羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

少子高齢化とインフラ問題

2011年02月26日 09時33分25秒 | Weblog
 先日、少子高齢化が引き起こす具体的な問題をNHKで見た。
 ひとつは「水道事業」である。
 人口が減る事と省エネがすすむ事で、水道料金からの収入が減る、という。そこまでは「それがどうしたの?」感覚で見ていた。次である。東京を例にとると、すでに水道管が老朽化して新しいものに交換できているところとそうでないところがある。それでも世界の水道事情から見ると、東京の漏水率は低いそうだ。大雑把にみて3%程度であるらしい。それに比べてロンドンは50%から60%だ、という。
 で、新しい水道管に交換するためには、コストがかかる。人口が減って水道料金が入らなければ、交換が難しくなる、というのだ。東京でもゆくゆく高齢化が進めば、インフラ整備が難しくなるという話だった。
 まして今回の国際調査でもわかるように、地方の高齢化の進み具合は相当に激しいとなれば、地方が先にこの問題を抱える事になる。

 そうしてもうひとつ。私鉄沿線住民の高齢化がすすんで、乗客が目に見えて減ってきている、というデータが示された。
 そこで、東京の京王電鉄では、住民サービスを始めている。
 私もかなり前から、車内広告でそのことを知っていた。しかしそれがこのような背景によるものとは気づかなかった。単に、「よいサービス」くらいにしか受け止めていなかった。
 たとえば家事代行等のサービスなどである。いずれ使わせてもらいたいという気持ちから読み続けていると、『京王線沿線住民に限る』とあったので、私はその範囲にないので少々がっかりした記憶がある。
 その広告を見て思った事は、京王電鉄がサービス本体を担っているという事で、大きな安心感を与える点だった。
 ちょうど昨晩のNHK7時半からの番組で、京王電鉄の取り組みを紹介していた。買い物サービスや網戸の張り替えや簡単なリフォームなどが、多くの住民に利用されて重宝がられているらしい。
 また少子化対策では、駅に保育園を作る計画がすすめられている。
 つまり「少子高齢化」で私鉄電鉄の生き残りをかける事業を展開しているという報告だった。
 しかし、ここにも事業としての採算と将来における生き残り、そして社会貢献のコストとの折り合いを付けるのが実際には難しいことがある。
 もうひとつの例としては相模鉄道をあげていた。鉄道会社がすすめる町づくりとともに、ローカル線として不便を解消するために、JRのターミナル駅に接続する乗り入れを行う。しかし、そのことによって、ローカル線特有の個性が失われてしまう問題もある、という。確かに便利なるがゆえに失われることもあるのだ。

 さて、こうして、まだ複雑な問題がある。
 莫大な費用がかかる私鉄鉄道事業や企業が担う社会インフラが、少子高齢化現象ですでにいくつもの問題を抱えている事に加えて、省エネ問題が絡まってくる。「もったいない」感覚は大切だが、度が過ぎるとこれまた新たな問題が派生する、というわけだ。
 いったい国力って何だ、と考えざるを得ない。
 差し迫った事としては、都知事選の候補者は、早く名乗りをあげてほしい!ただ投票すればいいってものではない。
 私たちの暮らしの今と将来がかかっているのだから。
 せめてもの情報として、NHK・GTV夜7時半、月曜日から金曜日の番組は良質で、私としてはできるだけ見逃さないようにしているこのごろである。
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