羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

初めての物語-8-

2005年08月15日 12時42分49秒 | Weblog
 知人からメールをもらいました。
「ブログって、読むのも、書くのも中毒になるみたい」
 仰せの通り。すっかりはまっていますね。

 さて、昨日の続き。
 敗戦と同時にパスポートを持たない難民としていきざるを得ない状況に追い込まれた作者は、命からがら38度線を越えることになります。
 猛スピードで走り抜けるトラックには、大勢の日本人引き上げ者でいっぱい。息ができないありさま。
 失敗すれば銃弾の嵐に見舞われるという切羽詰った状況下で、人はいったい何を祈るのだろう。止まることは死ぬこと。とにかく猛スピードで南下するしか生きる道はない。
 
 「夜の世界」、京浜国道を走りぬける中古の外車と、敗戦後のトラックの疾走は、作者のからだの奥深くで結びついているではないかと勝手におもっています。
 アクセルに一縷の望みをかけて突っ走る。

「止まるな、アクセルを踏め!」
 

 高度成長をひた走るエコノミックアニマルもまたアクセルを踏み続けていきます。
「走れ!もっと速く!もっと、もっと」と、絶叫しながら。

 つづく。
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