ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2023年4月21日。ウクライナ侵攻から422日目

2023-04-21 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年4月21日。

 ミンスクの裁判所で今日、今年3月に懲役10年を言い渡された人権活動家でノーベル平和賞受賞者アレシ・ビャリャツキ氏の異議申し立てを退ける決定をし、判決が確定しました。

 
 ロシア検察当局は今日、北方領土の元島民らでつくる千島歯舞諸島居住者連盟をロシア国内での活動を禁じる「好ましくない組織」に指定したと発表しました。
 「この組織の目的はロシアの領土の一部を奪おうとしている」「ロシアについての否定的な意見を形成し、反ロシア感情を高めている」だそうです。
 同連盟は北方領土の返還を目指すほか、元島民の墓参などの実施に向けた働きかけなどを行ってきました。好ましくない組織に指定されるとロシア国内での活動が禁止されるほか組織を金銭的に支援したり、組織が作成した資料などを拡散することも禁じられます。ひどいですね。


 フィンランドの企業Olviはベラルーシのリダ・ビールを子会社にしてビールの製造・販売を行っていましたが、経済制裁の影響で撤退することを決定。すると罰金を支払うよう要請されました。そして裁判。結局、Olviが裁判に負けて罰金1,220 万ユーロを支払うことになりそうです。Olviの株の売買もベラルーシ国内では禁止されました。
 経済制裁のため、ベラルーシへ進出していた外国企業が撤退するとこうなりますよという一例にさせられています。


 ロシアのベルゴロドで20日夜、爆発が起きて複数の住宅が損傷し、民間人2人(3人という情報も。)が負傷しました。これについてロシア国防省は、自国の戦闘爆撃機スホイ34から弾薬が誤って落下したのが原因だと今日、発表しました。さらに負傷者はなかったと主張しています。
 

 ロシア民間軍事会社ワグネルの創設者プリゴジン氏は今日、ロシア大統領報道官の息子(33歳)がワグネルの一員として軍事作戦に参加したとインタビューで述べました。
 ペスコフ氏自らが息子を「砲兵として採用してくれ」と言ってきたそうです。息子自身が名乗りを上げてワグネルの戦闘員になろうとしたのではないのですね。


江戸川乱歩朗読会「赤い部屋」

2023-04-21 | 日本文化情報センター
 ナイトミュージアムという世界的なイベントがあるのですが、ナイトライブラリーというものもあることをご存知ですか?
 日本では個々の図書館が企画するのかどうか決めるのですが、ベラルーシでは毎年4月に文化省から指示されたいくつかの図書館でナイトライブラリーを行います。
 今年はミンスク市立中央児童図書館が指定されました。通常は午後7時で閉まる図書館を9時まで開けて、それぞれのコーナーでイベントをします。
 日本文化情報センターではナイトライブラリーということで、日本のミステリー小説を朗読することにしました。
 江戸川乱歩の「赤い部屋」を選んだのですが、それは日本文化情報センターに作品に出てくる赤い円卓があるからです。
 
 朗読会の前にできるだけ赤い部屋に近づけるため、照明の光が赤くなるようにしたり、赤いろうそくを立てたり(本物ではなく電池式のキャンドル)しました。
 朗読を聞きに来たのは日本文化情報センター日本語教室の生徒で、ミステリーが好きな人たち。朗読したのも生徒の一人であるY子です。
 大正時代の作家っぽい格好をしたいということで、男物の袴姿でしたが、どちらかと言うと明治時代の書生さんみたいで、江戸川乱歩先生っぽくはなかったですね。
 
 朗読が始まるとみんな引き込まれていました。そもそもこの話は、赤い部屋に集まった人たちが不思議な話を聞くというものなので、赤い部屋らしく見せた日本文化情報センターで聞く乱歩ミステリーという趣向だったのです。
 朗読会の後、「あまり怖くなかった。」と言う人もいれば「怖かった。」と言う人もいました。
 (一応児童図書館内なので、あんまり怖い話や残酷なシーンが出てくる話は扱えないのです。同じ乱歩でも「芋虫」などは今のベラルーシでは発禁処分対象ですね。もっとも「芋虫」はロシア語に翻訳されていませんが。)

 朗読会が終わった後は、日本のミステリー小説の本を興味を持ってくれた人たちに貸し出しました。
 実は普段は児童図書館向けではないという本は、閉架で保管していて、大っぴらに宣伝、貸し出しできないのです。
 しかしナイトライブラリーではそれができたので、よい機会に恵まれたと思いました。
 朗読会前にロシア語訳江戸川乱歩作品集の新装丁版が出版されたので、チロ基金の予算で購入しました。
 チロ基金支援者の皆様にもお礼申し上げます。
 またこのような機会に恵まれましたら、(あまり子ども向けではない)日本文学の紹介をしたいと思います。