めぐろのめばる

目黒川近辺で日本の四季を楽しみ、未来の日本を憂う。
かつての美しい日本と日本人がいかに素晴らしかったかを思う。

鬱陶しい梅雨の空

2014-06-06 13:14:15 | 初夏

ついに関東地方も梅雨入りとなり、朝からしっかりとした雨が
途切れることなく降り続いています。
この時期は少し憂鬱になりますが、日本の自然にとって
もし梅雨の雨が無くなったら、我々の生活も非常に厳しい状態を
覚悟しなければならなくなってしまいます。

空梅雨の場合は、各地で水不足が心配されますが、都会人にとって
取水制限で水が自由に使えなくなる位しか頭に浮かんできませんが、
この時期の雨が夏から秋にかけての農業生産に大きな打撃を与え
引いては私たちの生活に暗い影を落としていく事は明らかな事です。

ただでさえ輸入に頼りがちな日本経済で、国内生産が落ちてくると
自国の事と考えがちですが、最近では温暖化の影響で地球規模の
干ばつになる事も珍しくありません。
となると、各国も余った農業生産物を輸出する余裕がなくなってきます。

元々平地に恵まれない我が国は、過剰な人口増加に農業生産が追い付かづ
もし、海外からの輸入が途絶えれば、それは私たちの死活問題になります。
そう考えると、この鬱陶しい梅雨の時期というのは、私たちの食の未来を
約束してくれる大切な時期であることが解ってきます。

また、私達は、この雨が陸上の生物にとって大切だと思いがちですが、
もう一つ大切な役割を果たしているのが、河川からの海への大量の
真水の流出です。元々広い大洋から蒸発してできた雲から世界中に
沢山の雨を降らせているのですが、この真水の海への循環が大切です。

日本においても、春先に多く生まれる海洋生物は、春から夏にかけての
プランクトンや小魚の増殖によって大きく育っていきます。
特に汽水域や浅い海では、ミネラルを含んだ真水が流れ込み、
沢山のプランクトンが増殖します。海へ流れ込む山からの大量の水と
ミネラルが多くの海産物を育てているのです。

私達は大雨が降ると、河川の増水に伴う被害を心配しますが、
それ程多くの雨が海に流れ込むことが実は海洋生物にとって大切であり
海の資源を絶やさない条件でもあるのです。

私達の環境は、一つとして無駄は無く、私たちが生きていくには
全てのサイクルが途切れることなく、密接につながっている事が必要です。
私達は太古の昔から自然を生活しやすいように作り変え、地上の主として
繁栄してきました。しかしながら、私たちの繁栄は今も昔も変わらず
この大自然の大きな流れの中で生きてこそ続いてきたと思います。

あらゆる環境の助けによって生きてこれたことを忘れない様に、
自分たちの勝手な欲望のみで自然を破壊し続けると
いつか恐竜の様に絶滅の時を迎えてしまうかもしれません。
このジトジトした鬱陶しい雨も、私たちの命の元であると考えると
すこしは気持ちが晴れて来るのではないでしょうか。