スーパームーンを見ました。
夜中に帰宅中、何気なく空を見上げると、ほぼ真正面に
白く光っていました。
一年のうちで一番大きく見えるとの前宣伝を聴いていたため
しばらくじっと見つめていました。
名前からしてかなりの大きさが頭の中では増幅され
いつもとは違うと言う思いで見上げました。
家に帰って、庭から見ると、あいにく目の前のマンションの陰になって
見る事が出来ず、近くの目黒川まで出かけました。
ブログにアップしようと、カメラを向けますが、あまりにも小さい為
もう一度引き返して、望遠レンズを取り付けました。
桜の枝の向こうに白く輝く満月は、古来からの月見という風情ではなく
新しく吹き込まれた、スーパームーンとなってカメラに映ります。
かなり倍率の高いレンズに交換しても、やはり、普通の望遠では
歯が立ちません。しかも、月をアップすると、何処で撮ったのか
周囲の雰囲気は全く無く、ただ記録写真の様で面白くありません。
結局、捕った写真は今一の駄作となり、掲載とはなりませんでした。
私達はいつもこの手のキャッチフレーズに騙されます。
スーパームーンという命名が勝手に頭の中で暴走して、様々な
妄想から眺めてしまいます。
本当は人間の目では、その大きさが計れない程であるにもかかわらず、
勝手に大きく神秘的に創りあげてしまいます。
しかしながら、私たちの生活はこの様な錯覚と妄想に包まれています。
日夜流れるコマーシャルも、デパ地下に売られる思わず買いたくなる
色とりどりの食品も、私たちの想像をかきたてるように演出されています。
とは言うものの、私達は現実の姿を見せつけられる事よりも
少しでも楽しくて夢のある事に心を奪われます。
様々な事に付加価値を付けて、文化は進歩していきます。
時にはその演出に酔いしれる事も大切の様に思われます。
でも、本質をいつも見極める気持ちを忘れない様
時と場合に応じて、人生を楽しんでいく事も大切とも思われます。