羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

映画「沈黙の世界」、55年前の先生の感動を分かち合える幸せ

2011年08月08日 09時12分48秒 | Weblog
 1956年制作『沈黙の世界』のDVDが手に入った。
 同時に日本では有楽座で上映された。そのときのプログラムも手に入れた。アマゾン経由である。
 映画は、同年のカンヌ映画祭でドキュメンタリー部門グランプリ受賞。アカデミー賞最優秀ドキュメンタリー賞受賞。
 監督・水中撮影:ジャック・イブ・クストオ、ルイ・マルが生み出した傑作である。

 プログラムは広告も含めて、昭和の香りぷんぷんである。
 それに引き換えDVDはさすがにデジタル加工されていて、英語吹き替えに日本語字幕がついている。
 映像の綺麗さ、飽きさせない物語展開は、55年の歳月を超えても強烈に訴えかける力が随所に漲っている。

 思い返せば、日本で白黒テレビ放送が始まったのが1953年(昭和28年)だ。まだまだ各家庭にくまなくテレビが購入されている時代ではない。そうした情況のなかで、今とは比べ物にならないくらいに、当時、娯楽としての映画は多くの観客を集めていた。
 そのような背景のなか、野口三千三先生が『沈黙の世界』を見て、感動に全身をふるわせただろうことは想像に苦しくない。体操の動きに直結させて、さまざまな発想を得られたことは間違いない。相当に強いインパクトをこの映画から受けた、と自信をもって申し上げられる体験をしている。それは後に、角川春樹制作映画「レックス」をご一緒に見たときの先生の興奮状態から、十分に察しがつくことである。

 さて、昨日早朝のこと、DVDを再生して見て、思った以上に綺麗な状態に感動した私は、朝日カルチャー日曜日クラスに、このプログラムとDVDを持参した。全編を通しで見入ると82分ほどかかる。そこでさわりだけちょっとご覧にいれることにした。こんなとき重宝なのが、PanasonicのPortable DVD/CD Playerである。小さい画面、音声は今一だが、時節柄、人数が少ないことを想像してこれでいくことにした。

 ばっちり予想が当たった。よかったですよ!ご覧に入れて。
 出だしから10分くらいだろうか「パート2の潜水病のエピソード」までを見ていただいた。
 みなさんの眼を釘付けにしてしまった。

 野口先生がどれほど興味を惹かれ、どれほど驚嘆されたか、その心情までもを想像の範疇に挿入して、それぞれが味わってくれていることが伝わってきた。
 このブログにも載せた「デッサンと談話の会」に寄せた「いつも波のように」と題した野口先生のエッセーのコピーを配ったこともあり、感慨は一入だった。
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