2年前の6月。初めて東野圭吾の本を読み、すっかり魅了された。きっかけは、当時、テレビで「東野圭吾3週連続スペシャルドラマ」というのが放映されたことだった。どれもストーリーが面白かった。それまでミステリーといえば、いまだに松本清張やアガサ・クリスティーなどを読み、東野圭吾は名前を知っている程度だったのだけれど、面白そうなので本のほうもぜひ読まなければ…と思った。そして最初に読んだのが「容疑者Xの献身」だった。これがまた期待していた以上に読み応えがあり、ハラハラしながら一気に読んだ。著者はこの作品で直木賞を受賞したとのことだった。
その頃僕は2ヵ月間完全禁酒をしている時だったので、その分多くの本が読めた。酒をやめると確実に読書量が増える。酒を飲まない作家の浅田次郎さんは、「酒飲んで時間を無駄に過ごす人間の気が知れない。私はそんな時間があれば本を読む」とエッセイの中で書かれていたが、まあ、そのとおりかも知れません。
で、東野作品はその後「トキオ」「レイクサイド」「白夜行」「秘密」と続けて読んだ。この中では特に「白夜行」が素晴らしかった。後にテレビで放映された映画を見たが、こちらのほうは堀北真希が主演だったけれどイマイチの出来に感じた。一つひとつのシーンが無意味に長すぎるのである。以前に同じ役を綾瀬はるかが演じたテレビドラマのほうが「はるか」にインパクトは強かった。
そのようなことを当時のブログに書いたところ、見知らぬ方からコメントがあり、「『手紙』も映画化されていますが、これもとても考えさせられる良い作品です。他の東野ミステリとは毛色の違うヒューマンな人間ドラマですが、印象に残る言葉がたくさんあり一読の価値ありです」と教えていただき、さっそくそれも読んで感銘を受け、東野圭吾のジャンルの広さに改めて感心したものでした。
また、最近は「麒麟の翼」というのを図書館で借りて読みましたが、これも夢中で読み進めましたね。
さて、冒頭に戻りますが、「容疑者Xの献身」を読んだあと、妻に「面白かった~」と伝えたら、「この間、その映画を見たよ、テレビで…」と言ったので、「え~っ、映画、やってたん?」と僕は地団太を踏んで悔しがった。妻は好きなドラマや映画をモミィが寝てから見るのを楽しみにしている。いつぞやその映画が放映されたので見たというのだ。本のストーリーがまだ生々しく僕の頭の中を駆け巡っている時に、それがどういうふうに映画化されたのかをぜひ見たかった。居ても立ってもいられなくなり、僕は駅前の「ツタヤ」へ走ってそのDVDを探し出し、借りてきて見た。その映画のほうも、期待にたがわずとてもよかった。
ところで、なぜ今日この話題を出したかというと、実は明日、7月6日の土曜日の夜、フジ系列のテレビでその映画「容疑者Xの献身」が放映されるのです。まだ見ておられない方にはぜひ見ていただきたいと思い、どうしても今日、この一文をアップしたかったのです。
差し支えない範囲でストーリーを紹介しますと…
主人公の天才数学者にはひそか心を寄せる女性がいたが、その女性は、元夫から執拗につきまとわれていた。ある時、その女性は娘と2人であまりにしつこくやって来る元夫を殺害してしまう。偶然それを知った数学者は、自首しようとする女性と娘を思いとどまらせ、自分の言うとおり行動するように指示する。何とか彼女たちの罪を逃れさせたいと思ったのだ。そうすることによって、彼は女性への恋心を満たしたい…と考えたのだろう。そして女性と娘のアリバイ工作をし、得意の緻密な数学的思考力で、完全犯罪が成し遂げられようとする…。原作は数学者の側から描かれているので、つい彼の作戦が成功しますようにと応援したくなるのだが、そこへ福山雅治演じる探偵ガリレオが現れるのだ…
…あとは見てのお楽しみでございます。
前述のように、数年前にもテレビで放映された映画ですが、何度見ても楽しめると思いますし、ドキドキハラハラすること間違いなしです。ちなみに、僕はフジテレビの回し者ではありません(笑)。
では皆さん、明日6日の夜9時からですよ、9時。 お忘れなく~