羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

初めての物語ー2-

2005年08月09日 08時59分02秒 | Weblog
五木寛之氏の『夜の世界』は、1970年・昭和45年11月初版の物語です。
この昭和45年は、時代のターニングポイントとして、忘れられない時代です。
とりわけ三島由紀夫の自決は、日本中を震撼とさせた出来事でした。
東京市谷の陸上自衛隊東部方面総監室に乱入した三島は、そこで短刀で真一文字に腹を切り、楯の会隊員・森田必勝が介錯をするという、常人の想像を絶した行動を、新聞各社は報道していたのでした。

この年、それ以外の出来事を時間系列にそって、抜粋しておきたいと思います。

●初の国産人工衛星「おおすみ」を東大宇宙航空研が発射。
●日本万国博覧会が大阪千里丘陵で開催されました。テーマは「人類の進歩と調和」。3月15日から9月13日まで、77カ国・入場者数6421万人余人。
●日航機「よど号」を赤軍派学生がのっとっり事件。
●中国、初の人工衛星打ち上げに成功。
●東京杉並で光化学スモッグにより、女高校生40数人が倒れる。
●東京の銀座・新宿・池袋・浅草で、歩行者天国がはじまる。
●自動販売機が全国で100万台突破。
●佐藤首相訪米。
●東京渋谷で初のウーマンリブ大会開催。

いくつかの事件・出来事を並べてみましたが、なんといっても三島の自決は、衝撃を与えずにはいないでしょう。因みに、私の著書『野口体操入門ーからだからのメッセージ』(岩波アクティブ新書)では、三島への鎮魂を思いつつ、野口三千三とボディビルの関係に触れてみました。

庶民の暮らしの中では、まだまだ自家用車を持つことはなかなかの出費であったかもしれません。しかし、子供を中心にドライブに出かける親子連れの姿が、あちこちに見られ始めた時代でもありました。
「夜の世界」の主人公は、たった一人真夜中の京浜国道を、横浜方面に向けて疾走する快感のなかで、己を見つめ、何かを取り戻していく。2000年以降に五木氏が書かれたエッセー(というには重過ぎる)を重ねて読んでみると、物語に隠されたもうひとつの物語が浮かんできます。
この続きは、また明日。
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