老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

れいわ新選組に思うこと

2019-07-29 11:29:49 | 政治
最初、山本太郎が立ち上げた政治団体の名称が「れいわ新選組」と聞いた時、何で…?という思いがあった。

しかし、YouTubeで安倍総理と自民党議員の参議院選挙に向けての街宣風景を見た時、納得した。安倍総理は改元騒動の折り「令和」という言葉を徹底利用した。自ら談話を発表して万葉集と結びつけたり…。

しかし選挙中は「令和」を利用する事ができなかった。「れいわ新選組」ができたから。「今こそ令和という新時代に相応しい新しい憲法を作りましょう」「令和元年を自民党と共に歩んで行きましょうよ」これ皆使えない。全てれいわ新選組の宣伝になる。

ふふふ、山本太郎はそこまで計算したのか。「れいわ新選組」は「れいわ」に新しく選んだ人達。それなら納得できた。

れいわ新選組の政策で【消費税廃止】。野党共闘の時は5%迄ハードルを下げると言っている。私は賛成する。

その財源に国債や大企業の法人税を上げて、所得税も上げて累進課税にするという案にも大賛成なのだが、これが実行されると、大企業の下請け孫請けの中小零細企業への締め付け苛めが蔓延しないだろうか。

注文品の単価を落とすとか、裏リベートを取るとかを防ぎ、中小零細企業の経営者、そこで働く人達をどう守るのか、知恵の出し所ではある。

尤も消費税廃止にして内需拡大すれば、国民は今迄我慢していた物や必要だけど買えなかった物に手がのびて、物が売れるようになり、大企業も下請け苛めなんかしていたら同業他社に遅れを取ることになるだろう。

【最低賃金1500円】。これも大賛成だけれど、内部留保を溜め込み肥え太った大企業が、人を安く使いたいから利用している派遣制度。最低1500円になったら今雇っている人達を切り捨てようとするだろう。

これをどう防ぐのか。いや、雇われている側も業種別の組合、ユニオン等を作って対抗する必要があるだろう。この人手不足が本物だとしたら、非正規労働者の人達の闘いにとって追い風になるだろう。

【奨学金をチャラにする】。これも賛成。日本は教育にお金がかかり親の負担が先進国の中では突出している。

今の安倍政権が言っている教育費無償政策のように小出しにしたり条件を付けるのではなく(安倍政権は学費を税金で賄う条件として大学を産学共同の徒にしようとしているという情報もある)、誰でも無条件で大学に進学できる方法を考えて欲しい。そして新卒者だけではなく年齢を重ねた人でも学ぶ事は無償にして欲しい。

こうしてみると「れいわ新選組」の政策は、国民の生活にピタリと照準を合わせている。それは以前小沢一郎が言っていた「普通の人が普通に働いて、結婚もできるし家庭も持てる社会」の実現であり、私が以前読んだブレイディみかこさんと何人かの方々の共著「そろそろ左派は<経済>を語ろう」に通じるものがある。

皆分かっているのだろう。若者が希望を持てない社会、次世代が安心して働いたり暮らして行けない社会は衰退していく。そして今の政権が「改憲」以外に興味も関心も持っていないことを。

棄民政権の正体をそろそろ知り始めた人達が増えつつあるのではないかと思う。

「護憲+コラム」より
パンドラ
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安倍首相、頭の中は「憲法改正したい!」だけ?

2019-07-28 08:52:29 | 安倍内閣
東京新聞等でおなじみのライター・武田砂鉄さんがTBSラジオで、参院選挙後の安倍政権について語っていました。クルマを運転しながら聴いていたので内容が正確でない部分もあるかもしれませんが、とても的を得た指摘でした。

1)衆議院の過半数を得た事について、安倍首相は「国民の信任を得た」とコメントしたが、投票率からみて自民党を支持したのは国民の20%前後。これで信任を得たと喜んでいるのはおかしな話だ。

2)同様に、憲法改正を積極的に進めていく所存というが、国民の関心(要望)は経済政策や年金不安の解消である。憲法改正を望んでいる国民は約3%に過ぎない。

3)その憲法改正について、安倍首相は「与野党で広く議論を行い、実現に向ける」という。しかし、今回の選挙期間中の遊説で安倍首相はほとんど憲法改正に触れていない。また、自民党の偏った改憲案以外に安倍首相自身の考えを述べていない。実は“憲法改正ありき”で自分の考えを持っていないのではないか。

4)憲法改正について「与野党で広く議論して進める」というが、今までの安倍首相の進め方は具体的な議論を行わず、議論がすれ違ったままで「議論を尽くした」と結論を出してきた。憲法改正も同様に進めるのではないか。
++++++++++
安倍晋三の幼稚さは、このように見透かされています。

今回の参院選で自民党は議席を大きく減らしているのに、安倍晋三のはしゃぎ振りときたら・・・アタマの中は「憲法改正はおじいちゃんの悲願なんだ!オレのバックには日本会議がいるんだ。憲法改正したい!したい!したい!」なんでしょうね。

「護憲+BBS」「新聞記事などの紹介」より
猫家五六助
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「国民民主党・玉木発言」の異様

2019-07-27 17:16:11 | 選挙
前の選挙でもそうだったが、この国の政党はどうかしている。玉木発言は見逃せない。野党共闘がいつも破綻して安倍政権を利する結果になるわけだ。

憲法改正論者であっても「自民党の改正案」にすり寄っていくのは全くの論外であり、憲法改正論とは言いにくい。改正の中身の吟味もない玉木議員のような発言は自滅行為である。

いつも裏切り行為によって野党共闘ができない結果、国民を軽視してアメリカのご機嫌取りと富裕層の利益を一番に考えている自公政権が勝ってしまう。

まさに「漁夫の利」を地で行く政治家失格;立場がころころ変わる人格の玉木発言である。

玉木氏「生まれ変わった、改憲議論進める」 一転火消し(7月26日 21時57分 朝日新聞デジタル)
https://news.livedoor.com/article/detail/16836848/


「護憲+BBS」「政権ウォッチング」より
名無しの探偵
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2019年参議院選挙総括

2019-07-27 11:20:50 | 選挙
参議院選挙が終わった。辛うじて改憲勢力が2/3以上を取るのを阻止した。それでも、安倍首相は、橋下徹との対談で、改憲を進めると豪語している。

今回の選挙の投票率は50%を切り、記録的な低投票率に終わった。これには様々な理由があるが、最大の理由は、大手メディア(特にテレビ)が選挙の争点を明確に分析せず、ただひたすら形ばかりの選挙報道に終始した事にある。

映画「新聞記者」の中で、「この国の民主主義は、形だけでよいんだ」というセリフがあるそうだが、まさに地で行く報道ぶりだった。

例えばテレビ朝日。「れいわ新選組」と山本太郎現象を取材はしていたが、選挙前には決して放映しなかった。番組中に「れいわ新選組」に言及したのは、羽鳥のモーニングショウでの玉川キャスターのみ。他のテレビ局も同様だった。

「寝た子は起こさない!」今回のメディア報道を一言で言うとそうなる。ところが、選挙後の特番では、山本太郎の演説会や演説内容を報道し、報道しましたよ、というアリバイ作りをしている。他局も同様な報道を行っている。

一時期、メディアスクラムという言葉が流行ったが、現在の報道のありようは、スクラムより、【統制】という言葉がぴったりくる。

(1) 選挙結果の分析
(改選後の議席) 改憲勢力
自民党 113  (改選前 123)
公明党  28  (改選前  25)
維新    16  (改選前  13)
    合計   157
  ※ 改憲に必要な2/3議席数は、164議席。 
  
 (改選後の議席) 反改憲勢力
 立憲民主党 32議席 (改選前 24)
 国民民主党 21議席 (改選前 23)
 共産党   14議席 (改選前 13)
 社民党    2議席 (改選前  2)

さらに付言すれば、公明党は憲法9条に自衛隊を加筆する事には消極的。そう簡単に進むとは思えない。

おそらく、自民党は、これから以降、維新との連携を深め、さらに、国民民主党に手を突っ込んで、憲法改正論者の引き抜きに狂奔する可能性はある。

しかし、今後予想される消費税増税後の景気後退、日米FTA交渉、ホルムズ海峡での有志連合に参加するのか、日韓問題の泥沼化、厚生省の年金財政検証提出等々。本来なら、選挙前にこれらの材料を提供し、国民の投票行動決定の資料にしなければならないもの全てをほっかむり。すべて、選挙後に先送りした。

その為、今後、政権の基盤を揺るがす大問題が目白押し。どれ一つとっても、政権の運命を決めかねない大問題。簡単に憲法改正論議に入れる環境ではない。

◎さて、問題は、この選挙結果をどう読むか、である。

冷静に見ると、単独過半数を逃した自民党は敗北している。比例票は前回16年の参院選から240万票減。

投票率は、48%強。この低投票率では、組織政党が断然有利。つまり、自民党と公明党が有利になる事は明らか。それでいて、自民党は単独過半数を逸した。

どう贔屓目に見ても、自民党の敗北は明らかである。安倍首相や菅官房長官や麻生太郎が、国民の信任を頂いたなどと強弁しているが、何でも自分の都合の良いように解釈する独裁政権独特の感性である。

●絶対得票率の推移
※絶対得票率: これは自民党が全有権者のうちいくら得票したかを示す比率だ。

2012年に第2次安倍晋三政権がスタートして、今回で5回の国政選挙を行った。その結果がこれだ。

2013年参院選 17・7%
2014年衆院選 17・0%
2016年参院選 18・9%
2017年衆院選 17・5%
2019年参院選 16・7%

確実に減少しているのが一目瞭然。要するに全有権者数の2割に満たない得票率で一強と呼ばれる議席を得ている。有権者の5人に1人も自民党を支持していない。

この現実を自民党は良く知っている。だから、今回のように、有権者を眠らせて、低投票率へ誘導する事に選挙対策の全てを傾注している。「寝た子は起こすな」方針が徹底されている。安倍首相の選挙日程が秘密(ステルス作戦)にされたように、今回の自民党の作戦は、選挙自体をステルスすることにあった。

裏を返せば、自民党は党勢の衰退に怯えている。だから、徹底的なメディア対策(統制)をして、決して国民に真実を悟らせない事に全力を傾注している。

今回の選挙前に政府が政府に不利な事柄を隠蔽、改竄、時には無いことにする。国民の目に真実が視えないようにするためにどれだけ腐心したか。安倍内閣の努力の80%以上は、権力維持のための小細工だと考えておかねばならない。

何度も言うようだが、投票率が10%上がれば、劇的な転換が起きるのが、小選挙区制度。オセロゲームのように、政権交代は可能。

※野党の最大の選挙対策は、選挙の盛り上がりをどう構築するか、以外にない。山本太郎現象を野党共闘に取り込まなくて、野党の勝利はない。

自民党が過半数を割り込んだと言う事は、自民党が進めてきた【アベノミクス】などの経済政策、年金などの福祉政策、医療政策、対米国、北朝鮮、ロシア、韓国などの外交政策、消費税10%増税政策に国民がNOを突きつけた、と言う事を意味する。

通常の常識を持った政権なら、この国民の厳しい審判に対して、反省の弁を述べる。ところが、安倍政権の幹部どもは、国民の支持を得られたと強弁するのだから、開いた口がふさがらない。

さらに言えば、通常の政治常識を備えたメディアなら、自民党敗北の現実を厳しく指摘し、様々な政策課題の見直しを迫る論調を張る。それができないメディアは、もはやジャーナリズムとしての役割を放棄し、政権の広告塔としての役割しか残っていない。

その典型的な証拠が、選挙翌日から始まった吉本興業の一連の騒動への集中的報道である。

●自民党敗北の現実を消去するための吉本興業問題

メディア(特にテレビ)は、安倍政権の敗北と言う現実を正しく分析し、国民に伝える義務があるが、吉本興業一色の報道である。しかも、問題の本質を外したお家騒動に焦点を当てた報道で、話にならない。

吉本の芸人と会社がどのような雇用契約を結び、どのような扱いを受けているかは、基本的には、吉本興業の内部問題。それを朝から晩まで微に入り細にわたり、報道する。愚民化報道極まれりと言って良い。

もし、この問題を報道するのなら、弁護士の郷原信郎氏が指摘している以下の問題についてきちんと放映すべきだろう。そうすれば、問題に【普遍性】を持たすことができる。

「契約書のない契約」という“闇”~吉本興業の「理屈」は、まっとうな世の中では通用しない」
https://bit.ly/2YeTuvn
「吉本興業と芸人の取引」は下請法違反~テレビ局、政府はコンプラ違反企業と取引を継続するのか」
https://bit.ly/2GprGu7
「吉本興業、独禁法「優越的地位の濫用」による摘発が現実のものに」
https://bit.ly/2Y9f19N

もう一つ言わせてもらえば、芸人の本質は、自らの芸を見せて、その対価を頂くという所にある。社会の「道徳的規範」の体現者でもなければ、国民の代弁者でもない。反社会的集団(振り込め詐欺集団)のイベントに招かれ、ギャラをもらったとしても、芸人の本質からすれば当然。ギャラを払ってくれる人間や集団がどのようにしてそのお金を稼いだなどと言う事は、知った事ではない。

まして振り込め詐欺グループの連中が、振り込め詐欺で稼いだ金だなどと言うわけがない。と言う事は、反社会的集団などと知らなかったというのは理解できる。会社が取ってきた仕事なら、そういう問題は会社のマネージメントの問題。芸人の問題ではない。

となると、問題は、会社に黙って闇営業をしたことだけになる。それは吉本興業と芸人の問題であり、テレビが朝から晩まで放送するような問題ではない。

ただ、最近の吉本の芸人は、お笑いの仕事より、一種のコメンテーターやMCなどの仕事に多く出ており、彼ら自身が【芸を売って、お金を頂く】という芸人の本質を忘れていることが、今回のように問題を大きくしていることも忘れてはならない。

経済学者植草一秀氏のブログによれば、吉本興業の内実は以下の通り。

***
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2019/07/post-48eff1.html
2019年7月26日 植草一秀の『知られざる真実』

・・吉本興業問題はこの企業に巨額の国民資金が投入されている事実があり、安倍首相が癒着とも言える深い関わりを有している企業であるだけに、主権者としての視点から軽視できない。

吉本興業は2009年9月にクオンタム・エンターテインメント社によるTOBによって買収され、上場が廃止された。

買付代金は506億円。

資金源はクオンタムファンドへの出資金240億円のほか、三井住友銀行などからの融資資金300億円などである。

「創業家の排除を狙った 吉本興業の非上場化(上)」
https://www.data-max.co.jp/2009/09/post_6997.html

非上場化された吉本興業の筆頭株主に躍り出たのはフジ・メディア・ホールディングスで持ち株比率は12.13%である。

このほか、
日本テレビ放送網
TBSテレビ
テレビ朝日ホールディングス
テレビ東京
朝日放送
MBSメディアホールディングス
関西テレビ放送
讀賣テレビ放送
テレビ大阪
電通
博報堂
博報堂DYメディアパートナーズ
BM総研(ソフトバンク子会社)
ヤフー(ソフトバンク子会社)
ドワンゴ
などが株主となっている。・・・・・・

・・・第三の反社会的勢力との関わりについて、吉本興業は、宮迫氏が参加した誕生パーティーの主賓である詐欺グループ首謀者が経営する企業がスポンサーのイベントにタレントを派遣していた事実が判明している。

2014年5月31日に開催されたイベントで、問題のフロント企業「CARISERA」がスポンサーになっている。
https://bit.ly/2Yk78JV

誕生パーティーの主賓であるフロント企業社長をフジサンケイグループメディアであるSankei Biz Expressが記事にして掲載していた事実も判明している。

「「日本と世界の懸け橋に」
CARISERA代表取締役社長、小林宏行氏(27)に聞く」
https://bit.ly/32R1fr8

上場廃止された吉本興業には上場企業のような監視の目が届かなくなる。

大崎洋会長、岡本昭彦社長、藤原寛副社長はすべて松本人志氏と極めて近い関係にあり、この少数が吉本興業を独裁的に実効支配し、フジサンケイグループとともに吉本興業を実質的に支配している構図が浮かび上がる。・・・・・
***

この構図を見れば、松本人志が「バイキング」で問題発言を繰り返しても、番組を下ろされるような事態に至らない理由が良く分かる。

本来、報道機関の役割からすれば、このような吉本興業とメディア(テレビ局)との関係性、吉本興業と安倍政権との関係(安倍首相は新喜劇に出たり、ダウンタウンの松本と食事をしたり、首相官邸を新喜劇連中が訪問している)⇒吉本に国税が100億近くつぎ込まれている)や、ジャニーズとテレビ局の関係(SMAPの三人のTV出演をさせないように圧力をかけた)を報道するのが重要。

これらの問題は、吉本興業という一企業の内部問題にとどまらない国民や社会に関係がある【普遍性】を持っている。

現在のテレビの政治報道のキャスターなどに多くの吉本興業とジャニーズのタレントが起用されている。この関係性を詳細に報道すると、安倍官邸とメディアの関係性のタブーに切り込めるはずである。

どうせ報道するなら、ここまで踏み込んで報道すれば、それなりの社会的意義もあるのだが、「お家騒動」に矮小化するのでは、報道機関の名が廃る。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
流水
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れいわ新選組(山本太郎現象)の躍進をどう読むか

2019-07-26 11:31:14 | 政治
選挙結果:
当選 2名 
比例得票数 228万764票 
投票率 4.55%(20人に1人が投票)⇒政党要件獲得
無党派層の投票率 自民党20% 立憲民主党 19% れいわ新選組 10%

新党立ち上げから3ケ月。テレビ報道なしの政党が、よくぞこれだけの得票を取れたと言わざるを得ない。

無いものねだりで言えば、もし選挙前にテレビ報道がきちんとなされていれば、おそらく「れいわ新選組」の当選者は、最低でも5人はいけたと思う。

ネットやSNSなどのツールを利用できない高齢者は、「れいわ新選組」の名前も知らないであろうし、ましてやその主張などは全く知らない。

山本太郎の最大の魅力は演説。今回の「れいわ新選組」の得票の大部分は、彼の演説に魅せられた人々の得票。

彼の言葉は、「理」だけではなく、「情」に訴えかける。ただの「情」ではない。人々の心の奥底に蠢いている【情念】に訴えかけている。

>「あなたは生きてる価値があるのか?何かの役にたったんですか?
>会社の役に、世の中の役に、何かの役に立ってなくちゃ、生きてちゃいけない。
>そんな空気、蔓延してるじゃないですか。
>そんなのおかしいでしょ。
>消えてしまいたい、死にたい、そう思ってしまう世の中のほうが間違ってんですよ」
>生きててくれよ

羽鳥の「モーニングショウ」での彼の発言にもその片鱗はうかがえる。

・・「いまの世の中って空気的に生産性で人間をはかられるような部分ってないですか。役に立っているのかとか、あなたが何できるんだとか。その苦しさのなかで、やっぱり、生きていたくなくなるというか、消えたくなるような人たち、たくさんいると思うんです。(中略)そのなかで、生産性で人をはからせない」・・

「生きている事自体が素晴らしい」という彼の信念が直截に人々に語り掛けられている。

既成のリベラル派連中の言葉では、「生きる権利」と言う事になるのだろうが、それを「生産性では人をはからせない」とズバッと語り掛ける。「あなたが悪いんじゃない。世の中の方が間違っている。あなたは胸を張って生きたらいいんだ。生きててくれよ」と語り掛ける。

これは通常の政治家の言葉じゃない。語り掛けられた人々の心の奥底に眠っている熱い思いを掻き立てる。「演歌」ではなく「艶歌」であり、限りなく「怨歌」に近い。

立憲民主党の枝野幸男は『けやき坂46』のファンだそうだが、「けやき坂」 からせめて「艶歌」に踏み込まないと、この列島で悔しい思いを抱えて生きている人々の情念を掬い取れない。「山本太郎の闘い」で指摘した枝野幸男の【戦い】と山本太郎の【闘い】の違いである。

山本の言葉は、宗教家の言葉に近いが、そうではない。彼の言葉は、きちんとした数字に裏付けられている。彼は真面目な勉強家である。

「山本太郎の闘い」でも指摘したが、彼は、社会を「上下」の関係で切り取り、その視点で彼の政策を組みたてている。だから、これから、イデオロギーを超えて、彼の支持層は広がる可能性を秘めている。

自民党の支持層である地方の現状は、疲弊する一方。中央が「上」地方が「下」の厳然たる格差が存在する。山本太郎現象が拡大するにつれ、地方の自民党支持層(地方の行政機構、農協や青年会議所など)の若手連中が反乱を起こす可能性が高い。

当然ながら、正規の労働組合から見放された流民化した非正規労働者の若者たちのアイデンティティ回復の闘いも参加する可能性が高い。

これは、日本の政治家で言えば、田中角栄の系譜に属すると思う。非エリートの経歴をプラスに変え、人心の機微を読み取り、政策に生かす、という「王道」の政治を歩み始めている。

政治学のカテゴリーで分類すると、山本太郎は「左派ポピュリズム」にあたる、と政治学者中島岳志は語る。

・・「ポピュリズムというのは一般的には悪い意味で使われますが、政治学では良い、悪いという価値判断を伴わない分析概念として使います。これは大衆化された民主主義の時代に、政治行政の中心をエリートたちだけが独占しているということに対する反権威主義的な異議申し立て運動なんですね。反エリート、反権威主義に基づく大衆政治運動というのが、基本的なポピュリズムです。」・・・中略・・・

「近年、ポピュリズムになってきたのは、世界的には右派でした。外国人移民の排除などを訴える反権威主義が、欧州やトランプ米大統領の支持層に現れた右派ポピュリズム現象です。これに対し、米国の(民主党の大統領候補の一人である)バーニー・サンダース上院議員など、リベラル側のポピュリズムもここ数年、出てきました。 日本のポピュリズムは維新の橋下徹さんとか自民党の一部とか、右派がずっと担ってきましたが、これにリベラル側が参入したということだと思います。」・・・

中島岳志・東工大教授に聞く 「毎日新聞」
https://mainichi.jp/senkyo/articles/20190724/k00/00m/010/242000c

中島教授の分析によれば、山本太郎は日本における「左派ポピュリズム」の嚆矢と言う事になる。

山本太郎は、次の衆院選では100名以上の候補者を擁立し、明確に総理大臣を狙うと公言している。その為には、野党共闘を積極的に推進するとも語っている。

実は、大言壮語とも受け取れるこの発言がきわめて重要で、「政権を狙う」「総理大臣になる」という目標を共有できた時、野党共闘の本気度、熱量、国民の参加意識は飛躍的にアップする。

国民の参加意識のアップなくして、政権奪取などできるはずがない。小沢一郎が二度にわたり政権を奪取した時には(特に民主党政権)、国民の参加意識が半端なものではなかった。

スポーツの世界で言う「勢い」をどう生み出すかが選挙の帰趨を決める。この「勢い」を生み出せない野党共闘が中途半端に終わったのは無理もない。

わたしは以前から【権力を取る】事を公言しない政治家や政党の存在意義を問うてきた。それは選挙における【勢い】をどう生み出すかに選挙の帰趨がかかっているからである。山本太郎にはそれができる。これは大きな希望である。

さて問題は、今後野党共闘がどうなるかである。わたしは、意外と楽観視している。共産党と国民民主党、社民党とは、間違いなく共闘できる。

問題は、立憲民主党だが、現在の「れいわ新選組」の存在感、勢いを無視して、立憲民主党が野党共闘のイニシアチブを取れるとは思えない。もし、微細な政策の違いに拘泥して、野党共闘に水を差すような行為をしたら、他党は、立憲民主党を無視して、野党共闘を進めるだろう。

理由は明確。現在の山本太郎「れいわ新選組」は、次の衆院選の台風の目になる事は確実。彼の演説が大手メディアで流されれば、「れいわ新選組」への支持が飛躍的に拡大するのは確実。下手をすれば、立憲民主党はその勢いに呑み込まれる可能性が高い。

(※現在の立憲民主党の選挙は、連合、それもかっての総評系の支持層に依存する割合が高い。党勢拡大には、無党派の支持層拡大が欠かせない。そこを「れいわ新選組」に食われたら、立憲民主党の退潮は明確になる可能性が高い。)

それが分かっていて、些細な違いに拘泥して、野党共闘を渋れば、次の選挙では立憲民主党の退潮は明らかだろう。

それほど、枝野幸男も福山も馬鹿ではないと思う。まして、【れいわ新選組】の勢いを利用すれば、枝野幸男の政権奪取も夢ではない。小選挙区というのはそういう選挙制度。オセロゲームのように、「白と黒」とが一瞬にして入れ替わる。

「左派ポピュリズム」結構。時代の閉塞感を打ち破るには、政治が、この列島で悔しい思いをして生きている人々の「情念」や「怨念」を掬い取り、解放する以外にない。

まず、政権奪取。それ以外の政治目標はない。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
流水
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「戦後史」のパラドックス(逆説)

2019-07-25 20:25:53 | 戦争・平和
当コラムの予告「戦後史を問い直す」でも触れたように、玉音放送(日本語としては特殊な言葉で放送されている)のあった8月15日の映像がテレビでいつも放映されているが、作家の星新一氏が宮城前に行った時には誰もいなかったという。

その映像には20歳から60歳までのかなりの数の男女が頭(こうべ)を下げている姿が映し出されているが、メディア研究の学者佐藤卓巳氏は、これは後に撮影された「やらせ」だったという。

このように戦後のスタート時点からして日本の歴史:戦後史(とその映像や写真)は偽りで始まる。

「戦後史」という歴史用語にしても誤解が生まれるような言葉である。実際に「戦後」という時間は8月15日の「一日」だけで形成されたり区分できるものではあり得ない。この日に特攻隊の出撃もあったし、海外派兵で戦地に残っていたおびただしい数の兵隊は日本本土にいないのである。
***

以上のような細部の出来事は今回のコラムのテーマではないので、テーマを絞ることにする。それは50年以上前の「疑問」から始まる。

それは安倍首相の母方の祖父であった岸信介という人物の「戦後」の姿であった。

彼は戦中の東条内閣の商工大臣を務め「満州国」の経営で辣腕を振るい「満州の妖怪」とも言われていた。実際に岸は「東京裁判」でA級戦犯(戦争指導者のこと)の容疑で巣鴨プリズンにいたが、なぜだか分からないが戦犯容疑が解かれ、なんと60年代には日本の総理大臣になっていたし、安保条約(第二次)の締結を決めたのである。

こうした「謎」は20代の学生であった私には不可解であった。戦犯容疑が濃厚であった東条内閣の閣僚が巣鴨プリズンから解放され、処刑もされず総理大臣にまでなる日本という国は不可解としか言いようがない。

それでは「東京裁判」とは何だったのか。これまでの議論では「東京裁判」に関して二つの見方が提示されてきた。一つは日本の侵略戦争を裁く正当な国際法廷であるというもの。この見解は占領軍(GHQ)を解放軍として捉える見方と共通している。

もう一つは戦勝国(連合軍)が敗戦国(ドイツ、イタリー、日本)を裁く「勝者の裁判」であり、正当性はなく、かつ国際法にない新法で裁くものであり、刑事不遡及の原則に反するという見解である。

この二項対立的な二つの「東京裁判」史観からは「東京裁判」の本質は永久に見えてこないだろう。東京裁判は両極に明確に区別できるような単純な様相を最初から示していないからである。

ニュルンベルク裁判(ドイツの侵略戦争など裁いた法廷)のように連合軍の主導があったのと異なり、東京裁判(極東国際軍事法廷)は終始アメリカ、特にマッカーサーの軍事派閥が軍事法廷を担った。戦犯容疑者から免責された軍人や官僚、財閥などはかなり多い。今回のコラムではこの「免責」(免責された戦犯たち)にテーマを絞ることにする。

少し議論を前に戻すが、前回の珠さんのコラム「日本の首相は米国の手下?」からも示唆を受けた。この投稿から私が触発された箇所はアメリカの「戦後」におけるおびただしい戦争の諸相である。(詳しくは「アメリカ暴力の世紀」という著書が有益な視点を提供している。)この問題と「東京裁判」での「免責」は特に関連している。

これまでの議論では免責の対象は主に二つとされてきた。一つは天皇の免責である。特に太平洋戦争の決定は天皇の決断であった。天皇に戦争責任がないということはありえない。

もう一つは731部隊(細菌戦の工場を満州付近で大規模に展開しており、実際に中国に大量の細菌爆弾を投下していた)の免責である。

前者の免責は今回のテーマではなく、後者の731の免責の意味が大きな問題点であると考えている。

この問題に大きな影響力を与えた研究者は多い。80年代に出版された森村誠一著「悪魔の飽食」、科学者(化学)常石敬一氏の最近の著書「謀略のクロスロード」(副題;帝銀事件と731部隊)が参考になった。

また、ドキュメンタリー作家の青木富貴子氏による「731」(新潮文庫)の、実際に731部隊に入隊した医師や軍属であった人たちからの聞き取り調査は大変な仕事だったと思われる。

これらの研究成果からは、アメリカが731の免責を与えたことは特別の意味を持っていたことが分かる。「東京裁判」の侵略戦争の戦犯を裁くという表の顔をはぎ取り、アメリカの裏の顔を表に引き出すというもう一つの「戦後史」の「謎」に迫るという意味で、これが初発の疑問(岸などの免責)を解く鍵(キーポイント)になるだろう。

アメリカの「免責」は731部隊の細菌兵器の開発と実験結果の入手が秘密の特約(免責条件)であったのであり、実際に免責された石井中将や軍医たちは戦後の医学界の重鎮になっていく。

アメリカは朝鮮戦争で細菌兵器を使用したとも疑われている。ベトナム戦争では細菌兵器の出る幕はなく、代わりに使用されたのが枯葉剤だった。東京裁判は二項対立で片付けられる「単純なもの」ではありえない。
***

今回のコラムは研究の端緒についたばかりのものであり、詳細な展開は今後に譲るとして、最後に「戦犯容疑者」から外された主な軍人などに言及する。

中国への侵略戦争の端緒であり、大きな事件となった「満州事変」の首謀者である石原莞爾はなぜ免責されたのだろうか。(盧溝橋事件が直接の端緒であるが。)

リットン調査団が満州に派遣されて、国際的な非難を受けたことから日本は「国際連盟」から離脱する。そして、世界を敵に回すことになる太平洋戦争を真珠湾攻撃から開始して無謀な戦争へと突き進むのである。

「大東亜共栄圏」の大きな礎石となった「満州帝国」を作った青写真は石原莞爾の引いたものであり、「満州事変」の立役者は石原莞爾をおいて他にはいない。こうした戦争指導者の多くが「免責」される「東京裁判」とは一体なんだったのか。

「戦後史」と一言で済ますことではない。やらせから始まる8.15、免責を受けた戦犯容疑者のおびただしい数。謎の多い「東京裁判」、そして図式的すぎる歴史家たちの「戦後史」の描写。「東京裁判」を筆頭にパラドックスに満ちた「戦後史」を再考することが重要であるような気がする。
***

今回は研究経過の一端を書くことしかできていない。現在の日米関係は安倍政権のアメリカへの一方的な追従と辺野古基地への米軍キャンプ移設、と大きな変革に立ち会っているにもかかわらず、「安倍一強」がいまだマスコミからも垂れ流されている始末である。

日米関係は日本の戦後史だけを照射していても歴史は見えてこない。アメリカという戦争の継続をいつの間にか国益としている国家の「歴史」を直視しない限り、「日米関係」も世界の情勢も見えてこないだろう。

戦後史は「東京裁判」を軸にすれば、「日中戦争」、「太平洋戦争」、「満州帝国」、「原爆投下など」と切り離すことは、日本の戦後というパラドックスから解放されないのである。

沖縄の占領継続は「基地問題」ということだけではなく、なぜ占領継続なのかである。「冷戦構造」の終焉にもかかわらず、基地の拡大が「なぜ必要なのだろうか」。

これらの解答は「戦後史」の見直しの中にしかないのではなかろうか。

「護憲+コラム」より
名無しの探偵
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結果を出した山本太郎(2)

2019-07-24 15:05:28 | 選挙
選挙前に流水さんが投稿された通り、山本太郎さんが結果を出しました。彼ならば落選しても議員資格にこだわる事もなく、自分の主義主張を貫けると思います。

税金を数百億円も浪費する解散総選挙を、自分の都合で年末?などとうそぶく、安倍晋三。自分も難病だと公言する割には、な~んもわかっちゃいない。

正式な政党となった「れいわ新選組」の次の一手、衆議院選挙が楽しみです!

>今回の参議院選挙~どのような話題をメディアに提供し、メディアはどうでもよい話題を如何にして大問題に仕立て上げ、それこそ重箱の隅をつついて、根掘り葉掘り報道し、国民の関心を選挙から遠ざけるかに苦心している。~そうでなければ、あれほど見事に「山本太郎」と「れいわ新選組」が黙殺されることはない。
>~山本太郎の闘いぶりに、時代の先触れを見ている。
>選挙前、わたしは、“現代のドン・キホーテか!それとも、現代の田中正造か!(山本太郎論)”で「ひょっとしたら大化けするかも知れない、という期待感を抱かせる。」と書いた。
>自分自身の当選より、障害者への理解、障害者の人権を守ろうという理念を優先~【社会的弱者救済】の本気度が見える。
>~山本太郎の場合は、永田町の政治的常識を超えた、あるいは、破壊すると言う意味で、【闘い】と書いている。
>彼は「権力を握る」という明確な目標を掲げる。~「権力」を握る事を目標にしない政治家や政党に何の意味があるのか、と問いたい。自らの政治理念や政治思想を実現するためには、権力を握らなければ何もできない。~

昔の刑事ドラマで、サラリーマンから転職した正義感あふれる若い刑事に、老獪な刑事が「正しいことをしたければ、偉くなれ!・・・な~んてな」と諭す場面がありました。山本さんには、期待したいです!

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
猫家五六助
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結果を出した山本太郎(1)

2019-07-24 14:54:48 | 選挙
厚顔さんの記事にあった下記コメント、まったく、おっしゃる通りです。

>高校中退だから恐れを知らぬ事ができる、とても官僚出身の東大卒のエリート政治家には真似はできまい、久しぶりの党人派政治家の感がする。

彼だからこそ、東奔西走して4億円近い寄付金を集め、党利党略の特別枠を逆手に取り、自分よりも優先して”他人の痛みが身に染みてわかる”2名を国会議員に成し得たのです。

共産党以外の、ほとんどの国会議員は「障がい者に国会議員など務まるわけがない」と考えるでしょう。”障がい者の代弁”は考えても、”障がい者を国会議員に”という発想は出ない、と。

今後、れいわ新選組の国会議員2名に対して嘲笑・ヘイト・差別の言動を行った国会議員は「国会の品位を貶めた」として議員辞職を命じましょう。その第1号が、「ナチスの手口」チョイワルおやじの太郎ちゃんにならなければよいのですが。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
猫家五六助

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山本太郎の闘い!

2019-07-19 15:34:51 | 選挙
今回の参議院選挙。メディア総がかりで、如何にして盛り下げるかに腐心している。

その為に、どのような話題をメディアに提供し、メディアはどうでもよい話題を如何にして大問題に仕立て上げ、それこそ重箱の隅をつついて、根掘り葉掘り報道し、国民の関心を選挙から遠ざけるかに苦心している。おそらく、官邸を中心にして、各メディア首脳たちの間で綿密な作戦が練られていると思われる。

そうでなければ、あれほど見事に「山本太郎」と「れいわ新選組」が黙殺されることはない。

7月9日にジャニー喜多川氏が死亡した。メディアが総力を挙げて、ジャニーズ特集を組んだのもむべなるかな、である。「ジャーニー喜多川と子供たち」の物語を美談仕立てで、それこそ朝から晩まで報道した。

たしかにジャーニー喜多川という人物は、戦後日本が生んだ新たな日本人の象徴である。米国育ちのバイリンガルの彼が、戦後、アメリカ文化を日本流にアレンジ。男性アイドルグループという新しい芸能ジャンルを発掘。一代で時代の寵児にのし上がった。

わたしは、彼の時代を見る目や創造力と先見性を高く評価しているが、朝から晩までTVを占拠するほどのものではない、と思う。

わたしは、この選挙における山本太郎の闘いぶりに、時代の先触れを見ている。

選挙前、わたしは、“現代のドン・キホーテか!それとも、現代の田中正造か!(山本太郎論)”で「ひょっとしたら大化けするかも知れない、という期待感を抱かせる。」と書いた。

この期待感はかなりの部分で現実のものになりつつある。その最大の要因が擁立した10人の候補者。

全国公的介護保険要求者組合書記長・木村英子氏、難病ALS当事者・ふなごやすひこ氏。重度身体障害を持つ二人を比例代表の特定枠に選び、比例代表の1、2位に指名した。山本太郎は、比例代表3位になっている。山本太郎が当選するには、約300万票の得票数が必要になる。

自分自身の当選より、重度身体障碍者が国会議員になる事により、国会の改修が必要になり、さらに重度の身体障害者の人を目の当たりにすることにより、障害者に対する理解を深めようとする意図である。

自分自身の当選より、障害者への理解、障害者の人権を守ろうという理念を優先させている。山本太郎の政治理念である【社会的弱者救済】の本気度が見える。

さらに東京選挙区から立候補している野原ヨシマサ氏。彼は、沖縄創価学会壮年部に所属している。辺野古基地建設の有無を問う住民投票の際、公明党や創価学会指導部の意向に背き、基地建設反対に立ち上がり、公然と公明党や創価学会指導部を批判した。

今回の選挙では、公明党党首山口邦津夫の選挙区である東京から出馬。正面切って公明党批判を行っている。特に、公明党本部がある信濃町で、堂々と公明党批判を繰り広げ、多くの創価学会人の共感を勝ち取っているようだ。「公明党が平和の党ならば、辺野古基地建設を止めて見ろ」と舌鋒鋭く批判している。

蓮池透氏も安倍晋三批判、東京電力批判(彼は東電の原子力発電関係の技術者だった)、原子力行政批判を行っている。

その他、金融行政の専門家、労働政策の労働者側専門家など多くの人材を発掘している。そして、島田雅彦氏をはじめ、多くの有識者、知識人も彼の闘いに注目している。

自民党や翼賛メディアが山本太郎と「れいわ新選組」を黙殺するのは、逆の意味で、さすが、と言える。

彼らは、前の選挙の時の「枝野幸男の孤独な戦い」に学んでいる。枝野幸男の鬼気迫る表情での演説に多くの国民が引き付けられた経験から、山本太郎が、枝野以上の闘いをする可能性に怯えている。

権力を持つ側の危機管理は、堤防決壊の蟻の一穴をどのように埋めるかが勝負。権力側の論理からすれば、山本太郎と「れいわ新選組」の黙殺は、最善の対抗策というわけである。

逆に言えば、それだけ山本太郎と「れいわ新選組」が、本物の革命性、破壊力を保有していると言う事の証明でもある。

わたしは、枝野幸男の場合は【戦い】と書き、山本太郎の場合は【闘い】と書き分けている。枝野幸男の場合は、永田町の政治的常識の範囲内での戦いであるという意味で【戦い】と書き、山本太郎の場合は、永田町の政治的常識を超えた、あるいは、破壊すると言う意味で、【闘い】と書いている。

“現代のドン・キホーテか!それとも、現代の田中正造か!(山本太郎論)”でも書いたが、彼は現在の日本を上下の関係で視ている。5%の支配層と95%の被支配層という上下の階級的視点で日本社会を把握し、95%の被支配層の立場に立つという明確な政治姿勢で闘っている。

この【闘い】は、自らの生存そのものがかかっていると言っても過言ではない。田中正造と同じで、この闘いの後には、彼には何も残っていない事を覚悟している。

厚顔さんが、山本太郎の学歴に触れられていたが、非エリートの彼が雑草のごとく芸能界でのし上がっていく過程で、何度煮え湯を呑まされてきたことか。彼は世の中の不条理を身体で感じて生きてきたのだと思う。

だから、彼の【闘い】には、踏みつけられ、弊履のごとく捨てさられてきた人々の滓のように溜まった鬱屈した思いや怨嗟の感情を掬い取り、解放し、新たな地平へと導く力がある。「上品な戦い」で何が変わる!という魂の叫びが聞こえる。

同時に彼は「権力を握る」という明確な目標を掲げる。

わたしは以前にも書いた事があるが、「権力」を握る事を目標にしない政治家や政党に何の意味があるのか、と問いたい。自らの政治理念や政治思想を実現するためには、権力を握らなければ何もできない。政治のリアリズムとはそういうものである。

まだ一人の国会議員も持っていない泡沫政党であるれいわ新選組が、政権を握る、などと叫べば、それこそ噴飯ものだし、ドン・キホーテも良いところである。

それを本気で語り、多くの聴衆に信じさせる。驚くべき光景である。そんじょそこらの政治家が同じことを語っても、誰も信じない。鼻であしらわれるのが落ちだろう。山本太郎には、それができている。山本太郎という人物のカリスマ性躍如の場面である。

21日までもう何日もない。山本太郎とれいわ新選組の躍進に期待しよう。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
流水
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山本太郎さんの街頭演説

2019-07-19 08:58:06 | 選挙
厚顔さんご紹介の山本太郎さんの札幌街宣の動画サイト、
https://www.youtube.com/watch?v=UOJFoYCGZQs
ネコ命の私としては44分25秒あたりから始まるネコ話に痺れました。

『死にたくなるような世の中で
ただ存在しているだけでいいんだと教えてくれたのはネコちゃん。
世界で自分が一番偉いと思っていないけど
一番偉そうにしている
ただ食べて寝ているだけなのに。
素晴らしい存在ですね。
空気なんて読まない
自分らしく生きる・・・』

そうそうそう、そうなんだにゃ~ん(=^・^=)
激しく同意!

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
笹井明子
===

猫ちゃんの話し、山本太郎の目線、視点を感じましたね。猫の気持ちと心裡が読めている感じですね。どうりで演説の内容も人の気持ちが心裡がよく分かっている様に感じます。

彼の演説を追っかけてみています。話の内容はほぼ同じですが、各地での人気度合いを注視しています。どこも盛況です。札幌ー秋田ー仙台ー福島ー栃木ー茨城と南下中です。

18日15時半からの宇都宮駅前での街宣URLを掲載しておきます。
https://www.youtube.com/watch?v=cMkDcbZKphM

・今後の東京での街宣予定のご案内(ボランティア協力は1時間前集合)
7月19日17時~20時、品川駅港南口(れいわ祭り2)
7月20日16時~20時、新宿駅西口小田急デパート前

東京では山口公明党代表とガチンコ勝負で立候補した沖縄創価学会員の野原ヨシマサ氏の演説もあると思います。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
厚顔
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