コンビニでビールや缶チューハイを買うと、レジでお金を払う時、必ず「こちらをお願いします」と言われる。そこにはタッチパネルがあって「20歳以上ですか?」という文字の下に「はい」という文字がある。言われるままに「はい」を押すのだけれど、僕は前々から何のためにこういうことをするのだろうと不思議で仕方なかった。つまり年齢確認なんだけど、20歳以上かそうでないかは見ればわかるでしょ。未成年らしき人が酒を買った時のみに「20歳以上ですか?」と聞けばいいだけで、わざわざタッチパネルを置き、すべての客にそれを押させるというのはどうかと思うのです。
実際、近くのスーパーではカゴの中に酒が入っていても、レジにそんなパネルはないし、レジのおばさんが僕に「20歳以上ですか?」と聞くことも、もちろんない(笑)。もし聞かれたら僕はおばさんに「何歳に見えますかいね?」と言いながらギャハハ~と笑いそうです。
そういえば、あのコンビニのパネルに「20歳以上ですか。はい」と表示されたとき、僕がそれを押さずに真面目な口調で「いいえ」と言ったらどうなるのか。そして「実は…明日20歳の誕生日を迎えるんですけど、それじゃダメですか?」といたずら心で言ってみたいなぁ、と思っていましたが、レジの人が冗談と受け取ってくれたらいいけど「この人、認知症?」と思われる恐れがあるので、それを言う勇気はありません(笑)。
という話なんですが、実は7月1日の日曜日にこんな「事件」が起きたことを、テレビの情報番組で知りました。その事件と言うのは…
兵庫県宝塚市でのこと。46歳の男が、いつものコンビニでいつものように缶チューハイを買ってレジに持って行った。レジの女の子が例によって年齢確認パネルを押してくださいと言うと、男はそれで激高し、「この店で何度も酒を買っているのに、なんでそのたびに押さなあかんねん!」と叫び、タッチパネルを思い切り殴って壊してしまった。それで男は器物損壊の容疑で現行犯逮捕されたそうです。タッチパネルは50万円ほどするということです。
そういう事件で、器物損壊はもちろんダメだけど、この男の気持ちは、わからなくもありません。
未成年者飲酒禁止法という法律があり、「酒類の販売者は購入者が成人かどうかの確認をしなければならない」という一文があるようです。しかし、確認方法については明確な規定がありません。これは昔からある法律なので、タッチパネルなんて想定はしていない。つまり、店の人が見た感じで未成年のようであれば確認をしなさい、という規定なんですよね。
だから、常連客やお年寄りにまで確認する必要はありません。しかし、店側としてみれば、客によって聞いたり聞かなかったりすると客の方から文句が出る。なんであいつに聞いていないのに俺には聞くんだ、という具合にね。
そんなことが面倒なので、どこのコンビニでも一律にタッチパネルを押させる、というシステムを採り入れたものと思います。
でもスーパーや昔ながらの酒屋さんではそんなタッチパネルなど見たことありません。その場合は口頭で聞くのでしょうか? いえ、聞きませんよね。
聞いたら客の方が笑いますわ。
「何を言うてるのん? 俺が未成年に見えるかっちゅうねん」
ま、そんなことで、コンビニでの「タッチパネル損壊事件」のニュースを聞いて日ごろから思っていたことを書いてみました。
最後に、先日妻と「ココス」でランチをした時のことを。
お水を運んで来たウエイトレスさんにまずビールを注文したら、「お車は?」と聞かれ、「いえ、車ではありません」と答えました。そしてしばらくして、ビールが来て、それと同時にテーブルの隅に伝票が置かれたので見てみると、そこに
運転
なし
年齢
OK
と書かれていたので思わず笑ってしまいました。「運転→なし」はまぁわかりますが、「年齢→OK」というのがオモシロかったです。別に聞かれたわけではありませんが、ひと目見たらわかりますものね。
その「見ればわかる」というのが普通だと思うんですよね。
コンビニのタッチパネルも、いらないと思うんですけど…