羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

夏のにぎわい…… 祭の町 阿波踊りの町 高円寺

2016年08月28日 14時33分02秒 | Weblog
 8月27日、28日と、高円寺の町は祭一色で染め上げられる。
 JR駅の近く、地名の由来となった禅寺「高円寺」へは、傾斜の強い坂を下りていく。
 その途中、左手に源頼朝時代に建立されたという氷川神社が鎮座している。
 因みにこの神社の本殿脇には、日本で唯一と言われる”気象神社”があることが知られて久しい。
 この気象神社は偶然に残された、と伝わっている。
 経緯はこうだ。
 もともと馬橋(高円寺北四丁目)にあった大日本帝国陸軍気象部に、1944年(昭和19)年4月10日に「八意思兼命(やごころおもいかねのみこと)」を祀ったのが始まり。気象予報があたりますように、と祈ったという。
 戦後は、神道指令で撤去されるはずだったのが、連合軍宗教調査局の調査もれで残存した。
 高円寺南口、氷川神社にうつされた、ということである。

 この神社の縁日は、8月27日28日、である。
 今年は丁度、その日にあたった。
 実は、もう一つの呼び物、「阿波踊り」が縁日にあわせて開催される。長いことそのしきたりは守られていたのだけれど、かなり前から、阿波踊りを8月の最終土曜日と日曜に変更した。はじめは“よし”としなかった宮司さんや氏子たちも、100万人からの観客を呼ぶ阿波踊りに引きずられて、祭礼を行う日を縁日とは関係なく、移動させてしまった。

 昨日、本日ともに小雨はぱらつくものの大雨にはならず、昼過ぎから各町内会の神輿や山車が繰り出している。
 つい先ほども、半世紀以上もお兄さんと呼んでいる隣家の主が、祭半纏を身にまとって御神酒所にでかけるところで、奥さんが記念写真を撮っているところに出くわした。
「似合ってますね。お二人揃っている写真を撮りましょうか」
「いやぁー、そう、ありがとう」
 会話が始まった。
「すれ違う人の半纏の名を見ると、いろんなところから御神輿を担ぎにきてくれるんですね」
「地元だけでは無理だよね。この頃の若い人は背が高くなったでしょ。だからね、自分では担ぎ棒を担いでいると思っていたら、なんだか軽いんだよね」
「そうらしいわ。若い人の肩の位置が高いんですって」
 奥さんが笑う。私も笑う。
「そうそう、前後に若い担ぎ手がいると、いかにも担いでいるようで、肩に重さはのってこないの」
「楽しちゃうってことですね」
「それで、後期高齢者になっても神輿は担げるわけよ」
 
 町を歩いていると、あちこちからワッショイ・ワッショイ、ピピッ・ピピッ、ドンドンドドン、音が聞こえて来る。
 暮れ方、祭太鼓に代わって阿波踊りの鳴りものに歓声が混ざり合って、グワァーン・グワァーンと轟き、町全体を震わせる。
 今、時計は2時半を回ったところ。
 踊りのはじまりまで、しばしお待ちを!
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