羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

地球の細胞

2006年06月22日 20時43分04秒 | Weblog
 最近、「スメクタイト」の話をこのブログでは、何回も書いている。
 それにつれて「粘土鉱物」という言葉も、頻繁につかってきたようにおもう。
 そこで、基本的なことばを、この場を借りてやさしく整理しておきたいと思い立った。

 まずは、「鉱物」とは、何ぞや?
「元素鉱物」という言葉を聞いたことがある方は多いと思う。炭素とか、硫黄とか、一種類の元素からできている鉱物のこと。炭素からできている元素鉱物で世界でいちばんの価値を与えられているのは「ダイヤモンド」に違いない。

 鉱物研究家の堀秀道氏は「結論から言うと、それは地球の単位である。動植物でいえば細胞にあたるもの。山を、岩石を、混じりけのない単体にまで分解したのが鉱物」だと一般啓蒙書『たのしい 鉱物と宝石の博学事典』(日本実業出版・1999年)の「まえがき」でいっておられる。

 最近、粘土鉱物に興味をもちはじめて、とりわけ気になっているのは「花崗岩」である。この「岩」という文字がつく「岩石」というのは、単体ではなく、いくつかの鉱物から成り立っているものを指す。
「花崗岩」は、雲母と石英と長石の三つの鉱物から成り立っている。つまり、岩石は鉱物と違って、鉱物が交じり合ってできているものを指す。
 
 鉱物は、それ以上分けることができない単体としての存在なのだ。そこから「岩石は地球のセンテンス、鉱物はワード」と呼ばれているらしい。

 鉱物についての知識や結晶学等々は、西欧で発達し整理され、貴族の教養のひとつなのだそうだ。結晶学やルミネッセンス(蛍光現象)を研究する学者は、地すべり的に生物物理学に携わり、なかでもウィルキンズのX線回折の研究・実践が、ワトソン・クリックのDNA二重らせん構造模型の制作に深くかかわっていった。

 西欧における宝石には、母岩があって、その上で結晶を取り出しているように、西欧で生まれた科学には、しっかりした「母岩」があって、そこから抽出した「科学上の原理」があるということだ。
 
 話が次第に外れはじめたが、鉱物というのは、地球の細胞だ!という視点から言えば、まさに粘土鉱物は地球上に生まれた「生命体」に深くかかわった「地球の細胞」であり、「生命体の母」である可能性があるらしい。

 今までは日本人になじみが少なかった「鉱物趣味」もかなり一般化した。
 そろそろ趣味の域をでてもいいと時期に来ているとおもう。
 科学の「母岩」としての鉱物をたのしんでみようではありませんか。
 とりあえず地球にありふれた鉱物「粘土鉱物」がもつ、独特の性質を味わってみましょうね!
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