ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2023年4月19日。ウクライナ侵攻から420日目

2023-04-19 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年4月19日。
 ようやく気温が上って17度です。

 ウクライナ大統領は今日、ベラルーシとポーランドとの国境地帯であるボルイニ州を訪問。国境警備隊員に感謝の言葉を述べ、賞を授与しました。


 ドネツク人民共和国トップのプシリン氏が昨日、ベラルーシでルカシェンコ大統領と会談し、貿易拡大について協議したことにウクライナ政府は猛批判しています。
 ウクライナはベラルーシによる露骨な非友好的行為あるとし、ベラルーシに破壊的な措置をやめるよう求め、協議のため駐ベラルーシ大使を呼び戻すと発表しました。


 ウクライナの女子テニス選手マルタ・コスチュクが、ウクライナメディア「トリビューナ」でロシアとベラルーシのテニス選手約50人のうち、ロシアのウクライナ侵攻に反対しているのは5人だけだと述べました。
 この5人は自国が本当に卑劣なことをしていることを認め、ウクライナの勝利で戦争が終わることを望んでいるそうです。密かに戦争に反対しているため国名や指名は明らかにできない模様。
 それ以外の選手については「平和を望むかもしれないが、ロシアが勝利した場合のみ。敗北を避けるため、喜んで何百万人もの命を犠牲にするでしょう」と語りました。
 ロシアとベラルーシの選手は中立を条件に女子テニスツアーに参加していますが、コスチュクはこの決定にも反発。ロシアやベラルーシ選手が「何事もなかったように、犠牲者のように振る舞っている」と非難し、握手も拒否するなど対立してきました。

 
 ベラルーシのテニス選手、サバレンカ選手は、自分自身は政治とは無関係だと強調しました。
「私はただのアスリートです。自分のスポーツでベストを尽くそうとしているだけです。自分自身に集中しようとしているだけです。」
 現在、ベラルーシとロシアのテニス選手は、中立の立場でテニスのトーナメントに参加することができますが、多くのウクライナのテニス選手は、試合後に握手することを拒否しています。サバレンカ選手は、
「私を見て、私を嫌う人もいるかもしれません。しかし今、私はウクライナに対して何も悪いことをしていません。私がベラルーシ生まれなので、私を好きではない人もいます。」

 プロの選手がスポーツに集中するのは当然ですが、国際試合のときは少し視野を広げてほしいです。
 戦争のせいで死亡したウクライナのアスリートも大勢います。その中で優勝して世界一になっても本当の世界一だと言い切れるのでしょうか。
 自分はウクライナに何も悪いことをしていませんと言っていますが、そして実際に武器を手に取り、ウクライナ人に発砲しているわけではないですが、自分のことしか考えていないこと、そして政治とは無関係と考えていること、人殺しをしていないからいいでしょ・・・という態度そのものが「ウクライナにしている悪いこと」ですよ。
 サバレンカ選手は試合のときロッカールームで嫌悪の視線を浴びていることについて、
「もちろん、試合に負けたときにソーシャルネットワーク上で(もうこの選手嫌いだという書き込みをする)人が多く出てきますが、ロッカールームではこんなことにに遭遇したことはありませんでした。なぜ多くの人が理由もなく本当に私を嫌っているのか理解するのは非常に困難です。」
と以前語っていました。
 本当にこの人の頭では自分が嫌われている理由が分からないのでしょうか。
 試合に負けたときに不特定多数の人から辛口の批判がネット上で広がることを「私、大勢の人に嫌われた」と認識しているらしいですが、それと試合会場のロッカールームで同じテニス選手から嫌悪の視線を向けられることを比較していますが、そもそも別物でしょ。
 何となく嫌悪の視線(この人ロシアの味方をしているベラルーシ人だ。だから嫌いという感情)を向けられているというより、「よく平気な顔して国際試合にやってきたねえ。恥ずかしくないの? 何も考えていないの?」と呆れられているのでは?と私には思えてきました。

 五輪もそうですが、世界で大きな紛争や戦争が起こっているときは国際試合は全く実施しないほうが無難なのかな?とまで思ってしまいました。