いつの世も、マスコミは大衆の代弁者となり、
世の移り変わりを人々に伝えて来ましたが、
必ずしも大衆が求める事を、包み隠さず
伝えて来たとは言い難いのです。
かつては活字を通して、更にはブラウン管の向こうから、
更には、ネットを通じて様々な情報が伝えられてきます。
私達は、メディアを通して情報を得ると、それが、あたかも
真実を伝えているかのように錯覚してしまいます。
もちろん、多くの情報が正確な事実として伝えられるのですが、
中には、ねつ造されたり、私達消費者を上手く煽動していく様に
仕向けている情報も少なくありません。
例えば、ファッションに関する流行は、間違いなく何年も前から
世界中で計画され、その時期には確実に生産が間に合う様に
ファッション業界が作りあげているものです。
この事は、様々な業種に共通する生産性を上げる手段であり
まんまと消費者は乗せられているにすぎないのです。
つまり、マスコミが伝える情報は、情報源となる人々にとって
有益となる事しか伝えていないのです。
その結果、一部の人々へ富が集まり、多くの大衆が彼らを
支えると言う富の一極化が問題となってくるのです。
今の日本は、どこの地方都市に行っても、繁華街の小売り
商店が軒並閉店し、俗にいうシャッター街と化しています。
しかしながら、そんな町並みに一日中灯が消えることなく
周囲の人々をひきつけているのが、大手スーパーやコンビニです。
膨大な資本によるコマーシャルと全国的な流通機構の確立により
地方産業が衰退する中、確実に店舗を増やしています。
小さな店や企業は倒産するか大手に吸収され、大手による
富の独占が日本の社会を変えつつあります。
全ての人々が基本的人権と生活が守られていればまだしも、
年々生活に苦しむ人々が増えています。
メディアから伝えられる楽しい情報と消費の誘いが
一般の人々の気持ちをかきたて、増々生活が苦しくなります。
ネットにおいても、様々な情報を持つことで満足してしまい、
現実を直視する事が出来なくなっている人も多くなっています。
本来ならば、沢山の情報が人々を豊かにしなければなりません。
しかし、今や、情報によって、人々は操られ、いつの間にかに
事実を見極める力を失い、一部の人々の為に自らの生活を
削っているのかも知れません。