めぐろのめばる

目黒川近辺で日本の四季を楽しみ、未来の日本を憂う。
かつての美しい日本と日本人がいかに素晴らしかったかを思う。

ネット社会に生きる

2014-06-03 16:20:09 | 日本人

世界中の情報が簡単に手に入る様になって
日本人の感覚が大きく変わってきました。

今の様に豊かな国に変わったのは、

ここ、100年程の事であり、かつての日本は
多くの災害に見舞われ、毎年各地で飢きんが起き
決して豊かに恵まれた国では有りませんでした。

そんな中で、お互いに協力し合い、助け合って

限られた資源の中で、つつましく生きてきたのです。
物を大切にしたり、人の気持ちを考えると言った
今に通じる日本人の心は長い歴史の中で育ってきました。

しかしながら、最近の数十年で、日本人の気持ちが

変異してきたと思えるのです。
中でも、インターネットの発達により、世界中から
瞬時に物が手に入ったり、調べられたりすることによって
考えずして答えが得られる様になってきました。

この事は、生活としては便利になったと言えますが、

人と人の関係が以前とは大きく変わってきている事が
いささか心配です。

と言いますのは、以前は人との関わりが経験的に身に付き

それに付属してお互いの信頼関係も培われたのですが、
今では、人間関係すら、ネットを通してハウツウが得られるのです。

つまり、四苦八苦して人の心を感じお互いを知りあって来たものが

どの様に付き合ったらいいのか、また、どうしたら分かれられるのか
本当に人間臭い部分までネットが入ってきているのです。

特に、ネット社会で生まれてきた今の若者は、簡単に情報を得て

自分の立場を優位に進めようとします。
何でも知っていて、しかも、思慮深く、冷静な今の若者たちは
経験することなく様々な知識を得る事によって、多くのトラブルを
いち早く避け、自分の立場を守る傾向が有ります。

それゆえ、人の心に立ち入る事が無く、、悪く言えば目の前の

自分の相手の心に入る事が苦手となっています。
今の若者が意外と恋愛が下手なのも、けっして気持ちが無いのではなく
自分自身の経験が少なく、情報からの知識で判断しがちだからと思えます。
恋愛にしても、傷付き悩み成長していくのですが、そのまえにトラブルを避け
恋愛自体の興味を無くしているとも言えます。

世の中が閉塞して、夢を持ちづらい社会となってくると、安心な職業や

安定な人生を望みがちになりますが、情報から得た知識だけでは
思う様に人は動かせません。

今の日本人は、極端に人との接触を嫌います。

ただでさえ、日常的に相手と接触することは滅多に有りません。
そんな中でも、、日本人は察するという独自の文化を育ててきました。
この文化は、接触はしなくても人の心を感じて対人関係をスムーズに
進めていくものでした。

しかし、心も身体も触れ合わなくなってくると、人としての生活が

たとえ一緒にいても一人一人の生活と変わらなくなって来るのです。
今の若者が一番恐れるもの、それは、ネット社会で孤立する事です。
目の前の家族や友達とうまくいかなくても、ネットの相手とスムーズに
やり取りができていれば安心なのです。

でも、これは、言わば二次元の世界、現実の世界とは違うのです。

人と人が関わりを持ち、お互いに感じ合って現実を生きていくのが
本来の人類の姿と言えます。
便利が幸せとは言えません。何のために多くの情報を手に入れているか
常に目的を見失わない様な社会になって行って欲しいものです。