今年もすでに半分が過ぎた。早いなぁ。近ごろ益々そう感じるようになった。
年齢を重ねるとともに時の流れを早く感じるのは僕だけのことではなく、大抵の人が持つ感想だろう。石原慎太郎の著書の中に、こんなことが書かれていた。
言うまでもなく、時間の流れは1日24時間、全ての人に平等に流れている。なのに若い頃に比べると、最近は年月が流れがあまりにも早いような気がする。それはなぜか…? 石原慎太郎いわく、時間を川の流れに例えると、その川岸を歩く人間のスピードが、年齢の若い人ほど速く、川の流れ(つまり時間の流れ)を遅く感じる。逆に、年を取ると歩くスピードが遅くなりがちであり、そうなれば相対的に川の流れが速くなるので、時間が早く経つように感じてくる…ということだそうである。
なんだか、わかったような…わからないような…話だけれど、比喩としてはなかなか面白いものだなぁ、とは思った。
ところで一昨日、初めての方からコメントをいただいた。最近よく初めての方からコメントをいただくのだけれど、「耳鳴り」で検索をしてこのブログに行き着いた、というケースが多く、今回の方もそう書いておられた。
僕はブログに関する検索は今はほとんどやらないので、「耳鳴り」から自分のブログが出てくるというのもピンと来ないのだけれど、多くの方から「耳鳴りつながり」でコメントをいただくのは、やはりそれだけ耳鳴りでお悩みの方が大勢おられるということなのだろう。しかも「たかが耳鳴り、命に別状はない」という意識が、医師をはじめ医療関係者の間にあるようで、そのせいか研究も進まず、決定的な治療法も薬もないまま、ほぼ放置されてきた…というのが実情で、そうなると、もう頼れるのはネットしかないのだ。
僕も最初は耳鳴りで気がおかしくなるのではないかと恐怖を覚え、必死にネットで耳鳴り情報を集めた。おかげで共通の悩みを持つ何人かの方々と知り合い、何とか心の安定を得ることができた。ネットで同じ症状に悩む人から、少しでも改善できるような情報があれば…と「耳鳴り検索」する方々の気持ちは、痛いほどよくわかるのである。
そういうようなことで、僕も耳鳴りが発症してから6年になろうとしている。ついこの間のような気がするのに、6年ですよ、6年! なんとまあ、早いこと早いこと。もうそんなに経ったのかと不思議な気持になる。
6年というのは一体どれくらいの歳月なのかを考えると…。たとえば僕が20歳の時は大学3年で、自転車の一人旅などをして、子どもから大人への脱皮をはかるような青春の時を刻み込んでいたのだが、その6年後、26歳の時には、3歳の長男と2歳の次男がおり、毎日子どもたちに見送られて出勤するパパになっていた。6年というのはそれほど激しい変化に満ちた歳月なのである。あの頃は、1年1年がどれほど長かっただろうか。
それが、今ではあっという間に月日が経つ。ちなみに6年前、僕の耳鳴りが発症した日…2007年9月26日は、これまで何度か書いたけれど、自民党の福田康夫が総理に就任した日だった。それから6年の間に、福田を始めとして、麻生、鳩山、菅、野田と毎年1人ずつ計5人の総理が就退任を繰り返した。でも僕の耳鳴りはいっこうに退任してくれず、いよいよ「長期独裁政権」に入ってきたのである。僕はこれまで何度も耳鳴りに退陣要求を突きつけているし、また先日は耳鳴りに対して“問責決議”も敢行したのだけれど、耳鳴りは安倍総理と同様に知らんぷり…である。トホホ…と言うほかない。
その耳鳴りが、今年、またきつくなってきた気がするのである。でもまあ、きつくなろうがどうなろうが、これに耐えていかなければ生きていけないというのが残念ながら動かせない現実である。その耐えることを「慣れる」と表現するのなら、僕は耳鳴りに「慣れた」と言えるだろう。じゃぁそれなら、耳鳴りのおかげで精神力が強くなったのか…と自分自身に問いかけてみると、どう考えてもそうはなってはいない。体調の悪い時など、追い討ちをかけるように耳鳴りが頭の中で鳴り響くと、何の因果でこういうことになったのかと…情けないほど弱気になり、ウジウジと塞ぎこんでしまうのである。
マラソン大会出場をめざして日々ランニングをしている…と言うと、何か意欲的な人生を送っているように思われる向きもあるけれど、一方では耳鳴りに意気消沈させられている自分がいる。折をみて、久しぶりに大〇前病院へ行き、TRT療法を再開することにしよう、と心に決めても、いざとなると急に億劫になり、行く気が起こらない。あ~あ(←ためいき)。優柔不断な僕である。
♪ いつまでもたってもダメなわたしね~
敏いとうが歌った「よせばいいのに」が聴こえてきそうです。
確か20年ぐらい前に流行した歌だったな~と思って調べたら、
昭和54年…つまり、今からおよそ35年前に歌われた曲でした。
もう、それだけの歳月が流れていたとは…
…これまた、トホホな話でございますな。