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偏愛と放浪の記録

「息つく暇もないほど面白い『源氏物語』」(著:由良 弥生)

2014-04-13 18:20:25 | 【書物】1点集中型
 「源氏物語」は、ストーリー自体もちゃんと知らなかったので過去、参考までに「あさきゆめみし」を一度読んでみたはいいが、作品の質はおいといてやっぱり自分の好きな系統ではないな~と思った経験がある。
 でもこの本はいただきもの。単純に、これだけ長い間読み継がれる物語であるから、「この本の著者は物語をこんなふうに見ている」という主張が見えてくること自体はおもしろいんじゃないかなと思って読んでみたのだった。自分で買ったり借りたりしたいと思うタイプの本では絶対にないので(笑)逆にありがたかった。タイトルが大袈裟だけど(笑)。

 全部ではないが、登場する姫君たちの視点で見る源氏物語ということになっている。こうやって見ると、六条の御息所にはなんとなく共感を覚えなくもないし、また朧月夜(六の君)にも別の共感を覚えなくもない。あと、末摘花よりも命婦の行動がいちいちおかしかったりとか(笑)。
 あと、紫の上がこの本ではかなり哀しい存在になっていた。私の知ってる源氏物語は「あさきゆめみし」だけだが(笑)その1作品と並べただけでも、表現のされ方の違いをかなり感じた。研究者、もしくは表現者の意図によって読み解き方も描き方もかなり変わって来ることがこれだけわかりやすいと、いろいろな人の読み方を比べてみたくなってくるかも。源氏物語に限らず。


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