状勢であるだけに、日本の採るべき起死回生の外交は何かということある。

「護憲+BBS」「政権ウォッチング」より
厚顔の美少年
コメント   トラックバック (1)

スポーツのありよう(体罰問題を通して)

2013-02-18 11:11:34 | 社会問題
桜宮高校バスケット部顧問の体罰に端を発した主将の自殺は、学校スポーツ(とくに部活動)の指導のありように大きな影響を与えた。さらに、日本女子柔道代表の監督に対する体罰に関する訴えは、日本スポーツ界に公然の秘密として存在していた暴力的体質・垂直的組織体質など多くの問題を露わにした。

私自身も長年にわたり部活動でバレーボールの指導に携わってきた。その中で体罰に類する行為をしなかったと言えば嘘になる。部活動を熱心に指導してきた教師の大半はそうであろうと想像する。ただわたしはバレーボールを教師になってから覚えたので、競技の専門家ではなかった。その為、勝利に対する執念は専門家に比較して弱かったといえる。それが勝利至上主義から辛うじて逃れた要因だった。

現在、わたしは教え子が始めたバレーボールクラブの顧問兼コーチをしている。クラブの理念は、端的にいえば【バレーボールを好きになってもらう】事である。もう少し恰好をつけて言えば、【生活の一部としてバレーを愛してもらい、生涯バレーとともに暮らしてもらいたい】という願いから設立したものである。換言するなら、【スポーツの日常化】である。

現在、クラブ員は総数70名余り。年寄りから幼稚園児まで含まれている。小学生バレーやママさんバレーはよく聞かれるだろうが、それとは明確に一線を画している。ここでは勝利のために特化した練習はしない。そうではなくて、純粋にバレーを楽しむためのフィットネスや技術を教え、バレーボール競技の持つ楽しさを中心に指導している。

なぜこのようなクラブを結成したのか、というと、最初に書いた日本のスポーツの閉鎖的体質・暴力的体質・差別的体質(良い選手だけを選抜する)が、人々からスポーツを愛する思いを奪っているという認識があったからである。

本来、スポーツは、人間にとって不可欠な存在でなければならない。身体を動かすということは、肉体のみならず精神衛生上きわめて良いものである。毎朝の散歩・ジョギングを楽しむ人、スポーツクラブなどに通う人の多さを考えれば、上記の事は納得であろう。学校スポーツの本来の意味もそこにある。それがいつのまにか、選手選抜のためのスポーツに変質した事が、今回の問題の背景にある。

もう一つは、日本のスポーツ界に蔓延する【精神主義】が、拍車をかけている。スポーツ指導の原点は、人間の肉体を合理的に動かすスキルを教える事にある。もう一つは、強健な肉体を育てる事にある。つまり、スポーツ指導というものは、本来もっとも合理的・科学的指導でなければならない。ところが、行き過ぎた【精神主義】は、スポーツ指導の持つ本来の合理的・科学的側面を侵食してしまった。それが、今回の全柔連の女子柔道への体罰問題に象徴されている。

学校の部活動の体罰問題は、これに【生徒指導】という問題が加わる。問題児の指導という大義名分が、部活動指導の体罰問題と深くリンクしている。男子の暴力的問題児を【生徒指導】の名目で多くの部活動が抱えている。彼らには、暴力的体罰がかなり効果的である事は否定できない。学校・校長などにとってありがたい事であった。これが、部活動における体罰があまり明るみにでなかった要因の一つである。

今回の事件の背景は、単なるスポーツだけの問題ではない。日本の文化・精神など深い背景が含まれている。桜宮高校の問題、全柔連の問題に矮小化すべきではない。

わたしの関心から言うと、日本の公教育の理念の問題に深くかかわっている。公教育の目的は、【わたしたちの社会を維持・存続できる人材を育成する】事にある。「国家」ではなく「社会」と言うところが重要。【社会】は出来の良い人間も、できの悪い人間も金持ちも貧乏人も等しく包含する。この社会を維持し存続させる人材を育成するのが公教育の本来の目的である。

そういう目的から照らすと、勝利至上主義的な部活動のありようは、本来間違っている。そうではなくて、人間の生活の一部としてなくてはならないスポーツを生涯愛する人間を育成するのが、学校スポーツの役割であろう。

今回の問題を単に桜宮高校などの問題に矮小化すべきではない。

「護憲+コラム」より
流水
コメント (2)   トラックバック (2)

北朝鮮の3回目の地下核実験について

2013-02-18 06:48:59 | 北朝鮮問題
先ず被爆国の国民としていかなる核実験にも反対する。その上で北朝鮮の3回目の核実験について日本のメディアは連日特集番組を組んで騒ぎ過ぎではないかと思う。1950年、60年代の米ソ冷戦時代のICBM(大陸間弾道ミサイル)開発や核実験競争、中国が初めて核実験に成功した時(1964年)等に比べて、どちらが緊迫感と核戦争の危険性が高いと思っているのであろうか。

東西冷戦時代を知っている人はその時の方がはるかに緊迫していたと思うはずであるが、今回のメディアの大騒ぎぶりを観ると、メディア業界にも既にその時代を知っている世代はいないということであろう。昭和も遠くなりにけりである。当時中ソは共産主義イデオロギーで強固な連携を保ち、中国の指導者は国民を鼓舞するために、米国の核武装を張り子の虎と呼び、今の北朝鮮のようなプロパガンダを繰り返していた。

そのようなか米ソ間でキューバ危機が発生し、世界が核戦争になるのではと緊張したことを記憶している。また中ソの核ミサイルは常時米英日仏に、米英仏の核ミサイルは中ソに向けられ、ボタンの押し間違いでいつ核戦争が勃発してもおかしくないと言われていた時代があった。そのような状況に比べれば今回の北朝鮮の3回目の核実験は緊張感がないとは言わないが、技術レベルもまだ低く、東西冷戦時代と比べれば一触即発の核戦争の危険性ははるかに少ないであろう。そのような意味からも日米韓政府とメディアは大騒ぎせずに北朝鮮の今後の技術向上を想定して冷静に対処して欲しいものである。

特に日本のメディアは北朝鮮の核実験報道をネタにして視聴率競争をしているようで、結果安倍首相の憲法改正と軍備増強論に手を貸しているように思われてならない(それが狙いかも分からぬが)。そもそも北朝鮮のテレビ映像は国民向けのプロパガンダで、ヒットラーに始まる独裁国家が国民を鼓舞するための常套手段である。また日本のメディアはそれを頻繁に取り上げることで、北朝鮮にうまく利用され、乗せられているように見えてならない。

今回の北朝鮮の一連のプロパガンダで唯一注目すべきは、北朝鮮が核実験をした背景について、それはアメリカが朝鮮戦争の平和条約交渉のテーブルにつこうとしないからだと言うようなことを報じていたことである。このことについて現在、米国も国連もメディアも無視しているが、日米韓もいつまでも核実験批判一辺倒で、「制裁、制裁」とばかり言ってはおれまい。前の金正日時代もそのような機運はあったと思うが、今になって観れば、それを無視してきたことが、北朝鮮に今のような核保有と長距離ミサイルの開発を促進させたとも言える。米国は過去の失敗と現実にどのように向き合うのか、特に核廃絶演説でノーベル賞を授与された二期目のオバマ大統領に注目したい。

また率直な疑問として、アメリカはどうして朝鮮戦争の当事国(米中韓朝)間で平和条約交渉に踏みだし、北朝鮮に核廃棄と諸条件を突きつけないのであろうか。その疑問に迫る世論とメディアがないのも残念である。現在日米韓は直接あるいは国連制裁を通して北朝鮮を兵糧攻めにしようとしているが、北朝鮮と国境を接し交易をしている中国が兵糧責めに参加しない限り成功はしないであろう。片方で日米は声高に中国封じ込めの軍事行動をしているのであるから、中国が兵糧責めに参加するはずはあるまい。また日本はどの内閣も拉致被害者救済を唱えるが兵糧責めで救済できるのであろうか。どうも観ても究極の展望は見えてこない。古今東西人間の心理は「魚心あれば水心」が普遍的な真理ではないかと思う次第である。

一方金世襲体制を武力で倒そうとすれば朝鮮戦争の再燃は避けられず、朝鮮半島は火の半島と化し韓朝は共倒れ、在韓米軍にも多大な犠牲が発生し、日米韓中に何らメリットがあるとは思えない。これは四カ国ともシュミレーションできていると思うが、それでも角をつき合わせている理由が分からない。

そこでここは過去の歴史に学ぶべきではなかろうか。かつてペリー提督が黒船で日本に現れ、徳川幕府に開港と通商条約を迫ったことが、幕藩の内部から世界の潮流に遅れまいとする脱藩浪士や開国派を生み、倒幕の動きが台頭し、明治維新となったように、積極的に北朝鮮の要求する平和条約交渉に応じ、民衆に独裁政治の弊害を知らしめる環境を整えることが米国の選択すべき道ではなかろうか。今こそ米国はペリーに学ぶ時である。

またソビエト連邦の崩壊もレーガン大統領とゴルバチョフ書記長との融和的な会談から始まり、それがゴルバチョフのペレストロイカを生み、その中で共産党に批判的で自由奔放なエリチンが台頭し、地方で休養中のゴルバチョフを追放しようとした反ペレストロイカの守旧派を武力で一掃し、共産党による一党独裁が崩壊した歴史がある。それから東欧の共産主義諸国もドミノ現象を起こし崩壊していったのであり、米国はこの歴史的事実を思い起こし北朝鮮との平和条約交渉を試みるべきであろう。

60年間休戦協定のままで、さらにこの先平和条約交渉を拒み続けるのであれば、それは一体何故か、何のためなのか、米国はその理由を世界に発信すべきではないだろうか。それができなければ、米国の政・産・軍・シンクタンク(軍産複合体)が朝鮮半島の緊張関係をいつまでも保ち、定期的に米韓軍事演習を行い、加えて日米安保条約を維持継続させ、日本にも武器を売り込み、それによって自国の軍需産業と世界一の軍隊と米国のプレゼンスを維持することに狙いをおいていると観られてもやむをえない。そうなると中東でのイスラエルとパレスチナの紛争も米国にとっては必要悪な存在と見えてくるのである。

逆説的であるが、仮に世界が平和になり紛争がなくなれば、米国の軍需産業は衰退し、その労働者は失業し、世界一の軍隊と軍備とプレゼンスを維持することは難しくなる。そうならないために米国には常に世界のどこかで毎年一定数の紛争と一定数の軍事演習が必要で、それが北朝鮮と米韓との対立と日米、米韓安保条約であり、また中東でのイスラエルとパレスチナの紛争でもある。そして、突発的なイラク、アフガン戦争等は米国の世界一の軍事力を支える基となり、それが軍産複合体の狙いでもあるのではないかと思えてくる。そのように観ると米国が60年間北朝鮮と平和条約を結ばず休戦協定の状態で緊張関係を保ち続けている理由とも整合しそうである。

因みにウィキぺディアで軍産複合体をひくと、 『軍需産業を中心とした私企業と軍隊、および政府機関が形成する政治的・経済的・軍事的な勢力の連合体を指す概念である。この概念は特に米国に言及する際に用いられ、1961年1月、アイゼンハワー大統領が退任演説[1]において、軍産複合体の存在を指摘し、それが国家・社会に過剰な影響力を行使する可能性、議会・政府の政治的・経済的・軍事的な決定に影響を与える可能性を告発したことにより、一般的に認識されるようになった。米国での軍産複合体は、軍需産業と国防総省、議会が形成する経済的・軍事的・政治的な連合体である。』と説明されている。

アイゼンハワー大統領は第二次世界大戦でヨーロッパ戦線を指揮し、ノルマンディ上陸作戦を実行した将軍であるが、今から52年前に現在の軍産複合体の実体を洞察していたと言えよう。さらに詳しい、「軍産複合体」の実体と詳細は、下記ウィキペディアを見ていただきたい。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BB%8D%E7%94%A3%E8%A4%87%E5%90%88%E4%BD%93

これを読めば、米国大統領の強大な権限をもってしても、容易に北朝鮮と平和条約を締結することは難しいように思われる。おそらく大統領選挙で北朝鮮との平和条約締結を公約に掲げ、広く米国民の支持を得て当選した大統領でないことには軍産複合体の抵抗を排除し平和条約を締結する事は不可能なのではないだろうか。

しかしそれをを今公約に掲げれば軍産複合体の既得権益を奪うことになり、逆に抵抗され、共和党は勿論、民主党の大統領候補にもなれず、結局それを公約に掲げて大統領選に立候補できる候補者はいないのであろう。オバマ大統領も、中東和平への注力は唱えても、米朝平和条約には言及していないので期待はできそうもない。

となれば今のような緊迫した状態(東西冷戦時代に比べれば緊迫とは言えないが)が当分続き、その間北朝鮮の核開発とミサイル技術はさらに発達し、結果いつの日か平和条約を結ばざるを得ないことを米国の軍産複合体も認めざるをえなくなるのではないだろうか。軍産複合体はそのことも分かった上で、その間少しでも長く現在の対立関係から生じる軍需の利権を享受したいと言うことではなかろうか。そして北朝鮮が核実験をすればするほど日本も韓国もメディアによって緊張が高められ、安保条約のもとで軍備を拡大させられ、米国の軍産複合体の既得権益の拡大に寄与させられ続けるという構図が続くのであろう。

朝鮮戦争の再燃となれば軍産複合体も損失を被り、既得権益の元も子も失うことになるので米側から戦争をしかけることはあり得ず、また韓国日本の暴走も絶対許さないであろう。その意味では安心である。よって軍産複合体としては米韓軍事演習と日米軍事演習が一番実利があり居心地がよいのではあるまいか。そして米朝平和条約交渉の時期は時間の問題となり、それは米国が北朝鮮の核ミサイル技術と保有数が米国本土を完全に射程に入れ始めたと認識する時ではないだろうか。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
厚顔の美少年
コメント   トラックバック (1)

「サロン・ド・朔」2月22日(金)例会(学習会)のお知らせ

2013-02-16 17:09:22 | イベント情報
「サロン・ド・朔」2月22日(金)例会(学習会)を下記の通り開催します。

今回は 国立感染症研究所エイズ研究センター主任研究官で東京医科歯科大学特任教授(ガーナ野口記念医学研究所、拠点長)の石川晃一さんにお越しいただき、「海外で活動することの意味・意義と安全対策」のテーマでお話ししていただきます。

アルジェリア人質事件の衝撃も‘消費’されようとしている今、日本という狭い国の中で「平和」「安全」や「国際貢献」を手探りで考えるしかない私たちにとっては、実際に国外で活動されてきた方の生のお話しを伺える貴重な機会です。是非奮ってご参加ください。

興味のある方、参加ご希望の方は、「護憲+HP」上にあるメールにてご連絡ください。折り返し会場、ブログラム等の詳細をご連絡します。

■日時:2月22日(金)18:30~21:30
■場所:「フリースペース 朔」(JR水道橋駅近く)
■テーマ:「海外で活動することの意味・意義と安全対策」
■会費: 500円

====
☆「サロン・ド・朔」とは、「護憲+」メンバーを主軸に「SNSリアル版」のような形で運営するフリーな集まり(@東京)で、毎月テーマを決めてそれに相応しい講師をお招きし、勉強会・親睦会を行っています。皆さんの参加を歓迎します。

昨年以降取り上げたテーマは以下のとおりです。

(2012年)
2月: 「地域で開く勉強会・映画会」
3月: 「3.11から1年 被災地の現状と正念場を迎える原発再稼働」
4月: 「原発国民投票の意義・都民投票を実現させるには」
5月: 「本土復帰から40年、沖縄の現状と課題」
6月: 「暴走する政治にどう対抗するか(緊急討議)」+「内部被ばくを生き抜く(DVD鑑賞)」
7月: 「日本の政治・社会状況と東京新聞」
8月: 「一人一票の実現に向けて」
9月: 「人権・正義・真実-私の関わった在日難民・朝鮮農耕隊」
10月:「三一一とハート島(いわいしま)」
11月:「都知事選、衆院選に向けて、私達にできること、やらなければならないこと」
(2013年)
1月: 「2012衆院選の分析と2013参院選に向けての課題(小選挙区制の弊害をどう克服するか)」
====

「護憲+BBS」「イベントの紹介」より
笹井明子
コメント   トラックバック (1)