老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

「なぜ君は絶望と闘えたのか~本村洋の3,300日」(門田隆将著、新潮社)

2008-08-31 23:24:56 | 社会問題
7年以上前、山口県光市で当時18歳少年が起こした母子殺人事件。本村洋さんは被害者の夫であり父親、しかも凄惨な殺害現場の第一発見者。私はTVや新聞、週刊誌などの報道で公開された事件の概要は知っていましたが、

①少年法の是非
②死刑に値するか否か。死刑の是非

以上について、判断に窮していました。この事件、最高裁で差し戻し判決となり被告に21名の大弁護団がついた結果の「死刑」判決でした。私としては

①現在の少年法はナンセンス(更正方法と判断、被害者への償いから見て)
②死刑は必要悪(唯一死刑を避ける方法は被害者からの赦し、+終身刑の新設)

こう考えていましたが、その確信を得るために読みたかったわけです。内容の真偽は、私が見聞きしたメディア報道と著者が現場取材に基づくルポライターという点から判断しました。読んでみて、知らなかった事実は

①事件発生当初、第一発見者の本村さんが被疑者として罵倒される事情聴取を受けていた
②犯人逮捕の瞬間から、少年法のセオリーで被害者抜きの取調べ・裁判が進んでいた
③そのため、加害者の人権保護ばかり尊重された
④事件の担当刑事・担当検事の並ならぬ正義感と熱意があって最高裁まで戦えた

以上でした。例えば本村さんは最愛の妻を、絞殺で汚物にまみれ死後レイプされた状態で発見しました。そして、「その場で遺体を抱きしめてあげなかった自分が情けない、許せない」と、現在でも自分を責め続けているそうです。

ところが警察は、少年法に気を遣うあまり「ご主人と被害者の名誉を傷つけるから」との口実で死後レイプの事実を隠し、単なる殺人事件として処理しようとしたようです。本村さんはこれに怒り、自ら記者会見で公表したとのこと。

特に最初の裁判、地裁では「はじめに少年院送致ありき」の裁判状況と裁判官の態度、判決。先に「イラク自衛隊派遣」裁判の勉強会で聞いた、裁判官の信じられない所業と通じるものがあります。誰のための裁判なのか・・・。

ですから、もしも担当刑事と検事の正義感・熱意がなかったら、この事件は「少年院送致あるいは執行猶予付き懲役刑、悪くても3~5年で出所」の一審判決で終わっていたでしょう。それで本村さん、一審後の記者会見で「早く刑期を終えて出所させてください。私が必ず殺します」と、前代未聞の殺人予告に至ったわけです。その部分だけニュースで見れば「なんて大胆、非常識なヤツ」と思われるでしょう。

また、「2人殺して無期懲役、それ以上で死刑」との前例主義により二審判決が「無期懲役」だった場合、本村さんはその晩に自殺し「事件の死者3名」として世間に訴えるつもりでした。事実、その通りの判決になりましたが、彼の自殺を未然に防いだのは会社の先輩・上司でした。

以上、後半の21名大弁護団の滑稽さ・非常識な主張を含め、いかに被害者を無視した事務的で形骸化した裁判が行われているかを痛感いたしました。昔の仇討ちの代わって司法が逮捕権・捜査権を駆使し、加害者を拘束し裁いて被害者に報いるのが現代の警察・裁判所。それをいい加減に運用するならば、私も「仇討ち」を宣言するでしょう、本村さんのように。

また、この事件は「いつ、どこでも起こりうる」恐怖を感じます。加害者少年は同じ社宅内に住む自分好みの女性をレイプする目的で水道点検作業員を装い、一棟ずつ一軒ずつ訪問した末の犯行でした。目的を果たせなければ、犯行がバレそうになれば殺す。殺した後でも目的を果たす。「誰でも良かった」最近の無差別殺人のように、こういう病んだ人間が増えている気がします。

私と我が家は、こういった事件の動機・状況を知って自衛するしかない・・・という心境です。持ち歩かなければ銃刀法違反になりませんから、家のあちこちに木刀・竹刀を隠し置き、防犯ブザーを吊るし、護身術を習っている次第です。でも、いわれなき家宅捜索されたら、凶器準備罪・共謀罪で逮捕されるかも・・・(苦笑)

私の仕事先である営業店舗は女性スタッフ中心ですが、彼女達自ら「店番をしていて怖い思いをした」とカウンター下に防犯ブザーを常備し、社長は警備会社と契約しています。それでも、シャッターを下ろした閉店直後に押し入られたら、店内は密室状態になります。

別スレッドでGoogle「ストリートビュー」の話題がありましたが、私はこういう犯罪を懸念しています。

「護憲+BBS」「明日へのビタミン!ちょっといい映画・本・音楽」より
猫家五六助

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私は光市母子殺人事件については偶々弁護団側の意見を今年聞いた事がありますので、猫家さんの本の紹介を読み、そういう見方もあるのだなーと、感慨深いものを感じました。

確かに私は事件の概要について、新聞、テレビ、週刊誌などのメディアの報道でしか知り得ませんでした。最近読んだ「ゴールデンスランバー」(伊坂幸太郎著・新潮社)にも書いてありましたが、「テレビの報道」などはある一面を切り取ってそこだけを放映する事もできるし、如何様にも演出は可能なのですね。

例えば、ここに一個のリンゴがあります。私達は、そのリンゴを正面から一瞬だけ目にしたとします。その時の私達には「リンゴが一個あった」という記憶しか残らないかも知れません。

でもそれは裏側から見れば半分に切断されたものかも知れないのです。反対側は中身がくりぬかれていたのかも知れないのです。もしかしたら巧妙にできた作りもので如何にもリンゴらしきものを私達は見ていたのかも知れないのです。私も又リンゴの一面しか見ていなかったのかも知れません。

これは裁判員制度でも考えてしまうことですが、何を真実とするかは難しいと思います。

病んだ人間が増えているのかどうかは分かりませんが、社会が病んでいるとは思います。秋葉の事件は人の命を奪ったという行為は許されるものではないと思います。「誰でもよかった」という言葉が最近事件が起こる度に使われますが、それ以前に企業が「誰でもいい」若者達を雇い、政治はそれを放置してきた。何時まで経っても「誰でもいい」彼らは、「誰でもない」その日暮らしの生活も危うくなった時、自暴自爆的行動に出るのでしょうか。

自殺者が年間3万人を超えるということは、予備軍はもっとたくさんいるはずです。10年で30万人として一つの市が消える位の死者を私達の国は出しているのです。

「死ぬなら一人で死んでくれ、他人を巻き込むな」これが、秋葉の事件を見た人の普通の感想だと、聞いた事があります。人の心が病むときは多分その社会も病んでいるのです。

「護憲+BBS」「明日へのビタミン!ちょっといい映画・本・音楽」より
パンドラ
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シンポジウム「考えよう、若者の雇用と未来」(10/5)

2008-08-31 07:49:08 | 暮らし
市民社会フォーラムから以下のシンポジウムご案内がきましたので、ご紹介します。

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(転送転載歓迎)
□■市民社会フォーラム協力企画のご案内■□
シンポジウム「考えよう、若者の雇用と未来」

日 時  10月5日(日)開場18:00 開始18:30 ~終了21:00
会 場  千駄ヶ谷区民会館(集会場)
出 演  雨宮処凛さん(作家)
      樋口明彦さん(社会学者)
      城繁幸さん(経営コンサルタント)
      竹信三恵子さん(朝日新聞記者)
      梶屋大輔さん(グッドウィルユニオン委員長)
      他
参加費  カンパ制(任意)
主 催  氷河期世代ユニオン
協 力  市民社会フォーラム

年々深刻化する非正規雇用の増大と若者の貧困化。バブル崩壊以降、若者を取り巻く労働環境は著しく悪化し、景気や社会システムにも影響を及ぼしはじめています。しかし他方では、グローバル経済の進行による産業構造の変化と景気の変動により、企業が安定した雇用を維持できなくなりつつあるという側面もあります。このような状況の中で、私たちはどのように現実と向き合い、対処していけば良いのでしょうか?

各分野の専門家をお迎えして開催する今回のシンポジウムでは、そうした現在の日本が抱える雇用制度の問題点について議論し、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。たくさんの方のご参加をお待ちしております。

※お問い合わせはkojima.tetsuya@gmail.com(小島)まで。

◆千駄ヶ谷区民会館 アクセス
東京都渋谷区神宮前1-1-10
電話:03ー3402ー7854
交通:JR山手線 原宿駅(竹下口)より徒歩約6分
地下鉄千代田線 明治神宮前駅(2番出口)より徒歩約8分
地図URL http://map.yahoo.co.jp/pl?type=scroll&lat=35.67083278&lon=139.70986694&sc=5&mode=map&pointer=on

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「護憲+BBS」「イベントの紹介」より
笹井明子
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誰のための高速道深夜料金値下げ?

2008-08-30 13:13:01 | 自民党政治
政府与党は総合経済対策案の一つに高速道路の深夜料金の値下げを盛り込んだ。しかし、一般ドライバーで深夜に高速道を利用する人は何%いるのであろうか。深夜の高速道路は長距離運送トラックの専用道路と言っても過言ではない。
http://www.asahi.com/politics/update/0828/TKY200808280252.html

先日全日本トラック協会は、有力全国紙に「国民のみなさまへ、トラックからのお願い」とのキャッチフレーズで意見広告をだし、その日に合わせて永田町界隈でデモ行進を行い、その足で自民党本部の大ホールに結集し、トラック燃料高騰に伴う窮状を訴えた。
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080826STXKC019926082008.html

その際、政府自民党から谷垣国土交通大臣と二階経済産業相が壇上から挨拶する姿がニュースで流されていたが、早速「高速道深夜料金の値下げ」が今回の経済総合対策案に盛り込まれ、トラック業界の要望に応える形になった。トラック業界が野党の支援に回り、票をさらわれては困るとの思いからか、その決断の早さには驚かされる。改めて政府自民党の政官業の利権構造を見せられた思いである。

それにしても、政府は道路公団から民営化された各高速道路株式会社の商品価格(通行量)を独断で値下げし、その出費(損失)分を国民の税金から補填できるものであろうか。これは民間会社への統制であり、道路公団の民営化に反する行為ではなかろうか。これでは、例えばパンのメーカーに後で税金で補填するからパンを安く販売してくれと依頼するようなもので、統制経済ではないのか、との疑問も残る。

「護憲+BBS」「各種業界・団体の動向を観る」より
厚顔の美少年
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グルジア問題と日本政府の対応

2008-08-29 17:20:08 | 安全・外交
先日ロシア議会とメドベーチェフ大統領は、南オセチア自治州とアブハジア自治共和国のグルジアからの独立を承認した。これに対して欧米は一斉に反対しているが、日本政府はだんまり戦術で旗幟を鮮明にしていない。理由は、先の洞爺湖サミットの日露首脳会談でプーチン首相の年内訪日が約束され、今グルジア問題で欧米に与してはロシア首脳の感情を逆撫でするだけだとの判断であろう。しかしだんまり事なかれ外交では、北方領土返還交渉の糸口は掴めない。

今回の南オセチア問題でのロシアの独立承認を見た場合、是・非があり、日本は欧米に追随してロシアに全面反対すべきではない。是とすべきは、両自治州の多数の民意はグルジアからの独立であり、今回ロシアの独立承認はそれを尊重していることである。グルジアはその民意を弾圧するために先に南オセチアへ軍を派遣したところをロシアに弾圧排除の名目で反撃された形に成っており、ロシア側にグルジア侵攻の大義名分がある。

一方非とするところは、未だ独立宣言をしていないグルジア国内の南オセチアをロシアが先に独立承認することはグルジアの主権侵害であり、国際関係上は問題である。ロシアは独立承認を一度白紙還元して、グルジアからの完全撤退を条件に両自治州の独立の賛否を問う自治州民の投票をグルジアに保証させ、その投票結果にグルジアもロシアも従う方法が公正であろう。

その結果独立が選択されれば、ロシアが独立を承認しようが欧米諸国から何ら非難される筋合いは無いはずであり、日本政府はその方法を独自にロシア並びに欧米に提案し、北方領土返還交渉の糸口としていくべきではないだろうか。いつまでも欧米追随の外交をしていたのでは、北方領土返還交渉の糸口は掴めないことをもう悟るべきである。

ところで、今回ロシアのメドベーチェフ大統領が南オセチア自治州の独立の民意を尊重してグルジア攻撃の大義名分としたことは、見方を変えれば画期的なことである。何故ならロシア国内にはチェチェン、ダゲスタン共和国の民族独立問題を抱え、そこでも両国の民意を尊重していく覚悟を示したことになるからである。更に将来中国のチベット自治区、ウイグル自治区の独立の尺度の指針にも成り得るもので、この民族自決を尊重する思考は、第28代米国大統領ウッドロ・ウィルソンが理想とした考え方に類似しており、メドベーチェフ大統領の思考に密かに期待する次第である。

参照:ヨーロッパにおける民族自決 (1920年)(ウィキペディア)

「護憲+BBS」「各国の動きに注目する」より
厚顔の美少年
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伊藤和也さん殺害の悲報に接し

2008-08-29 11:12:40 | 戦争・平和
ペシャワール会スタッフの伊藤和也さんが、アフガニスタン・ジャララバードで拉致・殺害されたという悲報に接し、志ある若い命が絶たれたことに強い衝撃を受け、悲しみで胸がいっぱいです。ペシャワール会現地代表の中村哲さんによれば、伊藤さんは「現地の人たちに好かれ、住民に完全に溶け込んでいた」(8/28毎日新聞)とのこと。新聞に掲載されている彼のくったくない笑顔の写真からも、そのことは十分に見て取れます。

中村哲さんは、岩波の小冊子「憲法を変えて戦争に行こう」の中で、『「9条」というものを現地の人は実際には知りません。しかし、現実として「平和の国・日本」というイメージが浸透していたのは、意識・無意識の別なく、国の方針としての9条の精神、「交戦しない国・日本」が伝わっていたからだと思います。日本人であるから命拾いをした、助けてもらったというのも、9条のおかげだと思っています』と言っていました。

その一方で、『まだいまは、日本に憧れ、尊敬してきてくれた世代が社会の中堅にいますが、この次の世代からはもう、日本の見方が変わります。おそらくアメリカと同様に攻撃の対象になるのではないか、と思わざるをえません』とも言っています。

武力によるのではなく、現地の人たちとの善意の交流を基盤としてきた活動が、このような最悪の形で絶たれたことは、残念でなりません。外国からの全ての介入を敵対行動と見做し暴力で排除するという、犯人グループの独善的な排外主義に対しては、強い憤りと恐ろしさを感じます。

しかし、今回の事件に際しては、現地住民のほとんどが心を痛め、悲しみを共にしていると言います。そして中村さんは、「アフガンの問題について深く考え直さないといけない」(8/29東京新聞)としながらも、「彼の遺志を引き継ぎ、水資源の開発を続ける義務がある」(8/29毎日新聞)と活動継続の意志を語っています。

伊藤さんが影響を受けたといわれる「カレーズの会」理事長のカレッドさんによれば、悲報に接した27日に伊藤さんの実家に駆けつけると、母親の順子さんから、「息子は亡くなったけれど、日本の支援がなくならないように続けてください」「葬式の時は拍手で送り出してほしい」と言われたとのことです。(8/29東京新聞「こちら特報部」)

今回の事件は余りにも痛ましいものでした。しかし、このことでペシャワール会の人たちが実践しているような、丸腰での国際貢献の可能性が断ち切られたわけではないと信じたい。

伊藤和也さんのご逝去を悼み、心からのお悔やみを申し上げると共に、ご葬儀の際には、私も感謝を込めて心の中で大きな拍手を送りたいと思います。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
笹井明子
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「口べたなあなた~」(非戦を選ぶ演劇人の会)公演

2008-08-28 10:42:20 | 憲法
8月26日、非戦を選ぶ演劇人の会主催の「ピースリーディング『9条は守りたいのに口べたなあなたへ~』」を観てきました。そうそうたるキャストで脚本は永井愛さん。さすがプロと、その内容の面白さと役者の人達の言葉を堪能いたしました。

物語の始めに、主人公が通っているパッチワーク教室で公共の場の作品展示に「ハト」を図案化しようとしたら、「ハトは平和の象徴だから止めた方がいいんじゃないか」という話が出てみんなで考える、という場面がありました。

そう言えば以前私が入っている団体が公共の場を借りてオフ会を計画したとき、「平和」という文字は団体名から削除した方がいいのではないか?という意見が出ました。結局そのままでも何も問題はなかったのですが、ホントあの時と同じだなーとその場面を観て思いました。

「平和」という言葉がいまの日本では政治的な言葉と思われつつある‥それは私達の側の自粛も含めて。憲法を変えたい側は「世界の平和と国際貢献のためにー」なんて自由自在に使っているのに。何かこれおかしいですよね。

「口べたなあなた~」の舞台には、テレビなどにしょっちゅう出ているあの人もこの人も出ていました。その人達が「憲法を変えてはいけない」とか「日本には憲法第9条があったから平和が守れた」と言っていました。それを聞いて私も嬉しくなったのですが、中にはタレントが仕事でやっていること、と言う人もいます。

以前太田光が「憲法九条を世界遺産に」という本を中沢新一と共著で表した時、「たかがお笑い芸人が書いた本」とバカにした人がいました。私はお笑い芸人でも、役者でも、誰でもその人がその人の言葉で喋る事には耳を傾けたいと思います。

私もそうですが「護憲か?改憲?」と踏み絵を踏まされる様な時が来たら恐くて逃げ出してしまうかも知れません。けれど、今はまだ踏みとどまって憲法について語る時間と場所がある。だとしたら、せめて憲法について何も考える余裕もない人達にもどう伝えたらいいのか?「テレビに出ているあの人もこの人も憲法についてこの間舞台で喋っていたよー」とか、ミーハーな私はそんな所から始めるのがいいかしら?

「私達が普通の言葉で普通に憲法についておしゃべりする。」例えばそれは9条でなくても、子どもや孫が通っている保育園の保育環境だとか、お年寄りを介護している方の介護保険や介護環境に対する思いとか、フリーターやニート状態のお子さんを持つ親御さんの不安や嘆きだとか。それって実は憲法と深く関わりあっているのに見過ごされがちな事だと思うのです。

実に巧妙に「自己責任」化された中で皆が孤立し「こんな立場にいるのは自分だけ」と思い込まされている。テレビを観ればバライティー番組でお笑い芸人達が内輪の話で盛り上がり幸せそうに笑っている。みんな明るくて元気で悩みなんかなさそうに見える。そのように巧妙に思い込まされている。

でも、本当は今だから話せる、今の内に話さなければいけない大事なことがある。そんな時間と場所を狭めてはいけない、あのピースリーディングを観てその思いを強く感じました。

「護憲+BBS」「イベントの紹介」より
パンドラ
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日本における「信教の自由」と政教分離原則

2008-08-27 12:35:13 | 政治
今回のテーマに関しては、一法学徒として反省すべき問題が多かった。

最初に種本というかテキスト(参考文献)の紹介をすると、阿満(あま)利麻呂著「宗教は国家を超えられるか」という本で、そこに書かれていた日本の近代史:宗教史は、私にとって「目から鱗」が剥がれるような内容だった。

これまで信教の自由の裁判、特に「政教分離原則」に関連する判決、例えば津地鎮祭判決などに示された裁判所の判断においては、いずれも問題になった「神道に基づく儀礼や行事」を宗教ではないとしたが、その根拠は、「それらは(国民の)習俗にすぎないから」というものであった。

私自身「習俗なのか?」という疑問は出てきたが、同時に内心では「習俗なら宗教性は希薄だな」という心理も存在した。そういう信教の自由に関する前提に立って、上に紹介した著書を読んでいて驚いたことは、明治維新直後、徐々に国家神道を国民へ強制していく過程において、政府が依拠した論理が「国家神道はキリスト教などの宗教と異なり習俗にすぎない」というものだったということである。

阿満氏によれば、これは国家神道を広く国民に強制していく過程で仏教徒(特に浄土真宗の僧侶)から提出された建議書に「宗教は国家などに強制されることはない」という、信教の自由原則が存在したからなのである。また同時に、当時不平等条約を改正しようとしていた政府に対し、欧米諸国が求めてきたもののひとつに、日本における「信教の自由の確立」が存在したことも重要である。

そこで憲法の解釈本を出していた伊藤博文、実際には井上つよしが展開した論理は、宗教の外面と内面を分離することだったという。つまり、井上によれば(キリスト教などの)宗教活動の積極的な展開は制限されるとしても、信教の自由は内面ではどこまでも自由なのであるという、根拠のない宗教哲学だった。

それにしても、日本において明治以後も隠れキリシタンに対し江戸時代とほとんど変わらぬ弾圧政策を政府などが行っていたことを考えると、井上などの論理がいかに奇妙なものだったかが分かる。上記の著書によれば、隠れキリシタンの信徒100人くらいを狭い小屋に押し込め、子供などは地に足もつかぬ状態で、不衛生のあまり多くの信徒が亡くなったという。これではナチスのユダヤ人収容所よりも酷いというべきであろう。

こうして、内外からの批判をかわすために依拠した論理が、「国家神道は宗教ではなく習俗なのである」というものだった。こうした、戦後は日本国憲法の制定によって使用禁止されたはずの「国家神道は習俗にすぎない」という詭弁(阿満氏の表現)が、日本の信教の自由に関する判例で、いま堂々と復活していることがはじめて分かる。

それは法学者による徹底した批判も免れている、なんという怠惰だ、と阿満氏は言う。(もちろん、法学者の違った形での批判はたくさんあるが、直接的な批判や歴史を貫通した根底的な批判はなかったという意味であろう。(注:名無しの探偵))

上の著書を読み、私は信教の自由と政教分離原則は「歴史的な問い」無くしては解決不可能な問題を抱えていると思った。特に日本の憲法解釈においては、戦前の日本国家の性格と、ヨーロッパのそれとを比較的に鳥瞰する作業も重要である。

晩年にはナチスの理論家と言われたカール・シュミットが指摘するように、近代国家は国民に宗教などを強制しない「中性国家」であるところに特色があり、それが近代以前の国家と異なる、近代国家の性格なのだということである。

国家や政治家による神道への参加活動を、「習俗だから許される」という判例が未だに多数存在する戦後の日本が、果たして「近代国家」と言えるのだろうか。きわめて疑問である。

「護憲+コラム」より
名無しの探偵
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「シリーズBC級戦犯(2)“罪”に向き合う時」

2008-08-25 10:19:47 | 戦争・平和
NHK・ETV特集「シリーズBC級戦犯(2)“罪”に向き合う時」を見ました。

登場してくださった方々は、よく話してくださったと思います。飯田さんの「見たくなくても両目を開けて見なければ正しく伝えられない」としっかりと話された言葉が胸にずしんと来ました。どんなに戦争が人間にとっての不幸か。なのにどうして戦争をするんだろう。最高の責任者は、天皇は???天皇にとっての太平洋戦争ってなんだったのか。そう思います。

10年前、私は太平洋戦争も東京裁判も戦犯もほとんど知りませんでした。知ろうともせず、ただ平和の中にいました。となりで教えてくれたり、問いかけてくれる人がいなければ、きっとあまりよく分からないままだったと、今思っています。そして、この時代の歴史を知ることで、今の政治家の発言がよくわかったり、政治の動き方が以前より理解できたりしています。護憲の方達の戦争の話も全てがよく分かるわけではありませんが、昔よりは頭に入っていると思います。

「大事なのは今、昔のことはよく分からないけど、平和だったらそれでよい。」10年前はそう思っていました。でも、それは間違いで、平和だったらよいのだけれど、平和を守ったり作ったりしていくのは、国家がやってくれるんじゃなくて、自分たちの役目なんだと気がつきました。そういう人は私だけ?

だから、一部の人だけが見てわかる内容ではなかったか?もっと多くの若い人たちが見ることができる時間帯にこのような番組を放送するのは無理なのか?NHKの総合テレビで7時とか8時くらいからやっても良かったのでは?大河ドラマでもこれから太平洋戦争をテーマにしたドラマが一年間見ることができるような日がやってくるんだろうか?いま、いろいろと考えが浮かんできます。

「記憶の歴史化がはじまっている」ということを、アルジェリア戦争のことやフランスの植民地政策のことで歴史家が話していたのを以前書きましたけれど、日本でも戦争経験者が高齢になって積極的に伝え始めたことにより、記憶の歴史化が起きているなら、その子や孫の世代が、「自分たちはどういう存在なんだ」と言うことを確かめたり、「自分の国ってなんなんだ」という認識を得るために、8月だけでなく、これからもっとこのような番組はふえるのでしょうか。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
桃李
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「どうする自衛隊派遣」(毎日新聞8/19~8/23)

2008-08-24 11:59:10 | 安全・外交
毎日新聞が8月19日から5回にわたって、自衛隊の海外派遣に関する『議論の現状と構図』について、判り易い特集記事を掲載していました。その論旨とURLをご紹介すると共に、それを「護憲」の立場としてどう読み解くかについて、考えて見ました。

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〔どうする自衛隊派遣〕(毎日新聞記事)

①「給油延長」-不毛な蒸し返し続く-
国民の「米国にタダで渡す石油があるなら、国内に回すべき」との批判にこたえた「シーレーンの確保」という位置づけの新法案の主張が、麻生幹事長らから再浮上しているが、これは済んだ議論の蒸し返し。防衛省も難色を示している。また与党内では、解散・総選挙をにらみ、来年の通常国会まで先送りの案もささやかれている。

一方、洞爺湖サミットで国際貢献をアピールしたい外務省は、アフガン派遣検討を盛んに宣伝し、メディアもその可能性を報道し続けたが、サミットが終わると議論は一気に終息。国際社会向けのアリバイ作りだったようだ。

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20080819ddm005010070000c.html

②「恒久法」-制定 政局で消える-
恒久法制定は、民主党小沢代表の自民党幹事長時代からの考えでもあり、昨年秋、自民・民主大連立騒動が成就していれば、実現する可能性があったが、大連立構想撤回以降、小沢代表は政策を転換。政局打開のきっかけにしようとした恒久法は、政局の転変で実現が遠ざかった。

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20080820ddm005010006000c.html

③「憲法解釈」-首相交代で逆回転-
安倍前首相の私的懇談会「安全保障の法的基盤整備の再構築に関する懇談会」が6月に提出した報告書は、安倍氏の意向どおり集団的自衛権の行使を容認するものであったが、集団的自衛権の行使容認に慎重な福田首相の反応は素っ気なく、議論は事実上「お蔵入り」となった。

しかし一方、麻生幹事長は「首相になれば報告書を尊重する」と明言しており、麻生氏の台頭で報告書が「蔵出し」される可能性はくすぶっている。

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20080821ddm005010163000c.html

④「9条改定」-「3分の2」過信、後退-
2005年の「郵政選挙」で与党が衆院の3分の2を超えた勢いで、自民党は9条2項の改正に踏み込んだ「新憲法草案」を公表。しかし、安倍前首相による「改憲を参院選の争点にする」との明言と、「3分の2」を使った法案再議決の乱発に野党が反発。改憲の気運は遠ざかった。

本来2010年の「国民投票法」までの3年間は国民的議論を深める期間だが、来る総選挙を前に、各党は「票にならない」と改憲議論に頬かむりしている。次期衆院選で「3分の2体制」が消滅した場合、自衛隊派遣の議論は、どのような局面をむかえるのだろうか。

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20080822ddm005010113000c.html

⑤「石破前防衛相に聞く」-国民の信頼不可欠-
『安倍前首相時代、憲法議論は一部の人たちの思い入れで走ってしまった。新内閣では、国民が安心を抱くまで、医療や年金で信頼回復に努めるしかないが、その間、安全保障の議論を休ませるのではなく、地道な準備と体制の立て直しをし、何年かに一度、必ず巡ってくるチャンスを逃さないように常に備えなければいけない。』(石破氏談)

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20080823ddm005010149000c.html

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感想:
● 政府自民党は、“国際社会”からの「一国平和主義」との批判に怯え、旧態然として、アメリカの言いなりの“国際貢献”実現のために四苦八苦している。しかし、アメリカ(ブッシュ政権)による軍事政策の行き詰まりが“国際社会”の中で明らかになっている今、別な形での国際貢献を創造することが大事なのではないか。

● 自民党内部でも、安全・外交政策について、福田路線と麻生路線の間には、大きな隔たりがある。麻生氏のそれは安倍路線を引き継ぐものであり、マスコミが作り出している浅薄な「人気」には要注意である。

● 小沢民主党も、「国際貢献」の考え方の基本は自民党と大きな隔たりは無く、「政権交代」が実現した場合にも、安全・外交について、そのまま一任するわけにはいかない。「政権交代」が今までと違った「国際貢献」作りのための議論のきっかけとなるようウォッチし、働きかけていきたい。

● 改憲派は、「必ず巡ってくるチャンスに備える」としている。私たちも「必ず巡ってくるその日」に備えて、地道な準備と体制作りが必要だ。

「護憲+BBS」「新聞記事などの紹介」より
笹井明子
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各国の動きに注目する

2008-08-24 07:21:35 | 政治
先日パキスタンではムシャラフ大統領が辞任したが、政府の対応は全く見えない。日本は新テロ特措法に基づきインド洋上でパキスタンの戦艦にも給油しているはずである。

一方、ムシャラフ大統領が辞任して一番打撃を受けたのは、米国のブッシュ政権の対テロ戦争のはずである。既にムシャラフ辞任でブッシュ政権のテロとの戦いは失敗同然、次の作戦は立てられないはずである。

日本政府は次期大統領下ではベトナム同様勇気ある撤退を進言したらどうであろうか、それが平和外交でもある。

「護憲+BBS」「各国の動きに注目する」より
厚顔の美少年
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