羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

地球最古の恐竜展、そのほか。

2010年09月12日 15時03分35秒 | Weblog
 昨日、朝日カルチャーセンター野口体操講座は、異例のレッスン内容となった。
 一時間たっぷり、地学・古生物について復習と確認を行った。
 使った資料は「The Tower of Time」アメリカ国立自然史博物館の恐竜ホールにある円柱に描かれた‘生物の進化’の絵と添えられている解説。
 もう一つは東京サイエンスの神保さんが作った「化石標本100種」である。

 先カンブリア時代から古生代・中生代・新生代、およそ七億年の生物の歴史(絶滅の歴史)の時間の流れを追いながら、その上に実際の化石を置いていく。最初、私が話をしながら特徴的な化石を置き、その後皆さんに化石を選んで地質年代表の生きもの図に乗せていく作業をしていただいた。これは、コンピューターやiPadのような電子機器上で学ぶのは真逆のミニ授業体験なのだ。
 それぞれが感じたことや思ったこと、知識、等々を発言しながら、小学生のように嬉々として楽しんでくださっていた。

 いちばん伝えたかったのは、野口先生が最後にたどり着いた‘岩石・鉱物・隕石’の世界の中から、地球の生きものはつながっている、もちろん森羅万象全てがつながっていることを基本から学びなおすキッカケを提示したつもりだ。
 隕石から始まって、現世人類まで、100種の化石は、小さいながらも迫力満点だった。
 生命の歴史の中で、人類が最後に地球に誕生したことの意味を、野口体操の身体観に結び付けて考えて見る作業でもあった。『原初生命体としての人間』の‘はしがき’、そして全体を貫く自然観を裏付ける具体的な‘もの’である。
「敗戦後、自分のからだに根ざして考える姿勢を強くされて、先生の‘からだに即して’‘物に即して’という在り方がとても好きなんです」
 そのことばを受けてある方がおっしゃった。
「戦争中は、一に精神、二に精神。精神ばかりが重要視されてましたから、戦後を生きる野口先生にとっては、その反動のように‘物に即して’という在り方が大切だったんじゃありません」
 なるほど。
 
 さて、今日は六本木にある「森アートセンター」で開催されている「地球最古の恐竜展ー天空の恐竜ミュージアム」を見てきた。夏休みも終わって少しは空いているかと思いきや、かなり込み合っていた。さすがに日曜日である。とりわけ、「コワーイ、コワーイ」と具体的過ぎる展示と音や映像に、小さな女の子は大声をあげて泣いていたのが印象に残った。それに引き換え、男の子たちは興味津々、身を乗り出して見ていた。男女差と言うものは、物心つく頃には、すでにはっきりとあらわれていることを改めて認識できたことは収穫のひとつだ。

 大人たちにとっては、自分たちが子供のころと比較して、雲泥の差。中生代がリアルに豊かに感じられる展示であることは間違いない。今まで見たこともない絶滅種が展示されているから。このことはひとえに日毎すすむ発掘と研究の賜物に違いない。

 その勢いで、帰りは新宿で途中下車して、紀伊國屋書店に立ち寄った。
 そこで『凍った地球ースノーボールアースと生命進化の物語』田近英一著新潮選書を、無事に手にいれることができた。寒暖を繰り返す地球。生命はどのように生き残ってきたのかを論じているらしい。地球環境の進化と生物の進化を語る本だ。一昨日、サジさんから郵送された『めぐる』中村桂子編新曜社刊で、二人の対談を読み、そこに紹介されていた本。

 またまたその勢いで、紀伊国屋本店の東京サイエンスの店も覗いてみた。なんと「化石標本100種」が展示されていた。私が数年前の東京国際ミネラルフェアで手にいれた定価より高い数字を見たときには、なんだか嬉しく、おーっ!て感じであった。
 というわけでしばらくはこの世界に浸るかも……。
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