羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

へー?!

2015年03月04日 06時54分59秒 | Weblog
 2月22日龍村仁監督の「地球交響曲第八番」奉納上映会のアフタートークの合間に、第一番からナレーションを担当している俳優の榎木孝明さんが壇上に上がってご挨拶をされた。
 その時、何気なく触れられた話。
「ふしょくなんですが」
「エッ、腐食?!」
 他の人も突然のことでキョトンとしておられる。
 次に思い浮かべた文字は
「負食」
 どうも違うらしい。
「ふしょく、です。で、一ヶ月食べていないんです」
 つまり「不食」だった。
 某放送局で、4月にはそのテーマの番組が、もしかすると放送されるかもしれない、とおっしゃる。今、ご自身が実験台として試しているらしい。
 龍村監督も寝食を忘れて映画つくりに没頭されて、10キロも痩せた、と言葉をついだ。
「皆さんは、食べたいものを食べてください」
 監督は、微妙な心理を隠しながら、躍起になっておられた。
 直接、映画に関係がないので、話はそこまででおわった。

 で、先週の土曜日、朝日カルチャーの「野口体操講座」で、この話をしてみようと、Web上の検索をかけてみた。
 ちゃんと載っているではありませんか?!
 成長期のはなしではない。飽食時代、生活習慣病が悪さをしだす世代の話のようだ。
 なるほど、と思えるものからオカルト的なものまで、ピンからキリまでの情報が書き込まれている。
 それこそ寝食を忘れるほどの仕事や趣味を持つことが肝要らしい。
 すすめとしては”朝食を抜くことからはじめなさい”とあった。
 
 で、土曜日のクラスでも数名の方が、飲み物はとっても朝食はとらなくなった、という方がおられた。一日2食をもう10数年間実行している、という。決して、一言居士、という皆様ではないが、ひとしきり話を伺った。
 で、翌日曜日のクラスでもこの話を投げてみた。
 すると帰りがけに一緒になった女性も、一日2食で時にプチ断食をなさっておられるという。

 で、昨日、学生時代にボクシング部に所属し、社会人になってからはOBとして関わっている年の若い知人に「不食」の話をしてみた。
 皆さんと同じように、「エッ」と身を引いてから、「ほー」と声を上げる。
「休肝日どこの話ではないんですよ」私。
「そこまでいきましたか」彼。
 ひとしきり、不食について知ったかぶりを披露すると
「一つの傾向として、昔のようにガンガン筋トレしてプロテインを呑む、また筋トレしてプロテインを呑む、ようなトレーニングはしなくなっていますね。ベジタリアンのボクサーがチャンピオンになる時代ですから。だいたい午前中のからだは排泄にむかうので、食事はとらなくてもいいわけで、僕も2食です」
 この言葉を聞いて知らぬは我が身ばかりなり。
「一週間のうち、二日は断食、断食といっても青汁くらいは呑むんですけど。つまり、断食をして胃を休ませるんです」

 試合前のボクサーにとって減量は、半端じゃない苦労もあるだろうな~、と予想した。
 お菓子を切らしていたので、紅茶にそえて冷蔵庫に残っていた明治の板チョコを包みのままお出ししたら
「試合前に何も食べずに、板チョコを口にしてたんで……」
 嬉しそうにお持ち帰りになった。

 ピケティ『21世紀の資本』がベストセラーになる時代、格差が大きな問題としてクローズアップされているし、貧困、飢餓、差別、格差、それらが政治不安やテロを招く。将来は、水と食料争奪戦が起こる可能性が指摘されている昨今。この「不食」の話は、生活習慣病の問題だけではない、”何か?”も関わっているのだろうか、深読みしたくなる。

 私たち人類は、何を何時、どのくらいの量を食することがよいのだろうか。
 安易に答えは出せないが、一つの問題提起として、備忘録のつもりで、書いてみました。
 この話、ぜひ、鵜呑みにしないでください。
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