羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

0・2ミクロンの世界……オパール効果

2006年06月25日 16時57分28秒 | Weblog
 スメクタイトの水分散液は、揺変性を見事に見せてくれた。
 ゲル状では、千億の昼と百億の夜、そっとそこにい続ける「静けさ」を保つ。
 それが、一度、揺すられ振られると、一気にゾル状に変化して流れだす。

 今日は、緑と青のビーズを、スメクタイト水分散液に入れてみた。
 ここまでたくさん入れてみると「蛙の卵」には見えなくなる。

「もしかしてオパールのような感じになるかもしれない」
 思い立って、ライトをかざしてみた。

 まったく違う雰囲気。
 思わず、ため息がこぼれる。

 オパールの遊色の美しさは、この世のものではない。
「比較するほうが間違っている」

 人がつけた色の名称は、オパールの色に当てはまるものはない。
 炎のように揺らめく遊色たち。
 なんとなくあきらめきれずに、ビーズとオパールを何度も見比べてしまう。

「かなり細かいビーズなのに」
 大きさの違いは、天と地のほどに違うからだろうか?

 そういえば、走査型電子顕微鏡で撮られたオパールの結晶構造は、同じ形のシリカの粒が、整然と並んでいた。
 なんでもシリカの粒同士の間隔は、0・2ミクロン。そのためにシリカは0・2ミクロンに近い可視光線を繰り返し反射して強めるのだという。
 光がそれぞれの色ごとに異なった方向にはね返されている。
 冷たい炎が水の中で、消えることなく燃え盛っている。

 オパール効果は、普通の結晶体でも見られるという。ただし、こちらは原子レベルのことなので、間隔も0・2ミクロンの1000倍も小さくて、X線に対して反応するらしい。

 成分に水をたたえているオパールは、水が枯れるとひび割れてぼろぼろに崩れてしまうそうだ。
 原石のオパールが水の中で美しく燃えるのを見ながら、このブログを書いている幸せ。
 水のなかで生まれた鉱物だから、とものの本には書かれている。

「そうか、水なのか……」

 再び、ため息。
 でもこのため息は、さっきのため息とは違う。

 人の命も、また、水に生まれ、水に生かされ、水にただよい、水の中でゆらめく炎なのだ。
 人のオパール効果は、愛という光に照らされたときに、輝きを増すものかも……(なんちゃって!)
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