羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

新たな出発

2011年03月20日 08時11分03秒 | Weblog
 昨日、朝日カルチャーセンター野口体操講座・土曜日クラスには、ほぼ全員といいてよい方々が出席されて活気に満ちたレッスンとなりました。
 いつになく出足ははやく、着替えをすませて語りあう人、ひとり体操をする人、それぞれが自分の場を確認しているようでした。

 3時半ちょうどに挨拶をし、しばらく全員がそろうのを見計らって、まず東北の方角に向きを変えていただき一分間の黙祷を捧げました。手を合わせる方、膝に手を置く方、一人一人が一週間の出来事をそっと胸に抱きとめて、冥福を祈ってくださっていました。他者を悼むことは、自身の生をみつめることでもあります。
 一分が過ぎて、いつもの向きに姿勢が変わった時、それぞれの表情が、あきらかに変化していました。教室に入ってこられた時とは打って変わって、わずかな時間であったのにもかかわらず、静謐な空気の中で身体についていたワサワサしたものが洗い流された厳粛な表情だったのです。
 その静謐さと厳粛さに、私はすぐには言葉を発する事ができませんでした。そしてそろりそろりと間をとりながら野口先生の語録を読むことからレッスンをはじめていきました。

 いざ、体操実技に入った時、皆さんの思いはひとつになっている事に気づきました。
「今日は、体操したい!動きたい!」
 これほどここでの野口体操が求められた事があったでしょうか。二時間はあっという間に過ぎていきました。

 自分のからだだけに集中できる幸せ。仲間たちと動きを通して、それぞれに内容はことなっても、お互いで確認しあえる幸せ。野口先生没後、この教室を継続できたことに改めて感謝の気持ちがわきました。

 こうして緩やかなつながりが齎してくれる和やかさが、どれほど大切なのかを確認できたように思います。
 昨日は野口体操の新たな出発の日であった、といっても決して過剰な表現ではない、と確信を得ています。
 さて、これから何ができるのか。その都度、新しく、探っていきましょう。
 
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2 コメント

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レッスン後 (きたむら)
2011-03-22 13:51:40
土曜日のレッスン、本当に久しぶりに体を隅々まで動かしました。
それでレッスン後、更衣室で着替えていて、ふっと「あ、地震のことを全く考えていなかったな」と気づきました。
逆にいうとそれまで1週間、頭の中が震災のことでいっぱいになっていたのですね。
体を動かして頭をカラっぽにすることの貴重さを、しみじみ実感しました。
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レッスンの後 (羽鳥)
2011-03-23 19:12:30
からだを動かすことのいちばん大切な効果(あえてそういわせてください)かもしれませんね。私自身、あの日を境に、何かが吹っ切れたような気がしてなりません。何がどのように変わったの?と問われても、明確な答えはできないのですが。3月19日のレッスンの後、いつもとまったく違う自分が帰宅しました。これこそ野口体操なんだ!と思います。
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