ランシモ

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芝増上寺で断捨離

2014-04-30 20:10:56 | うんちく・小ネタ

東京の芝増上寺で「向源」という催し物があった。

2014430z2

増上寺は徳川代々の墓所。
広大だった敷地には、今ではプリンスホテルなどが建てられて、徳川の墓域は狭い。そこに人数にして6代ぐらいの将軍が眠っている。もっとも,初代の家康や家光は日光に、上野寛永寺には綱吉以下6人が眠っている。

今回の「向源」は写仏、人形供養、ウルトラ木魚、神と脳科学、deep増上寺、死への体験旅行などetc、面白い講話などもあった。

さてさて初体験のメディテーションは、、、、。
本堂の地下に大きな400人ぐらい入る講堂があって、そこにテーブルがポツンポツンと置かれて40人分の椅子があった。

静かで緩やかなお坊さんのお話の後、名刺ほどの大きさの4色の紙が配られてきた。
各色5枚づつ計20枚。

その紙に、あなたの大事な物、自然、行動、人を各5つ書いてください、、、。

白い紙には大事な物(手でさわれる)を5つ書く。私は1つは空白のままだった。
緑の紙には大事な自然を書く。自然が大事とは感じていなかったが、取り合えず5つ書いた。例えば里山、都市の街角、山、新緑、海などです。
青い紙には大事な行動を書く。これも難しかったが、仕事(社会との繋がり)、ランニング、ボランティア、、、etcと書けた。
黄色い紙には人や飼っているペットを書く。私はとりあえず5人名前で書いた。

その後、講堂が暗くなって語り部がひとつの物語を話しだした。

ある人が、2月頃から病ではないかと思うようになった話です。
3月になると、いっそう体の具合が悪くなり、4月に入ってから不安をおぼえて、病院へ行き検査を受けてきた。
4月も終わりになっても検査結果がなかなか出なくて、待つ間にも心細くなっていく。
5月に入りようやく医師からもう一度精密検査を勧めらた。
、、、、、
、、、、、

初夏になって、精密検査の結果を待つ間も病状が悪化していることを、ひしひし感じた。

ついに病院から連絡があった。検査結果をお知らせするので、家族そろってきてくださいとのこと。

、、、、、

、、、、、

あわただしい入院と手術だったが、なかなか体は」回復してこない。

11月になると、日ごとに体力が無くなり、今まで来ていた友人のお見舞いも、ぱったり少なくなった。
、、、、、
、、、、、
年の暮れには、寝ている時間が長くなってきて、意識が遠くなり、自分では生きているのか死んでいるのか判然としない。
年明けから、遠い親戚がそろってお見舞いにくるようになった。めったに顔を合わす人達じゃない、、、。

「早く良くなって元気になってね」と言葉をかけてくれるが、哀れみの表情がうかがい知れる。
、、、、、
、、、、、
こんな感じで語り部は話していきます。話すたびに時々書いた紙を一枚捨ててください。2枚捨てて下さいと、大事な物と書いた紙を捨てさせていきます。

私は残りの5枚になったとき、白い紙1枚、緑の紙1枚、青い紙1枚、黄色い紙2枚が残った。

白い紙には「家」が、緑の紙には「新緑」、青い紙には「仕事」、黄色い紙には「妻の名前」「母」が書いてあった。

それから、さらに捨てていくと最後に残ったのは「妻」の名前。

お坊さんの話で面白かったのは、父親で娘がいる人は、まれに最後に残ったのが「娘」だったりする。だけど娘さんが最後に残すのは、絶対に「父」ではないということ。悲しいかな父親は~~~わかっているのだろう~~~。普通は黄色い紙の人名が残って、白い紙や緑、青の紙は残らないそうです。まれに物が書かれた白い紙がのこるのは、物そのものが大事なのではなく、物にまつわる思い出が大事だったりします。

夫婦でも、夫の名前が残らない妻は多い。
終わってから近くの人達と振りかえりをしましたが、周りの女性全員が最後まで残したのは夫ではなかった。ペットの犬であったり、、、自然の、良くわからないのだが太陽であったりした。私には犬はわかります。捨犬を拾ってきて育ててなついたので、もう一度捨てるわけにはいかない、夫は捨てても逞しく生きていくだろうからと、女性は涙ぐみながら言っていた。「ごめんなさい、ごめんなさい」と心の中でつぶやき、夫の名を書いた紙を捨てたそうです。まさか、わんこと夫を比べることになるとは思わなかったと言っていたーーー。

そして、すべてが終わったあと、もう一度同じように大事なものを書きだします。もういちど大事なものを拾いなおします。ほっとした人が多かったようですが、私自身はあんぜんとしたまま。

最初と同じものを書く人もいれば、変わる人もいる。私の場合と言えば、、、大事なものが激減していた。すごく大事なもの、、、書こうにも、たった5つしか書けなかったからです。

面白いメディテーションでした。価値観や大事な物の優先順位を考えさせられた一日でした。

2014430zこの「死への体験旅行」で最後に手放した大事なものを、再び自分の中に取り込む作業がありました。多くの方は捨てたものに対して「ごめんね」と言いつつ取り戻していったが、私の心情はそれを拒否していた。大事なものと思っていたが、取り戻したのはたった5つだけ、たぶん断舎利なのだろう。

ランニングも野山を駆け巡ることも、野良仕事も、今まで撮った写真も、私にとってすべて無に帰しても良いということなのでしょう~~~。極論ですがね、、、。

メディテーションは冥想だから、「死への体験旅行」は考える事、だから違うものかも。

向源
http://kohgen.org/

コメント (4)    この記事についてブログを書く
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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
面白いですね。私も雑念だらけで心の中散らかって... (りえどん)
2014-05-01 12:39:31
面白いですね。私も雑念だらけで心の中散らかってます。
こういうイベントもあるのですね~。
返信する
りえどんさん (shimo)
2014-05-01 15:18:38
りえどんさん
渋ーい催し物でしょー。
たまには深く考えさせられるのもいいです。
何か気づく事があったら悩みが少なくなります。
他人の反応が面白かった!
返信する
昨年の4月、予定どおり子供、孫とともに生きるた... (南九州人)
2014-05-05 23:00:08
昨年の4月、予定どおり子供、孫とともに生きるために上京しましたが、私が最後に残すのは子供、孫ではなく妻だと上京してわかりました。
返信する
南九州人さま (shimo)
2014-05-06 08:29:12
南九州人さま
気が付きましたかーーー
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