今年も8月15日の終戦記念日を控えいろいろなTV番組が予定されているようです。NHKは以前放送された「シリーズ証言記録・兵士たちの戦争」を8月1よりBSハイビジョンで再放送するようです。以前にその一部を見て「これぞ生き証人による戦争体験証言」だと思いました。
http://www.nhk.or.jp/bs/heishi/#housouyotei
かつて大日本帝国が仕掛けた日中・東南アジア・太平洋戦争は海外での出来事であったため、未だに実態が分からない部分もあれば、逆に国民に知らされていない部分もあり、それを知る上でも貴重なドキュメンタリー番組ではないかと思います。
戦争の最前線では次第に日米の国力の差による軍備の優劣が歴然となり、日本軍は制空権、制海権を握られ、補給路は断たれ、陸上でもジャングルの中に次第に追いつめられ、飢えと病に倒れ、死屍累々の最中にも、大本営は「日本軍は敵を殲滅せり」との偽報で国民を欺き、終戦後未だに何万人もの遺骨が収集されていないと言われます。
このドキュメンタリーシリーズはまさにこれらの悲惨な戦場でかろうじて生き残った兵士たちの生の証言と言えましょう。そして自分の年齢から推して、後世にその事実を伝え「二度と同じ過ちは繰り返すな」と訴えるには最後のチャンスと思われての勇気ある証言ではないでしょうか。
先の日中・東南アジア・太平洋戦争は、当時の日本国民の経済的な活路を見出すためとはいえ、なぜ他国を侵略してまでこのような無謀な戦争に踏み出したのか、当時国際的に米英等に孤立させられ、外交努力も拒否されたので戦争に突っ走ったとの理由では済まされないでしょう。その判断の過ちは他国にも多大な被害を与え、双方の死傷者数やその後の本土爆撃・広島・長崎への原爆投下での犠牲者を観れば明らかです。そしてその後遺症は未だに完全に癒されておりません。
その過ちの根本は明治憲法下での天皇主権と、天皇による軍の統帥権と国家神道が結びついた国家体制にあることは疑う余地がありません。そして昭和になって軍部が完全に政府を支配した時から全体主義体制が強まり、その流れに異議を唱える者は治安維持法で検挙弾圧されました。その弾圧に抗すべきメディアまでもが次第に迎合し、ファシズムの片棒を担ぎ、泥沼にはまり込むように国家総動員態勢が着々と築かれ、他国を侵略してでも国民経済の打開を計るという誤った侵略戦争が次第に正当化されました。そして結果は完膚無きまでに叩かれた敗戦であり、戦争開始前より悲惨な結果を国民に招いたばかりか、他国にも甚大な被害与え犠牲者を生じさせたというべきでしょう。
当時大多数の国民が何の疑問も抱かず戦争を礼賛し、無謀な戦争に駆り立てられ、これらの兵士を赤紙一枚で平気で戦地に送り出した背景は何だったのか。そのことを再度直視し、二度と同じ過ちを繰り返さないように戦争放棄・国民主権・基本的人権が盛られた新憲法が制定された意義を問うことこそが、兵士たちの証言に報い、全ての戦争犠牲者への慰霊となるのではないでしょうか。
話題の映画「靖国」を見て見逃せないと思ったのは、一方では憲法9条を改正し集団的自衛権という耳障りの良い文言でカムフラージュして、他国との交戦権をもつことがA・B・C戦犯への慰霊であるかのような発想で、8月15日に靖国神社参拝する政治家がいることです。
何れにしろ今回のNHKの「シリーズ証言記録・兵士たちの戦争」の再放送はBSハイビジョンで視聴者が限定されているのが残念ですが、タイミングを得た企画だと思います。
「護憲+BBS」「戦争体験者の証言」より
厚顔の美少年
http://www.nhk.or.jp/bs/heishi/#housouyotei
かつて大日本帝国が仕掛けた日中・東南アジア・太平洋戦争は海外での出来事であったため、未だに実態が分からない部分もあれば、逆に国民に知らされていない部分もあり、それを知る上でも貴重なドキュメンタリー番組ではないかと思います。
戦争の最前線では次第に日米の国力の差による軍備の優劣が歴然となり、日本軍は制空権、制海権を握られ、補給路は断たれ、陸上でもジャングルの中に次第に追いつめられ、飢えと病に倒れ、死屍累々の最中にも、大本営は「日本軍は敵を殲滅せり」との偽報で国民を欺き、終戦後未だに何万人もの遺骨が収集されていないと言われます。
このドキュメンタリーシリーズはまさにこれらの悲惨な戦場でかろうじて生き残った兵士たちの生の証言と言えましょう。そして自分の年齢から推して、後世にその事実を伝え「二度と同じ過ちは繰り返すな」と訴えるには最後のチャンスと思われての勇気ある証言ではないでしょうか。
先の日中・東南アジア・太平洋戦争は、当時の日本国民の経済的な活路を見出すためとはいえ、なぜ他国を侵略してまでこのような無謀な戦争に踏み出したのか、当時国際的に米英等に孤立させられ、外交努力も拒否されたので戦争に突っ走ったとの理由では済まされないでしょう。その判断の過ちは他国にも多大な被害を与え、双方の死傷者数やその後の本土爆撃・広島・長崎への原爆投下での犠牲者を観れば明らかです。そしてその後遺症は未だに完全に癒されておりません。
その過ちの根本は明治憲法下での天皇主権と、天皇による軍の統帥権と国家神道が結びついた国家体制にあることは疑う余地がありません。そして昭和になって軍部が完全に政府を支配した時から全体主義体制が強まり、その流れに異議を唱える者は治安維持法で検挙弾圧されました。その弾圧に抗すべきメディアまでもが次第に迎合し、ファシズムの片棒を担ぎ、泥沼にはまり込むように国家総動員態勢が着々と築かれ、他国を侵略してでも国民経済の打開を計るという誤った侵略戦争が次第に正当化されました。そして結果は完膚無きまでに叩かれた敗戦であり、戦争開始前より悲惨な結果を国民に招いたばかりか、他国にも甚大な被害与え犠牲者を生じさせたというべきでしょう。
当時大多数の国民が何の疑問も抱かず戦争を礼賛し、無謀な戦争に駆り立てられ、これらの兵士を赤紙一枚で平気で戦地に送り出した背景は何だったのか。そのことを再度直視し、二度と同じ過ちを繰り返さないように戦争放棄・国民主権・基本的人権が盛られた新憲法が制定された意義を問うことこそが、兵士たちの証言に報い、全ての戦争犠牲者への慰霊となるのではないでしょうか。
話題の映画「靖国」を見て見逃せないと思ったのは、一方では憲法9条を改正し集団的自衛権という耳障りの良い文言でカムフラージュして、他国との交戦権をもつことがA・B・C戦犯への慰霊であるかのような発想で、8月15日に靖国神社参拝する政治家がいることです。
何れにしろ今回のNHKの「シリーズ証言記録・兵士たちの戦争」の再放送はBSハイビジョンで視聴者が限定されているのが残念ですが、タイミングを得た企画だと思います。
「護憲+BBS」「戦争体験者の証言」より
厚顔の美少年