ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2023年4月2日。ウクライナ侵攻から403日目

2023-04-02 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年4月2日。今日はロシアとベラルーシの民族統合の日という記念日なので各地で関連する催し物が開催されていますが、どこを見てもロシアとベラルーシが、同盟国であり、仲が良くて協力しあっている、お互いがかけがえのない存在だという祝辞が述べられています。

 在ベラルーシのロシア大使は、ロシアがベラルーシ領内に配備する予定の核兵器は西部国境に移送されるべきと述べました。
 この大使の発言が政府の決定になるとは限りませんが、やはりベラルーシの西側にあるポーランドからの攻撃を前提として核兵器を配備する可能性は高いです。


 サンクトペテルブルクのカフェで今日、爆発が起き、ウクライナ侵攻の取材をしていたロシア人の戦場記者、ブラドレン・タタルスキー氏が死亡しました。カフェでは親政権派の催し物が開かれ、タタルスキー氏に贈られた胸像に爆発物が隠されていたそうです。爆発物の規模はTNT火薬に換算して200グラム以上だったそうです。
 ロシア内務省によると25人が負傷し、うち19人が入院するほどの重傷を負いました。
 タタルスキー氏は軍事ブロガーとして有名人でした。新政権派なので、ロシア軍のよいところばかり報道して瑛太と思いますが、今回の爆発物がしかけられていた物から考えて、テロというより同氏を狙った殺人事件のように思えます。
 ところが民間軍事会社のワーグネルのプリゴジン代表もこの座談会に出席する予定だったが、欠席したとも言われています。そうするとプリコジン氏を狙ったものだったのでしょうか。

 一方で座談会参加者の一人が撮影したと思われる動画には爆発5分ほど前の会場のようすが写っており、よく見えないのですが、贈り物がタタルスキー氏の胸像で、箱から取り出してお披露目しながら、「ハンサムだな。」「黄金製だよ。」などと笑ったり、会場の人が手を叩いたりしています。
 自分の姿をした胸像の中に爆発物がしかけられていて、そのせいで死んでしまうなんて、悪意を感じますね。やはりタタルスキー氏を狙った事件だと思います。

 タタルスキー氏の本名はマクシム・フォーミン。ドネツク地方のマケエフカ出身で2014年には民兵としてドンバス地方の紛争に従軍し、最前線の生活を綴る軍事ブロガーになりました。テレグラムのチャネラーであり、著作も2作品発表しています。
 本名はよくある名前なのに、ペンネームにブラドレン・タタルスキーという姓名を選ぶところにこの人の性格が出ているなと思います。ブラドレンはウラジーミル・レーニンを縮めた名前で、ロシア革命後に新しく作られた男性名です。今は自分の子どもにこの名前をつけるのは非常にまれです。
 タタルスキーという名字は「タタール」から来ていますが、ロシア人なのにタタール(ロシアとは別の民族の名称)という名字を選んでペンネームにするのは、どういう感覚なのでしょう。それでいて名前はレーニンですよ。

 今回の爆発事件が起きたカフェでは毎週末座談会「サイバーZ前線」が行われており、今日のゲストはタタルスキー氏だと告知されえていたため、同氏がそこへ町以外なく来ることを犯人は把握するのも簡単だったでしょう。
 座談会の入場は無料。主催者は、セキュリティ対策を講じていたが、十分ではなかったと述べました。
 胸像が入った箱を持ってきたのは若い女性だったという証言もあります。