めぐろのめばる

目黒川近辺で日本の四季を楽しみ、未来の日本を憂う。
かつての美しい日本と日本人がいかに素晴らしかったかを思う。

秋の夜長、人肌恋し

2014-09-18 15:08:49 | 

九月も中旬となり、秋らしいさわやかな天気が増えてきました。
毎年ながら、猛烈な暑さを乗り越えると、何故か心が落ち着き
それまで見向きもしなかった熱いコーヒーが美味しくなって来ました。
物思いにふけったり、田舎に手紙を書いてみたり、夜遅くまで
様々な事に心を巡らせます。

食欲の秋とはよく言ったもので、ほんの数度気温が下がっただけで
食べ物が一段と美味しく感じられます。
果物屋さんには秋が旬の果物がいっぱい並び、食べる前から
その甘さが想像できます。

秋と言えば秋刀魚ですが、一時の高値から少しづつ買い求め安くなり、
このまま漁獲量が増えて行けば、誰もが気楽に食べられそうです。

ところで、今年の夏も多くの方が食べられなかったウナギが、
これから更に高くなりそうです。
絶滅危惧種に指定されただけでなく、今後養殖されるウナギの量も
削減されていく方針が打ち出されました。
ただでさえ、高嶺の花になりつつあるのに、近い将来、ウナギは
昔の日本人の好んだ夏の食物として歴史に乗るのかも知れません。

秋になってホッとした反面、何かもの悲しい気持も沸いてきます。
眩しいギラギラとした太陽の光を一杯に受けて、緑のカーテンを
作ってくれたゴーヤの葉が至る所で萎れ始め、お互いに勢いを
競い合っていたバジルの株は、全体的に色を失い始めています。
時折聞こえる虫の音が、夏のうるさい蝉に変わって何か不安げに
感じるのは季節の成せる業なのでしょうか。

7月から入院していた父が、来月初めにようやく退院となりました。
この夏は暑さで閉口する時もあったのですが、親戚兄弟中、
父の看護に追われ、夏の想い出が何も思い出せない程です。
退院しても心配は尽きません。
お互い90前後の父と母は、また二人で難儀な身体を助け合って
頑張って行かなければなりません。
生活を支援してくださる方々もいるのですが、やはり、子供たちが
同居していない事も有って、退院後の生活に多くの不安を抱えています。

夏は暑いものの自分の気持ちもアクティブになり、毎日前を向いて
乗り越えて行こうと言う気持ちが強いのですが、秋になったとたん
自分の心が鬱に変わっていくのが感じられます。
冷静に物事を判断できる反面、様々なマイナスイメージも沸いてきます。
秋は人肌が恋しくなると言います。
人との触れ合いが、夏に疲れて、秋に落ち込んだ気持ちを
暖かく包んでくれるのかも知れません。