笹井さんも参加された「国民の生活が第一」の結党記念パーテイにわたしも参加しました。
会場は立錐の余地もない大盛況。三宅雪子議員によれば、4500人参加。ホテル側のカウントによれば、約4200人。まるで政権与党のパーテイのようでした。先日【維新の会】の設立パーテイ、約3000名。今回の週刊朝日の記事が出る前で、一番勢いがあった時で、橋下市長が時代の寵児の雰囲気があった時でもこの程度。小沢一郎という人間の圧倒的存在感を見せつけていました。
小沢一郎の挨拶の中で一番印象に残ったのは、以下のくだりです。
『まず、私たちは国民の皆様の「いのち」を守るためにエネルギー政策を大転換して十年後を目途に原発ゼロを目指します。「暮らし」を守るために消費増税を撤回するとともに、ムダづかいのない行政とデフレ不況からの早期脱却を実現します。そして「地域」を守るために行政の権限・財源を大胆に地方に移譲し、地域のことは地域で決められる仕組みに改めて参ります。併せて社会保障、雇用、人づくりの仕組みを根本からつくり直し、高齢者には安心を、若者には働く場を確保・提供して参ります。
国民や地域が安定的に自立できるようになってこそ、はじめて日本は国家として自立した外交を展開できるようになる。それこそが私たちの目指す「国民の生活が第一」の国づくりの基本であります。
何より重要なことは、常に国民の生活を第一に考えて行動するという「思想」であり「信念」であります。このような強い思いを、わが党所属議員一人ひとりが改めて確認する場として、また、皆様方に決意のほどを表明させていただく場として、今回結党記念パーティーを開催させていただいた次第です。
今後、いかなる強い風が吹き、荒波にもまれようとも、私たちは固い決意と強い信念の下、常に全力で「国民の生活が第一」の政治を目指して活動して参ります。』
特に、【何より重要なことは、常に国民の生活を第一に考えて行動するという「思想」であり「信念」であります。】というところが、非常に印象に残りました。
【思想】とか【信念】は政治家・政党の最も重要なものであり、木の幹です。かって江藤淳は、小沢一郎に【故郷水沢に帰って、思想家にでもなれ】と書きました。明らかに反小沢だった江藤淳の提言は、反小沢だったからこそ、小沢一郎の本質を言い当てています。今回の演説を聞きながら、小沢一郎という男、本当に変わっていないな、と思いました。平家物語ではないけれど、政治家の言葉など「風の前の塵に同じ」という風潮の昨今、小沢一郎の言葉は、ずしんと胸に残りました。
同時に、小沢一郎と【国民生活が第一】はまず「いのちを守る『原発ゼロ』へ!」「生活を直撃する『消費税増税は廃止!』」「地域のことは地域で決める『地域が主役の社会を!』」を挙げています。さらに、「重要政策」として「TPP交渉参加反対」を掲げて、次期総選挙と参院議員選挙を戦おうとしています。
笹井さんの記事に関連するのですが、【国民の生活が第一】の結党大会に合わせて、石原慎太郎が都知事を辞任、新党を立ち上げる事を発表しました。
もはや老害でしかない石原慎太郎の新党立ち上げを大々的に報道し、【国民の生活が第一】の結党記念パーテイを報道しない【国民隠し】のメディアスクラムは、メディアが国民洗脳のためのプロパガンダ機関に完全になり下がった事を示しています。逆に、この事は、彼らが小沢一郎の復権を如何に恐れているかを示しているという事でしょう。
最後に笹井さんの提言にも関連する事ですが、現在の日本の政治情勢では、小沢一郎率いる【国民の生活が第一】と緩やかな連携を取った【オリーブの樹】方式しかありません。その為には、イデオロギーのくびきから離れなければなりません。
では、連携の核をどうするか。わたしは、本当の意味での【民主主義】が核になると考えています。わたしは、小沢一郎と同い年です。わたしもそうでしたが、彼も戦後民主主義教育の最も盛んだったころ、子供時代を過ごしています。当時は、【民主主義】という言葉が、キラキラ輝いていました。彼の演説を聞いた時、ああ、やっこさんの胸の中には、当時の【キラキラ輝いていた民主主義】が、埋もれ火のように残っているんだな、と思いました。それが、彼のマニュフェストに対するこだわりになっているのだと思います。
代議制民主主義は、国民の負託に応えた政治家が、政治を行います。その場合、なにより大切なのは、国民との約束を何が何でも守る事です。これがなかったら、民主主義は壊れます。政治家が嘘をついて、国民との約束を破ることが許されるなら、民主主義は壊れます。民主主義は、もろい制度です。卵と同じで大切に大切に守らなければ、壊れてしまうのです。【言葉の信頼性・言葉の大切さ】が何より求められるのです。
小沢一郎の離党・新党結成の軌跡を丁寧に見ていれば、彼が民主主義を如何に大切にしているのかが、分かります。わたしが、小沢一郎を【永久革命論者】と評する理由もそこにあります。
多くの政治学者が言うように、権力は魔物です。この魔物をどのように統御するか。これには何より【思想】と【信念】が重要です。権力は、何より【国民の生活】を守るために使うのだ、という強い信念がなければなりません。民主党政権の体たらくを見ていれば、この事は誰も納得できると思います。
現在の政治情勢は、リベラル勢力の全てのイデオロギーを超えて、その根幹である【民主主義】崩壊の危機です。メディアを含めた既得権益層は、なりふりかまわず権力を維持し、強権的に国民を支配し続けようという意図が露わに出ています。
リベラル層が結集するには、イデオロギーなどの瑣末な差異を超え、ただ一点【真の民主主義の再生】を軸にすべきではないでしょうか。
「護憲+BBS」「政党ウォッチング」より
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