羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

『明治維新という幻想』

2017年07月22日 09時15分53秒 | Weblog
 買い物のついでに、ふらりと本屋に入った。
 お目当ての本は置いてなかった。
『明治維新という幻想 暴虐の限りを尽くした新政府軍の実像』森歌健司著 羊泉社 歴史新書 を手に取った。

《私が江戸時代に惹かれる理由は、実にシンプルだ。そこに眩い庶民の文化があったから、である。中略 二百六十五年間の江戸の世が産み落とした「非戦の美学である。中略 究極、どの戦争も無意味だが、それでも戊辰戦争ほど無意味な戦争はなかったと断言したい》

 あとがきを読んで、決まりである。

 夕食前に一気に読んでしまった。
 船戸与一『新・雨月 戊辰戦役朧夜話』を追認する読書だった。

 暴力革命で新しい政権を勝ち取った為政者のやることは、いつの時代でもどこの国でも同じだ。
 青史を都合のよいもの、自分たちの正当性を主張するために、それまでの政治・文化・風習、すべてを闇に葬るのである。

 明治新政府が潰した江戸を、民衆がつくった「風刺錦絵」と、旧幕府軍側の視点で維新を解明している。
 なかなかよかった。

 丁度、野口三千三のおじいさんのことを「地芝居」との関連で書いていたところなので、この本の記述に、納得し腑に落ちるところが多かった。
 
 そこで、平成の現政権の資質、改憲への意欲等も、この視点から見ていくと、なるほど……と思える。
 危のうございまするー。

 著者は、江戸時代の庶民思想の研究に注力している、とプロフィールにあった。
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